はたらく魔王様、天使の飼い方(鈴乃やエミリアともスルものの芦屋と漆原にもオッスオッスされる話)
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最終回
さらに後日、天界の担当者、教会の上司や関係者、王国軍の担当官まで呼んで、魔王城で会談する一同。人数が多すぎて場所も手狭だったのと、警備上の問題で近くのファミレスに河岸を変えた。
鈴乃はジリ貧の魔王軍を救うのと、勇者を廃業したエミリアの安全を確保するために各陣営が欲しいものを用意して提案した。
事前に鈴乃から提出された書類や、今回の会談の内容が余りにも高度だったため、出席している天界人は結構な高官である。
今まで出て来た下っ端の天使全員は、外で小さくなって上役に顎でこき使われ、警護に当たらされるような扱いであった。
しかし人類側に提出した案は、糖衣錠に包んだ上にオブラート隠して、薬用ゼリーで包んだ超甘口の物だったので、大して良い顔はされていない。
「ベルよ(鈴乃)お前が提出した計画、提案内容は余りにも過激だ。本日出席した人物全員が困惑している。もちろん王国議会、教会を始め、天界でもこのような話は受けきれん、却下する」
「うむ、王国議会でもこのような下らない案は受け入れられん、却下とする」
腐った役人が集まって、放火者となった鈴乃が提出した書類をもみ消し「無かった事」で済ませようとしていた。
チェルノブイリや福島第一、人間が受け入れられる許容範囲を超えた事故、事件が起こると、人体の機能で全力を持って「そのような事実は無かった」「計器は振り切っているが、許容範囲である360シーベルトなのだから、これは重大事故ではない」と言い切った共産党員のように、鈴乃の提案は早々と却下された。
だが、天界の最上級担当官はこう言った。
「我々天上人は、異端審問官の提案を受け入れる。計画書以上の詳細な話を進めたい、必要な機材、人材、予算も検討して行きたい」
有り得ない答えを聞いた教会関係者、王国議会関係者は顔を歪め、一番聞きたくなかった答えを聞いてしまい、「今のは聞き間違いだ、天界関係者は別の計画書でも見て、間違った答えを出した」と判断した。
「はっはっは、天界の方はご冗談がお好きだ。そこの小娘が出した計画書とは「異世界であるこの場所に、文物が移動可能なゲートを開き、王国の新領土とする」などという下らない妄想だ、検討するにすら値しない」
もちろん鈴乃が書いた計画書は、提出先によって行動目的や指標が違い、王国には「新領土への進出、経済的効果、新技術、医療技術の入手」が書き込まれていたが、どこかの「GATE、自衛隊かく戦えり」みたいに逆侵攻されて「特地」にされるのは言うまでも無いので却下。
「そのようですな、天界の皆様は冗談がお好きだ、ははっ」
教会には「60億人の人類から新しい信者の獲得、経済的地盤の強化、新領土への進出の足場としての布教、「神の軍隊を呼ぶ布石」として提出されていたが却下。
「天界軍は諸君らの決定を却下する。我らは異端審問官の提案を採用し、今後最重要案件として計画を推進する。その間、勇者エミリアの背信行為、魔王一派への罪を問わず、計画遂行の協力者として、その身の安全を保証する」
「「「「「「「「「ええええええっ?」」」」」」」」」
別の天上人、軍人の高官が地上人の決定を却下した。天界に提出した計画には「人類と魔族の小規模過ぎる戦争に加え、地球人類の相互確証破壊に至らない限定戦争、新たな苦痛と絶望の増産、収穫収奪計画。ゲート作成による相互世界間の戦争、ゲートを獲得するための人類同志の戦争」が明記されていて、天上人はもっと突き詰めた計画の詳細を知りたがった。
もちろん人類側の下級官吏に知らせてはならない情報なので、人類側の書類には、そのような計画は一行たりとも記入されていない。
天上人にとっては余りにも魅力的な計画を見過ごせず、人類が知ってはならない情報を知っている異端審問官にも不敬の罪や異端の罪を問わず、魔王、離反した勇者にも罪を問わず身の安全まで保証された。
