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KANON 終わらない悪夢

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85舞の悪夢3


「…ここで私達繋がるの? 男と女はここで繋がるの?」
「そうだ…」
 舞に跨られ、また逆レイプされてしまう祐一クン。

(舞… あんな嬉しそうに… それに男の人のって、ああなってたんですね)
 親友の性行為を見て、激しく興奮する佐祐理。 その相手が自分では無かったのは残念だったが、今度是非仲間に入れて貰おうと思っていた。

「うっ!」
「痛いか? もうやめるか?」
「もっと痛くしてっ、血が出るぐらいじゃ、他の子と変わらない、そうでしょ?」
 結構Mだった舞ちゃん、さすがに10年間、自傷行為を続けて来ただけの事はあった。

(ああっ、舞の中にあんな大きな……が。 本当に裂けて血が…)

『あっ…… 繋がってる… 祐一と繋がってる……』
「ああ…」
 体重を掛けて祐一を奥まで招き入れた途端、祐一の声だけでなく、心の情景も全て伝わって来て、また泣き出して覆い被さる舞。
「…あの時はできなかったけど、今ならこうして一つになれる…」
 祐一としては、何も知らなかった昔ならできたかも知れないが、実の姉と交わるのは、まだ心の奥で引っ掛かりがあった。
「この後はどうすればいいの? 祐一はどうして欲しいの?」
 そこで祐一の心を覗き込むと、上下に動いたり、締め上げて刺激を与えれば、祐一が気持ち良くなると分かった。
「こう? こうすれば気持ちいいの?」
「うっ!」
 祐一の顔を撫でて、気持ち良さそうにしているのを眺め、約束の少年と繋がりながら、自分の体にその印を刻み込み、治らない傷を付けている状況に満足する。
「ああ… こんな事って…… 何もかも祐一と一つになってる…」
 10年前、知ってさえいれば、あの麦畑で繋がり合えたのを後悔する舞。 ここまで強い絆が出来ていれば、遠く離れていても心が通じ合えたかも知れない。 8歳の自分には子供は産めなかったが、今ならそれも出来る。 もう今日は人として成せる縁があるのなら、全て済ませてしまおうと思っていた。

(ああ… 舞と祐一さんがセッ*スしてる… こんな事って)
 もう下着もスカートも脱いで、ソファーの上で何度も自分を慰めている佐祐理。 ピチャピチャと体液が滴り落ち、布のクッションを汚して行く。

「これ? これがいいのっ?」
 表情と心を覗かれ、どこをどうすれば気持ち良いか、全て分かってしまう舞。 血でぬめる自分の傷口に、祐一の体液を擦り付けて行くのが、とても心地良かった。
「だ、だめだっ、気持ち良すぎるっ」

(あんなに血が出てるのに、どうしてそんなに嬉しそうなの? 舞)
 佐祐理の目の前には、その部分だけでなく、舞の表情も映っていた。 ここ数日、表情の無かった親友に感情が戻り、今は蕩けそうな表情で、弟の上で腰を振り、乳房を揺らしている状況を見て驚かされる。

「舞っ、もう離れてくれっ」
 全く避妊しない状態での姉との交接。 如何に自分達が獣だと言っても、秋子ちゃんや舞の魔物が言う通り、姉の体の中に自分の子を宿す訳にはいかなかった。
「…来るの? 私の中に祐一が来るのね、じゃあ沢山来てっ!」
 祐一の心の奥に見えた光景で、このまま精を受け止めるのが、子供を宿す方法なのだと感じた舞。
「あっ、もうっ! 離れ…」
『嫌っ! 外に出さないでっ!』
 香里や秋子のように、祐一の体液が自分の体外に出されるのを嫌い、舞は腰を落として祐一を自分の一番奥に詰め込み、手や足を絡めて絶対に逃がそうとはしなかった。
「だめだっ!」
 懸命に暴れて舞の呪縛から逃れようとする祐一。 しかし、耳元で哀願されるように、この言葉を聞かされる。
『お願い、祐一の子供が欲しい』
「ううっ!!」
 また命令されたのか、泣くような声で頼まれたのが効いたのか、最後の堤防が崩れ、決壊するように自分の全てを姉の子宮の中に放出して行く祐一。 それは耐えに耐えた分、血の繋がっていない叔母と交わった時より激しく、従妹の少女と交わった時より心地よい快楽の波が何度も続いた。
「…溶けてる、私達、溶けて一つになってる……」
 自分の下で快楽に溺れ、喘ぎ声を出しながら射精している弟を見て、満足そうにその表情を眺めている姉。
 その間もずっと、祐一の顔には舞の涙がこぼれ落ちていた。

