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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

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【第557話】

 
前書き
遅れました 

 
 翌日、場所は湯気が立ち込める浴場――あまねく女の園に立ち入る黒い影。


「むっふっふっ。 今日は美冬が一番乗りってね♪」


 瞳をキラキラと輝かせてるのは有坂ヒルトの妹である有坂美冬だ、食事を手早く済ませ、大好きな兄との会話を『敢えて控え』、一番乗りを果たした。

 理由は特には無いものの、何と無く一番乗りしたくなったというだけだが。

 早速全身を洗い、手早く湯船に浸かる美冬――それを合図に続々と一年生女子一同が浴場へと姿を現した。


「あれ? 今日は美冬が一番乗り?」

「へっへーん、お先に入ってるよー」


 湯船から手を上げて友達に応えた美冬、暫し湯加減を堪能し、皆が湯船に浸かり始めると瞳が怪しく光始めた。


「セシリアー、まだ水着着用して入ってんのー?」

「え、えぇ。 やはり国柄で違いますし、女性同士とはいえ恥ずかしいですもの」


 青いビキニを身に纏うセシリア、文化の違いはあれど皆と共に風呂に入るのは大丈夫な様だった。

 ちゃぽん――湯船に潜る美冬、それはあまりに静かであり、目立つ存在であるはずの美冬の姿が急に消えたのに気付いたものはいなかった。

 談笑を続けるセシリアと一年生女子――。


「そういえば、セシリアは最近ヒルト君とはどうなの?」

「え? ど、どうと言われましても……うふふ」


 顔を赤くし、言葉を濁すセシリアの背後に迫る黒い影――。


「セ・シ・リ・ア♪」

「え……――――キャアァァアアアッ!?」


 いきなり叫ぶセシリアに、周りもなんだなんだと一気に注視された。

 見ると美冬が背後からセシリアの豊満なおっぱいをわしづかみしていて、揉みほぐしていた。


「ほれほれ、よいではないかよいではないか♪」

「み、美冬さ――あぁんっ! や、やめてくださいまし!」

「えー? やめないもーん♪」


 上下左右、美冬の手と共に揺れ動くセシリアのおっぱい。

 完全に捉えられたセシリアは涙目になり、身を捩って逃れようとしても美冬が完全に捉えていた為にそれはかなわなかった。


「や、あんっ……そ、そんな……アァンッ!」

「おやおや、セシリア……えっちなお声が出てますよー?」

「そ、それは美冬さんが――やぁんっ!!」


 その揉みほぐし具合に周りも赤面する――一通りセシリアの乳房を堪能した美冬の表情は艶々と輝いていた。


「むっふっふっ! 次は誰にしちゃおうかな~?」

「や、ち、ちょっ――」


 指をわきわきと動かす美冬に、たじろぐ女子達、セシリアはくたっとしたまま解放されたことに安堵していた。


「み、美冬ちゃん? あ、あんまりそういう事してたらヒルト君が軽蔑しちゃうんじゃないかな?」

「え? お兄ちゃんが?」


 唐突な兄の名前に、動きが止まる美冬、それに呼応してか一部女子生徒は湯船から上がった――無論美冬の被害から逃れるために。


「そうそう、お風呂場で美冬ちゃんが皆のおっぱい揉んで回ってるって知ったら――」

「……うーん」


 思うところがあったのか、大人しくなる美冬、安堵したのか軽く息を吐く生徒――刹那。


「……バレなきゃ大丈夫かな」

「え?」


 一瞬だった、尋常じゃない機動で安心しきっていた女子生徒の背後に回った美冬の目はまたも妖しく光始めた。


「バレなきゃ大丈夫。 仮にバレたとしても……おっぱい揉まれた子達の反応を一部始終お兄ちゃんに話せば――」

「ちょ、ちょっと美冬――やぁぁああんっ!」


 むぎゅぅっ!っと形の良い乳房が美冬の手のひらで揺らされ、形を崩された。

 女同士とはいえ、目の前で繰り広げられる行為に戦々恐々とする子もいるのだが、それ以上に興味があるのか顔を赤くしながらされるがままの女子生徒を見る子も。

 IS学園は基本女の子のみの為、同性同士でのお付き合いする子も居るとか居ないとか。

 浴場に響き渡る甘美な声が一通り木霊し、美冬が揉むのをやめると息も絶え絶えの女子生徒と、艶々に輝く美冬が満足そうに頷いた。


「うんうん、良いおっぱいしてますなー」


 二人目の犠牲者が出た所でふと美冬は自分の乳房を見た。

 さっきちらっと兄の名前が出たからだ――そういえば、最近お兄ちゃんとスキンシップしてないな――と、脳裏に以前行われた行為がフラッシュバックされ、美冬も顔が赤くなった。