それによって鈴乃の計画は大半成就し、真奥とエミリアが抱えていた問題は解決したが、遠い海の向こうでは地獄の蓋が開いて、この世に地獄が現出し、この世界こそが地獄になる。
「まあ、三方一両損といった所だな。死人を出しすぎた魔族、人間社会は毀損した損失を埋められない。解決方法もないので、負の遺産を現在の地球人類にも負担してもらおうという計画だ」
嫌な雰囲気になって、受け入れ難い提案が天上人によって採用されてしまったのに恐怖し、血圧が上がって顔が赤くなる担当者達。
「もし納得できないと言うなら上層部の首を挿げ替えるまでだ。もう魔王軍と悪魔大将軍達を止められる勇者は存在せぬ。新たに魔王軍に加入した「暗黒騎士エミリア」を倒せる者など存在しないのも貴兄らが一番良く知る所であろう。聖剣ベターハーフは天界の要望通り返納したが、新たに譲り受けた魔剣と魔装は、ベターハーフや聖鎧に勝るとも劣らない逸品だ。このクレスティア・ベルも微力ながら加担するが、力よりも「軍師」として力を発揮できると自負している」
人間社会から来た王国関係者と教会関係者は顔色を失い、赤や紫から土気色に進化した。
「ここに教会関係者が行ってきた、小児性愛などの背神行為と、若年同性信者への性的暴行の証拠、証言、神への背教行為の数々を記した証拠がある。他にも王国関係者の収賄、横領、奴隷売買、神への不敬、異端の証拠も揃えた。全ての名誉を失って、異端の背信者として汚泥の中に葬られ、唾棄すべき人物として永遠に背教者として烙印を押されて忌避されるのと、神々との協力者として栄耀栄華を受けるのと、どちらが得なのか考えるまでも無いだろう」
それらは一人で集められる資料ではなく、天界側が把握していた罪を、一人の異端審問官の要請で全て持ち込まれたのだと理解させられた一同。
ここに運び込んだのも天界の連中なのも見逃していないので、「エンテイスラの人事に干渉、命令できる絶対的権力が異端審問官に移譲された」のも理解した。
顔色が悪い出席者だったが、鈴乃がこう呟くと表情が変わった。
「現在の出席者には、自らを告発する証拠を抜き出し、隠匿廃棄するのを許可する」
出席者は証拠書類に飛び付いて、エンテイスラのアルファベット順に並んだ名前の中から、自分達を告発する書類を引き裂いて抜き取り、その内容が事実であるのを確認してから懐に隠し、気味の悪い営業スマイルに切り替えてから鈴乃を見た。
「有能な部下を持って幸せだ、協力に感謝する」
「いや全くだ、王国にこのような腐敗が浸透していたとは、帰れば早速粛清だな」
自分の罪を隠匿した上で、上司やトップを揺すりたかれる証拠を手に入れて、悪魔教徒の笑顔で笑う教会関係者。
王国関係者も自分の罪を隠し、嫌っている人物を失脚させられる証拠を入手して悪魔教徒の笑顔で笑った。
「宜しい、諸先輩方や大神官の皆様に対し、このクレスティア・ベルの異端排除のデスサイズを振るわずに済むのは僥倖だ。お互い今後とも是非、今生の間は今の地位を失わずに神々に奉公できるよう願いたい」
これによって、神が本当に求めている「収穫物」を提出した鈴乃は、法王クラスしか知り得ない事実を知る人物としても重用され、名前だけだが大神官に出世し、福者、聖者として表彰された。
行っていることは人類への背信で、敵対行為でしか無いが、神々にとっては歴代法王全員よりも遥かに優秀な奉仕者で、人類側に立って神罰や犠牲者の減少を願った法王では無く、積極的に収穫できる「果実」「収穫物」を増やす人材で、今すぐにでも法王に指名して不老不死にして「永世法王」にしたいぐらいだったが、順序や序列を守り、日本で暮らすと言った鈴乃には、逆らう者がいなくなった。
と言うか、そんな連中は神と天使と暗黒騎士に消された。
