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KANON 終わらない悪夢

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33秋子さんの初体験

 祐一の質問に答えた秋子の言葉では、妖狐の「血族」とは、丘から降りて来た純血の妖狐を示すものであり、それまではせいぜい「隆山に降り立ったプレデターで鬼の四姉妹が人間に転生した、鬼の血が濃い血族と同じ」程度に思っていた幻想が崩壊した。
 まずは瀕死の病気だった舞の母親を救うために降り立った父親。娘の命を救ってもらった恩を忘れ、愛し合う二人を引き離して妖狐を追放する、などといった愚かな行為を行った人間に懲罰を与えるため降り立った二匹の妖狐である母親と秋子。その災厄の恐ろしさと、祐一や忌み子とまで言われる舞の出生の秘密、母親と秋子は義姉妹で血は繋がっていない事、川澄舞とは人間界の常識では交わってはいけない異母兄弟であり、名雪は秋子のクローンで妹では無い事、そして秋子ちゃんは産まれてからまだ21年しか生きていない「処女」であること、そう、秋子ちゃんは父親とはヤッてないので穴兄弟にはならず、男性経験は無いので処女なんです。はい、大切なことなので二回言いました。

 第三十三話
 部屋に入ると、素早く自分の衣服を脱ぎ出す秋子ちゃん。こちらは力を返してもらうまで十八年も待たされただけあって、もう我慢できないらしい。
「祐一さんも早く脱いで下さいね」
「はいっ」
 ボタンをむしり取るようにシャツを脱ぎ、ズボンに足を取られながらよろける祐一。 エッチなお店に行って、年上のお姉さんにお世話になっちゃう心境だったが「大人のお風呂屋さんに入ったら尊敬してた叔母さんが出て来てドッキリ、お金も払っちゃったのでチェンジもしないでそのままシチャウ」状況になった。
 新人さんの秋子はプレイ時間まで気が回らなかったのか教えられず、倉田家からパーティーグッズが配達されるまでの短い時間に制限された。
「名雪や他の子には聞こえないよう術を掛けておきましたから、少しぐらい大きな音を立てても大丈夫です」
 少々乱暴にしてギシギシアンアン言わせても、秋子ちゃんがドーブツみたいな声で喘いでも、二階には聞こえないそうなので、行為の最中に幼なじみで従兄弟で恋人以上の関係になってしまった少女に踏み込まれて、自分の恋人と母親が獣のように交わっている瞬間を押さえられて修羅場になる展開は無いらしい。
「え? はい」
 しかし、口封じのために名雪を押し倒して、泣き叫ぶ口を口で塞いだり、猿ぐつわとか色々なものを入れたり飲ませたりして喋れない状態にしたり、3Pに持ち込んで母娘の濃厚なプレイをじっくり観察したり録画したり、歳の差だけで同じ体の姉妹?の体を並べて交代で堪能して、穴のお具合を比べたりする行為には期待できなかった。
「そんな凄いプレイは後日改めて提供します…… 今は私の「初体験」だけでお願いします」
 自分の妄想が叔母に聞こえてしまったようで、少し顔を赤らめる祐一。秋子ちゃんとしても、今日は折角の初体験の場を、娘に邪魔されたくなかったらしい。
(後日ならいいのか?)
 そこで秋子ちゃんの豊満な肉体を見て、やらなければならない記録を願い出る。
「あの、ビデオに撮ってもいいですか?」
「エ?」
 予想外の質問をされ、つい体を隠してドッキリしてしまう秋子ちゃん。祐一は佐祐理のカメラを無断で使い、新しいテープを投入して三脚を設置した。
「ああっ、そんな、私は初めてなんですよ? 明るい所では……」
 これも無断で録画開始されてしまい、ベッドの半分以上が映る状態で画角を合わされ、照明器具のオフも断固拒否、デジカメも持ち込まれて恥ずかしい部分を包み隠さず、何から何まで録画して撮影され、保存されて中に出されるのも決定した。
(全部撮られちゃう)
 そこで、ベッドに入って下着を脱ぎながら待っている秋子ちゃん、心持ちハァハァ言いながら、自分の胸を揉んでいるのはご愛嬌である。
「照明、落として下さい」
 明るい所でも自身満々の真琴や香里と違い、何と言っても「初体験」の秋子ちゃんは、ユルユルの自分の裸を見られるのが恥ずかしいらしい。しかし祐一はそんな苦情を却下して、体を隠している布団まで剥ぎ取った。
「あっ、私、本当に初めてなんです。キスもだめだって言われて、姉さんの指と舌で色々されて、最後には口で吸い出されて… 目隠しした祐一さんのお父さんに口移しで」
 祐一がベッドに上がると、珍しくオドオドして慌てている秋子ちゃん。「4歳も年上(笑)」なので、てっきりリードしてくれると思っていたが、少し震えて怯えている。
「名雪を産む時は凄く痛かったので、もう痛くないと思いますけど、傷が治りきってなくて、その… ユルかったら言って下さい、努力しますから」
 いきなり挿入されると思って、目を閉じて震えている秋子ちゃん。お具合が良くなかったら、女の又の力を強くしてくれるらしい。
「そんなすぐに入りませんよ、もっと色々してからじゃないと」
 恥ずかしがる女の子?を見て嗜虐心を煽られ、泣いて嫌がる体位で撮影してやろうと思う祐一クン。
「ゆ、祐一さんがしたいようにして下さい、私は知りませんから」
「ゴムとか無いんですか?」
「ありません。さっき言った通り、直接しないとだめなんです」
 秋子を抱きしめて、ゆっくりとキスから始めようとするが、俯いたり、横を向いたり、体を丸めるようにして震えてしまうので、上から乗って体を開かせてる。
「俺、昔から秋子さんに憧れてたんです」
「本当、ですか?」
 祐一の心の声からも、若い頃の自分の表情や仕草が浮かび、その言葉には嘘偽りが無いのを知って感激する。
「ええ、綺麗で上品で、うちの親と違って怒りっぽくもないし、いつも笑顔で優しくしてくれて、料理だって上手で、今から考えると俺の初恋の人なんです」
「えっ?」
 耳元で男の低音で囁かれ、初恋の相手だとまで言われ、下腹部までビクリと反応して動いてしまうが、それがリップサービスだとか口説き文句だと思えないほど初心な秋子ちゃん。
「初恋は実らない、なんて言いますけど、正直、こうなれて嬉しいです。それも秋子さんが初めてだなんて感激です」
「はい」
 震えながらも、この行為が打算や劣情だけではなく、愛の行為だと心の声からも伝えられ、次第に怖さや恥ずかしさから開放されて行く秋子。
 香里の時と同じく、告白して本気で愛し合い、秋子の逃げ道を完全に塞いでからヤリまくって子作りまでしようとしていた。祐一はまたしても選択肢を誤った。
「好きです、秋子さん」
 本気の告白をされて、心の声にも間違いは無いと知った。秋子は感激して瞼を湿らせ、祐一の愛情を受け止め、その体も精も受け止めようとしていた。
「あ、あの私キスも経験がなくて、名雪か真琴ぐらいしか…… う、うむうううっ」
