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この凄まじいセカイに祝福を?(カズマがサッキュバスにヤられたり、触手の化け物や両性具有の天使にガチ堀されて出産する話)

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18女神とダクネスに捕まって軽くボコられます

 カズマが操作盤を動かすと、空中に映像が何枚も浮かび、外部の状況も映しだされた。
「げっ、ホログラフ?」
 神殿周囲は殆どが巣の内部だったが、神殿を遠くから映した外の映像、扉の外の通路までも監視映像が映った。
「こ、これは一体?」
 魔法のような、魔法でしか知り得ないような外の映像までが出て、そんな物を知らないサッキュバスの族長達が怯え後ずさりすると、椅子らしき出っ張りが床から出て、ひざを後ろからカックンされて座った。
 外からは重装歩兵や魔術師が到着して重い扉を叩く音までするので、目の前の状況と背後の恐怖に震えて見守るしか無いサッキュバス達。
「カズマさん、これ何ですか?」
 サッキュバスちゃんも、見たことも無いような文明の利器に触れ、怯えているようだったので説明してみる。
「ああ、カメラで外の画面を出してるみたいだけど?」
 その時、扉にロングソードが差し込まれ、クレイモアか何かでこじ開けられそうになる。
「きゃああっ!」
「何でか分からないけど、「大丈夫」って言ってるから、大丈夫だと思うよ」
 何かに取り憑かれたのか、頭の中に何かが話しかけているのか、平然としているカズマ。

「扉を叩き壊せっ!」
 斧を持ち出し隙間に叩き込み、それをクレイモアか何かの大剣で開こうとするが、鍵が頑丈で開かない。
「シーフかニンジャを呼べ、解錠の魔法が使える奴もっ」
 後続から特殊技能を持つ人物が呼ばれ、頑丈な鍵と扉を開ける者が呼ばれたが、数人が橋に差し掛かって先頭を入れ替わろうとした所で異変が起きた。
「なっ!」
 軽いサッキュバスや子供用に作られている橋は、10人以上の重装歩兵や兵士を支える構造には足りず、メキメキと音を立てて崩れ始めた。
「下がれっ!」
 一度崩壊を始めた橋は、一番弱い部分が折れて簡単に崩れ落ちた。
「「「「「「「ああああっ!」」」」」」」
 四階以上の高さから落下し、鎧も凹み歪み、体もその形に変えられた。足が折れ、肺が潰されても、その形状から元には戻れなかった。
 先導したり、指示を出しているのが魔法兵や隊長ではなく、傭兵団のホモだったので、足元の脆さにまで気が回らなかった。

「残りは普通の奴らだっ」
 サッキュバス兵の掛け声で、ハンマーやモーニングスターを持ち出した者が襲いかかって、神殿入口付近に残っていた歩兵も魔術師も落としたり一掃した。

 巣の入り口付近。
 その頃にはカズマを追った女神とリッチのウィズが、対戦した相手を残らずボコりながら到着し、相手の装備を頂いたダクネスが前衛になっていた。
「援軍、なのか?」
 サッキュバスの敵か味方かも分からない女神だったが、次第に水かさが増え、踵、膝、腰と水位が上がり、汚泥ではない綺麗な水がアクアを中心に巣に達し、一階、二階と飲み込んでいく。
「あれも敵だっ、水がっ、水がっ!」
 巣の低い部分が水没して行き、飛べない者は悲鳴を上げながら階段を登って逃げる。
「カ~ズ~マ~、どこまで行くのかな~~?」
 怒りのゲージが満タンになって、ほぼ悪役のアクアが、カリオストロ公爵ぐらいの悪役ゼリフを言いながら追っていく。
「すいませんっ、すいませんっ、カズマさん見つけたら、この人も連れて帰りますので~っ」
 アクアの周囲だけ聖水に包まれ、サッキュバスなら浄化されて消え、リッチもダメージを負いそうなのに、謝りながら付いて行くウィズ。
「ああ、カズマがサッキュバスたちにネトラレして、もう普通の女など愛せない体に…… ハァハァ」
 ララティーナさんも相変わらず変態の特殊性癖を発揮しながら追った。

