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KANON 終わらない悪夢

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26佐祐理の初体験

 ついに約束の少年である祐一と結ばれた舞、何となく香里よりも障害が多かったような気もするが、敵対する女が増えているので仕方がない。その女達は舞の家に向かって現在侵攻中である、果たしてオットセイ君は無事佐祐理の中にダイブできるのか?

 舞は祐一の股間に自分の血で「川澄舞」と署名して、真琴の真似をしてこう願った。
『…消えるな』
 ほんの短い、呪文とも言えない言葉で血印が定着し、祐一の新所有者は無断で舞に名義変更された。
「舞、何してるんですか?」
「…さっき祐一に名前が書いてあったから、剥がして私の名前を書いた。佐祐理も自分の血で名前を書いて、そうすれば祐一も私も佐祐理だけのものになる」
「えっ?」
 予想外の言葉に頭がクラクラする佐祐理。この際、祐一は舞の物で構わないが、舞に自分の所有権や担保を付けて、賃借関係を結べるのなら是非お願いしたかった。
 もうこの場合「…今からお前は私の物だ」とか「…私の味噌汁を毎日作ってくれないか?」とか「…今日から佐祐理は私の新しいギターだ、どんな音で鳴るのかな?」でもよかったりするらしい。
「…佐祐理にも書いていい?」
「ええ、今すぐに」
 舞が自分の体に所有権を設定しやすいように祐一の隣に寝転ぶ佐祐理。
「ここに大きく書いて、はみ出すぐらいに」
 自分の胸から下、股間にかけて「縦書き」で署名を要求する佐祐理。お嬢様なので銭湯に行くこともなく、温泉でも貸し切りが使えるので刺青のような痣ができても気にならない。
「…そんなに大きく?」
「ええ、背中にもお願い」
 もう「川澄舞命」でも良かったが、舞本人の署名なので例え卑猥な落書きでも構わない。二人の間に祐一を挟むだけで、ここまで濃密な関係になれるなら、サンドイッチの具や接着剤として佐祐理にとって是非欲しい人材となった。
「舞、体育の着替えとか佐祐理さんが困るし、温泉に入れなくなる。普通の人には見えないようにできるはずだけど、やれるか?」
「…わかった」
 佐祐理的には「見せびらかしたい」ぐらいなので、着替えの時に見付かってクラスで自慢したいほどだが、「川澄さんと倉田さんってガチだったんだ」と言われて舞に迷惑がかかるのだけは避けたいので祐一の言葉に従った。
「あっ」
 舞の血が付いた指が自分の上で踊るのに歓びの声を上げる。祐一の精子が混ざるのは残念な気もしたが、指を二本も使って太字で署名してもらっているのに歓喜し、親友から恋人にステップアップできる状況にも涙した。
(ずっとこうなる事なんて無いと思ってたのに……)
『…消えるな』
 魔物が入っているにも関わらず、キスで署名を定着してもらい、喜びの涙を流す佐祐理。
「…嫌だった? どこか痛い?」
「いえ、すごく嬉しくて。祐一さん、ぜひ写真に撮って下さいっ」
 ずっと背中を押し続けてくれた魔物にも感謝し、一緒にと誘ってくれた祐一にも感謝する。
 写真をとった後、舞がティッシュで血を拭き取ってしまったのは残念だったが、薄っすらと跡が残り、性的に興奮している間は自分にも署名が見えるようなので喜んだ。
「じゃあ、背中にも、ここから下まで全部に」
 長い髪を前に掬い、舞に背中を向ける。今回も背中全面に書いてもらえるよう頼み、舞に触れられるとくすぐったい部分に大書され、綺麗に定着してもらえたので、カメラに向かって思わず勝利のVサインと軽くガッツポーズまでして記念写真に収まった。

「…今度は佐祐理の番」
「ええ」
 祐一に視線が向き、「舞に佐祐理の名前を書くので膜をぶち破って下さい」と頼まれているような気がした。