「ご心配召さるな、死亡者は前科者や犯罪者「生きていても仕方がない棄民」が各国から提出されて戦場で戦わされるだけだ。だがそこに描き出される地獄だけは本物だ、手足を切り落とされて泣き叫び、自分の内臓が散らばった物を拾い集める煉獄。今までは騎士だ侍だと栄誉を受け続けて、生まれの高貴さや健康を誇り、劣った者、弱い者を貶んでいた勇士が、たった一発の銃弾で貫かれ、綺羅びやかで高価な鎧も何の役にも立たず、無様に地を這って、惨めに一般兵に命乞いをする、そんな地獄が産み出されるのだ」
魔王軍一同ですら「軍師様」の悪魔的思考や計画には恐怖し、おしっこチビリながら座りションして恐怖した。
「「うふふふふっ」」
闇落ちして快楽落ちまでした暗黒騎士様と巨乳兵は、全く気にせず悪魔教徒の笑顔で笑っていた。
「そのゲート設置場所はどこが良い? 命が安いアフリカや南米も良いが、まずは昔から代理戦争の舞台となった、朝鮮半島やクリミア半島をお勧めする。中国やロシアとも国境を接し、近くには米軍基地もあり、日本からもヨーロッパからも補給できる。新天地、領土、資源を求めて各国が群雄割拠し合従連衡する、核戦争にまでは至らなくとも、棄民達が命を散らして絶望し、死の花を咲かせ続けるのだっ! あはははははははははははははははははっ!」
「「あはははははははははははっ」」
真奥と芦屋と漆原は抱き合って鈴乃に恐怖し、エミリアと千穂は一緒に笑っていた。
そんな鈴乃の部屋の本棚には「まおゆう」「GATE」の漫画版があり、真奥達と見たレンタルDVDの履歴には「戦闘妖精雪風」「アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者」などがあったのは言うまでもない。
もちろん南極からJAMの星にもゲートが開通する。
エンテイスラの哀れな狂信者や食いつめ者は、洗脳された上で粗末なマスケット銃を持たされて「精霊は願い賜れり!」とか寝言を言いながら前進させられ、自動小銃に斉射されたり、機銃掃射で穴だらけにされて死の花を咲かせる運命にあった。
今までの東西陣営は勿論対立、自分の国土では戦争は行わないが、朝鮮半島の38度線に開いたゲートの争奪戦になり、地雷原どころか地表の形と地図が毎日変わるほど爆撃され、死ぬべきクズが大量に送り込まれ、埋める場所が無くなるほど死体と残骸をバラ撒き、東西の最新兵器が送り込まれて実験場になって、毎日が夢のような地獄の限定戦争が開催されてテレビでも絶え間なく映像が流れて娯楽としても定着した。
最初は米軍と西側諸国連合対ロシア中国連合軍だったが、死人の数と捕虜の数を全くキニシナイ中国ロシア側が有利になって、国境が南下してゲートを確保すると、中国人の棄民家族や黒孩子、政治犯が新天地に軽く1億人ぐらい送り込まれて、エンテイスラ全土の魔族、人類、亜人類が結集して反抗。中国軍とロシアも内紛を起こし、仁川再上陸で西側がゲートを確保すると、補給を失った中国人は人肉か奴隷として市場に並び、エンテイスラが失った労働力を補完した。
次にはヨーロッパ諸国と米軍が争う楽しい状況になり、優勢になった側に全長50メートルを超える巨乳兵が出現し、口からビームを吐いて壊滅させ、異臭でペンペン草一本すら生えない汚染された大地が出現した。
そんな状況でも首脳会談では笑顔で握手が行われて、G8でもG20でも楽しいジョークが満載の晩餐会も開かれ、戦場には旧式兵器と棄民を捨てて、血の気が多すぎる軍人と武器商人も笑顔で戦う地獄の競技会がテレビ中継された。
銃後の世界は好景気で満たされ、新車や新製品が飛ぶように売れ、犯罪者が全員捕まって送り込まれ「弁護士が来れば麻薬の売人でも即日釈放される」ような犯罪者天国は消えた。
犯罪どころか町中で喧嘩をしただけで戦場送り、犯罪傾向がある人物は小学生程度からエリミネートされて、サディストも消えてパワハラもイジメすら無い社会が訪れ、腐った遺伝も人類から消された。
