KANON 終わらない悪夢
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87佐祐理お姉ちゃんがガチレズじゃない世界線
前書き
文中の「。」の後に!? のように空白を入れる癖がありましたが、訂正が大変なのでそのままになっています。
佐祐理初体験及び撮影中
「それに「私」も昔、祐一さんと会ってたんですよ… どうしてか分かりませんけど、ついさっき、鍵が外れたみたいに急に思い出したんです」
今確かに、佐祐理は自分の事を「私」と言った。 精神年齢がロックされた12歳頃から一気に18歳になり、その顔が祐一の方を向くと笑顔の頬にダラダラと涙が流れ落ちていた。
「さ… 佐祐理さん……」
ここでようやく祐一は、「いつもの事」が始まったのだと思った。
「これから舞は、お風呂に入った後、侍女にマッサージを受けます。 その間、お母様と屋敷の者達が舞を押さえていてくれるんですよ、まるで隣に私や祐一さんがいるような幻を見ながら」
「そ、それで…?」
「祐一さんと一緒にいる、一弥を返して下さい」
「ど、ドウヤッテ…?」
体では、以前のカオリンや、みーちゃんと同じ要求なのは理解していたが、どうしても言葉で確認してしまう祐一。
「決まってるじゃありませんか、私のお腹の中に、赤ちゃんとしてです」
「エッ?」
理解不能の単語を並べる佐祐理が、何を言っているのか、どうしても分かりたく無かった祐一だが、その目付きが、とても危険な状態なのは、非常に良く分かった。
さらに今回は「脅迫用ビデオ」があるので、佐祐理自身に力が無くても、振り返って逃げる訳にも行かない。
さらに、言葉の最後に「赤ちゃん」と言っていた所からも、他の女と違い、最初から妊娠目的の行為を要求していて、舞達が言っていた「一弥」とやらを返さないと、家には帰してくれないらしい。
「それとも、私みたいな女じゃ駄目ですか? 舞とか、香里さんとか、天野さんの方が良いですよね、こんなバカな女じゃあ」
「いや… そうじゃなくって、先約があるから…」
「心配しないで下さい、昔、水瀬の家へ行って、祐一さんと許婚になったのは私だったんですよ、お聞きになってませんでしたか?」
「へっ?」
秋子ちゃんが「政治的に」了承した相手は佐祐理だった。 他にも「家族として名雪」「出身地が同じ真琴」「美坂姉妹」「自分」も了承していた。
今は「秋子ちゃん牧場計画」が実行され、祐一は種雄として、妖狐の血を繁殖させられるらしい。
「それに他の子みたいに「責任取って下さい」なんて言いません。 一弥は私の弟だったんですから、倉田の家で大切に育てます。 祐一さんは丘の狐様なんですから、種付けだけして下さればいいんです。 倉田家ではずっとそうして来たんですよ」
佐祐理の祖父は近代教育を受け、世間の風潮も変わったため、お見合いのような儀式も、1ヶ月しか一緒にいられない相手と結ばれるのも拒否していた。
その結果は、妖狐の血統で必ず力を持って生まれて来るにも関わらず、力の源が無く、急速に命を削って行く孫達が生まれていた。
ここでもし祐一が拒否すれば、佐祐理はまた一弥の後を追うか、名雪に止められていた力を行使して、急速に命の火を燃やし尽くして死んでしまう。
(さあ、佐祐理さんにも「注射」してあげないと、香里さんみたいになっちゃうよ。 「お姉ちゃん」が死なないように、魔物は1体憑依させてあるけどね)
祐一のどこかにその声が届き、佐祐理を抱かなければ、栞や香里のようになってしまうのだと納得させられた。
既に恋人の栞、従兄妹、恋人の姉、叔母、異母姉までヤっちゃっていた祐一クンにとって姉の親友を毒牙にかけるのは容易い事だった。
案外「毒を食らわば皿まで」と思っていたかも知れない。
そこでほんの数日前、下着を見られるのも恥ずかしがっていたお嬢様が、祐一の目の前でドレスを脱ぎ始めた。
「ど、ドウしタんだイ? 佐祐理サン」
「うふっ、こんな事に興味が無い、と言っては嘘になります。 私も祐一さんの事をもっと知りたい、私の知らない世界を、もっと教えて頂きたいんです」
すでにドレスはソファーの肘掛に置かれ、次は絹の下着を外そうとしているお嬢様。
「ソ、そンナ、俺ノ知ってル事ナんて…」
「いいえ、所詮私は籠の鳥、世間の事など何も知りません。 この世にも天国があるなんて知りませんでした… あの、舞の表情を見るまでは」
すっかり産まれたままの姿になった佐祐理は、胸だけ隠しながら、祐一の膝に横から座るように抱き付いた。
ムニュゥッ!