「俺でいいの? 佐祐理さん」
「はい、本当なら佐祐理は、高校を卒業したら名前も顔も知らない許嫁の所へお嫁に行かされるはずだったんです。でも、この子に背中を押してもらって学校も留年できて、もう一年だけ自由に過ごせるようになったんです」
 左足を押さえ、明らかに舞の魔物を自分でも認識している佐祐理。
「え? それじゃあこんなことしたらダメなんじゃないのか?」
「いいんです、佐祐理をもうお嫁に行けない体にして下さい。体に大きく舞と祐一さんの名前が書いてあるような女なら先方から断ってきます、佐祐理を舞と祐一さんの物にして下さい」
「…わかった」
「いいんだな、佐祐理さん」
「はい」
 嬉しそうに微笑み、見知らぬ許嫁との結婚をブチ壊してもらえるよう願う佐祐理。二人もその願いを叶えるよう、両側からキスして体を弄り始めた。
「ああっ、幸せです、こんな日が来るなんて思ってもいませんでした」
「…祐一はこっち」
 今回も佐祐理の左右分割を提案されるが、やはり上下分割がありがたいので逆提案してみる。
「佐祐理さんをタップリ可愛がってやれよ、俺は下からさせてもらう」
「…うん」
 そう答えると佐祐理に覆いかぶさり、上半身にキスの雨を降らせる舞。祐一もやはり「はちみつを舐めるクマさん」のように蜜壺の貴重な蜜を頂戴した。
「あっ、あああっ」
 羞恥心をカットされている佐祐理は、女の子の一番恥ずかしい部分を全開で見られ、さらにデジカメで写真まで撮られ、皮を被った中身も剥き出され全部撮影された。
「祐一さんに全部見られて、撮影までされてしまいました。これはもう責任を取って頂くしかありませんね~」
「ああ」
 現在魔物憑きの佐祐理なので曖昧に答えたが、「祐一と偽装結婚して舞と三人で暮らす」という野望を捨てていない相手には、言ってはならない一言だとは考えもしなかった。
「あっ、そんな所、ううっ、強く吸わなっ、いっ、下さ、ひっ」
 舞に上半身を可愛がられながら、下ではヌルヌルは全部舐められ吸われ、一番敏感な所は自分では虐められないぐらい乱暴に刺激され、尿道周りまで吸いだされる。
「あっ、強すぎますっ、あっ、うう~~~っ」
 敏感な場所を執拗に舐められた佐祐理も痙攣しながら達し、祐一の鼻や顔に白濁液を塗りたくって、残りを全部吸いだされた。
「は~、は~」
 舞をオカズにしてのオ○ニー熟練者には軽い絶頂などいつもの事だったが、「起きている舞に攻められながら、目の前で痴態を見られてイク」というのは初めてだったので非常に興奮した。
「どうぞ、佐祐理の初めては舞にあげます、舞の指を入れて」
「…もういいの?」
「ええ」
 実は昨日も今日も舞の体操服をレンジでチンしてスーハーし、数回お楽しみ済みだったので、ソッチの方は非常に満足していた佐祐理。
 後は本人に破いてもらってペ○スバンドとか双頭ディルドーを購入して、脳みそが取れるぐらいかき混ぜてもらえるのを楽しみにしていた。
「祐一さんもご一緒に」
「俺も?」
 舞の指二本と祐一の指一本で処女を開通される佐祐理。折角なので表情も大事な部分も残せるよう、座ってもらってビデオに収めることにした。
「うっ、あっ」
「…痛い?」
「はい、少し」
 細めのお道具で何度もお楽しみだったので、大して血は出なかったが指三本分まで拡張されたので痛みはあった。
 その後三人で名前を署名しあい、お互いの体は他の二人との共同所有になった。
 舞の背中にも大きく「倉田佐祐理」と書き鼻血ブー、お腹は祐一に譲ろうとしたが小さく書かれたので、お腹にも大きく名前を書いて舞の所有権の大半は佐祐理のものになった。
「これで私達は夫婦です、三人一緒で夫婦なんです、これからは仲良く暮らしましょう」
「…うん」
「ああ」
 円陣を組むように三人で抱き合って顔を寄せ合う。舞に術を掛け続けられた祐一の頭からは、栞も真琴も排除されていた。

