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詩織の「もう裸にして」

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全裸にされないのも、感じちゃう。


週末の夜、彼がまさかの18禁アニメを持って私の部屋に来た。

高校生のセックス。アニメはどこまで見せるのか?

その疑問に答えるように、
高校生カップルはラブホテルに入った。

すぐにヒロインはワンピースのファスナーを下ろされ、純白の下着姿に剥かれた。
そう、果実のように、剥かれたのだ。

――彼女は「寒い」と言った。

体の大部分が空気に触れているから当然かもしれないが、
本当は「恥ずかしい」と言いたかったのだろう。

しかし、ヒロインはもっと寒い格好にされてしまう。

ベッドに横抱きで運ばれてきた彼女は、一糸もまとっていない。(主人公は完全着衣)

脱がされたのか、脱いだのかは知らないが、下着を別室に置いてきた以上、ヒロインも覚悟するしかない。

主人公はなかなか裸にならず、ヒロインの乳房を触り、足を開き、羞恥ムードを盛り上げる。
処女なのに、あえぎ始めた彼女。
不意に、声優さんのことを思った。
スタジオで着衣のまま立って、プロとして腹筋を使って、この悩ましい声を出しているのか。

演技として割り切っているのか、少しはプライベートの経験を役立てているのか。

ともかく、いつの間にか全裸になっていた彼が、一気に処女を貫いた。

その瞬間の声は――演技だな。本当は、ウッという気合いで受け止めるものだから。

征服されたあと、どう感じるかは人それぞれだ。
痛みを伴う蹂躙を、苦痛ととるか、喜びととるか。

――奇妙な達成感にホッとしたというのが、私の初体験の感想。

ただ、裸の私を5分ほど休ませたあと、
二回目、彼は、信じられないぐらい激しく攻めてきた。
性交が痛いのは、最初の一回だけという誤った知識のせいだったと、あとで知った。

画面のなかの主人公はどうだろう。
往復運動で、あえぎまくるヒロインをゆすっている。

正常位だが、ヒロインはお尻をあげ、空中に裸体を浮かべるようにして、動かされている。乳房が大袈裟なほど上下する。

リズミカルなあえぎ――この初体験は幸運にも痛くなかったのかもしれない。無我夢中でイカされているヒロインに嫉妬してしまった。


さすがに射精は描写されず、幸せそうに二人が眠りについたところで、ハッピーエンド。

ロストバージンに限っては、色々な後始末を少女はするものだが、
そこはアニメ的な理想だろう。

テレビを消してから、彼が語るともなく解説をしてくれた。

・清純な少女の“覚悟”のいじらしさ。
・しかし、いざとなれば震えるほど恥ずかしがり、
・全裸にされて、再び“覚悟”し、
・受け入れてしまってからは、羞恥心を完全に忘れて、悶えてほしい。
・・おまけ、裸のままで抱きあって眠りたい。

――まあ、まさにいま見たアニメそのものである。

羞恥心か。

ヌードモデルになった時。ビキニの水着になった時。レオタード姿になった時。それぞれあったな。(一般と順番が違うわね。私の場合)

見られることに慣れちゃうからなぁ。
今もゼミ専属のヌードモデルやってるけど、最初の「清水の舞台から」といった勇気が嘘みたいに思えるし、
水着だって、むしろ競泳水着のほうが恥ずかしい気がする。

一番、慣れなくて恥ずかしかったのは、高校のテニス部の試合用ユニフォームかな。当時としてもすっかり少数派になっていたスコートに、絶滅危惧種の純白アンダースコートだった。まあ、プリーツタイプじゃないからめくれなくて、せっかくの?アンスコは滅多に見えなかったけど。