 神殿
「げっ、アクアにダクネス、何でウィズさん?」
 内部の監視映像から、重装歩兵と魔法兵団より怖い追手が迫っているのを見て嫌な予感がするカズマ。
 まさか半日と遅れず追跡されてしまうとは思わず、何かウィズが泣きながら頭を下げている映像も見えるので、いつも通り駄女神が碌でもない事をしでかして、周囲に多大な迷惑を掛けているのに気付き、ここの修理代とかも自分持ちなのでは? と考えて即逃げ出したかった。
「カズマさん、これ女神アクアですか?」
「ウン、タブンネ」
 先程、ホモの傭兵団とか正規軍に追われていても「大丈夫」と話しかけてきていた防衛システムも、アクアを見て「アカン、これあかん奴や」と言い出し赤信号を出して白旗揚げて降伏したので、危険度が桁違いなのを泣き出しそうな笑顔で理解した。
「めぐみんは…… いないな」
 ダクネスはいつもどおり変態なので良かったが、以前より病んでしまった「頭のおかしい爆裂娘」が同行していないので安心した。
 サッキュバスの巣みたいなデッカクてよく燃えそうで、構造が脆い割には大きめなので、中心で爆裂魔法を炸裂させれば、それはそれは景気良く爆発して、吹き飛んで崩れ去って燃えて、燃え残った残骸と瓦礫だけになりそうなので、危険人物が一人少ないのでよかったが、どの道、巨大花鳥風月とか使われると洪水で一巻の終わりで円環の導きで終了である。
 現在の女神パーティーで、魔族軍幹部のリッチが一番常識人で、周囲に謝りながら歩いていた。
「貴方は伝承の黒ジャージの……」
 族長のBBAサッキュバスも、ようやく新人サッキュバスの尻尾や角が無くなっているのに気付き、聖句が読めるカズマを信用し始めたが、そんなもんとっくの昔に手遅れで、一番恐ろしい追手が来てしまった。

「カズマさんっ、こっちですっ」
 追跡者から逃れるために、カズマの手を引いて一段上の「願い事が叶う祭壇」に向かって駆けていくサッキュバスちゃん。
 カズマももう、ソッチ方向にしか逃げられないので、階段を駆け上がって行くと、族長とか補佐も付いてきた。
「ああっ、光よっ、救い給え」
 何か後ろにいる女神は光にでも当たれば消えるのか、長の印を祭壇に翳して願うサッキュバスちゃん。
 カズマは起動した祭壇に向かい、コンソールを操作してから「え~と? 女神を消す、とか女神を天界に返すって無いかな?」と思いながら色々操作をした。
「ピンポン、貴方の夜のお供「サッキュバスちゃん人形」の出荷工場、コールセンターです。オペレーターにお繋ぎするには1を、製品に関するお問い合わせには2を、修理の依頼は3を押して下さい」
 日本語で話しかけられたので、ここから日本語の会話になるカズマ。
「家電かケータイのコールセンターかよっ」
 一人ツッコミしながら、少しだけ2を押してサッキュバスの出自に付いて聞きたかったが、女神が接近しているので1を押した。
「はい、コールセンターです、ご利用ありがとう御座います」
 電話に相手がいるのかAIなのか分からなかったが、取り敢えず相手が出たので聞いてみた。
「あの、うちのサッキュバスちゃんの角と尻尾が取れて、飛べなくなったんですけど? それと何か必殺技とか無いんですか?」
 修理依頼でもないが、製品に付いてのお問合わせに近い質問とか、女神を食い止める力でも無いか聞いてみた。
「はい、当社の製品は、寂しく惨めで腐った童貞ヒキコモリニートのヲタクが、アニメとかエロ動画見まくって「おヨメさん欲しいよぅ」と願った時、ダッチワイフから人間形態になる場合があります。取扱説明書32ページを御覧ください」
 無形の楔とか槍とか矢印が体中に刺さりまくって泣けたが、サッキュバスは過去の日本人か誰かが作った人造人間で、夜のお勤めをするダッチワイフが意思を持ち、どっかの青髪の星界のアーブみたいに独立して繁殖したようだが、どうにか平常心を保って後ろに接近している化け物を倒す方法を探す。
「え~と、取説無くしたんですけど?」
「それではモニターの説明書を……」
 そこで、「昼は聖女、夜は娼婦、サッキュバスちゃんMK35」の新機能、攻撃呪文。の項目があるのを見て、素早く検索する。
「え~~? 人間形態のサッキュバスは、自己防衛機能があるんですね?」
 ブチ切れた女神を倒せる機能が無いか、目を皿のようにして探すカズマ。
「はい、元々強い魔力が設定されていますので、イニシエーションが解除された場合、さらに強力な魔法がご利用になれます」
「それを教えてっ!」
 項目が表示され、赤毛は火、茶髪は土、金髪は電気と表示され、髪の毛が金色の製品は、電気関連の能力が高いと出て、金色の中から選んだ。