「…佐祐理、祐一ともする?」
「はい」
 男とするのに関わらず、嬉しそうに寝転んで祐一を受け入れる佐祐理。下から手を伸ばして抱き寄せ、足も絡めて引き寄せる。
「佐祐理さん」
「ええ」
 オットセイ君を当てられても嫌な顔をせず、自分で引き入れるように手足を絡めて奥まで迎え入れた。
「はあっ……」
 少し染みるような感じもしたが、それよりも祐一の心の中の風景や、何かの記憶が流れ込んできて驚かされる。
「あっ、あの、急に思い出しました。佐祐理にも弟がいたんです。でも、誰かに記憶を消されたみたいに思い出せなくなって。確か中学に入った後、手首を切ってそこから……」
 男と交わっているのに、全く関係ない話を始める佐祐理。その心の中には、耐えられないような孤独と大切な弟を虐めてしまった自責の念、今抱かれている祐一や舞との一体感や充足感が入り混じった奇妙な感覚に満たされていた。
「どうしたんだ? 佐祐理さん、痛い? もうやめようか?」
 目の前の女の子が泣き出してしまったので、痛みがあったり、嫌な相手と繋がってしまい後悔しているのではないかと心配になる。
「違うんです、弟のことを思い出して急に寂しく、ヒック、でも祐一さんと一つになって舞もいるから大丈夫なんです。きっと誰かがこうなるまで守っていてくれたんだと思います」
 そこまで記憶を失わせるのは、名雪の力しか有り得ない。苦しんでいた佐祐理の所にも、名雪が現れて苦痛や哀しみに満ちた記憶を封じ、いつも笑っていられる人格に固定して、天使の人形も喜びの感情を持った舞の魔物を与え、命を繋いで来たらしい。
「祐一さん、これから祐一さんの事を「一弥」って呼んでもいいですか?」
「は?」
 意味は分からなかったが、ダラダラと涙を流している佐祐理の目付きが舞や香里ぐらいヤバイ目付きに変わったのは理解できた。
 もう背中も腰も、魔物の力で手足を使ってガッチリ固定され、逃げられない状態で軽くピストン運動する隙しか与えてもらえなかった。
「ド、ドウシタンダイサユリサン?」
「一弥~~、お姉ちゃんの中に帰って来て~~、すぐに生き返らせてあげるわ~~、あはは~~~っ」
 何か佐祐理のトラウマスイッチを激しく押してしまったらしく、すっかりおかしくなってしまった地雷女に抱かれ、オシッコをちびらず別のお汁を出してしまうマゾい祐一クン。
 そう言えばこの女の手首にもいつもの傷が複数回分あり、隣には自傷から自殺までが日常のメンヘラスペシャリストがいる。
 初体験の相手は出会った当日に買ったばかりのカッターで手首を切り、その姉も何だかんだ言いながら自責の念にかられて手首をギコギコやったらしい。
 自分の付き合った女の大半はメンヘラリスカ女で、手首の傷が共通点という最悪の事態に気が付いた。
(イプシロンワン再起動、超重力反応、佐祐理ベアハッグ、だいしゅきホールド、ハードレイプに注意して下さい)
(おせーよ、もう下から掴まってるよ、抜かせてくんないよっ)
 戦闘AIに泣き言を言ってみたが、自分の性癖と言うか嗜好は、メンヘラ女が直球ド真ん中で、「いつもそう言う相手が好きになるよう、神様に作られちまった」らしい。
「はわ~~っ」
『ドウシタンデスカ? 少シ縮ンデマスヨ、ソンナノ許シマセン』
 佐祐理は再び魔物に心を売り渡したのか、いつもの佐祐理さんじゃない佐祐理ちゃんの声になり、やっぱり繋がったまま転がされて上下を入れ替えられ逆レイプされてしまう。
(佐祐理さんだけは普通にできると思ってたのに)
 傷なんか物ともせず、ガッシュガッシュと擬音が聞こえそうなぐらい激しく犯される祐一クン。子種混じりの変なお汁を出してもオットセイ君が縮む暇など与えてもらえず、ベッドが血まみれになってもヤリまくられた。
「…佐祐理、どうしたの?」
 親友の余りの豹変に舞も驚いて声を掛けるが、また魔物に心を奪われたのだと考えた。