アニメのあとは愛の交歓――。

まずは着替え。白い下着に換え、水色のワンピースを着た。
その間、彼は、あえて背中を向けていた。

OK。
私の声に振り向いた彼が、私を抱きしめる。
すぐに、軽くお尻をタッチした。
そして、キス――舌を入れない、長いキス。

うっとりしかけた頃――シャッ。

背中のファスナーが下ろされ、ブラとショーツが披露された。

そのまま、ワンピースがまとわりついた格好でキスが続いていたが、
唇が離すと、彼はショーツの中に手を侵入させお尻を直接触ってきた。
恥ずかしかった。

時々、通学電車でソフトな痴漢に遭い、着衣の上から定番のお尻タッチもされるが、その時感じるのは嫌悪感であり、羞恥ではない。

さんざん私を裸にしてきた彼が、今さらのように、下着のままで触ってくる――私の中で、もどかしさと羞恥心の区別がついていないのだろうか。


ああ、服をはだけられるという恥ずかしさ。

「いや……」

ブラの中で乳房を揉みほぐされ、ワンピースはめくりあげられ脚を撫でまわされた。

まるで、無理矢理の――レイプ。

それなのに、手はショーツから撤退していた。
確認するまでもなく、完全に露出しているというのに。
責めてくれないの?

羞恥と快感――潮を吹くのは時間の問題だろう。

「あ、ああ、ああ、うっ」

ブラがたくしあげられ、乳房がこぼれた辺りで、声が出た。

「もっと感じて」
「ああ、あん、あん、あん」

愛撫のリズムが合ってきた。なにふりかまわなくなる、私。

「裸にして…裸にして…裸にして…」

はしたないリクエストだった。
本当に、裸にしてほしかった。

快感を服や下着が邪魔するのだ。

こんな時に、変なことを思い出した。
テニス――試合の時の恥ずかしいスコートから、ジャージに戻ると、とたんに“重さ”を感じるのだ。
スコートの動きやすさ、軽快さを改めて実感し、次の試合があるときは、かなり早くからジャージを脱いでいたものだ。
審判台には必ずスコート姿で上がっていた記憶がある。

アンダースコートをいいことに、かなり刺激的なこと――柔軟とか――をしたなぁ。

そんなことを思い返していたのは、実に短い間で、

私は羞恥の責めを受け続けていたのだ。

彼がようやく、ワンピースを脱がせにかかったので、便乗して、自分で脱いでしまった。

あっけなかったのか、彼が落胆の色を浮かべたようだが、こればかりは仕方がない。


そこからは攻防戦となった。

はやく裸になりたい私と、まだまだ辱しめたい彼が、ベッドの上で格闘する。どっちも変態だ。

ようやく、ブラジャーがずり上げられる――いっそ外してほしい。

あん。
ショーツの中に手が入って、恥毛をまさぐっている。
いったん剃られたあとは、せっかくだから手入れしているのよ。ちゃんと見て……。

なんとかショーツ一枚の姿になれた私。
ようやくブラが外されたのだ。嬉しかった。

――ところが、その見返りが声優ごっこ!?

音量ゼロで再生されるアニメの画面に合わせて、あえぎ声をあげてほしいという、とてつもなく変態な提案だった。

床に立った私に、彼は指一本触れないという。さらに、私が自分の体に触るのもNG。直接の刺激がないまま、演技力で羞恥の声をあげろというのだ。

――それでも、

「あっ、あっ、ああ」

意外なほど、いつも通りの声が出た。
純白ショーツ一枚という恥ずかしい姿にされた効果だろうか。
彼は私の裸体を後ろから見ている。反応がわからない。

処女を破壊する挿入シーン――

「うっ、あ、ああー、あー、いや、いや、ああ」

画面のヒロインは、マリオネットのように力の入らない全裸の体を預けていればいいのだが、

刺激されない私は、あの時の痛みの記憶をもとにあえながなければならなかった。
経験の記憶を頼りにあえぐ私。それでも、立った姿勢で全裸にされていないという乖離は大きい。

これをセカンドバージンというのかもしれなかった。

完敗……。

立ったまま、潮を吹いた。

私はついに座り込んでしまった。

ずぶ濡れのショーツとフローリング。
「惨状」を見て、彼は、浴室行きを許可した。

ブラを脱衣カゴに入れ、“全裸でシャワー”という普通のことをした。
(ただ、最初にお湯をかけたのが、手に持ったショーツだということは普通と違う)

結局、慰みものにされたみたいな私。

例えば、ブラジャーだって、ずり上げられたと思ったら、いつの間にか戻されていて、多分、体から離れるのまで3回は乳房をこすったと思う。

対照的にショーツは最後まで位置を変えさせられず、それが最大の辱しめとなった。

彼は満足したのかな?