 水瀬秋子ちゃん、初めての男性とのキスの瞬間であった。無理矢理唇を奪われ、次に舌も入れられて濃厚なキスになり、閉じていた目を見開いて白黒させる秋子。
「はっ、はあっ」
 デープなキスで体をほぐされ、顔を赤らめて涙目になっている秋子を、頬ずりしたり、耳や首筋を舐めてほぐして行く。
(かわいい……)
 その間にも体の左右に溢れてタプンタプンしているブツを掴み上げたり、表情を見ながら先の方をこね回したりして、豊満な肉体を堪能する。
「見ないで、見ないでっ」
 よがる表情を見られるのを恥ずかしがり、両手で顔を隠す秋子ちゃん。そこで祐一は、可愛い秋子をいじめる事にして、両方の乳首を転がしたり揉みしだいたりして反応を観察し、どこをどうすれば気持ちいいのか確かめて行った。
「うううううっ」
 乳首を攻められながら唇も塞がれ、十八歳も年下の現役高校生のオスの匂いと汗の香りもたっぷり嗅がされ、股間の近くにある熱くて硬い物を太ももにグイグイと擦り付けられてしまい、それが挿入される予定の部分がビクビクと痙攣しながら受け止める準備を始め、メスの汁をたっぷりと出した。
「はー、はー、はー」
 もう痙攣しながら目を上に向け、半分白目を向いている秋子。頃合いと見た祐一は、巨大な崩れないプリンの頂上にあるサクランボに激しくむしゃぶりついた。
「あひいっ!」
 自分で触ったり、名雪に吸われた時の感触とは全く違う快感に、背中を反らせて頭を押さえる秋子。その間にも両方の乳房を揉まれ、吸われ、舐められ、歯で甘噛されたり、強く噛まれたりして、どうしようも無い快楽に身を震わせて泣いていた。
「ああっ、もうっ、おかしくなってしまいそう」
 胸に快楽を与えられても、どうしても腹の奥から股間が疼いてしまい、祐一の下から腰をグラインドさせ、パクパクと開閉して足りないものを欲しがる秋子の生殖器。
「もう、どうにかして下さい、祐一さん」
「ええ」
 懇願するような声に答えて、乳房を揉みながら体を下にずらす。名雪を産んだ証である、妊娠線のある腹に頬ずりしながら股間に顔を近付けると、濃厚なメスの臭いにムッとした。
「秋子さん、もうビチャビチャですよ」
「そんなっ、言わないで下さいっ」
 今まで経験した幼さが残る小娘達と違い、大人のメス汁を大量に出して、尻の穴からシーツまで、小便でも漏らしたかのように、ずぶ濡れにしている秋子。そこで恥ずかしい部分を手で隠そうとしたが祐一の手に止められ、腰ごと持ち上げられてしまう」
「ああっ、こんな格好恥ずかしいっ」
 自分の視線の先に、恥ずかしい部分を持ち上げられ、足も広げさせられ、クパァと開かされてカメラに収められ真っ赤になる。
「ほら、こんなになってますよ」
「ああっ」
 体を捻って祐一の視線やカメラから逃れようとするが、大事な部分まで広げられて中身もじっくり調べられ、多めのお汁が腹の方に垂れて行く。
「綺麗ですよ、秋子さん」
「見ないでっ」
 名雪が通過したため、処女膜は千切れて無くなっていたが、使用していなかった場所は、他の小娘たちと同じように桃色の花びらが美しかった。もう開通して半開きになった穴に両手の人差し指と薬指を奥まで差し込むと、そのぬめる穴は四本の指を簡単に飲み込み、左右に限界まで広げると、他の小娘は絶対に見せてくれなかった複雑な構造が奥まで確かめられた。
「ああっ、凄い、凄いですよ、秋子さん」
 そこは呼吸でもしているかのようにビクビク、グチュグチュと蠢いて、穢らわしい肉色の花は、小娘には出せない白濁した汚らしい蜜を垂れ流し、いやらしいメスの臭い匂いを何度も放出していた。祐一は奥の奥まで何度もじっくりと確認してから指を抜くと、その場所に躊躇うこと無くディープキスをした。
「いやあっ! あううっ、ああああっ!」
 それだけで秋子は達して、祐一の口の中に数十年間溜りに溜まったメス汁を大量に吐き出した。一気に吸い出された物は長い時を耐えた分、熱く、濃く、黄色く変色していて、汁とは呼べない白い塊のような物を含み、それに続いて子宮からは、経血のような、赤く、血や鉄の味がする、下り物と同じキツい臭い匂いがする汚い汁を、大量に、ありったけ祐一の口の中にぶち撒けた。
「あおおおっ、はひーーっ、ひーーっ」
 何度も痙攣しながら達し、のたうち回ってよがる秋子。その美しく貞淑だった顔は、真っ赤になって涙と鼻水で彩られ、白目を向いた目は激しく達したのを物語るように血走り、振り乱した髪が汗で顔に張り付き、脱力した口からは舌が垂れ下がって醜く変貌していた。
「秋子さんっ! 俺っ、もうっ、もうっ!」
 秋子の余りの乱れ様に、達しそうになった祐一も、その放出先を探したが、目の前の肉色の花にはまだまだ興味があったので、尻を下ろし秋子の頭を抱き寄せ、だらしなく開いて無様に喘ぎ声を垂れ流している口に、爆発しそうな熱棒を捻り込んだ。
「全部飲んでっ、秋子さんっ!」
「うぐぅ」
 現役高校生で甥の、熱々でガチガチにいきり立った物を喉までねじ込まれ、思わず「うぐぅ」の声を漏らす秋子。
「あぅっ、ああっ、ああっ!」
 そこで爆発した祐一の物を、喉の奥、喉ち*こ、舌、舌の裏側、頬の裏の肉、粘膜、唾液腺、味蕾、上顎、上顎の味覚を感じる場所、歯、歯茎、鼻の奥、鼻孔、食道、気管、声帯、胃袋、肺の中と、口から続くありとあらゆる場所で受け止めさせられ、隅から隅まで精子と精液をぶち撒けられた。
「ううっ、うもううっ、ゴフッ、ゴフッ」
 その青臭く、イカ臭くて、漂白剤のような臭い匂いで悶絶し、苦くて、舌に絡み、飲み下しにくい塊を、気管にまで射精されて咳き込み、荒い呼吸をする度に鼻孔を通過する強烈で濃厚な、むせ返るようなオスの匂いに、脳を直接かき混ぜられるような奇妙な感覚を味わっていた。
「ほふっ、ほふっ、うむううう」
 咳込んだり吐き出しそうになるのを堪え、一度も口を外さず、むしゃぶりついて一滴残らず精子を吸い取った秋子。そこで女の口とは、オスの性器を咥えて精液を受け止めるための生殖器なのだと自分の口で感じていた。
「ああ~、はふっ、はふっ」
 濃厚な精子の匂いを吐き出しながら、口の中にある祐一自身と、粘り着く精液の味をたっぷり味わい、口の粘膜と上顎の波状の場所に愛しげに亀頭を擦り付けて行く。残念ながら唾液が出る度に薄くなって、濃厚な匂いと味わいが減り、女の喉が欲しがっているのか、祐一の精液をゴクリと飲み込んでしまって、味蕾と上顎に残っていた味覚も薄く少なくなって行く。
「秋子さん、もう離して」
 全てを放出し終わって敏感になり、祐一自身が萎んでしまっても掴んで離そうとしない秋子に苦情を漏らしたが、諦めて体制を入れ替え、秋子の股間に顔を埋めた。
「うもうううっ」
 横から秋子の太ももを持ち上げ、尻の肉をかき分け、先程と同じように股間にディープキスをしたが、それでも口を離さず、熱心に吸い付いているので、やりたいようにさせて置き、やがて二人はシックスナインの体制に入って股間を舐めあっていた。