戦争前に7000万人ほどいた現地住民は、日帝統治前のいつもの状態に戻り、人肉の塩漬けになったり奴隷として市場に並び、川には汚泥が流れて井戸水には糞便が混入するショートサーキットを起こして、夏場には赤痢やコレラで死人の山を築き、西洋医学は消えてまじない師が復活、市民は全員ペクチョンに戻って売られ「何々村の両班の何匹目の豚」という氏名に戻り、若い女は「村にジープに乗った軍服のような服を着た人物」が押し寄せて「第五種補給品」としてドラム缶に詰められて戦地に直送、「ヘリコプター部隊」で働かされ「クリスマス休暇」も「ペニシリン」を打たれて売春宿で働いて、「MPの腕章」をした人物に「自動小銃」で監視され、人口は十世紀の白頭山大規模噴火頃に戻った。
さらにロシア有利なクリミア半島にはゲートが開かれず、イスラムとキリスト教圏も対立させられ、ギリシャとの国境でもある紛争地の島にゲートが開き、イスタンブールは即座に陥落してコンスタンチノープルに改名。橋とトンネルは爆破されトルコ軍も引いたが、持ち込める限りの兵器と弾薬、その場で死ぬ人員が列をなして船で上陸させられ、スターリングラードみたいに小銃は数人に一丁。どこかのゲームの最初のアイランドマップみたいに死体の山を築いた。
チートしたりコピーした陣営には「バルキリーのような物」「トマホークミサイルのような物」に攻撃されて壊滅させられたのは言うまでもない。
アフリカ、南米にもゲートが開き、逆侵攻されてみたり、経済援助や借款、農業支援のような無駄にしかならないものではなく、カラシニコフ小銃と旧式のM-16ライフルと弾薬が供給され、成人男子も年齢を偽ってでも入隊したがる子供も、全員傭兵として小銭で雇われ、疫病などと比べ物にならない死亡者を出して全土がコンバットプルーフを受けた。
これが第三次世界大戦の始まり、エンテイスラ、地球全土を地獄として神々に恐怖と苦痛を収穫物として提出する新世界の秩序と、その世界を統制する神であり悪魔が誕生した瞬間であった。
「「「あーーはっはっはっはっは、ヒエーーーーーッヘッヘッヘッ!」」」
真奥は恋人選びに失敗した。
両方の世界が「相互確証破壊」している間、千穂や家族にまで天界の警護が付いた。
鈴乃と真奥が「立ち退かない」と言ったヴィラ・ローザ笹塚周辺は天界軍が土地ごと買収して、古い木造家屋などは取り壊してコンテナ、プレハブの駐屯地が建設され、ヴィラ・ローザ笹塚本体にも耐震補強と言うか、土地の外から鉄骨が被せられて対爆、防爆のトーチカが建設された。
床を貫通する鉄骨が通されて、地面の下を掘られて爆破されないように地下室もコンクリートトーチカも建設。「ついでに」と騙されて旧魔王城も解体されて、周囲のトーチカの幅に合わせ、倍以上に広くなった部屋に移転して、エミリア、漆原、芦屋鈴木ペア、店長、千穂にも個室が与えられた。
その後も、鈴乃からの「お中元」に喜んだエメラダは、年末には「お歳暮」を返した。
夜中にゲートから飛んだバンパイヤが数十万都市を数か所、ねずみ算方式で全部下僕に変えて、闇に隠れる知識も知能もなかった連中が灰になって全滅。真祖たるバンパイアを倒そうにも、エンテイスラ側に帰っていて追跡不能。
ゾンビやスケルトンに襲われてエンテイスラ側ゲート守備隊が壊滅。地球側にもゾンビが溢れて両陣営の戦線が崩壊、ゾンビまみれになって核兵器が使用されたり、南米アフリカでも同様の被害が出て、トルコ、ギリシャ間の島も一回焼き払われた。
普通の街にも「人狼」が訪れて「マジ人狼ゲ~ム」が開催されたり、「クレイモア」に出て来るような妖魔も輸出されて、パパさんがママさんを子供の目の前で「お食事」する楽しい光景も見られた。
普通の墓からもネクロマンサーなどの術者が直接引き出す、スケルトンが湧きだしてゾンビも大量、この世に本当の地獄が訪れてしまった。
報道を見た鈴乃は全身に鳥肌を立ててイキ、礼状代わりにインフルエンザ感染した人間やブタをエンテイスラに発送、最前線で汚い生活をして耐性が無い哺乳類にスペイン風邪並の被害を起こした。
