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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

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【第639話】

 
前書き
混浴 

 
 混浴、それは甘く甘美な響きのある男の夢の桃源郷。

 現実は年老いたご老人達の憩いの場であり、若い女性が混浴風呂に入るのは希ともいえる。

 だが本日はIS学園貸切状態――男も有坂ヒルトのみで織斑一夏はまだ旅館に戻ってさえいないという事実。

 女子脱衣場では華の十代女子がキャッキャッと騒ぎ、水着に着替えていた。


「ティナってば、また胸が大きくなったんじゃない?」

「あら、そうかしら?」

「絶対そうだよー。 夏の時もそうだったけど、こぼれ落ちそうじゃん。 ……いいなぁ……」


 ティナ・ハミルトン、その身に包まれた星条旗カラーのトライアングルビキニからこぼれ落ちそうな豊満な乳房、面積からはみ出た柔らかな膨らみは上下共に見えていて規格外のアメリカンサイズに羨ましそうに周りが見ていた。

 そしてのほほんと水着に着替えているのは布仏本音、夏は着ぐるみみたいな水着を着用してそのスタイルを隠していたのだが今は混浴という事もあってかフレア・ビキニを選んでいた。


「あれ? いつもの着ぐるみ水着じゃないんだ?」

「うん~。 あれもお気に入りだけどー、やっぱたまにはこういうのもいいかなぁってー」


 白いフレア・ビキニを着た布仏本音、ティナ同様その爆乳は周りの女子が羨むほどだった。

 スタイルはそれぞれ、水着も彩り鮮やかで赤やピンクに黄色、七色や黒、種類も様々で各人の大事な所を隠している。

 勿論、少しずらしたり紐を外せば桃源郷が現れるのだが……。

 一方で男子脱衣場、広々とした空間で海パンに着替えるヒルト。

 夏に着用したのとは違い、真っ赤なファイアパターン柄の海パンだった。

 本来浴場なら全裸なのだが流石に混浴という事もあり、水着を着用。

 早速脱衣場を出て広々とした温泉へと足を踏み入れる。

 湯気が立ち込め視界は悪いのだがそれでも全体を見渡せた。

 湯は白く濁りを見せている、足を湯に入れると其処から波紋が拡がりを見せ、全身を湯に浸かると勢いよく波打つ。

 自然とこぼれ落ちる歓喜の吐息、このままゆったりしたい――そう思っていた時だった。


「お兄ちゃん、早いね入るの」

「ふふっ、昔からヒルトは一番風呂が好きだもんね?」


 現れたのは妹の美冬と未来だ、美冬は基本的な青のトライアングル・ビキニで未来は紐を首の前で交差させた赤いクロスホルター・ビキニだった。

 二人してその巨乳を強調するような水着は下半身に悪い――と、未来らが現れたのがきっかけなのか女子が続々と浴場に足を入れた。


「わぁっ! 広い温泉ですね♪」


 ソフィー・ヴォルナート、黄色のオフショルダー・ビキニだ――胸元は見せていないものの大胆に露出した肩は美しささえ感じさせた。


「み、水着でヒルトくんと混浴……恥ずかしいです」


 鷹月静寐、オーソドックスな白のトライアングル・ビキニに腰にパレオを巻いた出で立ちだった。


「私は平気。 ヒルトになら全てを見せてもいいぐらい」


 セラ・アーカニアン、褐色肌に映える白のモノキニで正面からはワンピース、背後からはビキニの様に見える水着だった。


「エミリアだって見せられるよ! ヒルトくんにならエミリアの全部っ、あげちゃうんだからっ」


 エミリア・スカーレット、赤いマイクロ・ビキニで圧倒的な肌面積を晒し出し、ヒルトの視線を釘付けにしようという魂胆だった。

 だがそこは混浴風呂、多種多様様々な水着を着た十代女子が続々と入ってくる。

 あっという間に埋め尽くされる温泉、ヒルトを中心とした水着美少女軍団が形成されてハーレムが出来上がったのは言うまでもなかった。

 一方で旅館入口、現れたのは一夏だった。

 集団行動の最中、一夏の言い分では映画撮影に巻き込まれた結果――だがそれを許せば皆に示しがつかないのは明白だった。


「遅かったな、織斑」

「……! 千冬、姉……」

「………………」


 腕組みし、背後に鬼が見えて冷や汗をかく一夏。

 時間は既に八時を回っている、入浴時間で既に夕食の後片付けは旅館の従業員が済ませていた。


「……織斑、修学旅行の最中に単独行動してクラス全体の輪を乱したのだ。 申し開きでもあるか?」

「ちょ、ちょっと待ってくれよ千冬姉。 あの状況じゃ断れなかったし、それに千冬姉が断って――」

「馬鹿者。 確かに私はお前の保護者だが同時にIS学園教員、修学旅行時の引率者でもある。 お前だけを特別扱いするわけにはいかない」


 千冬は確かに一夏の保護者で、居ない親代わりに小学校への入学手続きや市役所への届け出等を担ってきた。

 無論千冬自身一夏が生活の足しの為に歳を誤魔化してバイトをしてたのも知っている、姉としてそれは勿論嬉しい。

 だがここ最近の迷惑行為の数々には流石に見過ごす訳にはいかなかった、警察沙汰もあれば今みたいな単独行動、ISの無断使用を容認したともなれば教員としての示しもつかない。