「舞~、一弥を妊娠したら左足は返してあげますね~、もう少しの辛抱です」
 コロコロと人格を入れ替えながらも、一弥を現世に受肉させるのに必要な胤を絞り出そうと女の又に力を入れて努力する佐祐理。魔物の知識で祐一の子種なら強い子供として産み直してやれるのだと知った。
『さあ一弥~、たくさん出してお姉ちゃんを妊娠させて頂戴、今度は強い子に産んで、大事に育ててあげますからね~~』
 笑顔で泣きながら涙をボタボタ垂らして下腹部血まみれで犯してくださり、祐一クンの記憶歴代トップ3に確実に入れるヤバイ目付きで、祐一の許可など必要ともせず「一弥」と呼んで下さるヤンデレー過ぎるお姉ちゃん。
 そのメンヘラでヤンデレ具合は香里を遥かに超え、ジャンプ台のK点を超えてテレマーク姿勢を取ってハードランディングしていた。
「うぐ~~~」
 長めのうぐぅの声を漏らし、お姉ちゃんに激しく犯される祐一クン。下半身は別の生き物で、締りの良い乙女の感触に大喜びしたオットセイ君は、本日五回目の「本紙記者も思わず昇天、佐祐理嬢の猛烈テクニック」によって爆発しようとしていた。
(オットセイ君、ダメダヨ、こんな危ないお姉ちゃんに出したら、香里みたいに殺されちゃうよ)
(出すもん、いっぱい出すもん)
 折角の処女を相手に大喜びして、首輪を引いてもギャンギャン鳴いて縮もうともしないオットセイ君。

選択肢
1,佐祐理お姉ちゃんを妊娠させる
2,佐祐理お姉ちゃんを妊娠させる
3,佐祐理お姉ちゃんを妊娠させる
4,佐祐理お姉ちゃんを妊娠させる
5,佐祐理お姉ちゃんを妊娠させる
6,佐祐理お姉ちゃんを妊娠させる
7,佐祐理お姉ちゃんを妊娠させる
8,佐祐理お姉ちゃんを妊娠させる
9,佐祐理お姉ちゃんを妊娠させる
10,以下同文

「あっ、佐祐理さん、もう、もうっ」
『ええ、いっぱい出して下さい、一弥~~、あはは~~~~っ』
 いつの間にか術も使って祐一に命令を続ける佐祐理。既に子種なしモードも禁止され、選択肢も自動的に「佐祐理お姉ちゃんを妊娠させる」が選択され、ジャイアントバズーカの発射体制に入った。
(ジャイアントバズーカ発射、フルモードで寄生体を攻撃します)
「さ、佐祐理さんっ!」
「ああ~~~、こんなに沢山、お姉ちゃん妊娠するからね~、佐祐理の中に帰って来て頂戴」
 ガッチリと抱き付かれ、一滴も漏らさず自分の体で受け止めた佐祐理。
「うっ、うう~~」
 祐一も危なすぎるお姉ちゃんの中にタップリと写生?した。真っ白だった佐祐理さんキャンバスは、黄ばんだ白濁液で穢され、祐一クン色に染め上げられてしまった。
「ああ~、百薬の長です、十年寿命が伸びました~」
 この辺りは魔物が持っている知識らしく、妖狐の一族で術を使う力も持っていながら、力の源を持たない佐祐理の寿命が本当に伸びた。
 栞のように何かの切っ掛けで力を使ってしまった一弥は、若いうちに力を使い果たして亡くなったと思われる。 
「あの、佐祐理さん? 大丈夫?」
 明らかに大丈夫じゃない佐祐理に恐怖を覚えながらも、勇気を出して聞いてみた祐一。
「ちゃんと、「お姉ちゃん」って呼んで、一弥」
 自分への呼び名が「愛のニックネーム」なのが気にならないでもなかったが、自分を大事な弟として認識してくれているのか、どこかの「クマの縫いぐるみを妹と思っている、りーさん」ぐらい危ない目付きの人に逆らうと「貴方は一弥なんです」と言われて追い詰められ、さらに逆らうと混乱して錯乱して興奮して逆上して毒入りになって石化して発狂して暴行され、とんでもない目に合わされそうなので無かった事にした。
「お、お姉ちゃん」
「はい~、よくできました」
 頭を撫でられ、ポンポンしてくれる姉? 目の下に力が入った怖い笑顔はそのままだったが、涙の量が減って来たのでSATSUGAIされる心配は無くなった?
