メスデカ
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奈落の入り口
「お茶を入れます」
冷蔵庫のお茶を取りに行く。
「どうぞ」
お茶を出す。
「ああ、ありがとう」
坂田が軽く頭を下げる。
「実はね凛君、お母さんがちょっと大変な事になっていてね」
「えっ?お母さ……母が!」
胸がドキドキする。
坂田が先ほどの写真をテーブルに置く。
「これ、おかしいでしょ?」
「トントン」と指で叩きながら話す。
「警視庁捜査0課の係長がする格好じゃないでしょ?なんでヘソ出しなの?」
凛に聞いても分かるはずがないのに凛を問い詰める。
「そ、それは……」
凛は写真から目が離せない。
「僕は凛君のお母さんを助けたいんだ」
「は、母に何かあったんですか?」
凛が泣きそうな顔で坂田を見つめる、坂田は美少女にしか見えないその少年を舐め回すように見る、少年の鼻が特徴的だと思った。
凛の鼻は上を向いている、鼻の穴がハッキリと見える、かなりそそる鼻の穴だ。
坂田が見つめる中、凛が上唇と下唇を口に丸め込む、丸見えの鼻の穴が縦に伸ばされる。
坂田は「ドクン」と自分の心臓が鳴ったような気がした。
凛の鼻の穴が男を誘っていた、自己主張している。
「う、うん、実はねお母さん多額の借金をしているようなんだ」
「しゃ、借金?」
「うん、だからその借金を返すためにこんな格好をしている訳だ」
坂田は眉間にシワを寄せて首を横に振る。
「しかし警視庁捜査0課の女侍といわれた御仁がこんな格好をしてちゃ世間が黙ってはいない」
「いくらです、借金の額は?」
「君に返せる額じゃないよ、それに中学生はアルバイトができないしね」
そう言って新たな写真を取り出す。
その写真には先程のヘソ出しスーツ姿で両手の人差し指でお臍を指差す母の姿が写っていた、お臍には光る物が見える。
「な……なにを……」
母の性格からいってそのような事をするのが凛には想像できなかった、無理やりやらされていると思った。
「酷い、こんな事を母がする訳ありません!」
する訳ないと言ってもしてるじゃないかと思ったがそれには触れずに秋の写真のお腹を
「トントン」と叩きながら
「これ普通のヘソピアスじゃないんだ」
「普通じゃないって?」
「僕の調べた限りじゃこれはパチンコ玉だ」
「パチンコ……玉?」
「ああ、説明しないとね、なぜパチンコ玉を入れてるかと言うとね、これは特殊なパチンコ玉でね、強烈な匂いがするんだよ」
「匂い?」
「うん、匂い、詳しくは分からないけどとても臭いらしい、その匂いをヘソに付けるためだそうだ、パチンコ玉で分かってるのは今はそれだけ」
凛はこの男が何を言いたいのか分からなかった。
「凛君、1つ約束をして欲しいんだ、今日僕が来たことは黙っておいて欲しい」
「どうしてですか?」
「僕の務める週刊文豪で統計が出てるんだ、親が子供に借金があることを隠していた場合で、その借金が子供にバレた時」
男が焦らして凛の顔に自分の顔を近づける。
「自殺する可能性が高いのさ」
「ゴクッ」凛は生唾を飲み込む、言葉の意味も怖かったが何より男がわざわざ顔を近づけるという演出が何やら黙っておかなければならないと思わされた。
「凛君、僕はね、君のお母さんを買っているんだ」
「えっ?か、買っている?」
「ああ、変な意味じゃないよ、その、能力というか、東京にとって君のお母さんは必要な人なんだ」
凛は男の言葉に嬉しくなった、母の刑事としてのがんばりが認められたのだ。
「お母さんの借金返済を手伝う気がないかい?」
「でも中学生のアルバイトは……」
「バレたら学校やお母さんにも迷惑がかかる、でも絶対にバレないバイトがあるんだ」
「どんなバイトですか?」
「君もお母さんのような写真を撮るのさ」
「写真?」
「そう、お母さんは借金を返すために写真を撮ったりする契約をしてるんだ、それがさっきの写真だ、君も写真を取ればお母さんの借金を早く返せる」
「でもそれだとおかあ……母に知られてしまうのでは?」
「大丈夫、それはない、身バレはしないよ、この写真は極々一部の会員しか見ることができない、そして会員が他言した場合その会員は多額の違約金を払わなければならない、だから絶対に身バレすることがないんだよ」
凛は顔が紅潮している、迷い悩んでいるのだ、しかし母親思いの凛が断る筈がなかった。
「分かりました、僕もその写真を撮ってもらって母の借金返済に協力します」
「うん、君ならきっと分かってくれると思ったよ」
そう言って男はカバンを「ガサゴソ」とする。
「じゃ、これにサインしてくれる」
言われた通りにサインをする。
「控えは僕が預かっておくから、お母さんに見付かるといけないからね」
「プルルルー」
家の電話が鳴る。
「はいもしもし、ああ、お母さん、うん、今日は魚が食べたい、うん、うん、じゃ、待ってるよ」
「カチャッ」と電話を切り、会話を聞かれたことに恥ずかしさを覚えたのか恥ずかしそうに坂田を見る、また唇を口に入れ鼻の穴を縦に伸ばす。
坂田の逸物がテントを張る。
「お母さんが帰ってくるんだね、取りあえず何枚か写真を撮ろうか?」
「坂田さんは週刊誌の方ですよね?」
「うん、そうだよ、でも借金返済の写真を撮る役目は僕なんだ、ソフトオンデマンコリア直々のご指名でね」
凛はアダルトビデオを見たことがない、ソフトオンデマンコリアも知るはずもなかった、最も知っていたところで坂田は言い訳を用意していた、今やソフトオンデマンコリアはアダルトビデオだけではなく色んな分野に進出していたからだ。
「じゃ、お母さんが帰る前に今から写真撮影をするよ」
そう言って舌舐めずりをする。
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