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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

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【第581話】

「それじゃあ、各代表は着替えを補佐する子を紹介してね!」


 グラウンドに響く楯無さんの声に、先に応えたのは箒だった。


「私のパートナーは四十院神楽だ。 同じ剣道部で、実家は旧華族と聞いている」


 そう言って紹介された四十院神楽、髪は黒のロングで編み込みをしている。


「古いだけの家柄です。 皆様、どうか、よろしくお願いいたします」


 折り目正しく、お辞儀をする彼女からは清楚さを感じられた。

 そして次はセシリアがパートナーを紹介する。


「わたくしを補佐していただける方を紹介致しますわ。 鏡ナギさん、あらゆる事にスピードに長けていますの。 御両親はお寿司屋を経営為さっていて、わたくしも一度お招きに与りましたが、そちらで出されるお茶碗蒸しは、それはそれは美味で――」


 セシリアの説明に段々と赤面していく鏡ナギ、頬に両手を当てながら声をあげる。


「セシリア、長いってば、もう! そんなに家の事、説明しなくていいから! うー、恥ずかしい……」


 手で顔を仰ぐ彼女、彼女も下ろしたロングヘアーが似合っていた。


「うふふ、美味しかったのは事実ですから。 ヒルトさん、何れわたくしと共に行きましょ――」

「も、もう! ヒルトくんまで誘わなくていいってば!」


 わたわたとする彼女だがなかなか綺麗な脚をしていた、何かスポーツでもしてるのだろう。

 セシリアと鏡ナギの二人のやり取りをよそに、今度は鈴音が名乗りを挙げた。


「はいはいはーい。 んじゃあ、あたしの番ね! ルームメイトのティナ・ハミルトンに手伝ってもらうわね。 ね、ティナ?」


 鈴音の隣でストレッチをするティナ、揺れる巨峰と枯れた平原のコントラストに、成長の差を感じる。

 相変わらずの巨乳に目を奪われていると――。


「ヒルトくん、何処を見てるのかな~?」

「ん? さて……?」


 楯無さんの追求に誤魔化す俺、ジト目だが楯無さんもティナに負けじと巨乳を揺らした。

 気にはなるものの、ティナのストレッチも終わり――。


「あのねぇ、鈴? そりゃ手伝うって言ったけど、説明適当すぎない。 っていうか、何にも私のこと言ってないじゃない。 もう私が勝手に言うわ。 ティナ・ハミルトン、鈴の補佐をさせてもらうわ。 ヒルト、たまには私と日米関係の親善をはかりましょうねー」