 その頃の名雪は、耳から入ってくる音が脳で処理されないよう術を掛けられ、自分の部屋から変な匂いに導かれるように母親の部屋の前に立ち、臭いオスの匂いを嗅ぎ、それが以前、祐一の股間やゴミ箱、放出された後の自分の口や股間から同じ匂いがしていたのを思い出していた。
(この中で祐一の匂い……)
 母親の部屋から奇妙な匂いがして、どこかから変な音やメスの嬌声、ベッドの軋む音がしていたが、肝心な部分は脳が処理できず、混乱する名雪。
 普通の判断力があれば、母親と祐一が自分と同じような行為をしていて、激しく交わっているのが簡単に想像できるはずが、どうしてもその結論には辿り着けない。純血の妖狐である名雪は、秋子の術から逃れようと彷徨っていたが、術の存在も何も知らない状況では手も足も出なかった。
(まあ、名雪ったら、祐一さんの精液の匂いで誘われて来たのね)
 部屋の外に娘の存在を確認した秋子は、それを気にするどころか、ニヤニヤと笑って興奮しながら娘の恋人の性器にむしゃぶりついていた。
 祐一の上に跨がり、今度は恥ずかしがりもせず、中まで調べられ、指六本で広げられ奥の奥まで見られてしまう秋子。
 やがて祐一も、メスの嫌らしい部分を観察したり、皮を被っている場所を剥いて中身を舐め回している間に、大きく復活していた。
「ああ…… 祐一さん、またこんなに大きくなって」
「秋子さん、もう入れても良いですか?」
 女の秘密の花園を奥まで堪能し、再充填された祐一は今度こそ秋子と交わろうとしていた。その時にはタマタマの命令には逆らえず、歳の差、世間体、病気の有無、今後の生活などは頭の中から全部追い出されていた。
「はい、さっきみたいに沢山出して下さい」
 祐一の顔の上から降り、仰向けになって祐一を受け入れる決心をした秋子。すでに先程、大量の精液とオスの生殖器を口で受け止めていたので、貞操だとか恥じらいといった物は、どこかに吹き飛んでいた。
「く、下さい」
「ええ、入りますよ秋子さん」
 もう秋子の上に覆い被さり、生殖器同士を合わせ、亀頭を秋子の入り口にあてがっている祐一。既に指と舌で捏ね回され、中までほぐされていた秋子は、何の抵抗も無く祐一を受け止めた。
「ひいっ!」
 水瀬秋子ちゃん、処女喪失(笑)の瞬間であった。
「大丈夫ですか? 痛くないですか?」
 指だと六本挿入されて、左右に広げられても大丈夫だった秋子には、今更な質問だったが、一応処女wのお嬢さんには確認が必要だった。
「はい、大丈夫です、それより…… 緩くないですか?」
 秋子としては非常に気になる部分を問いかけ、女の股の力を強くして、アソコのお具合が悪く無いかの審判を待った。
「ええ、気持ちいいですよ。秋子さんの中、暖かくて柔らかくて、締りも良くって最高ですよ」
「そうでしたか」
 長年気になっていた事柄に結論が出て、例えお世辞であっても嬉しくて、涙を流す。
「え? やっぱり痛いんですか?」
「いえ、そうじゃありません、どうしてだか涙が」
 やはり処女喪失(笑)による悲しみと歓び、感激と惜別などの色々な感情と、苦痛?と快感が混じり合い、複雑な涙を流し続ける秋子。
「やっぱり初めてだからですか? でも、秋子さんのバージンを貰えるなんて感激です」
「そうですか、私も祐一さんが初めての人で嬉しいです」
 感激し、泣きながら抱き合う二人は、キスをしようとしたが、自分の濃厚な精液の匂いがして、頬ずりで我慢した。やがてどちらが言うともなく上下から腰を動かして、次第に強く、激しく交わりだし、両手も強く握り合う「恋人繋ぎ」になって行った。
「ああっ、でも俺って、自分の母親の妹と、叔母さんとこんな事してるんですよね?」
 興奮度を高めようとしたのか、落ち着いて世間体を気にしたのか、戸籍上の問題を言い出す祐一。
「言わないで下さい、それに血は繋がってませんから大丈夫なんです」
「でも、戸籍ってそのままなんでしょう? 子供ができたら父親の欄に甥っておかしいですよね? 俺たち、結婚出来ないんですよね?」
 香里の魔の手から逃れるためなのか、結婚の二文字を出し、さらに激しく交わろうとする祐一。秋子もその言葉を聞いて身を固くし、決して結ばれる事のない自分達の状況を呪う。
「また、手続きに詳しい家に調整してもらいます、空白でも、祐一さんでも構いません」
「でも、近所の人には誰が父親って説明するんですか?」
「……ああっ、正直に言ってしまいたい。愛しあった人と結ばれた結果だと、愛の結晶がお腹の中にいるんだって周りの人達にも伝えて祝福されたい」
 秋子も禁断の愛に溺れて涙を流し、次第に悲劇のヒロインとして振る舞うようになっていった。
「でも、祐一さんには、子供の頃に決めた婚約者もいるんです。私とは結ばれない、結婚はできないんですっ」
 顔を背け、苦渋の涙を流す秋子は、もうすっかり昼メロの主人公になっていた。
「婚約者って誰ですか? 栞ですか? やっぱり名雪?」
「違うんです、妖狐の家系で、昔、祐一さんと約束した家があるんです」
「教えてください、誰なんですか?」
「いえ、今はまだ…… 祐一さんが昔の出来事を思い出して、時が来ればお教えします。でも、でも今だけは私、相沢秋子なんですっ、お願いっ、お願いしますっ」
 泣き崩れる秋子の状態を察し、それ以上追求は止めて、今日は目の前の初恋の女性を愛するのに徹する事にした。
「ああっ、秋子っ、秋子は俺の女だっ、誰にも渡さないっ」
 興奮して段々と調子に乗り、秋子にも乗って激しく腰を動かしている祐一クン。後で覚めた時、二人でどうやって会話するかなど、この時には考えていなかった。
「うれしいっ、私、今だけは祐一さんの妻です。だから、せめて子供だけでも産ませて下さいっ」
 当初の目的を忘れ、丘に帰れる程の力を返して貰うはずが、子供を産むことに切り替わっていた秋子ちゃんは、祐一の全てを受け止めようと足を絡めた。

