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刻命館VS帝國華撃団 帝都妖異譚

作者:HR専
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第一部
第一章
  援軍到着

 
前書き
本作は35HR様の自作ゲーム・プリンセスティアーズのサイトに掲載させて頂いていたもののマルチポストであります。  

 
マリアの未だ荒い息遣いだけが残る部屋に、どこからともなくゆらり、と
館の主が入ってきた。
「ふふふ・・素晴らしいですわ、帝国歌劇団の王子様の自慰が見られるなんて・・・
素敵でしたわよ・・・・」

「許せないわ!マリアさんにあんなヒドイことをしておいて!」

「ふふ、貴女もお楽しみだったのではなくて?
はまり役だったシンデレラから、次なるオトナの役を期待してますわよ」
「黙りなさい!破邪剣征!桜花放神!」
裂帛の気合と共に、さくらは荒鷹を振るう、
だが、何も起こらなかった。
「うそ・・・なんで・・・」
「ふふふ、淫乱女には使えない剣なのでしょうね・・・・」
そう言いつつ、さくらにじりじりと歩み寄る。
「ヒッ・・・・いや・・・」
マリアを捕獲し、いいようにしてしまう程の強敵を前に、
自分の必殺技が使えない、自分の辿るであろう運命を思い、
さくらは恐怖した。

「本当は今夜の主役を貴女に務めてほしかったのですけど・・・
私はマリアさんと遊ばせてもらうので、そろそろお引取り願いましょうか」
そう言うとさくらの足元の床が電撃と共に跳ね上がり、さくらは
宙を舞った挙句壁にたたきつけられた、
・・・かに見えたが、石壁がどんでん返しのようにくるりと回り、
さくらは外に放り出された。

ドサッ・・・何の変哲も無い壁から、サクラが飛び出してきた、
それを見た椿は驚いて大声を上げた、「きゃあああ!!」
隠密裏にこの館に侵入すべく、別な所を調べていた紅蘭が慌てて振り向く、
「な・・・・椿はん!気づかれたら、どないするんや」「さ、さくらさんが、壁から飛び出して来ました!!」
「なんやて!?」急ぎ足で紅蘭はそちらに向かう。
「さくらさんが、その、壁から転がり出てきたんです。」
紅蘭は指し示された壁を触ってみる「・・・・なんもとっかかりがあれへん・・・
どんでん返しとかなら、ひっかかる筈やけど」
「う、うーん」電撃によるダメージの残るさくらが意識を取り戻す、「あ、マリアさん!!」
「落ち着いてさくらさん、一体どうしたの」自分の下の感触が
冷たい床ではなく草むらであることに気がつくさくら、「ここは、館の外・・
マリアさんは、マリアさんも助けてくれたの!?」椿と紅蘭が自分を助け出してくれたと
さくらは勘違いをしているようである。「いや、急にさくらはんが壁から飛び出してきたんや。」
「じゃあ、やっぱり私は・・その・・たたき出されたのね・・・」
椿は疑問を呈する「一体どうやって・・・私には壁がひっくり返って出てきたように
見えたんだけど」「壁に叩きつけられる前に、跳ね上がる床で吹き飛ばされたんですけど、
その際に普通の仕掛け罠とは違う、妖力のようなものを感じたんです。」

「そういえば私も、壁からザラザラした感じを受けました」
ある程度の霊力を持つ椿も、それを感じ取って同様の意見のようだ、紅蘭は考え込む、「ふうむ、聞いたことがあるで・・・・」
「知っているの!?紅蘭!?」
「これはたぶん、中国の秦王朝から伝わる宮廷専用の仕掛け罠や・・・」  
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