「一弥はもっとしたいですか? 舞は?」
「…祐一がしたいならする」
 余韻を楽しんだ後、舞に場所を譲った佐祐理。大事な子種が零れてしまったので残念だったが、一弥を妊娠できるよう、もう一度オットセイ君を握って再起動させようとした。
(アルファワン高速接近、ベータワンからベータフォーも同行しています)
「栞が来ちまった」
 一段落した所で戦闘AIから栞接近の警告が出た。逃走するためにテッシュで拭いてパンツだけでも履いてみたが、先程まで味方だったベータワン(真琴)からベータフォーも、素っ裸の女二人と同衾している状況では言い訳すらできない。
 また詰みとチェックメイトと死刑を覚悟する祐一クンとオットセイ君だったが、舞の他に佐祐理さんまで頂き「殺すなら殺せ、もうどうにでもしやがれ」という心境だった。

 川澄家のある共同住宅の前。
「この辺りですね、祐一さんを見失ったのは?」
「ええ、ここです」
 早速ポストを探って「川澄」の名前を探し始める一同。
「あったぞ、ここの三階だっ」
 ダッシュで上がって行く一同を、短距離の縮地で栞が追い抜いて行き、「川澄」の表札がある部屋のドアを開けようとして、閉まっていたので空間転移して中に押し入る。
「くぁwせdrftgyふじこlp! キシャーーーー!」
 防御する暇もなく浮気現場に栞の突入を許してしまい、三人でいる所からひっぺがされ、チキンウィングフェイスロックの体制で引きずられ、背が低いはずの栞からネックハンギングツリーで処刑される祐一。
「おぐふうっ」
『祐一を離してっ!』
 舞の声に命令され、体制を崩して祐一を離してしまう栞。しかし今度はベアハッグの体制に持ち込み、エドモンド本田のような腕力でヒットポイントを削られ、背骨をメキメキと締め上げる。
「ゴホッ、ゴホッ、グヘッ(中身出ちゃうよ)」
 栞の目には赤外線の動きで「ヤダ、センパイの家に呼ばれたのに電話でお友達呼ばれちゃった、どうしよう、私このままじゃあセンパイ達に輪○サレチャウ」みたいな祐一の状況が見えたが、エロ顔でシャワーまで浴びた後、ヤンデレのセンパイ二人に輪○されてしまったマヌケな恋人の姿も見えた。
『解錠!』
 真琴一行にも突入され、合計八人もの大所帯になった川澄家。女達は手に手に凶器を持って戦闘を再開しようとしていた。
『川澄舞、貴方に正常な恋愛が許されるとでも思ってるんですか? それも現人神たる王子様との恋なんて』
『…祐一は私達の』
 血の気が多すぎる女達が、また戦いを始めようとしているのを見て、血の気が引く祐一。
「待ってくれっ、佐祐理さんの中にも魔物がいて、今から取り出して舞に返す所だ、話を聞いてくれっ」
「「「「「えっ?」」」」」
 術者としても信じられない話を聞き、戦いの準備を止めた一同。
「まさか? また使い魔を取り出して持ち主に返すだと? 本当に有りえるのか?」
 術について詳しく知りたいザコ1号に掴みかかられ、やっと栞の死のハグから解放して貰った祐一。
 舞もジャージを着て、佐祐理もブラウスと下着だけは穿いて体を隠した。
「ああ、さっきも香里に憑いてた奴と舞が戦ってて、話し合って一旦俺に取り込んでから舞の中に帰ってもらったんだ」」
 知っている内容を一通り話し、栞の時と同じように魔物と話し、和解させて舞に返したこと、魔物は舞の体の一部で残り三体いて、感情や欲望でもあること、すべてが失われると舞が死んでいた事、佐祐理の魔物も願いや恋愛を成就させ、満足させれば帰ることなども伝えた。
「凄えな、ババアの持ってる伝承にもそんなの書いて無いぞ、さすがアタシの未来の旦那だ、ちょっと惚れなおしたぞ」