「だお~~」
 その一部始終を聞いていた名雪は、普通の状態なら脳がぶっ壊れてしまい、周囲に破壊の限りを尽くしていたはずの会話を聞いても、秋子の術で脳が受け付けを拒否し、処理できずにいた。しかし匂いや状況証拠で体が気付いたのか、二人の心の声が伝わったのか、母親の部屋の前で座り込んで、えぐえぐと泣いていた。

「ああっ、秋子っ、またっ、またイクよっ!」
 また達しそうになって切羽詰った声を出し、秋子の中で放出しようとしている祐一。それでも尊敬する叔母で恋人の母親を妊娠させるのは、どうしてもためらわれた。
「いいんですねっ? 外に出さなくていいんですねっ?
「外で出しちゃだめなんですっ! 中でっ、膣内に出して下さいっ!」
 秋子ちゃんも「琴音ちゃん式カニばさみ」で祐一の腰に足を回し、絶対に外には出させようとしなかった。
「あううっ!」
「ひいいっ!」
 現役高校生の若々しくて熱々な物を、たっぷりと自分の腹の中にぶちまけられ、気絶しそうになる秋子ちゃん。
「はあっ、はあっ、はあっ……」
 一旦行為が終わり、荒い息をしながら、抱き合って余韻を楽しんでいた二人。
「ああっ、赤ちゃんできちゃう」
 自分のお腹をさすり、流れ込んできた祐一の子種を感じて感激の涙を流す秋子。
 祐一もその言葉で現実に戻り、栞に真琴、香里と名雪、佐祐理と舞(実の姉)、月宮真琴一行、秋子(戸籍上は叔母)とまで避妊もしないで交わってしまった節操が無く、鬼畜な自分の下半身を思い、しでかしてしまった事の大きさを考えていた。
 ただ、この家に家族として住み続けるのは、自分のオットセイ君を包み込んでいる家主が了承してくれたので、今後とも継続可能らしい。
「気にしないで良いんですよ、祐一さんは丘の狐様なんですから「余命幾ばくも無いものは、丘の狐と交わって命を繋ぐ」しか無いんです。それに名雪や真琴とも交わって、できるだけ沢山子供を産ませてやって下さい、私が「了承」します」
「そんな、いいんですか? そんなにたくさん産まれて」
「ええ、純血の妖狐の方がありがたいんですけど、ハーフでも構いません。今度、栞さんと香里さん、親御さんにもこの事を知らせないといけませんね、納得しなければ『命令』してしまいますが」
 秋子の言葉にちょっと怖い物を感じるが、美坂姉妹からの追撃や諍いが終わるのなら、その方が良いとも思えた。

