KANON 終わらない悪夢
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62放課後デート二日目
ユリクマ会の茶話会も終了して、部活まで終わるにはまだ少々時間がある微妙な時間帯になった。
目的不明?の同好会でしかない集まりで、正式には許可されていないので、女子だけでダベってカフェでダラダラ話しているような集まりは本来認められないが、美汐的に教師は全員支配済み、栞的には北海道統一総長なので教頭でも解散させられない、舞的にも引退したとは言え先代北海道総長で裏番。
ほぼ絶対権力を佐祐理一人で握っているので、議員の娘的にも解散させられない会であった。
「さあ、今日は舞の精霊さんを貸して貰ってる子と、一弥と結ばれた子は、佐祐理の家にご招待します」
結構な人数に膨れ上がったユリクマ会。その中でも祐一と結ばれて聖域の向こう、方舟である神域に同行できる権利を得た少女が増えてしまい、秋子の家では収容できない人数になった。
既に名雪が連れ込んだ友達枠、女子陸上部のほぼ全員と隣の女子サッカー部、20人以上が転がっているので、神域の巫女まで入ると立錐の余地もない。
香里は親に病院に帰らされたのと、「佐祐理的に不要」なので別れたが、未だに「川澄さんの左手の魔物が一緒にいないと、もう生きていけないの!」などとユリクマ会でも絶叫告白した。
会員にも「あ、お姉さま同士、そういう関係なんだ」と納得されたが、やはり毎度の如く、お約束で「舞お姉様の左手が魔物って、どんなテクニック持ってんの? 無いと生きて行けないぐらいの魔物って、石破天驚ゴッドフィンガー?」と勘違いされた。
ギリギリの住み分けであるが、怒りの感情が支配している時の舞【バリセメ】は香里受け、喜びの感情【攻め属性】は王子受け、哀楽の感情の時の【ねこさ~ん】と空っぽの舞は佐祐理攻めなので、どうにか住み分けができていた。
ちなみに栞はお姉さま方に対してはバリ受けなので、本日中に舞に犯されて、受精卵も植え付けられて妊娠もさせられる。
「さあ、皆さん、こっちですよ」
この人数では移動にもマイクロバスかタクシー数台が必要なので、舞が倉田家に直通ゲートを開いた。
ゲートを超えて家の前に出ると、ごく稀にある「子供の歩行距離では壁で囲っている向こうの土地には行けない、壁がず~~~~~と続いてる建物で、車でも道が塞がってるから通れない、地図上では駅の構内とショッピングモール合わせたより広い」という、学校や職場に自宅地図を提出した時点で、見た人物が腰を抜かす系統の家?である。
「いらっしゃい、皆さん今日から佐祐理の妹ですから、皆さんの別宅です」
「「「「え? お城?」」」」
ものみの丘の高地と水源を中心にした要塞。現在は石積みの城壁と危険な外堀こそ無いが、五稜郭みたいに、上からとか衛星じゃないと全景が確認できない系統の佐祐理の家?
江戸時代までは実際に殿様で支配者で、農地改革までは天野家と領地を分ける地主で、この場を中心にして町ごと城下町。
明治に侵略に来た屯田兵とかを、妖術でミンチスペシャルに変更した城である。
「デケエ」
ヤンキー女も腰を抜かす巨大さ、蝦夷征伐に来た祖先が、妖狐と取引をして妻や夫を迎えて、この地を支配してきた、らしい。
「凄い……」
現在の眼鏡地味子さんは、ユリクマ会でも行方不明になったり、簡単に姿が見えなくなるので佐祐理の膝の上に置かれて、それでも消えるので「首輪とリード」を取り付けられて、佐祐理がリードを引いて「お散歩」させている。
祐一が小学生の女の子にリードと首輪付けて散歩させると、即逮捕案件だったが、バリセメのお姉様が後輩女子に首輪をつけて引き回すプレイ、として何故か周囲も納得していた。
もちろんリードを離した瞬間、警官であろうと術者でも秋子でも、地味子さんを認識できなくなるので、白目剥いて月影先生の髪型になって「地味子、恐ろしい子…」と言う羽目になる。
客人が到着するのは連絡済みだったようで、使用人が迎えに出ていて、歩く体力が無い場合は車で送る用意もできていたが、佐祐理と共に竹林の中を散歩して、竹は矢と弓と槍の材料だったとか、一族郎党が集結して籠城できるように兵糧もあり、壁や瓦にに鏃の材料を混ぜていたなど、物騒な説明を受けながら入城?した。
一夫一妻制になってから倉田家は没落し、一族に妖狐を迎えることもできなくなっていたが、土地と財産だけは未だに存続し、政治家の政治資金として相続税を逃れ、他にも宗教法人の倉田神社もあって、これだけの土地を維持していた。
