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SM的スポーツジム

作者:天沢
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#3全裸ランニング

 睾丸を握る手から少しずつ力を抜く。
 そこを優しく撫でながら、文音はくすっと笑って言う。

「分かってくれましたか?」

 ハアハアと息を切らす祐次のペニスが大きく脈を打つ。
 揺れる肉棒からは屈服を示すように、我慢汁が滲み出していた。

「ふ……文音……」

 祐次が上擦った声を漏らす。
 困惑の色を残しながら、抵抗は見せない。
 弱点を突くこともいとわない文音。彼女の意向通りに動く女性スタッフ。
 この状況で歯向かうのが得策とは思えなかった。

「先輩、次はどんな運動をします?」

 どんな、と問われても答えようがなかった。
 ペニスを腫らして全裸で何をすると言うのか。
 赤い顔で俯き、黙るしかなかった。

「さっきまでは、あんなにお喋りしてくれたのに……照れてるんですか?」

 そう訊ねながら、文音は靴を脱いだ。
 次いで、女性スタッフに祐次を座らせるようにと、丁寧に頼んだ。
 彼は羞恥と不安から身を強張らせた。
 力んだ身体を崩すように、左右から耳に吐息を当てられる。
「ひひゃっ」と妙な声を上げて、祐次は膝を床に着けてしまう。

「大丈夫ですよ、先輩」

 微笑む文音が、黒いレギンスに包まれた細い脚を彼の股間へ向ける。
 カバーソックスに覆われたつま先がペニスに触れた。
 布地は蒸れて僅かな湿り気を帯びていた。
 
(文音の足が……俺のちんぽを……!)
 
 上気した顔を向ける祐次に、文音は笑みを深めた。
 硬くなった肉棒をすりすりと撫で擦る。

「あっ、あ……あ、あ……」

 祐次が小刻みに身体を震わせる。
 激しく勃起した男根は、敏感になっていた。
 つま先で弄ばれる――屈辱を受けるはずの行為にも快楽を覚えてしまう。
 込み上げる気持ち良さが股間から全身へゆっくりと広がっていく。

「う、ああっ……あ、ハア……ハア……」

 呼吸を荒げた祐次に、文音が言う。

「男の子なんて、おちんちん膨らんじゃったら気持ち良くなることしか考えられない馬鹿なんですから。恥ずかしがる必要なんてありませんよ」

 淫らで嗜虐的な言葉が祐次の聴覚を揺さぶる。
 白いもやの様な劣情が頭にじわっと広がった。
 文音はペニスをつま先で撫でながら、言葉を続ける。

「それに……私気付いてましたよ。先輩にいやらしい目付きで見られているの。だから、おちんちん丸出しで発情しながら、跪いている姿を見たって……ふふ……当たり前としか思いませんよ」

 薄い笑みを浮かべた文音は、肉の幹から睾丸へと、つま先を滑らせた。
 柔らかな器官に脚を乗せて問う。

「もう一度聞きますね。先輩、次は何をしましょうか」

 先に与えられた睾丸を握り潰される痛みを思い出し、祐次は慌てて口を開いた。

「ふっ、文音に任せるっ!」

 そうですか、と小さく言って、文音は脚を上げた。
 彼女は周囲を見渡し、目に留まった器具を指した。

「ランニングマシーンはどうですか?」

 祐次はその提案に頷くことしか出来ない。



 ランニングマシーンに隣同士で並んで乗った。
 文音と共に走り始めるが、裸にされた祐次の動きはぎこちない。
 いきり立つ肉棒が情けなく揺れている。
 祐次はそれを気にしながらも、隣で走る文音の姿に劣情を催す。
 揺れる豊満な胸、汗に濡れ光る瑞々しい肌。軽やかに舞う艶やかな髪。
 ペニスが大きくなる程、動きは鈍くなっていく。
 それに気付いた文音がランニングマシーンを降りた。

「先輩はそのままで、少し待っていてください」

 そう告げて、文音はスタッフの下へ向かった。

「鞭を貸して貰えますか? あまり強力じゃない物が良いです。……はい、痛みよりも惨めさを与えるような感じで」

 用意されたのは軽い六条鞭だった。
 それを手にして祐次の下へと戻る。

「先輩がしっかり走れるように手伝ってあげますね」

 愉しげな声音に振り返って、彼はぎょっとした。
 文音は鞭を手にしてニコニコしていた。
 ピンク色のタンクトップ姿に、黒い鞭。
 可愛らしさと禍々しさの調和した、元来の嗜好でなくとも被虐心をそそられるような姿。

「ほら、しっかり前を向いて走ってください。……じゃないと」

 そう言って、文音は手にした鞭を祐次の尻目掛けて思い切り振った。
 パシィィンッと大きな音が鳴った。
 祐次は短い悲鳴を上げた。
 驚いた風の声音。痛みは少ないようだ。
 文音は鞭の使用感に満足し、続けて何度か尻を打ってやった。
 堪らず祐次が声を上げる。

「は、走る、ちゃんと走るから!」

「ふふ、それじゃあもう少し早い速度にしてください」

 指示に従いマシーンを加速させる。
 こんな状況でなくとも、やや辛いと思える所で止めた。
 息を切らしながら、祐次は泣き言を口走りそうになるが……。

「お尻じゃ痛くないかも知れませんけど、おちんちんに当てられたら……どうなっちゃうか、楽しみですね」

 そう脅されては、黙って走るしかなかった。
 突然だったこともあり、睾丸を強く握られた痛みは恐怖として強く、祐次に刻み込まれていた。

「もっと脚を動かしてください……!」

 文音が愉しそうな声を上げながら、鞭を振るう。
 パシィンッ、パシンッ!
 乾いた音が響き渡る。
 尻たぶに走る弱い痛。胸に込み上げる強い屈辱。
 激しい劣情。ペニスは屹立したままだ。
 文音が正面へ回り込む。
 大きくなった男根から、とろとろと我慢汁が滴る様子に笑みを浮かべた。

「ふふっ、そうです。もっと、そのみっともなく勃起したおちんちんをゆさゆさブラブラさせながら、必死に走ってください」

 頭が朦朧とするような罵倒に、祐次が情けない声で後輩の名を呼ぶ。
 文音は意地悪そうに唇を歪めて、鞭を床に向けて強く振り下ろした。
 高らかに鳴った爆発めいた音に祐次の肩が跳ねた。

「先輩、ガンバです」

 愛くるしい大きな瞳に嗜虐の悦びを滲ませ、文音は声を上げた。 
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