(はおおうっ!)
とても柔らかい感触と、芳しい髪の香りに、フェロモンが混ざってプンプンで、祐一クンの理性は敗北寸前。 佐祐理のお尻の下では、祐一クンジュニアが拳?を突き上げ、シュプレヒコールを上げていた。
「私も舞と同じように、天国へ連れて行って下さいませんか? でも、もし祐一さんを独占したと知られたら、舞にお仕置きされるかしら? フフッ」
さらに顔を近付け、妖艶に目を閉じて、唇を突き出す佐祐理、これがさっきまでの少女と同一人物とは、とても信じられなかった。
「さッ、佐祐理サンっ!」
チュ~~~~ッ! カシャッ! キュイーー
貪るように唇を重ねた時、ストロボが焚かれ、シャッター音とフィルムを巻き取るモーターの音がした。
「エッ?」
「気にしないで下さい、私、キスは初めてでしたので、侍女に記念写真を撮るよう言っておきました」
そこで暗幕の向こうに人影があるのに気付き、姿勢を正す祐一。
「だ、だめじゃないか、家の人に知られたら…」
グリフィスさんのようになるのを恐れ、正気に戻る祐一だったが、また佐祐理に唇を塞がれる。
「お母様も祐一さんの事を大変お気に入りになられて、是非祐一さんをわたくしの婿に、と仰って下さいました。 さあ、どうぞ召し上がって下さい」
まるで昼の弁当でも差し出すように、自分の乙女を差し出す佐祐理は、祐一の手を取って自分の胸に導いた。
「でも…」
「倉田の家と私が欲しくありませんか? もうこの家の後継ぎは私だけ、私さえ手に入れてしまえば、何もかも祐一さんの物になるんですよ」
12歳の頃に固定された感情が動き出し、香里とはまた違う、政治的な駆け引きを使う佐祐理。
その時の祐一は、倉田家の財産に興味は無かったが「佐祐理さんとその体は欲しい」と素直に思っていた。
ベッドへ誘う佐祐理だったが、何故かそこには業務用ビデオカメラが置かれていた。
(って、もう撮られてるし)
「この間、舞を撮ったみたいに、私も初体験の記念にビデオを撮っておこうと思います」
「でも…」
「宜しいんですか? 私が祐一さんに弄ばれ、傷物にされたのはお父様もご存知です(嘘)、結婚も契りも交わして頂けないと知れたら、それこそ」
やはりどこかの塔に閉じ込められ、舌を切られて手足の腱も根こそぎ取られ、拷問三昧の毎日を想像する祐一。
(嫌すぎる…)
「さあ、どうぞ、遠慮なさらずに」
「いいのか? 俺って舞以外にも、一杯女がいるんだ」
正確には、憑依されて無理矢理追い掛けられている状態だったが、一度関係があった女性には誠実に対応したいと「考えている」祐一。
「構いません、お爺様も、お父様も、妻以外の女性は沢山いらっしゃいました。 そんな女性を何人も囲うには、お金と権力が必要なんです。 さあ、私を手に入れれば、全員祐一さんの物です。 舞も一緒に、このお屋敷でずっと幸せに暮らしましょう(ニヤリ)」
祐一の胸に顔を埋め、悪魔の微笑みを浮かべる佐祐理ちゃん@18歳。 既に政治家の家系の遺伝子が発現していらっしゃるらしい。
「さあ、始めましょうか」
そして暑い程の照明が灯され、撮影が始まった。
「あ… ああ(嫌汗)」
「カメラが回ってますけど、ちゃんと天国まで連れて行ってください(は~と)」
その言葉は嘘偽りの無い、本気のお願いだったので、縮こまっていた祐一のお子さんも元気を取り戻し、大和撫子に濃厚なさ~びすを始めた。
「ひゃううううっ!」
「綺麗だよ佐祐理さん、まだ全然使ってないんだな」
弾力のある若々しい処*膜や小*唇を指で弄び、指で弾いて見る。
「ありがとうございます、お眼鏡に叶って光栄です」
すでに「まんぐり返し」で全開に広げられても平気で、桜色の部分を録画させている佐祐理。
「どうしたんだ? この間はあんなに恥ずかしがっていたのに、今日は?」
「もう決めたんです、私の旦那様は祐一さんだって、ですから乙女は差し上げます」
すでに倉田の家と一弥のため、処女でも自分の体でも、何でも捧げる覚悟の佐祐理に、恥ずかしい事などなかった。
「さあ、どうぞ存分におもちゃにして下さい、そして天国に行かせて下さい」
「いいんだな、苦しかったら足で蹴っても、手で叩いてもいいから」
「はい(ニッコリ)」
これだけは本気の表情で、嬉しそうに微笑んだので、祐一も安心して始める。
「もっと欲しい時は足でこうやって引き寄せるか、手で髪の毛を掴んで」