種牡である祐一クンはテクノブレイク寸前だったが、佐祐理の子の一弥クンが全て相続する。今回は弟や妹も増えるかもしれない。
「さあ、上がって頂戴、皆さん佐祐理の「妹」ですから遠慮しないで」
それを聞いた使用人や家人は「やっぱり」と思い、佐祐理お嬢様には男性との結婚とか無理で、ガチレズバリセメの噂を現実の物として突きつけられた。
それでも何故か忌み子川澄舞と一緒に妖狐を迎え入れて、子種を頂戴したらしいので、メイドとセバスチャンの報告では、今朝お嬢様のお腹に一弥様が再誕して、昨夜の魔物状態ではなく、術を使い果たして簡単に死ぬような弱い生物でもなく、悪鬼羅刹で荒ぶる神の子として生まれてくると聞かされていた。
「「「「「「お邪魔しま~~す」」」」」」
入城者は、明らかにお嬢様が引いている首輪とリードを付かられている小学生(眼鏡地味子さん16歳)。
ガチヤンキーで金髪だったが、目つきが穏やかになって「お母さんの顔」をしているヤンキー女。
髪の毛から体幹から、服装髪型に至るまで一部の隙きも存在しない教頭の孫娘。
謎の人物委員長、五時間目だけで世界を救った、らしい。
佐祐理の今年の同級生で眼鏡の三人、栞の友達でスクールカースト最低の三人、月宮一行とその友人数人、ボッチコミュ障、喋り続けるうるさい女、などが同行していた。
王子は演劇部に出席していて、そのままトンズラ、倉田家には入れない不倶戴天の敵「天野家」のメンバーだった。
月宮一行は怪しい宗教団体の方の月宮なので、他家でも入れるらしい。
その頃の栞
(今日は小ネタ2連続だよ、栞ちゃんが虐められてもガン無視、虐めに参加するぐらい積極的で、君を汚い病原菌扱いをしたBBAの教師の成れの果てだよ)
「ふ~ん」
高級マンションの前で、自動ロックのドアから追い出されて、警官を交えて揉めている一同がいた。
「ヤスクン、部屋に入れてよ、結婚してくれるって約束したじゃない!」
「誰がそんな約束したよ? 夢見てんじゃねえよっ、ホストと客の関係だろ? 夜の街と現実は区別しろよっ」
特に説明を受けないでも、教師だったBBAがホストに狂い、金でも使い果たしたのか、客として割り切った遊びだったはずが、相手の家にまで転がり込もうとしている50過ぎの無様なBBAの姿を見た。
「うふふふっ、あはははっ!」
無様なBBAをあざ笑う栞。
女教師は尾羽撃ち枯らした感じで、行かず後家BBAが給料全部つぎ込まされ、25年ローンで買って独身のままローン払い終えたマンションも売って、住所不定で授業も立ち行かずクビ寸前で何とか退職させて貰い、退職金も店からの借金に消え、全財産貢いで、そうすれば結婚してもらえると信じ込んだマヌケが、相手のマンション前でストーカ騒ぎを起こしていた。
「奥さん、事情はお伺いしました、まず部屋までの不法侵入とストーカー行為、裁判所の接近禁止令の違反ですので、署で話をお伺いします」
「やめてっ、離してっ、ヤスク~~~ン!」
もう見ているだけでBBAの人生がすべて終了させられているのを知らされ、初老の脳が恋愛で壊れて、何もかもダメになっているのを見て大爆笑した。
「あははははははははははっ!」
「君は…」
ホストの目からは、栞が自分を捨てた母親の若い頃そっくりに見えていた。
天使の人形の術も有るが、元からこのBBA陥落用に選ばれた男なので、弱点は全部掴まれていて、稼いだ金を全部栞に貢ぐように仕組まれていた。
「ヤスクン、なんでその女なの? 私と結婚してよっ」
「奥さん、いえ、「おばさん」パトカーまで来て、警察署で話し聞きますから」
「いやあっ、あ、貴方、美坂さんね?」
BBAは何故か栞の事を覚えていて、他の生徒と一緒になって虐めて馬鹿にしていた生徒の顔を思い出した。
それも、自分の恋人だと思っていた男が、明らかに一目惚れをして「恋する少年の眼差し」をして、病原菌である少女を見つめているのを見せ付けられた。
「やめてっヤスクン、この子ね、物凄い病気なのっ、触っただけで伝染るんだから、触っちゃダメよっ」
アイドルだとかホストにハマるのは、脳機能に問題があるそうで、一般常識も栞の病気を理解していない女脳は、伝染病だとかパソコンウィルスでも、触れば感染するのだと思いこんで、教職でありながら虐めに参加するほど脳に欠損があった。
「オバサン、こっち来て下さい、でないと拘束しますよ」