「美冬ちゃん? 顔赤いけどのぼせちゃったの?」

「え? そ、そんな訳ないじゃん。 と、とりあえず他のお風呂入ってくるーっ」


 あまり悟られない様に美冬は其処を後にした、美冬の被害を受けたセシリアと女子生徒は安堵のため息を吐き、被害を受けていない子は安心しつつも何故か残念という気持ちに駆られた。

 場所は変わり泡風呂、泡立つ湯船に浸かってるのは――。


「んんっ! 泡風呂気持ちいいなーっ!」


 結ったポニーテールを下ろした美春だった、他の子は居なく、美春一人で独占してる状態だ。


「はぁ……でも、ヒルトと一緒に入れないのが残念」


 美春自身羞恥心が無いわけではない、だがISコアの頃はずっと離れず傍に居たのだから今の状態はある意味彼女にとっては寂しいのだ。

 義理の兄妹だが、美春自身はヒルトがマスターであることには変わらないのだ。

 ぐるぐる悩んでいると美冬が現れる、だが美春はそれに気付かなかった。

 そんななか、美冬はふと美春に視線が移り、一瞬脳裏に過る。

 そういえばまだ美春にはセクハラ――もとい、スキンシップしてないなと思った。

 少し表情がにやける美冬、気付かれないようにソッと美春の入っている湯船に身体を沈めた。


「うーん……。 逸そ思いきって一緒にシャワー……だとやっぱり恥ずかしいし……」


 美冬が入ったのも気付かず、美春はどうしたものかと悩んでいた。

 獲物を狙うかの様にゆっくり進む美冬、美春は気付かない――その構図は宛ら水辺に佇むヤギを狙うクロコダイルといった所か。

 徐々に間合いを詰める美冬――だが突如、美春はくるっと美冬の方へと振り返った。


「美冬、何してるの?」

「んにゃっ!?」


 不意打ちのつもりの美冬、まさか美春に気付かれていたとは思わず猫の鳴き声が出てしまった。

 きょとんとした表情の美春に、美冬は乾いた笑い声をあげながら――。


「あ、あははっ。 な、何でもないよっ」

「ん~? 何でもないのに私の背後に居たの? 変だなー」


 じとーっと見つめる美春に、たじろぐ美冬、周りの子も興味があったのか様子を伺っていた。


「本当は何をしようとしてたの?」

「え、えと……」

「言わないなら、ヒルトに美冬が私に何か変な事しようとしてたって言っちゃうよ?」

「ぅぇっ!?」


 本当なら何を言われても構わないのだが、流石に義理でも妹の美春の話からのヒルトのお説教コースは敵わない。

 泣く泣く白状する美冬、美春は聞き終えると――。


「ふーん、私のおっぱい揉みたかったの?」

「……というよりは、スキンシップをはかりたいと思いまして……」

「……スキンシップ、かぁ」


 にっと小悪魔っぽく笑みを一瞬浮かべた美春に、美冬は嫌な予感が過った。

 次の瞬間、美春に両胸をおもいっきり正面から鷲掴みされていた。

 あまりの速さに美冬自身、唖然としてしまった。


「ふーん、こういうのがスキンシップって何か変なの」


 そんな事を呟きながら美冬の形の良い乳房は美春に好きなようにされ、上下左右に揺らされるのであった。


「ちょ、ちょっと!? み、みは……るっ!! んに……ぁっ!?」

「モミモミ~♪ へへ~、美冬流のスキンシップなら美冬も堪えられるでしょ?」

「む、無理無理ぃっ!! じ、自分がされ……やぁああんっ……」


 じたばた身悶えする美冬、まさか兄以外から好きなように揉まれるとは思わず、湯船で抵抗するも美春に好きなように弄られていた。

 周りの同級生も流石に助け船を出そうかと思っていたものの、普段から嫌ではないがセクハラされてる身、たまには美冬自身にお灸が据えられても良いだろうと思ったのか敢えて放置した。

 普段の浴場での行いが身を滅ぼす――涙目の美冬は次から控え目にしようと心に誓いつつ、絶え間無く訪れる快感にパニックになりつつあった。


「あれ? 美冬、何か様子がおかしいよ?」

「ま、参ったから! 美春、私降参するからぁっ!!」


 そんな虚しい叫びもただただ浴場に木霊するだけだった。 
 

 
後書き
美春に逆にやられるという……

とりあえず次回は原作かな、そういやそろそろ11巻出るが多分地元じゃ入荷しなさそう 
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