 やがて二人が体を離し、冷静になってくると当初の目的を思い出し、妖狐としての力を確かめてみる。
「……来ない」
「えっ?」
「力が流れ込んで来ないんです」
 思い出してみても、心当たりがなくて困るが、命を救った相手に何かを渡したのではないかと思い始める。
「きっと、祐一さんの力が全部集まっていないからでしょうね、今日は仕方ありません」
 天使の人形が祐一の力の大半を持っているので諦め、枕元のティッシュを抜いて、自分の処理を始める秋子。祐一もティッシュを取り、自分の息子さんを拭いていた。
「祐一さん、もう一度しておきますか? まだ若いんですから満足するまでお付き合いしますよ」
 本日十二発も発射し、空っけつになっていたが、エナジードレインは受けなかったので、純血の妖狐の回復力で再充填しているオットセイ君。
「え? じゃあ、お願いします」
 処女は別腹なのか、短時間で生産が追いついて子種ができたのか、もっと秋子の体を堪能したくなって軽く答えてしまったが、秋子の次の行動に驚かされる。
「私としますか? それとも……」
 秋子が手を延ばすと、ドアが勝手に開き、外にいた名雪と沢渡真琴の姿が見え、当然向こうからも裸で抱き合っている祐一と秋子の姿が見えた。
「何してるのっ! お母さんっ!」
 驚いて大声を上げ、自分の母親と恋人が抱き合っている、信じたくない状況に涙を流す名雪。
「秋子さんと祐一が?」
 目を覚まして降りて来た真琴の方は、名雪ほどの衝撃は受けなかったようだが、動物の本能で嫉妬の心は持っていて、祐一を秋子に取られたのを知って落ち込む。
『名雪、どこまで聞いていましたか? 真琴にはある程度説明しておきましたけど、貴方は人間の常識に毒されすぎです』
「なんで祐一とお母さんがっ、どうしてっ、どうしてっ」
 名雪は秋子に駆け寄り、平手打ちをしようとしたが、そんな物は簡単に止められてしまう。
『貴方には何度も心の声で話し掛けてきました。今日の昔話も聞きましたね? 私たち四人は丘から降りてきた妖狐、人間とは全く違う化物なんです、知っていましたね?』
「そんなの聞こえないっ、ありえないっ、親戚なのにこんなことしてっ、どうしてっ!」
 先ほど聞いた話も幻聴だと思って耳を塞いで泣き叫び、秋子の話とは次元の違う、男女の恋愛の縺れの話を続ける名雪。
『やはり人間の世界で育てたのは間違いでした。真琴、いらっしゃい、祐一さんと交わって、沢山子供を産むんですよ』
「うん、秋子さん」
 秋子に操られるように部屋に入って、平然と服を脱ぎ始める真琴。名雪はそれすら信じられないといった表情で、真琴を突き飛ばし、また平手打ちしようとする。
『やめなさい!』
 秋子の言葉は通じなかったが、真琴にも手を受け止められ、今度も鉄拳制裁はできなかった。
「ふん、何の力も無いくせに、秋子さんのクローンだからって偉そうにしないでよね」
『子供の頃の名雪にも色々と昔話をしましたが、「自分はキツネの国のお姫様だ」と言い出して、香里さんに笑われて喧嘩になってから控えるようにしてきました。でも貴方には世間で笑われたとしても、人間の世界の常識より、妖狐の世界を理解させておけばよかったですね』
 人間世界で生活を続ける名雪に対しては、まともな?教育をしてきた秋子。親子でも兄弟姉妹でもマウンティングして上下関係を確かめ、時に交尾もする獣の世界の常識を教えるべきだったと後悔する。
『名雪、貴方も妖狐なら、服を脱いで祐一さんと交わりなさい。それとも、人間だと言い張るなら、この部屋から出て行って、自分の部屋で膝を抱えて泣いていなさい』

 選択肢
1,名雪が泣こうが喚こうが押さえつけてレイプ。純血の妖狐に学歴など不要なので「学校が」とか「部活が」とか「卒業できない」と泣いても情け容赦なく種付けして妊娠させ、来年の二月には出産。高校も中退させ中卒女にしてやり、毎年毎年閉経するまで妊娠出産を繰り返させてやる。
2,「お前は秋子さんのクローンなんだよ!」と事実を突き付けてやり、質疑応答があっても全部事実を教えてやり、呪われた血と出生の秘密を秋子さんとダブルで左右の耳から流し込んで、生きて行く力も無くして精神崩壊するまでグチャグチャにレイプ。「お母さ~ん」などと言おうものなら「お前がママになるんだよっ!」と検索ワードの上位のセリフを聞かせてやりママにしてやる。
3,秋子さんに中出しセックスしてしまったのは言い訳のしようもなく、今後は妊娠出産もさせてしまうので名雪には何もしてやれない。せめて良い男を見つけられるよう祈って「北川なんてどう?」と最低のセリフを聞かせてやって、お別れを決意する。当然マコピーともする。
4,もう秋子さんと愛の逃避行してしまったので満足して寝るか、マコピーともする。後で「あこがれの川澄先輩」を連れて部屋に乱入し、渋る佐祐理も連れて行って妹にしてしまい、世間の常識回路も破壊、名雪の中にある変なスイッチを全部「オン」に切り替えてヤリ、舞の股間に新しく建設された「穢れたバベルの塔」もブチ込んでやって、舞と祐一どちらの子が出来たか分からない状態で出産させてやる。
 選択「4」