 ザコ1号からチョロイン2号になった女に頬を撫でられ、良い気分の祐一。もちろんそんな発言は栞と舞と真琴(本物)とチョロイン1号に却下された。
『相沢くん、その使い魔、魔物は大丈夫なの? また徘徊して人の命を吸ったりしない? 川澄さんの体を乗っ取って暴れたりしないの?』
「もう舞の体から養分がもらえるし、本人たちも「もうそんな事しない」って言ってた。二人とも、何かに命令されて栞と香里の体に入って「命を繋いでた」って言ってたし、何かのために命を集めてただけだって言ってた」
「「「「命を繋いでた?」」」」
 香里の言葉と同じく、予想と逆の話をされ疑問符を浮かべる真琴一行。
 夜の使い魔は術者の命令で取り憑いた相手の命を喰らい尽くしてから乗っ取り、夜中に這い回って誰かの命を吸って回るのが普通で、救うために取り憑くなど有り得ない。
「ああ、香里も誰の命令か言おうとしてたけど、口だけは動かしてたな、読唇術でも使えれば分かるんだけどな?」
「…天使の人形」
「そう、そんな感じで喋ってた。なんで分かるんだ? 舞」
 意外な所から香里の唇の動きを教えられ、舞は読唇術も使えるのかと思えたが、もっと意外な話を聞かされる。
「…学校で香里さんが倒れた時にもいた。五時間目にも後ろの壁の中にいたし、さっき香里さんと戦った時にも左手を狙ったら止められた。いつも「うぐ~っ」って鳴く魔物と一緒にいる」
「え? あゆ?」
 古今東西、そんな声で鳴く魔物は一匹しか知らない祐一。
「じゃあ、黒幕はその、天使の人形って奴で決まりだな。そいつは「うぐ~っ」って鳴く奴に命を食わせるために集めてると、これはもう「災厄」だな」
「他の家にも応援を呼ばないといかんな」
『ええ』
 伝承にある記述から、変数xとyを埋めてくれたザコ1号。付き人も真琴も災厄認定して他家の応援すら必要と言い出した。
「伝承じゃあ、術者が狂う時ってのは相場が決まってるんだ。自分の子供や嫁さんが死んで、それを許せない奴らが命を集めて、他人の命の継ぎ接ぎでも、子供や女を生き返らせようとするんだ。相沢、その「あゆ」って奴、もう死んでるぞ、生きててもまともな状態じゃない。もし会ったら一目散で逃げろ、一言も話すんじゃないぞ」
「あゆが……」
 一月には何度も商店街で会い、タイヤキを盗んでいた少女。栞との出会いの切っ掛けになり、木にぶつかって雪を落とし、栞を生き埋め?にしようとした少女。
「栞、あの時の子だ。お前が買い物してて、木にぶつかって、お前を雪だるまにしようとした子だ」
「え? あの時の?」
「まさか、もう話しちまったのか?」
 それが大きな失態だとでも言うように、驚きの表情で聞くザコ1号。
「ああ、商店街でタイヤキ盗んで俺にぶつかって来て、俺も仲間にされて一緒に逃げた。昔の知り合いだから、七年ぶりの再開だって言ってて」
「私は道を聞かれました」
 それも大変な失態だと言うように、「やっちまった」と言いたげに絶望の表情をされる。
「お前らはそこで(えにし)を作られたんだ、他人には見えない化物に、術を掛けられて見えるようにされて、その声に答えた。妹ちゃんが狙われたのもそのせいだろう。香里だってその後どこかで目を付けられたんだ」
 あのあどけない少女、それも自分より幼いと思える子が魔物とは信じられない栞だが、現実に自分の体は強化され、多少の怪我や病気では死なない体にされている。
 祐一の力を受け止めるタンクも大型化され、大きな術を連続で使っても倒れたりしない。姉も佐祐理も同じように強化されているのが予想できた。

「それよりっ、使い魔を取り出す所と、元に戻す所を見せてくれ。そこにあるのはビデオだな? 録画させてくれないか?」
「ええ、いいですよ」