(ま… 舞があんなに嬉しそうに泣いてる… それは祐一さんだから? それとも…)
 親友の性行為を最後まで見届け、何度も達して、ぐったりしている佐祐理。
 ここ数日、舞に表情が戻り始めているのは気付いていたが、泣いて、叫んで、笑いながら涙を流すなど、決して自分の前ではしてくれない。 佐祐理の心の中にも、嫉妬の炎が燃え上がった。

「なあ…、俺達こんな事して良かったのか?」
 交わってやっと力尽きたのか、祐一に乗ったまま、肩で泣いていた舞に問い掛けてみる。
「…嫌だった? 私の体、どこか変だった?」
 今頃になって少し顔を赤らめ、恥ずかしそうにする舞。 他の女のように無駄毛を処理する知識は無かったので、美汐や名雪より毛深いままだったが、それを変に思うより、自然な感じすらした。
「いいや、どこも変じゃなかった、凄く綺麗だった」
 妖狐の魔性の血がそうさせたのか、真琴や秋子には、人とは違う獣の美しさがあり、舞もその血を色濃く受け継いでいた。
「じゃあ、これからはずっと一緒にいてっ、もう離れたくないっ」
「舞…」
 舞にとっての運命の少年で、自分の左右の手とも和解させてくれた恩人。
 祐一にとっては姉であり、自分の分身と縁浅からぬ相手。 舞にも他の少女達のように、痛みがある思い出があるように思えた。

 やがて、いつものように裸のまま抱き合って眠る二人。 もう母が帰って来てもおかしくないほどの時間が過ぎていたが、催眠術にかかったように目は覚めなかった。
 そこで、油断し切った二人の枕元に、天使の人形が現れた。
(まだ許さないよ。 これからもっと傷付けてあげるからね)
 こうする事は罰でもあり、天使の人形を構成している一人、舞の祐一の願いでもあった。 思い人と結ばれた後で奪い去り、さらなる地獄に叩き落そうとも… 以前、置き去りにしてしまった少女を抱き締め、これからは暖かく見守ってやりたいとも思っていた。
(さあっ、思い出せっ!)
 笑顔のまま、舞の祐一が持つ恐ろしい記憶を送り込む天使の人形。 

「たすけてっ、たすけてっ」
 森を抜け、力の有る者を探す祐一。 真っ直ぐ道を駆けて行った他の祐一と違い、舞の祐一だけは捻れた道に送り込まれ、3年前の癒しの力を持つ舞の所に辿り着いた。
「たすけてっ、ともだちがけがしたのっ!」
 その後、「誰か」を助けて貰い、感謝の気持ちと共に、時を越えて舞に会いに行った祐一の分身。
 思い出の麦畑で駆け回り、ウサギの耳を付けた少女を追い掛けた思い出。 休みの終りが来た時、「もうあえないかもしれない」と言って、置き去りにしてしまった記憶までが戻された。

「たすけてっ、たすけてっ」
「どうしたの? 祐一、祐一っ!」
 うなされて泣いている祐一を起こすと、抱き合っている弟が昔の自分を思い出したのに気付いた。
「まいちゃん…」
「祐一…」
「あのときはありがとう」
「うんっ、うんっ…」
 祐一の心の中に、麦畑の風景や幼い自分、ウサギの耳があるのを見て、暖かい涙を流す舞。
 その中に、木から落ちて血まみれになっている少女はいなかったが、かえって都合が良いと思ってしまう舞だった。

(また、あゆちゃんがいない方が良いって思うんだね。 そう考え続ける限り、僕は君を許さないよ)