「反省文の提出、及び実習室での学習。 それと本日の深夜十二時まで自室にて正座を崩さず過ごせ」

「っ……」

「無論夕食は無しだ。 自分の身勝手な行動が今の事態を産み出したのだ。 わかったな、織斑」


 本来ならもっと厳しくてもおかしくない、だがせっかくの修学旅行の思い出を潰させるわけにもいかない。

 今日もISの無断使用したのは撮影班のスタッフがSNSでの投稿等でもあげられていた、直に委員会からも連絡が来るかもしれない。


「さっさと自室に戻って正座してろ」

「わかり、ました……」


 項垂れる一夏、着ていたタキシードも心なしか着崩れていた。

 小さくため息を吐く千冬、そのまま旅館の外に出て夜の京都の街へと歩み始めた。


「ヒルトくん、背中流してあげるね?」

「あら? その役目は私よ?」

「ちょ、ちょっとティナ! ヒルトに何乳を押し付けてるのよ!!」

「あらあら、有坂君ったら……元気になって……♪」


 一夏が戻ってきた頃のヒルトは女子一同にもみくちゃにされていた。

 圧迫する無数の乳房、柔らかな尻の感触、女子生徒の耳を擽る吐息に欲望の塊も構築され、それを見た神楽が口許に手を当てて微笑んでいた。

 ヒルトは思う――女尊男卑の世界ここに極まれる――と。

 初な女子生徒は思わず手で顔を覆うが、やはり肉体関係になった者や性への興味がある子等は勃起状態の欲望の塊に興味津々だった。


「ぬぉぉ、もうご勘弁を……」


 何とか柔らか天国から抜け出るヒルトだったが正面に立ちはだかる女子が――。


「やん、ヒルトくんったら。 とりあえず背中流してあげるね~」


 全身泡まみれのエミリアがにこやかに告げる――が。


「お待ちくださいまし! その役目はわたくしがお請け致しますわ!」

「な、何抜け駆けしようとしてるのセシリア!? ぼ、僕が全身を僕の身体を使って洗うんだから!」


 対立するセシリアとシャル、エミリア――。

 背後からヒルトを捕まえたティナは背中に胸を押し付けるように抱き着く。


「あら? ヒルトは私が洗ってあげるから心配しなくて良いわよ?」

「狡い! エミリアが先だもん!」

「あら? 私の方が彼を気持ちよく洗えてあげられるわよ?」


 更に背中に柔らかな膨らみを押し付けるティナに、海パンにテントが張られて構築される。


「ひ、ヒルトくんは渡しません!」

「えー、静寐だけのものでもないよー? ヒルトくん、私が洗ってあげる」


 追い付いた鷹月静寐、鏡ナギの両名が腕を取り、積極的にも手を恋人繋ぎにしてアピールする。


「あらあら、では私は前からですわね?」


 神楽も悪のりして抱き着く――勃起した欲望の塊が神楽の水着越しに当てられる――色んな意味で天国であり地獄であった。


「もうっ!! 皆悪のりし過ぎ! お兄ちゃん困ってんだから抱き着くの禁止ーッ!!」


 美冬の怒声と共に引き剥がされる女子面々、建前は兄を助ける。