「い、いやっ、うわああ~~っ!」
 自分の出生の秘密を真琴にまで知られ、自分がただの母親のコピーか予備だと知って絶望して泣き叫び、秋子の部屋から走り去る名雪。祐一も声を掛けることすらできず、幼馴染の少女を見送った。
「名雪……」
 また自分のしでかしたことを思い、今の自分には名雪を追う権利も無く、話せる言葉すら無いのにも絶望する。
『名雪なら大丈夫ですよ、苦しい思いをしてきた他の娘と違って、何も苦労をしていない名雪には、このぐらいの試練を与えておかないと、勝てるはずがありません』
 何に対して勝つためなのかは聞けなかったが、恋のライバルなのか、人生だとか、社会に対して勝たなければ、世知辛い世の中では生きていけないのだと漠然と思う。
「ふん、人間にしすぎました……」
 小さな声で吐き捨てるように言った秋子にも驚かされるが、服を脱ぎ終わった真琴に跨がられて、離れた場所からドアを引いて閉める動作をするとドアが閉まったのにも驚かされた。
「お前、超能力者か?」
「へっへ~ん、このぐらい簡単よ、前に秋子さんに教えてもらったんだから。あっ、祐一はできないんだ~」
 以前の仕返しなのか、妖狐の力を使えない祐一をバカにしている真琴。三人で裸になって、交わろうとしている状況には全く疑問は感じていないらしい。
「秋子さんだけずる~い、帰ってきたら一杯してくれるって言うからずっと待ってたのに」
 事前に何もかも説明されていたのか、元々人間の常識になど毒されていなかったのか、名雪とは怒る基準が全く違う真琴は、この異常な状態にも簡単に適応した。
「ごめんなさい、これから家にいる間は三人でしましょう。でも、祐一さん以外の男の人とするのは禁止です」
「うん、祐一意外とこんなことしないよ、でも秋子さんとならいいんでしょ?」
 そう言っても、後で佐祐理が目覚め次第、こんな可愛い子を放っておくはずがなく、100V電源の電動マッサージ器、クリキャップ、尿道を調教拡張する器具、尿道からクリちゃんを攻める器具、アナルビーズ、アナル拡張器具、バイブレータ、ピンクロータなどなど、女の子を夢中にさせる装具一式が到着した後は、美汐と一緒に天国や連続イキ地獄を堪能させられる予定のマコピー。
「ええ、他にも色々と教えてあげますね」
 祐一が学校に行っている間、既に攻略済みらしく、真琴は顔を赤くしながら秋子とキスをした。
「えっ?」
 術が効き始めたのか、名雪が追い出されたのも忘れ、真琴が跨った下で股間を膨らませ始める祐一。男とは経験が無いと言った秋子ちゃんも、真琴とはキスの練習をしていたらしい。
「さあ、するわよ、祐一」
 子供の頃に憧れていた、同級生の女の子と似ている少女は、祐一に挨拶のようなキスをすると、すぐに股間にしゃぶり付いた。
「はおうっ」
 香里に続いて、バキュームフェラを馳走になる祐一クンジュニア。見よう見まねで覚えた香里とは違い、経験値が違ったらしい。
「お前っ、いつの間にそんなテクニックを?」」
(男はこうすると気持ちいいんでしょ? 毎日おやつにバナナをもらったときも、噛んだらダメだって言われて、吸って溶けてなくなるまで練習させられたんだから)
 冬に家にいた頃から、フェラの英才教育を受けていた真琴。当然教師の方も、同席して同じ特訓をしていたらしい。
「真琴、お尻を祐一さんの顔に乗せて、中まで良く見て貰なさい」
 祐一の心の声を察したのか、恥ずかしい格好をさせて、秋子のと穴比べをさせるよう命令される。
「あう~~」
 恥ずかしそうに、でも自慢の体を見せびらかすように体制を入れ替える真琴。祐一の目の前には、秋子と比べると小さすぎて、出産には向かないお尻が乗り、まだ生えそろっていない陰毛と新品同然のアソコが広がった。指を入れようとしても、二本が限度でキツキツになり、広げようとしても裂けた部分が分かるほど新しい傷口が見えたので、秋子のように奥の奥まで見えるような大口を開けてやる真似は出来なかった。
「まだ新品同然だな、こんな小さな穴に…… ここが裂けたんだな、痛かっただろ? 色も凄く綺麗だ」
「ふふん」
 祐一の感動が伝わると、自慢気な鼻声が聞こえたが、秋子の方からは残念な感情が伝わって来た。
「すみません、指が六本も入って、広げたら拳が入るほど大口が開く、ガバガバなアソコで……」
「いえそんな、真琴はまだ子供ですから」
 経産婦には失礼な表現があったようで、後悔する祐一。しかし、こんな小さな穴に赤ん坊を通すのは、余りにも酷な行為に思えた。
「無理すんなよ、お前は子供を産むには早過ぎる」
 幅から見ても、秋子の半分位しか無さそうな真琴のお尻をペチペチと叩き、皮下脂肪も無い引き締まりすぎた体を確認する。
 チューーーーーッ、ポンッ
「うぐっ!」
 真琴が口を離して喋る前に、強烈な吸引力を発揮して、大きな音がするほどに引き抜かれ、何か違う物まで出そうな感触がした祐一。
「アンタバカぁ? 女だったらだれでも子供産めるのよ、あたしだってそれぐらいできるんだから」
 怒ってどこかの二号機パイロットのような話し方をする真琴。
「そうですね、妊娠するのは私や美坂さん達に任せて、定着した真琴は毎日祐一さんのお相手をする方が良いでしょうね。出産が早すぎて痛い思いをしたり、命を落としたりする出血があると大変ですから」
 秋子ちゃん牧場計画の繁殖用のメスブタとしては、骨盤とアソコが小さすぎる真琴は、暫く出産業務から外され、毎日毎日パコパコと祐一のお相手をして、他のメスブタを妊娠させるための「当て馬」業務に専念させる事になった。
「ええ~っ? あたしだけダメなの~?」
「ふふっ、男の人は妻が妊娠すると、すぐ他の女と浮気して遊び回ると言われています。だから誰かが祐一さんのお相手ができるようにしておかないと浮気されてしまいますよ」
 この家の中でする分には浮気にならないのか疑問に思ったが、ありがたい申し出なので受け取っておく。
(ああ、毎日こんな天国が味わえるのか、あの香里だって真琴(月宮)の声は効いてたから、秋子さんが説得してくれれば、殺されないで済むかも知れない)
 秋子との愛の記憶に塗り替えられ、香里にレイプされ続けた、あの夜の出来事も早速忘れている祐一。これからの相手は二人、さらに栞と香里、佐祐理お姉ちゃん、舞(実姉)月宮真琴一行が追加され、名雪まで入ってしまえば「11人いる!」女の相手をしなければならない。
「祐一、もう入れるよ」
 大きくなった祐一を確認し、跨がり直して手で擦って上下させている真琴。先程深く愛しあった秋子の目の前で交尾するのはためらわれたが、感動の再会のためにも一発ブッ放してやろうと思った。
「うっ」
 真琴は祐一の言葉を待たず、秋子の表情を確認しただけで腰を落とした。
「つながってる…… こうしてたら「心の声」もよく聞こえるんでしょ? ねえ?」
 それだけで涙を流し始め、祐一の上から熱い雫を落とし始める真琴。秋子の術でも効いているのか、今はとても素直になっていた。
「見えるよ、祐一の中に子狐がいるのが、昔のあたしがいるのが見えるよ。でも、あたしって邪魔になったから捨てられたの? もういらない子だったの?」
 顔をクシャクシャにしてボロボロと涙を流し、祐一の胸に顔を埋ずめて泣く真琴。
「違う、元気になったから丘に返しに行ったんだ。人間の街で、鎖に繋いで飼うなんてだめだろ? それに、俺だって実家に帰るから連れて行けなかったんだ、許してくれ」
 祐一にも真琴の寂しい心が伝わったのか、同じように涙を流し、心から詫びる。でもこれからは、首輪をしてリードや鎖で繋ぎ、お手やおかわり、おすわり、チンチン、待て、良し、なども調教してやろうと思う鬼畜野郎。
「うん、うん……」
 心の声からも、自分が不要だから捨てたのではなく、どこかのアライグマとの別れのように、怪我も治って狐の兄弟や友達と過ごせるよう、伴侶を探して新しい生活ができるよう、送り出されたのが見えた。
「でも、寂しかった、悔しかった、あったかい家から追い出されて、丘に放り出されて、食べるものだって無かった。イヤだった、イヤだった、イヤだったっ!」
 止まらなくなった真琴を抱きしめ、一緒に泣く祐一。
「ごめんよ、一緒にいられなくて。でも、秋子さんは見逃してくれてたけど、うちの親は許してくれなかったんだ、実家では飼えなかったんだ」
 秋子が真琴の頭を撫でると、懐かしい光景も浮かんで来た。秋子や妖狐を敬う家から食べ物を貰ったり、巣穴に使える布や毛布の切れ端を貰い、暖かく過ごせた日々。
「もう捨てないでっ、別れるのはイヤっ、ずっと一緒にいて」
 人魚姫のような呪いは解けたのか、秋子の言葉がある場だけで有効なのか、自分から告白しても消えず、泣いて縋り付く真琴。
「ああ、もう別れない、ずっと一緒だ」
「うんっ」
 しかし秋子には、今の力が無い祐一に真琴を定着させるのは無理だと思えた。そして真琴の体にも、天使の人形が潜んで命を繋ぎ、その大きな力によって定着させられたのだと感じられた。
「ああっ、出すぞっ、中に出すぞっ、真琴っ」
「うんっ、来てっ」
「ううっ」
 まだ幼い真琴は絶頂を迎えられなかったが、心は満足していた。暫く泣きながら祐一の胸にしがみついて、その温もりと再会出来た喜びを堪能していた。
「ただいま、祐一」
「ああ、おかえり、いい子だ」
 当時と同じ撫で心地の茶色い髪をモフモフしながら、泣き止むのを待ってやる。
(あれ? まともに出来てヤンデレじゃないって、秋子さんと真琴だけ?)
 今後グレにグレて金髪のスーパーサイヤ人になって、おかしくなりそうな名雪や、トラウマスイッチの量では佐祐理にも負けてなさそうな美汐を思い、まともに愛し合えそうなのはこの二人だけだと思えた。