 実況席の俺に手を振るティナ、彼女がいう親善は――まあ、そろそろ俺も彼女と親善をはかりたいと思っていたので頷くと僅かに紅潮させ。


「約束、だからねー!」

「てかティナ、勝手に話さないでよ! それよりも日米関係の親善って、あんたに関係無いじゃん!」

「関係無く無いわよ、同盟国として――」


 二人の言い争いが続く、喧嘩するほど仲がいいという奴だろう。

 そんな二人をよそに今度はシャルが――。


「えっと、僕は谷本さんに手伝ってもらうんだけど……って、あれ!?」


 隣に居るはずの谷本癒子が居なく、代わりに一枚のメモ用紙が置いてあり、それを拾い上げるシャル。


「えっと、『ごめんなさい、シャルロット。 私には無理です。 今は探さないでください。 代わりに岸原さんにお願いしておきました。 谷本癒子』……って、ええっ!?」


 土壇場で居なくなった谷本さん、色々なプレッシャーがあったのかもしれない。

 そして驚いているシャルの背中に乗っかった女子が居た。


「おはろーはろー! 皆のウザキャラ、岸原理子だよ。 リコリンって呼んでね!」


 ……何て言うか、俺は彼女と関わった事はないがめんどくさく感じた。

 そんな岸原理子、唐突にシャルの体操服に背中から顔を突っ込んだ。

 何が起きたのか理解できず、目が点になるシャル――。


「くんかくんか、シャルロットは汗もいいにおーい」


 何をしてるのか理解したシャル、一気に顔を真っ赤にし、悲鳴を上げた。


「きゃああああっ!? ちょ、ちょっと、やめっ――ひゃああん!?」


 身悶えするシャル、直後取り押さえられる岸原理子――哀れ。


「う、うぅ……」


 瞳に涙いっぱい浮かべるシャル――それとは他所に、隣の来客席からは。


「ホッホッホッ、なかなか良い声でしたな」

「うむ、こういうのが無ければ視察の意味もありませんしな」

「違いないですな」


 オッサンもといエロオヤジ軍団はシャルの甘美な声にご満悦だった。

 ぶっちゃけその首を北落師門で切り落として晒し首にしたい所だが、我慢も必要だ。


「それでは次は私だな」


 腕組みし、胸を張って言うラウラ。

 だが枯れた平原に果実は実っておらず、どんなに張ろうと平原は平原だった。


「性格も体型も慎ましやかな夜竹さゆかだ」


 ラウラに傍若無人な紹介をされた夜竹さゆか、黒髪のミディアムカットでスタイルに関して、正直ラウラより良い。

 寧ろスレンダーな体型で胸も美乳だ。

 そんな夜竹さんはこめかみをひくつかせ、自分の胸を片腕で隠すようなしながら前に出た。


「今しがた、ラウラさんにひどい紹介をされた夜竹です。 特徴がないのが特徴です」


 そうは言うものの、彼女……実は寝る前はパジャマの下を穿かない、下着姿で寝るという素敵な寝方をしている。

 俺も裸で寝たいが、来客多すぎて今やジャージ着るのが習慣になってしまった。

 そして次は簪だが、連れてきたのはのほほんさんだ。


「にゃはー。 布仏本音、十六歳でーす。 好きな人はひーくんでーす」


 さらっと俺に告白するのほほんさん、だがあまり周りは本気にしていなかった様だ。


「ふーん、ヒルトくん、ちょっとモテすぎじゃない?」


 またもジト目で見てくる楯無さん。


「だから、一部からだけですってば」

「……ふんだ。 ヒルトくん、後で酷いんだから」


 膨れっ面になる楯無さんを他所に、のほほんさんは更に続けていく。


「んでんで、スリーサイズは上からサイズは九十一、五十九、八じゅ――」

「本音、それ以上言うと……酷いから」


 自分の体型と比較すると圧倒的スペック差で敗北する簪。

 のほほんさんの体型を羨み、何故か脇腹をつねる。


「ぎにゃー!」


 物凄く痛かったらしく、大きな声を上げて飛び跳ねるのほほんさん。

 同時に跳ねる度に豊満な乳房がたゆんたゆんと揺れ動く。

 ……やっぱり、騎乗位でだな、次は。

 疚しい妄想が脳裏を駆け抜け、危うく下半身に血液が集中しかけた。


「えーっと、美冬の番だね。 美冬を補佐してくれるのは、栗原理央ちゃん」


 美冬に紹介され、一歩前に出た理央、相変わらず赤いメッシュの前髪が特徴だ。


「おぅ、俺が栗原理央だ。 こ、今回は美冬に頼まれたから仕方無く補佐することになった」

「おー? 理央ー、少しでもヒルトに気にかけてもらうために自分か――」

「な、何言ってんだ!! そ、そんな事、無いからな!? ヒルトも、勘違いするなよ! べ、別にお前の事、何も思ってねーし! ひ、昼休みとか、あいつお腹空いてないのかなとか、気にかけたりとか、毎日考えたりとかしてねーからッ!!」


 段々と顔を真っ赤にしていく理央は本当に可愛い、言葉遣いは男っぽいがかなり女の子だ。

 美冬はどう思ってるのやら……。


「えと、私飯山未来を補佐してくれる人を紹介します。 三組のセラ・アーカニアンさんです」


 黒曜石から削り出した様な褐色肌、とはいえどちらかといえば真っ黒ではなく健康的な小麦肌に近い色をしたセラが前に出る。

 褐色肌とブルマというコントラストが絶妙だった、エキゾチックな雰囲気を醸し出す彼女は、俺を見ながら――。


「セラ・アーカニアン。 三組、今日は未来の補佐を勤めます。 ヒルト、見ていて」


 真っ直ぐな眼差しで見つめてくる彼女、隣の楯無さんからは更に複雑な視線を向けられた。


「……ヒルトくん、モテすぎ。 お姉さんだけのヒルトくんと思ってたのに」


 明らかなヤキモチ、とはいえ……俺はあくまでも彼女達に普通に接してきた結果がこれなだけで――。


「あっ、次は私だ。 美春組のお手伝いさんはねー、エミリア・スカーレットちゃん!」


 美春の呼び掛けで前に姿を現したエミリア・スカーレット。

 ツーサイドアップの金髪で、年齢より幼く見えるのが特徴だった。


「一年四組、エミリア・スカーレットだよ! 今の目標、専用機ゲットとヒルトくんのハートをゲットする事!」


 そんな告白が二度目――流石にピクリと反応する子達が無数に感じられる。

 だがそんな空気は何処吹く風、エミリアは更に言葉を続けた。


「ヒルトくん! アタシが美春ちゃんを一位にさせたら、デートしようねー!!」


 そんなエミリアの宣言と共に俺に向く視線の数々、無言の圧力に冷や汗を流す。

 もうそれはそれは視線恐怖症になるかもしれなかった――何せ、一年の半分ぐらいから突き刺さる視線、後は隣からの視線が――。

 だが、この空気を察したのかエレン・エメラルドが声をあげた。


「すまないが、まだ私の補佐を担当する者を言っていない。 良いだろうか?」


 その言葉に、一旦助かった俺、エレンに感謝の念を込めて見ると顔を赤くし、視線を逸らされてしまった。


「わ、私の補佐をしてくれる仲間は、ソフィー・ヴォルナートだ」


 エレンの紹介で現れたのは茶髪の少し長めのミディアムカット、雰囲気は何処か天真爛漫な子に感じられた。


「はぁい! 一年四組、ソフィー・ヴォルナートでーす! 年齢は十六歳、夢はおばあちゃんの様な立派な人になることです!」


 えへへっと晴れやかな笑顔を見せ、頬を掻く彼女、何て言うか……可愛いと思う。

 スタイルに関しては発展途上だが、少なくともバランスのとれたスタイルだ。


「さあ、紹介も終わった所で皆!! レーススタート!!」


 いつの間にかとられていたマイク片手に、スタートの合図を切るとピストルの音が鳴り響いた。

 一斉に飛び出す女子たち――コスプレ生着替え走の開幕だ。 
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