 アクアが神殿正面の橋が落ちた部分に差し掛かり、そこで足止め出来るかと思ったのが間違いだった。
 ダクネスとウィズは渡れなかったが、女神は水の橋を掛けて自分だけ何事も無かったかのように渡った。
「でもドアの鍵は女神でも……」
 さらに、どんな聖剣や魔剣よりもよく切れる、ウォータージェットの刃物で神殿の鍵をサッパリスッパリと切り裂き、焼き切ったわけでも無いので素手でさわれる扉に指を差し込み、剛力で隙間を開けた。
「カ~~~~~ズ~~~~~~マ~~~~~~~」
「ヒイイイッ!」
 ほぼ映画のシャイニング状態で隙間から顔だけ出し、中の様子を血走った目で見るアクア。
 そこで「話し合おう」と言う選択肢はキャンセルされて消え「怒った女神に嬲り殺しにされる」が追加された。
「逃がさへんで~~~」
 油圧だとか魔法で開閉するような、バーナーでも焼ききれない数百キロはある強化セラミック扉を腕だけで開いて体を捻り込む女神。めぐみんとこの女をヤってしまい、追われる身になったのをとても後悔した。

「ピ*チュウッ! 10万ボルトだっ!」
 モニターに金髪サッキュバスが使える自己防衛魔法が表示されると、発動呪文?を唱えたカズマ。
「えっ?」
 サトシ、じゃなくてカズマは特高の電気取り扱い資格がなく、10万ボルトの取扱が出来ず、電気工事士も持っていなかったので600ボルト以下の弱電も扱えなかったが、それでも命令した。、
「その女と浮気したのね~~~~~~~?」
 もう階段の下まで迫った女神を見て血の気が引いたが、隣りにいるサッキュバスちゃんがこう叫んだ。
「ピッ○チューー!」
 アクアは足元が水で「たった100Vで逝ってしまった彼」みたいな事故防止啓蒙ビデオのような末路を歩んだ。
「アンギャーーーーーーッ!」
 髪の毛が天を突き、感電してビクンビクンしてから、アフロヘアーになって倒れた女神。
「ま、まさかこのワシを殺めるとは……」
 アクアはどこかのトクサツ映画の悪役のような断末魔のセリフを言ってから崩れ落ちた。