「いやあっ」
それでも抵抗したBBAは後ろ手に手錠を掛けられ、泣き叫びながらパトカーに押し込められた。
人生の全てを捨てさせられ、処刑は十分と思えたが、天使の人形の仕掛けはまだ終わっていなかった。
(今回お巡りさんもいたから、直接ぶん殴ってやれなかったけど、それは後でね)
「うん、あのお婆さん、ストーカーとか、元から頭おかしかったんだね、あははっ」
BBAがパトカーに捻り込まれ、ホストの男性が警官と話した後、栞の事が気になって気になって仕方なかった男が、警官とパトカーが帰ると、すぐにすっ飛んで来て告白した。
「あ、変な所見せちゃったね? あのセンセイ君の担任? お詫びに何かご馳走したいんだけど、いいかな?」
栞はこんな誘いに乗る理由も無いが、天使の人形がオッケーサインを出しているので承諾してみる事にした。
「あの、学校の帰りですし、両親にも相談してからじゃ無いと」
一応オドオドして、見知らぬ男性に声を掛けられて驚き、食事にでも誘われたのを拒否してみる。
「大丈夫ダイジョウブ、御飯じゃ重かったら、オヤツにクレープとか、流行りのティラミスとか食べてみない? 普通の喫茶店だし、あ? 校則で禁止されてる? 屋台の方がいいかな? ケバブとか食べてみない?」
現在ちょっとふっくらしている栞を見て、ダイエット中でも無いようなので食い物で責めるホスト。
マシンガントークや最近の女子が好きそうな話題も仕事上勉強していて、繁華街でホテルとかも近いケバブ屋だとか、ティラミス屋で、デートレイプドラッグで昏倒させて一気に食べるか、真剣に付き合って自分のママそっくりの栞を自分の物にしたいホスト。
本来、この制服の少女を、夜の住人であるホストがナンパしたり、ホスト店で豪遊させて借金漬けにして、とらば~湯とかさせると、舞の魔物がすっ飛んできて食われるので絶対に禁止されている行為だった。
さらに手が10本、目が全周に20個ある「カズヤのアニキ」にも即ぶっ殺される案件だったが両方共休業中、その点は調整されていて、違う制服だと認識させられている。
(エエ~~、ヤダ~~、カオリだけナンパされてる~~、アタシ帰ろうかな~~)
栞の隣には、香里の扮装をした天使の人形が立っていた。
(て、天使クン……)
また月影先生の髪型になって白目剥く栞。最初からいたような幻術も使い、女装して栞の友達風にしていた。
「もちろんお友達も一緒だよ、もっと友達呼びたかったら全員奢るよ、カラオケで騒いでも良いし、俺仕事で抜けるから支払い済ませて、皆んなで楽しく遊んどいてよ」
(エエ~、ヤッダ~~)
顔繋ぎなのか、危険性は無いと思わせて接近するホスト、常人のようにガチ告白して即振られるような失態は犯さなかった。
「じゃあ決まり、オトモダチも一緒に食べ歩き、この際、食べてみたい物があったら言ってよ」
チャラい感じも極力抑え、壊れたセンセイが起こした騒動のお詫びにご馳走する名目でナンパ完了したホスト。
基本、栞には「友達が一人もいない」。スクールカースト最底辺同士の互助会的な物はあって、ただ太っているだけの癒し系女子と一緒にいると、デブ専の男に囲まれて一緒に守って貰えるが、他のコミュ障女とは趣味も合わないし、休日に一緒に行動したりもしない。
(栞ちゃんも、コイツのマシンガントークに耐えられるぐらいになって貰わないとね)
純真な少女でも、気がついたらベッドの上で裸で抱かれていて、ガッツリと可愛がられてアンアン言わされて、体が離れられなくなってオスの味を股間のお口で覚えさせられているようなトークテクニックを持つ男。
しかし「メリケンサックの栞さん」は純血の妖狐に快楽堕ちさせられているので、もう普通の人類とは恋愛ができなかった。
昨夜は深夜のフルパワーで抱かれてはいなかったが、今日の夕方に天使の人形が目を覚まして以降に抱かれたので、もう人間としてはダメな方向に転げ落ちていた。
「じゃあ行こうか? カオリちゃんだっけ? カーチャンだったら何かママみたいだなあ? あ、ママちゃんでどう?」
自分の欲望を隠せないのか、栞をママ呼ばわりする男。
最終目的はベッドの中ではなく、ママソックリな子に抱っこしてもらって、頭をナデナデして貰い、今の荒れた生活でもお金を渡して褒めてもらえれば、号泣して母に捨てられたトラウマスイッチが少し解消される。
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