エロゲー世界に神様転生って勝ち組じゃないのか?
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第03話 御前会議 ターン01,02
満州会戦から数週間後。惑星日本首都――
何とか生き残ることができた。転生して23年。今までは前世の記憶もなく生きて来た。
伏見 空(ふしみ あき)――23歳。華族出身の海軍将校。
大帝国の世界に転生した僕の名前だ。
15歳の飛び級で海軍士官学校に入学し3年後にドクツ帝国に留学する。
ドクツ海軍大学校を優秀な成績で卒業し帰国。
軍令部にヨーロッパ情勢に関するレポートを提出し高い評価を得る。
帰国後は巡洋艦や戦艦といった現場での艦隊勤務を重ね軍功を上げる。
華族にも関わらず自ら率先して最前線に立ち
部下と苦楽を共にするのを厭わない姿勢は多くの将兵に好感を持たれている。
外見は色白のおかっぱ頭の虚弱キャラで背丈も160センチ前半と低身長を気にしている。
亡くなった母親に似た美人顔だが男らしくないのが悩み。下の名前も発音が女っぽい。
そして――――童貞だ。
だって華族だから女遊びとか出来る様な家庭環境になかったし、
海軍学校に入ってからは文武勉学に大忙し、任官してからは実戦で軍務の経験を積んだ。
残念ながら庶子ということもあり今までは良家のお嬢様との婚約の話もなかった。
人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり――――
って残り七年あるかないかよ!僕の人生っ!!
僕の十代、僕の青春……。返してよ!
落ち込んでるところにクールな美女から声がかかる。
「緊張するのは分かるが……少し落ち着かれよ、伏見殿。もうすぐ帝が参られる。」
相手は陸軍長官の山下利古里-ヤマシタ リコリ-。(おっぱいでかいなぁ)
今日は初の御前会議。一名を除き厳粛な空気が漂う。
原作ゲーム通り東郷毅は日本海軍の総司令官である海軍長官に任命された。
そして僕こと伏見空は史上最年少の軍令部総長に任命された。
軍令部は陸軍でいう参謀本部のことである。軍令部総長とは軍全体の総参謀長に当たる。
東郷提督は第四艦隊から総旗艦の第一艦隊に。
参謀の秋山敬一郎は第一艦隊の総参謀ということになる。
僕も提督の不足から軍令部総長と第三艦隊の指揮官を兼任する。
伏見空は将来の海軍長官と目される若きエリート軍人であったが、
他の年長の功労者を差し置いての任命は驚きを持って迎えられた。
御前会議は日本帝国の王である帝が四大長官と共に、
日本帝国の国政を決める重要な会議の場である。
四大長官は海軍、陸軍、外務、内務のことだが、
軍功もあり兄を飛ばして家の当主となって貴族院議員に任じられた伏見空も
陸海の長官に次ぐ軍全体No3として御前会議に参加することが特例として認められた。
じゃじゃじゃ~ん♪とにこやかな笑顔で現れる帝ちゃん。
僕は末席で東郷長官と、帝ちゃん、外務長官である宇垣さくらの掛け合いを楽しんでいたが……。
「うんうん、噂通りのカワイイらしい方ですね」
帝ちゃんの任命式における一言で笑みが引き攣る。
振り返ってみれば東郷長官、宇垣長官が笑いを噛み殺し肩を震わせている。
帝ちゃんに悪気がないのは分かる。分かるけど……(#^ω^)ピキピキ
気にしてるんだよ!死ぬ前にカワイイ男の子が犯したろうか。暗い欲望がフツフツと湧き上がる。
気持ちを落ち着かせ宇垣長官による満州会戦の報告を聞く。
前倉海軍長官他、2名の現役大将の他に勇敢な提督を数多く失う。大原提督も負傷し前線から身を退いた。
失った艦船が、戦艦7、巡洋艦10、駆逐艦25、他各種補助艦艇が8。
中帝国と内通し軍を裏切った樋口、末山の両提督はそのまま中帝国軍入りしたと思われる。
とりあえず原作ゲームよりは損害を抑えることができたはずだ。
第一艦隊の新鋭戦艦だった三笠は中破したが修理すれば使えるようになる。
帝ちゃんから新たに再編する海軍は、
和をなによりも大切なものとし、いさかいを起こさぬことを根本とするようにと
お言葉と和の文字が書かれた和紙を賜る。
会議の中で軍令部総長として今後の役割が話し合われた。
・御前会議での話し合いを元に軍全体のグランドデザイン(戦略構想)を示す。
・外務および内務の両長官に対して軍務顧問として適確な助言を行う。
・海軍と陸軍の橋渡しを行い双方の意思疎通を図る。
・兼務の第三艦隊は総司令官である海軍長官の指揮下に従う。
といったことが決められた。(思った以上に権限でかいな!)
御前会議を無事に終え、御所では帝ちゃんから直々に声をかけて頂いた。
後日に東郷海軍長官と海軍司令部で相談し正規艦隊の編成を決めた。
第一艦隊 東郷毅 大将(海軍長官)- 総旗艦「長門」
第二艦隊 山本無限中将(退役中将→復帰)
第三艦隊 伏見空 中将(軍令部総長)- 旗艦「三笠」
第四艦隊 南雲圭子中将
第五艦隊 小澤祀梨少将(軍令部の情報参謀を兼務) 索敵艦隊
第六艦隊 田中雷蔵少将 特雷型駆逐艦隊
満州会戦で歴戦の提督を多く失ったことにより若返りを図ったとはいえ、
山本中将を除き皆が20代だ。旦那さんがいる南雲中将が28歳。
田中少将は20歳、小澤少将は首席とはいえ士官学校を卒業したばかり……大抜擢すぎるだろ。
しかし小澤少将の情報戦における天才的な才能は軍令部の誰もが認めることだ。
女性比率が高いのは、まあ実力も伴ってのことだし問題はない。
東郷長官は奥さんと死に別れて真希ちゃんという一人娘もいる。何歳なんだろう。
山本中将お付きの美人看護婦の古賀ひとみさんは22歳!一つ下なのに年上っぽい包容力を感じる。
どちらにしろ軍令部総長としては部下が同世代というのはやり易くはある。
山下陸軍長官も年下の21歳らしい。この国って大丈夫か? 昇進制度とかおかしくないか?
……少しだけ心配になった。(←エロゲーの設定に細かく突っ込むのは無粋な奴)
第三艦隊は首都防衛の任に当たるので、
東郷長官を含めた5人の提督が新しい日本海軍の主力戦隊となる。
原作ゲームの主人公である東郷長官の用兵家としての手腕に心配はない。
戦場で、いかにして敵に勝つか……それは言葉通り海軍長官にどーんと任せる。
軍令部総長が行うことは、いかにして戦の前に勝つ準備を整えるかということ。
さて、ようやく大帝国における僕の転生ライフが始まる。
後書き
8月後半に投降したものを11月に少し改訂しています。
大筋に違いはありませんが、エロ主の年齢設定を22歳から23歳に変更しています。
ちなみに原作ゲーム主人公の東郷毅は調べたら27歳とのこと。
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