両側に存在した魔女は「愚かで低俗な人間を減らしたい」と願い、悲惨な戦争が長く長く続くように調整し、「遺伝子」と言う概念を知ったエメラダも、無差別に殺してはいけないのを知り、人類の中から犯罪者やクズの遺伝子を削除するのに貢献した。
後にオルバも誘拐され、どこかのフルメタの用務員のおじいさんみたいに「この年寄りの熟れ切った肉体を、思う様楽しもうと言うのじゃな?」みたいな感じで、自分で手塩にかけて育てた鯉を粗塩か醤油だけで食べさせられたり、芦屋やアルバートにオッスオッスされてオールナイトのパーリーナイツで快楽堕ち闇落ちさせられた。
残りはエメラダが魔王の嫁として来てくれれば、旧勇者パーテーコンプリートで計画的な地獄が続くが、「ルシフェル軍に捕らわれていた」というエメラダがどのような扱いを受けていたかで人類の未来が決定する。
もし魔族の一般兵にまで陵辱され、「くっ~、ころせ~~」と言っていたのに、オークチ*ポをごちそうになって「らめ~~~、しゅごいのきてりゅう~~~」にされていたり、「もっとチソ*と精子くだしゃい~~」にされて、ハーフオークを毎年春夏六匹ぐらい出産させられていたり、前も後ろもボロ雑巾になるまで使い込まれていると、復讐を果たされてエンテイスラの魔族も、侵略者で敵である地球人類も終了である。
それとも会計の知識を叩き込まれて簿記二級まで取らされていて、市場で買い取ったダークエルフと一緒に金持ちのボンボンが経営する銀行を立て直していたり、「ルシフェルお姉さま」に呼び出されて「タイが曲がっていてよ」に始まりユリンユリンな調教を受けて「魔王様がみてる」な世界観でヤられていると、再会したお姉様とユリンユリンになって世界も救われるが、鈴乃が聞いている情報では、「エメラダが開放された当日、投降した魔族の捕虜が全員、地面の上のキャンプ地で溺死した」と聞いているので、人類の週末?時計の残りは少ないと思えた。
ある日、エンテイスラと地球をつなぐ、唯一のホットラインが鳴った。
「もしもし~~、エミ~~?」
「ああ、エメラダ? どうしたの?」
既に最初の一発で当たりを出し、お腹が大きくなり始めたエミリアが、旧友からの電話を取った。
話し相手が地球侵略の総指揮官だとは知らないし、鈴乃がこの番号に電話するような愚かな行為は許されていない。
「今度ね~~、そっちの巨乳兵ちゃんに対抗する~、すっご~~~~~~~~~~~~~いゴーレムだ出来たから送るね~~」
「そうなの? どこに来るのかしら?」
「う~~ん? 教えな~~い、でも気をつけてね~~」
「もう、それじゃあ何で電話したのか分からないじゃない」
笑いながら人類の破滅を話し合う悪魔が二人。電話を切ったエメラダはゴーレムに搭乗した。
その日、38度線のゲート守備隊を壊滅させた「勇者型大型決戦兵器、エミリア28號」が「バンガオーー!」などと雄叫びを上げて進発した。
「パンチだ~~、ロボ~~」
「ま!」
今回はこの戦いの「元凶」を倒すため、操縦者も同行したらしい。
動力源は、ゴーレムに生きたまま塗り込められた術者、魔族、魔神、魔法生物で、それらが死滅するまで稼働する、人道とかは完璧に無視した兵器である。
巨乳兵を倒して、決戦兵器の肩辺りに乗ったエメラダは、背中のロケットなんかも噴射して、釜山、対馬、本土、と渡って東京方面を目指した。
もちろん富士山麓の研究所には「操縦者の生命の危機を察知して、50倍のパワーを発揮する、原子力で動作する同型のロボ」だとか「機械の獣のようなロボに対抗できる、神にも悪魔にもなれる超合金ロボ」「ラ・ムーの技術で作られた神のロボ」「五体合体したり、タンクローリーから変形して、お前の空手を見せてやれ、なロボ」なんかが用意されているので心配ない。
後書き
後半蛇足ですが、ファミレスパートでブッツリ終わるのが嫌いな方向けです。
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