 女神を倒した! 経験値12万8000を得た。カズマはレベルが上がった、サッキュバスはレベルが上がった。
「ああっ、アクア様っ」
 レビテーションで追いついたホイミスライム、じゃなくてウィズが回復呪文を唱えて、HP1の行動不能状態から回復したアクア。
「もうっ、何すんのよっ、カズマッ!」
 泥水を被ってブチ切れた魔神モードから、ギャグキャラで10万ボルトでも死なない普通の駄女神モードに戻ったようで、一安心するカズマ。
「カズマッ、この私を置いて、どこに行こうとしたのだ? その上サッキュバスと浮気までして」
「そうよっ、あたしたちや、めぐみんまで置いてっ」
 それでも許してもらえず、二人にはパーティー復帰と言うか強制参加され、仲間約二名に軽くタコ殴りにされて蹴られてボコられた。
「やめてっ、カズマさんは悪くないっ、私がここまで連れてきたんですっ」
 サッキュバスちゃんに抱き付かれ、女神の暴力からは守られたが、ここまで連れて来られた事情を正座で説明させられた。
「かくかくしかじかで、サッキュバスの一族全体の未来だとか将来を、お婆さんに託された訳でして……」
 正座したまま顔を腫らし、説明させられているカズマ。
 お婆ちゃん子なので年寄りの願い事には逆らえず、出掛けには眼力で魅了されてしまっていたので一応許してもらえた。
「「「ああ、カズマ様……」」」
 そこでサッキュバスちゃんとか族長とか補佐は、カズマを見る目が、ヤンデレ→病みきった目→信仰の対象→、狂信者→カズマ原理主義者右派超過激分子、ぐらいに出世して、いつでもシャヒードしたり自爆テロして天国に召される準備のマインドがオールオッケーでオールグリーンになっていた。
「おい、アクア、カズマを蹴るのはそれぐらいにしておけ、そっちの三人の様子がおかしいぞ?」
 サッキュバス達は、カズマに手出ししている女神とダクネスに向かって「あ? うちらの救世主に何してやがんの? 死にたい? 一緒に地獄まで付き合うよ?」ぐらい病んで瞳孔開ききった教信者の目で見ていた。
「何よ、やんの? ディスペルしてやるわよ?」
 構えを取って戦いのポーズを取るアクアだったが、追いついたサッキュバス兵や、族長と神殿を救いに来た一般サッキュバスも加わり、女神のディスペルを恐れないゾンビのような集団に取り囲まれた。
「この者を捕らえよっ」
「なっ」
 身を守っていた聖水が無いので素早く抑え込まれ、口を塞がれたのでディスペルできず、刃物を出されて喉笛掻っ切られて始末される寸前、カズマが抱き付いて止めた。
「やめてよう、やめたげてよう」
 こんな駄女神でも、パーティー仲間で一応恋人で一緒に苦労した仲で、先日結ばれたばかりなので、命までは取られないように庇う。
「どうしてですかあ? カズマさんを追い掛けて酷いことをしたり、巣を水浸しにした化け物ですよお? もう始末しちゃってイイですよね? ね? ね?」
 狂った目で刃物を持ち、怒りからなのかブルブル震えながら、笑顔のまま女神を殺す許可を貰おうとしているサッキュバスちゃん。「お兄ちゃん、そこどいて、そいつ殺せない」みたいな感じらしい。
「許して、そっちの人もリッチで魔族軍幹部だから、刃物とかも効かないしね? 何かしたら国際問題だよ? みんな聖水とかブッかけられると危ないでしょ? もうこのぐらいにして?」
 女神にクリエイトウォーターさせないように口を塞ぎ、どうにか両方の怒りを抑えるのに、チューして誤魔化してみたが、余計に怒りを煽った。
「カズマ、口塞いでも私、聖水出せるよ、ここにいる魔物、全滅させられるよ」
 駄女神に戻ったのに、また大魔神みたいに顔の前を腕が通過したら、ハニワみたいな作画崩壊した顔が、怒りのゲージ満タンになって激怒した顔になって、超必殺技を繰り出しそうな女神。
「カズマさん、その前に殺しましょう? ね? ね? ね?」
 子供が車にはねられ、腕や足が飛んでしまい「もう助からないし、これじゃあ生きていけないよね、殺しましょ? 殺しましょ?」と周囲の人や救急隊員に言っている母親のような、狂った目で刃物を振りかざすサッキュバスちゃん。
「勘弁してください、これ以上人死にだけは勘弁してくださいっ」
 アクアとダクネス、サッキュバスちゃんに土下座して謝り、女神が聖水呼んでサッキュバス全滅、残りが復讐に燃えて女神もダクネスも処刑、みたいな相互確証破壊だけはどうにか勘弁してもらった。
 
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