「ゆ、祐一クンとしちゃった…… どうしよう?」
 真琴ロボ?の操縦席に居るあゆは、他人の体だが祐一とキスしてバキュームフェラもして、騎乗位で自分から腰を振って初体験して、中出しされる感触を味わって白目を剥いていた。

 さすがに満足し、そろそろ倉田家の運転手も来そうだったので身支度を整えると、玄関の呼び鈴が鳴って寿司屋が現れた。
「ちわ~、倉田様からのご依頼でお寿司をお持ちしました。水瀬様のお宅で宜しかったでしょうか?」
「ええ、そうですけど?」
「お代は頂戴してますので、明日にでも桶を外に出して頂ければ回収しますので」
 祐一が特上寿司十人前を受け取ると、さらにピザも配達され、ケーキも到着して、ついに運転手とメイド、佐祐理の母までが到着した。
「お邪魔します、皆様、お待たせ致しました。パーティー用のオードブルでございます」
『皆さん、倉田家の方が来られたので起きて下さい。パーティーの食べ物も集まりましたよ』
 倉田家の運転手が一礼して食料を持って入室すると、佐祐理お嬢様他六名近くがソファーで倒れ、既に秋子様の仕置きが有り、絶命しているのではないかと思い愕然としたが、秋子の声で動き出したので一応安心する。
「はい…… あら爺やに姉や、お母様まで?」
 災厄の重大さを分かっていない佐祐理は、自分の母まで水瀬家に来たのに驚いていた。
「お嬢様? お体に舞様の使い魔、魔物が入っていたとお伺いしましたが、現在どのような状態でしょうか?」
「ええ、そこの月宮真琴に譲りました。佐祐理は体を強くしてもらって風と雷槌の精霊と同じ体になって、不老不死じゃなくて不滅? になったそうなんですけど、そのままでは体が燃えて人間の体は失ってしまうので、舞から右手の水の魔物を貸してもらってます」
 何も知らないはずのお嬢様から異次元の会話をされ、血圧も上がって気が遠くなりそうな爺や。奥様がいきなりキレて舞に襲いかかったり、秋子様に食って掛からなかったので安心したが、何か使い魔の出入りが簡単なことのように説明され、さらに伝承にも存在しない不滅の体になったと聞かされたが信じられる要素が無い。その上使い魔は消えておらず、新たに水の属性の魔物がいると言われて倒れそうになるのを何とか堪えた。
「左様ですか。普通、使い魔が体に入りますと、心も魂も食われてしまうと伝えられておりますが、お嬢様は大丈夫なのでございますか?」
 ほぼ泣き出しそうなのを堪え、冷静を装って聞いたが、もしお嬢様が「次はお前の番だ~!」などと言い出したら、素直に食われて佐祐理を追ってあの世に行こうと考えているセバスチャン。
「ええ、今回の災厄は、天使の人形さん、一弥の出した魔物が起こしてるんですけど、舞の魔物とは特別な契約があって、心とか魂は食べないそうなんです。それにもう魔物とか使い魔じゃなくて、精霊と同じになってるので、食べないで何か難しい操作をしたら同居できるとか? ああ、魔物さんに解説してもらったのをビデオに撮りましたので見てください。一弥? ビデオはどこ?」
 佐祐理の解説は全ては理解できなかったが、ビデオがあるのでそちらに期待してみる。祐一を一弥と呼んでいる謎はまだ解明できないが、それは後回しでも良いので配膳を済ませ、ビデオの再生を待った。

「あ、ビデオね、さっきダビングしたんだ」
 秋子ちゃんの初体験ビデオと、マコピーとの再会セックスを録画したテープを隠匿し、カメラと三脚を戻した祐一。先ほどダビングしたものを巻き戻し、再生の準備をする。