 自分たちの行為を録画し終え、ビデオを止める佐祐理。その最後のカットに「計画通り」とか、Lを見送る時の月の表情みたいな笑顔が映っていたかどうかは定かではない。
 貴重な舞の初体験記録を無くさないよう、録画禁止の爪を折り、カメラバッグにしまい込むと、新しいテープをセットして渡した。
「これで録画ボタンを押せば撮れますよ」
「あっ、スミマセン」
「一弥、どうするんですか?」
「え? ああ」
 祐一を一弥と呼んでいるのには全員違和感を持ったが、とりあえず言い間違いか何かと思ってスルーした。
「ここに座って」
 もしここで口を滑らせ「お姉ちゃん」などと呼ぶと栞の怒りが再びマックスまで振り切り、カナディアンバックブリーカーから三階の窓へ、リフトスラムでも食らいそうなので慎重に言葉を選んだが、どのみちキスをするので死刑執行までの時間は残されていないようだった。
「佐祐理さんの中の魔物、舞の左足になるのか? もう舞の中に帰ってくれるか?」
「この子はまだ嫌だって言ってますよ、一弥ともっと色々してからじゃないと帰らないそうです」
 お腹の辺りを押さえ、その表情も明らかに「もっとエロエロな行為をしまくらないと満足しません」と言っているお姉ちゃん。
「カズヤって誰ですか?」
 部屋に冷気が漂い、栞の方向からドス黒い気配と殺気がして、ベキボキと指を鳴らして背中を反らし、カナディアンバックブリーカーに入る準備運動をしているのが分かった。
 真琴(本物)の方からも殺気がしたが、それは舞と佐祐理に向かっているので、実力行使された場合は舞にお願いしようと思った。
「一弥は佐祐理の弟なんです、ほら、お姉ちゃんって呼んで」
 祐一を抱いて地獄への特急券を購入してくださる佐祐理を悲しい目で見てみたが、病んでいるお姉ちゃんは、死に別れた弟と再会したと認識しているのか、危ない微笑みで答えて下さった。
「佐祐理さんには亡くなった弟さんがいたそうで…」
 そこで頭と顎に手を掛けられ、ゴキッと音がするほどの力で佐祐理の方に向き直させられた。お姉ちゃんの一弥くんは目の前にいるので、そんな不吉な話題は禁止らしい。
「お、ね、え、ちゃん、でしょ?」
「はい…… お姉ちゃん」
 後ろで殺気を発している人達よりも、まずは自分の首を持っていて、180度以上回転させられる病んだ人の命令を優先してみた。
「お姉ちゃん、ですって?」
 その手の話にも超ビンカンでいらっしゃる栞さんも、我慢できなくなって怒りが祐一に向かい、暗黒二重反転異次元転送用殺戮歯車を出現させてエクスターミネーションを再開させて下さるようで、オシッコをちびりそうになるオットセイ君。
「もう話はいいですよね? 何か思い残したことはありますか?」
「はわわわっ」
 きっとオットセイ君とタマタマは異次元に葬り去られるか、映画版のようにハンマーじゃなくて原作のように足を切り取られて栞に看護してもらう、ミザリーな自分の将来を思い、失禁寸前の祐一くん。

「ごめんなさい、栞さん、貴方の恋人をお借りしました。佐祐理の中の舞を取り出すためとは言え、悪い事をしました」
 ブラウスを羽織り、ブラは無いまま下着だけ付けて栞に抱き付いた佐祐理。頃合いと見て栞を襲うことにした。
(アルファワンに対し、イプシロンワンの攻撃が開始されました。佐祐理溺愛ハグと音波による精神攻撃が来ますっ、退避をっ)
 祐一君ロボの戦闘AIからも警告が出た。佐祐理ロボ?は女の魅力で栞ロボを籠絡して一弥くんを守る予定らしい。
「くっ、倉田さん」
 栞から見ても佐祐理の姿は淫靡な感じもせず、まるで天使か妖精でも自分に近付いて、芳しい髪といい匂いがする柔らかい体で抱き締められ、白い羽で包まれたような気がした。