「はいっ」
女の喜ばせ方を秋子ちゃんに伝授されていた祐一クンは、上付きの佐祐理が、好きなだけ反り返られるように、正常位で舐め始めた。
「ひいいいいっ!!」
またディープキスの負圧で、佐祐理の奥の奥まで沈んでいく長い舌、その快感に耐えるため、佐祐理はシーツを思いっきり握り締め、弓のように背中を反らせた。
「ああっ! またっ、またっ! あっ! ああっ! ああああ~~~~~~っ!」
指で掻き出されるのとは桁違いの快感で、あっと言う間に上り詰めて行く佐祐理。
「あおっ、うっ、あおおおおうっ!」
そして自分のペースで脈動する事すら出来ず、一気に汁を吸い出されて気絶しそうになる。
「…………」
声にならない絶叫を上げ、舞のように祐一の顔すら持ち上げてブリッジする佐祐理。やがて1分ほど滞空して、ようやく地上に戻って来た。
「ハアッ、ハアッ、ハアッ、ハアッ、ハアッ、ハアッ……」
少し休ませながら、足やお腹を撫で回し、ゆっくりと後戯に持って行き、また快感のカーブを上昇させる。
「あっ! 凄っ…、こんな、こんな事って、あっ、またっ!」
次第に現実から離れ、天国に上って行く佐祐理。
「はっ、お爺っ、ご命 なく も、さ… 自由…… お婆様っ」
もう意味不明の事を言いながら、何かの中毒患者のように虚空に手を伸ばし、天国の祖母と会話しているらしい佐祐理。
天国?
「佐祐理」
「またお会いできましたね、お婆様っ」
「ええ、でもあの人が何を言ったとしても、自分が好きでもない人と、結婚するものではありませんよ」
「はい、分かっています、でも」
「でも?」
「祐一さんは、舞の好きな男性なんです、それに祐一さんも…」
「大丈夫ですよ」
「え?」
「あの二人はよく似ているでしょう、血が近い本当の姉弟ですから、結婚はできないんです」
「そうなのですか」
佐祐理の記憶では、祖母の言う事に一度も間違いは無かったので、それすら無条件に信じられた。
「ですから、佐祐理が本当にあの方が好きなら、貴女と結ばれて3人で暮らすのもいいかも知れませんね」
「3人? 他の方はだめなんですか?」
「ええ、他の子は特別な星の元に生まれたので、私たちとは暮らせないのです。さあ、そろそろ戻らないと、帰れなくなりますよ」
「はい…」
もう佐祐理は、帰りたくないと泣きはしなかった。 祖母にはいつでも会えるから、そして下界で待っている、大好きな人が出来たから。
「また来ます、お婆様」
「ええ、いい人を見つけたね、幸せにおなり」
「はいっ」
やがてチクチクと痛みが走り、自分を呼ぶ声が聞こえた。
「佐祐理さん、佐祐理さん」
コクリ
まだ眼球は半分上を向いて、トロンとしていたが、祐一の声は聞こえていた。
「大丈夫? 今なら痛くないと思うんだけど、もうほとんど裂けちゃったし」
コクリ
正気を保たせ、祖母の言いつけ通り、天国から帰って来るために裂けて、現世に戻る事を許した自分の膜に感謝する。
(また、お婆様と沢山お話ができました、ありがとうございました)
また泣き出した佐祐理だが、悲しい表情ではなく、微笑みを浮かべていたので安心する。
「どうしたんだ? またお婆さんに会えたのか?」
コクリ
祐一の胸の中で泣きじゃくる佐祐理。 これからはこの人が自分を鳥籠の中から出して自由にし、天国まで飛べる翼を与えてくれるのだと信じて。
1時間後
「もういいよ、痛いだろ佐祐理さん」
まるで舞か香里のように、何回でも祐一の「上」でサービスを続ける佐祐理。 約束の1時間など、とっくの昔に過ぎていた。
「いいんですよ、もう佐祐理の心も体も、倉田の財産も、全て祐一さんの物です」
「そんな…」
体はともかく、財産目当てのようで何か嫌な感じがする祐一。
「私とは結婚して頂けないんですかっ? では今までの事は遊びだったんですねっ(嘘泣)」
「いや、そうじゃなくて、相性良いかどうか分からないし、財産目当てみたいで嫌だから」
「私がお嫌いなんですか? それとも何か足りませんか? そう… そうですよね、私は香里さんほど美しくありませんし、舞のように素敵ではありませんから」
そこに「戦車のように頑丈な水瀬さん」と言う表現は無かった。
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