「秋子様、ご無沙汰しております、佐祐理の母でございます」
「ええ、お久しぶりですね、お話もありますので宜しかったらこちらに」
 佐祐理の母は秋子が恐ろしかったが、このまま帰る訳にも行かず、秋子と沢渡真琴がいるテーブルに着席した。
「今、佐祐理さんは祐一さんを一弥くんと勘違いしているようです。以前のお約束のように、佐祐理さんのお腹の中に宿るのが一弥くん、その胤となるのが祐一さんなんですけど、一足先に一弥くんを取り戻したと思ってしまったようですね。それと、一弥くん本人も来てたんですけど、「ぼくを虐めてた奴となんか仲良くしない」って拒否されてしまいましたから、お姉さんのお腹に入るのはまだ嫌なようです」
「一弥がっ?」
 七年前、祐一の使い魔に一弥の霊が取り込まれてしまい、いつ失われるか、存在まで消されたり食われるのではないかと心配していた自分の息子が、どうにか存在して自由意志を持って活動している。
 佐祐理の体に宿ってこの世に再誕するのは嫌がっているようだが、どうしても嫌だと言うなら自分の体を使っても良い。母は死に別れた息子との再開が間近に迫っているのを感じ、涙を流した。
「一弥くんは誰かの命を食べて生きて来たので、天使の人形くんと同じで呪いの塊のような魔物になっています。もう普通の人間や貴方には産めない存在です。でも、改造された佐祐理さんなら産めます。二人の関係が良くなるよう祈りましょう」
「はい……」
 本来、生きている佐祐理の心配をして、爺やのように聞くはずが、娘の優先順位が低いようで息子の話から質問した母。
 娘の心や魂は壊れておらず、さらにここ数ヶ月で中身も体も強化されているように見えた。
 一月に美坂栞を無理に復活させる呪術が行使され、死が確定していた人物に対し因果律の書き換えまで行われ、その揺り戻しで災厄が起こるのは告知されていたが、美坂香里、佐祐理、一弥、川澄舞、天野美汐を不死にするための呪いまで使われた。
 今自分の向かいには、どう見ても純血の妖狐が座って天野美汐と歓談していて、他にも精霊化された使い魔を入れられた被験者が四名もいた。
 ここまで物理法則を無視し、激しく歴史や事実を書き換えた場合、どこまで被害が及ぶか分からなかったが、今も次々に生け贄にされている者達の命では対価として少なすぎる。
 不滅になった娘と、魔物にされてしまった息子が滅びる心配は無いようだが、食料となる人類が本当に存続できるのか心配になって来た。

「真琴っ、帰って来たのね?」
「うん、美汐はどうしてた?」
「え? ちょっと危なかったの」
 真琴を心配させないよう、「使い魔が入っているのがバレて本家に捕まり、殺される寸前だったが、祐一のおかげで嫁入りとして家を出されて何とか生き延びた」のは黙っていた。
「真琴はあれからどうしてたの?」
「さあ? わかんない」
 純血の妖狐にの体に書き込まれるデータを、一ヶ月遡って以前の行動全てを愛の行為として書き換え、様々ないたずらも盗み食いも愛故に起こした行為、交わるまでの期間が長すぎたが、それも幼い体を心配して、真琴の体を気遣って交尾も妊娠もさせなかったと書き換え、最後に結ばれたがタイミングが悪く妊娠しなかったので、次の機会を持たせるように変更されて生き延びた真琴。
 本当に純血の妖狐を再生しようとすれば、虫けらのような人類を復活させるより遥かに危険な呪いが必要になったが、この土地から人がいなくなるので、そこまでの呪いは回避されるよう工夫された。
「ねえ、美汐も祐一の奥さんになったの? もうしちゃった?」
「えっ?」
 残念そうに言う真琴の表情を見て顔を赤らめ、自分が真琴の恋敵になってしまったのを思い出す。まだキスされただけで、佐祐理お姉様の妹にもされてしまったが、今夜はどんなプレイが待ち構えているのか考えるだけで、また卒倒しそうな美汐。
「まだ何もしていないわ、でも形式的には嫁入りしたのね? まだ相沢さんが受け付けてくれるかどうか分からないし、私も使い魔が入って、自分がどうなってるかも分からないの、だから……」
 そんな言い訳をしても、パーティー中や真琴と会話していても二階に引っ張って行かれ、エロエロな先輩に全てを奪われて妊娠させられるのが予想された。
 周りの女を見ただけで「今朝結ばれました、ヤッタネ、ミャハッ」という中に二人入っている女。
 「一弥と再会したので一弥を妊娠します」という病んだ人。
 「…約束の少年と再会して結ばれた、もう離れない、絶対に離さない、もし逃げたら……」と言う怖い女。
 「私が婚約者なんですよ? 今朝から浮気? 六時間目以降はお姉さま二人と? それから三人追加? 一月には真琴ちゃんと二股? 入院中は名雪さん? お姉ちゃんは仕方ないとしてまた増えた? 天野さん、あんたどこ中よ? それにまさか秋子さんまで?」と睨んでくる小中学校時代の同級生の心の声が漏れ聞こえてきた。
 他にも三人、二人入っている女がいたが、自分の中にいたはずの土の精霊がポニーテールの女に移動したのにも気付いた。
「あれ? いない」

 そこでリビングのテレビに先ほどのビデオが再生された。もし間違って別のビデオや、「佐祐理ちゃんの初体験、議員の娘さん大開脚で大ハッスル、親友の女の子ともユリンユリン、その子の恋人ともヤっちゃいました!」が流れてしまうと、祐一クンは爺やにぶん殴られて拉致され、ホモ軍団にレイプされて、スナッフビデオに出演が決まってしまうので慎重にテープを選んだ。


 あゆちゃんのゆめのなか。
(じゃあ、僕はお姉ちゃんに付きまとって、隙ができたら憑依してくるよ、またね)
 拳を合わせ、一時別れを告げる天使の人形と一弥。佐祐理を破滅させ、舞を道連れにすれば、あゆの心臓と魔力源は点火、起動して蘇る。
(ああ、しくじらないようにな、兄弟)
(分かってるよ、相棒)
 一弥は佐祐理の後ろを付いてまわり、自分が以前されたように、階段を降りている所を見つければ後ろから蹴って落とし、トロトロ歩いていれば足を引っ掛けるか背中を蹴り、自分の部屋の下を歩いていれば花瓶の水や雑巾バケツの泥水をぶっ掛けてやり、「あら? 小さいから気が付きませんでした」などと言って笑ってやろうと思っていた。
(幸せになれよ)
 他の女達や祐一への思いとは全く違い、一弥の不幸は願っていない天使の人形。この後、どうやってか一弥と佐祐理は和解し、再び現世に再誕するのを知っているかのような口調だった。
 
 

 
後書き
こんな古い原作で不人気でも、ハーメルンさんでは100人程度読んでいただけたようですが、現在1名。
どの辺りが違うんでしょうか? あちらは複数アカウントでランキング操作自由だったようですが? アクセス数も水増しだったんでしょうか? 
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