 本音は嫉妬という複雑な禁断の恋心によってヒルトは引き離された。

 ヒルトは思う――お風呂はやっぱり一人で入るのが一番だな……と。

 その一方でエレン・エメラルド――混浴というヒルトと共に風呂に入るのが恥ずかしいのかブクブクと顔までお湯に浸かっていた。

 そんな彼女の水着は――ローライズと呼ばれる露出の高い水着だった、勿論色はエメラルド・グリーン。

 遠巻きにヒルトのやり取りを見ていると不意に近づいてくる影が――。


「エレン、日本のお風呂はどう?」

「ぶぼっ!? な、何だ……未来か。 ゆ、湯加減は悪くない」


 不意の接近に驚くエレンに、クスッと笑う未来。

 ヒルト達の騒がしいやり取りを遠巻きに眺めつつ、未来は――。


「どう? 少しは学園生活慣れた?」

「あ、あぁ。 色々驚く事も多々あるが……慣れてきてるのがわかる」

「そっか。 ――エレン、エレンはヒルトの事好き?」

「……!?」


 いきなりである、ヒルトの事が好きと聞かれて目を見開くエレン。

 湯加減のせいか白く透き通る肌は桜色に染まり、同時に頬に熱を帯びるのを感じた。


「い、いい、いきなりだな……」

「ふふっ、そうかも。 ……それで、好きなの?」

「…………」


 未来の問いにどう答えたらいいのかわからないエレン、ヒルトの事が好きなのは事実だが隣に居る未来はヒルトの幼なじみである。

 同性のエレンから見ても可愛く、背が小さく無駄に胸に脂肪が行った私よりもスタイルのいい未来が少し羨ましくもあった。

 それに――明らかにヒルトに恋してるのは明白であり、どう答えようか悩んでいると未来はまた小さく微笑む。


「ふふっ、別に気にしなくてもいいよ? ……前だったら、ヤキモチいっぱい妬いちゃったりしたかもだけど。 今はヒルトがモテるのも当然かなって思うし」

「そうなのか……?」

「うん」


 力強く頷く未来、ヒルト等のやり取りは続いていて、諦めたのかヒルトは女子に囲まれて身体を洗われていた。

 何処からか猫の鳴き声も聞こえてくる――ヒルトに着いてきたシャイニィことにゃん次郎の鳴き声だった。

 未来、エレンのやり取りはその後も続く――そして、暇していたにゃん次郎は温泉へと散歩に来ていて一連のやり取りを眺めていた。


「にゃう……(鼻の下が伸びてるわ。 後で顔面ペチペチの刑ね)」


 一同の楽しそうな混浴の様子を眺めながらにゃん次郎はそんなことを考えているのだった。 
 

 
後書き
もっと書こうかと思ったけどパワーダウン

そして私事だけど特養の月謝の高さにヤバい

何でもお金かかりすぎなのに仕事の賃金上がらんかったらそりゃ何処も人手不足になるわと

人件費削れば削るだけ苦しめてる気がするけどねー

ってもまあ去年の仕事で解ったことだが、仕事できない上にわがままな人間が多いのもヤバい 
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