私はバスタオルだけ身につけて、リビングに戻った。

彼は、全裸だった。

全裸の彼が床を拭いていた。

脱衣に時間がかかったとは思えないから、私のシャワーの時間が短すぎたのだろう。

床の掃除が終わったら、やることは一つしかない。

彼は、確かめもせず、「パンティ」を穿くように指示をした。

何度言っても、ショーツという名称を覚えないのだ。

優しく、私は床に倒された。

長いキスをされながら、はがされたバスタオル。

敷物のように広げられたバスタオルの上には、パステルピンクのショーツ一枚の私。

キスを終えた彼が、鑑賞している――。
鑑賞されながら、次第に落ち着きを取り戻していく、私。

写真に残してほしいとまで思った。

ヌードモデルをやっていることは彼も許可しているが、不思議とセックスやその前後では撮影しないのだ。

ヌードを撮影するときは――プロみたいに彼は着衣だ――全裸の私に指一本触れない。
私も絵画モデルのようにガウンを着て、指示とともに紐を解いて裸体を露わにすると、着衣の彼を恋人というより芸術家と思ってしまうのだ。

そんな撮影会が今までに5回くらいあって、“着衣の彼”になら裸を撮影させる私が、“全裸の彼”でもいいと考えたのは、やはりアニメ吹き替えという特殊なシチュのせいだろうか。

今回は、絶妙のタイミングで“パンティ”を脱がせてみせるという。

大丈夫かな。
愛撫の手順はいつも通りだよ。
ただ、ショーツを穿いたまま、床の上だというのが新鮮だから、もう潤んで……あ……きて……る……うぅ……けど。

慣らすように、少しずつ私の体を折り曲げていく彼。

すでにショーツのシミが性器のシルエットになっているのだろうが、確認なんてできない。

「う、う、あ、あ、あ、いや」

ちょっと痛い。しかし、痛みに勝る快感が声を奪う。

「えっ、えっ、ちょっと……」

定番の四つんばいも、なまじ全裸じゃないからかえって恥ずかしい。

たいていは四つんばいに固定されたら乳房を責めてくるが、
今日はショーツ付き。
――もう、食い込んでいる布地をさらに食い込ませる、信じられない彼。

硬直し、声もあげられなかった。

本体が突入してきたのは、この直後だった。


最後の凌辱は全裸にされてから、全身が征服されてからと思っていた。

ショーツ一枚あるだけでセックスはこんなに違うの!?

新発見の驚きは、とてつもない快感に置き換わっていく。

「ああ、ああっ、ああっっ、あん、ああーん、ああ、ああ、ああっ」
「う、う、はあっっ、あー、はあっ、はぁ、はぁ、はぁはぁ」
「あー、いや、いやっいやっ、ああん、ああん、ああーん」

あえぎにあえぎ、のたうち回った私だった……。

背中に飛んだ、液体。

うつ伏せで、平らに伸びた私の裸体。

その状態での休息は、たった一分だけで打ち切られた。

なぜか、バスタオルが体の下から引き出されて取り除かれ、ひんやりとしたフローリングを感じることになった。

「えっ!?」

ショーツが、奪われる!

「脱がすって言ったろ」
彼は、この期に及んで、私を全裸にした。

初めて、私は、全裸を恥ずかしいと感じた。

「もう一つの穴」

彼はそうつぶやいた。

まさか……。

彼は、私の腰を持ち上げた。

四つんばいになることは許されず、胸は床につけたままの究極の恥ずかしい姿勢にされた。

無防備な局所は、激痛に耐えられるだろうか。
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