「ただいま… 舞っ、何してるのっ?」
 一つ布団に入って、裸で抱き合って寝ている娘と男友達を見れば、何をしていたか一目瞭然だった。 しかも娘の方は泣いている。
「…お母さん、お帰りなさい」
 そこで、眠ったままの男友達の「上」に乗っていた娘が、別人のように嬉しそうに笑ったので少し安心する。
「そうだったの… 邪魔しちゃったね」
 舞の全ての行動に対し、制限を加えようとしない母。 もしかすると、蘇らせられた時、既に自由を奪われ、無理に生かされ続けている存在なのかも知れない。
「…もう終わったから大丈夫」
 体を起こして身支度をしようとしたが、まだ抱き合っていたくなり、また布団を被って祐一に乗り直す。
「…しばらくこうしてても良い?」
「え? ええ…」
 母もその状態を見て、ふしだらな行為とは思えなかった。 自分と同じように、娘にも運命の人が現れ、19年前の儀式が再現されているような錯覚を覚えた。
「舞、もしかして丘に行ったの? その人、丘から降りて来た人なの?」
 元は普通の人間でも、祐一の父と触れ合い、縁の出来た母にも、祐一の特別な力が分かった。
 しかしその結末は悲しい別れ、一月と経たない間に今生の別れがやって来る。 自分の娘には、あの悲しい別れを経験させたくは無かった。
「…違う、祐一とはあの麦畑、今の学校のある場所で会ったの」
「そう… でも?」
「…10年前、化け物って言われてた私とずっと遊んでくれた… あの夜の麦畑で、月が昇って沈むまで、私と祐一の分身は毎日遊んだの」
 そこまで聞いて、やはり目の前の少年が常人ではないと思い知らされる。
「どうしてその子にも、そんな力が…」
「祐一は私の弟だから…」
「えっ?」
 舞の心の声は僅かながら母にも届いた。「自分と祐一の父親は同じ、丘から降りて来た妖狐」だと。
「…私のお父さん、お母さんの好きな人はまだ生きてる。 でも、祐一のお母さんに記憶は消されてるから何も知らない… 覚えてない…」
「い、今… 何て言ったの?」
 突然信じ難い話を切り出され驚く母。 自分の運命の人は、予感していた通りどこかで生きている。
 それは多分、あの時現れた妖狐の姉妹の一人、自分と抱き合っていた時、怒り狂った妖狐に囚われているのだと思えた。
「…繋がってる間に祐一から聞こえて来た。 お母さんと別れた後、生き残るにはそうするしか無かったって… 今日、祐一はそれを教えに来てくれたの」
「じゃあ、その子はやっぱり、舞の弟なの…」
「うん、私ができた後に産まれた。 最初会った時は、祐一の方が年上だったのに…? 絆があったら、時間はあんまり関係無いみたい」
 母親の問い掛けとは次元の違う答えをする舞。 母が驚いているのは、舞の父親が生きていた事でもあるが、自分の娘は血の繋がった弟と平然と交わって、嬉しそうにしている所にあった。
「駄目なのよっ、姉弟で結婚はできないのよっ、それに子供が出来たら大変な事になるんだよっ!」
 どう見ても避妊などしていない娘を見て説教するが、舞は「気絶するまで犯した」弟の顔を撫でながら、何年も見せなかった嬉しそうな表情をして、ねっとりと肌を合わせていた。
「…違う、私達は人間じゃない、化け物なの… それに結婚なんてどうでも良い… 子供が産まれるのならそれで十分」
「だから、それが駄目なのよっ」
 獣でも、血が濃過ぎた場合、遺伝的ダメージが重複し、障害のある子供が出来てしまう。 胎内で同じウィルスに感染すれば、母体の細胞壁を開ける時に使った「鍵」が子供にも使えるので、発育が正常に行われず、体に欠損が出来てしまう。
「…大丈夫、私達は人の形を真似てるだけ… 特に祐一は人間と同じ所なんて無い、私のお父さんと同じ…」
「えっ…」
「…祐一のお母さんも丘から降りて来た妖狐。 だから祐一は、私なんかよりずっと強い化け物…」
 ついに見付けた自分の同類を眺め、うっとりしている舞。 その相手は自分よりさらに人間離れしていて、大きな力を持っていた。
「私達のお父さんは… 祐一の叔母さん「水瀬秋子」が隠してる、祐一のお母さんも力は無くしてるけど、あの人だけは私より強い力を持ってる」
 他の全ての女は排除できるが、秋子だけは舞の力では『命令』できない。
 そして、祐一と同じ力を持ち、傷付いた心を癒した「水瀬名雪」 この二人をどうやって遠ざけるか、舞の心配事はそれだけになっていた。

 香里や栞のように、充電器としての必要は無かったが、自分を呪っていた「何か」に、初めて対抗出来る者を自分の腕の中に収め、満足そうに笑っていた。
(舞が笑うなんて… それに泣いたり怒ったり…)
 10年ぶりに、泣いて笑っている娘を見て驚かされる母だった。 
 
 

 
後書き
昔書いていた構成なので30キロバイト超えのを三分割しています。
今書いているルートと全然違い、昼間にギャグパートを入れ、夜はひたすらダーク路線。エロ表現あまり無しで、ハーレム要素もなく、その時他の女に勝ったのが勝者なので、女子高生能力バトルじゃない戦闘まであって、原作ファンにはよく罵られました。 
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