 自分の姉や母親のように、キッツイ性格で口より先に手が出るような女と違い、まるで聖母のように優しい女性に抱かれ、自分中の変なスイッチを思いっきり「オン」にされてしまう「ガチン」という音を聞いた。
「栞さんは可愛いですね、佐祐理、ずっとこんな可愛い妹が欲しかったんです」
 さらに佐祐理に手招きされた舞まで栞に抱き着き、栞の耳元でささやき始める。
「…うん、かわいい」
 鼻孔をくすぐる芳しい香りと、耳元で囁かれる優しい声に操られ、頭に登っていた血が全部顔面装甲に移動させられ、優しいお姉様に全く免疫がない栞は、ゆでダコのようにされ、佐祐理や舞の死のハグに対応する手段も持ち合わせていなかった。
「これも何かの縁ですよね、栞さん、ぜひ佐祐理の妹になって頂けませんか?」
「…妹になって」
「ええっ?」
 その時の栞は、「もしかしないでもマリア様の像の前で「タイが曲がっていてよ」な~んて言いながら倉田さんか川澄さんが結び直してくれたり、薔薇の館に用があって行ってみると「お姉様の意地悪っ」とか言いながらお姉さまが飛び出してきて衝突して押し倒されて下敷きにされて、わらしべ長者のように最初に掴んだ栞の手を取って「この子を妹にします」と宣言されてしまい、ロザリオを受け取るのを断っても「妹候補」として薔薇の館の手伝いに駆り出されて、文化祭の劇でもロサギガンテイア(ガチレズ)の倉田さんに「舞おねえさま」の代役を仰せつかったり、クラスの女子や写真部の女子に問いつめられて「ロサキネンシスアンブゥトンである舞様からのスールの誘いを断ったのは本当か?」と聞かれて泣き出してしまったり、男嫌いのお姉様がシンデレラ役をやるのを嫌がったり、ホモ疑惑のある花寺の生徒会長とダンスを踊るのを拒否して泣きながら逃げ出したのを勇気付けて文化祭の劇を成功させ、お姉様から「今こうしてられるのは栞のおかげよ」と言われてロザリオを差し出され「これを栞の首にかけても良い?」と聞かれてロザリオを受け取ってプティスールになり、流れていた音楽を聞いて「この曲、踊れるわ」と言われて「月とマリア様だけが見ていた」状況でお姉様とダンスを踊る」ような、めくるめく女子高生活?を送れる予感に胸をときめかせ、先程まで恋敵だと思って憎んでいた舞まで「格好良いお姉さま」に見えてしまい、佐祐理の誘いに脳の中身までヌメヌメのヌレヌレにされてしまう栞だった。
『それとも栞さんは女の子同士の友情とか、恋愛はお嫌いかしら?』
「いえ、決してそんな事は」
 もう栞は、ロサギガンテイアの佐祐理お姉様に後ろから抱き付かれたら「うぎゃっ」とか怪獣のような声を出してしまってからかわれたり、百面相をしてお姉さま方に面白がられたり、二巻では実の姉に黄薔薇革命を起こしたり、三巻の「いばらの森」の後半「白き花びら」のヒロインは「栞」なのに気付いてドッキリ、銀杏の中の一本だけの桜になってロサギガンティアアンブゥトンになろうとしたり、四巻ではロサカニーナにヤラれたり、五巻ではウァレンティーヌスの贈り物で「お姉様との半日デート権」を手に入れて、佐祐理お姉様か舞お姉様に「栞と同じジーンズがいいわ」とか言われてジーンズショップで購入を手伝ったり、自分なら布が大半無駄になるのにお姉さまなら裾上げする程度でピッタリとか、ハンバーガーショップなどに立ち寄ったことが無いお姉様のために、注文からお金の払い方を教え、トレイを自分で持って行かなかったお姉様の後を追って空いている席に座り、「ナイフやフォークは無いのね」と言うお姉様に紙包みを使って手掴みで食べる方法を教えたり、ラブラブでヌレヌレの半日を過ごす妄想をした。
『じゃあ決まりですね、今日から栞さんは佐祐理の妹です』
「はい……」
 ほんの少し理性が残っていて、軽く抵抗していた両手が力無く落ちる。その瞬間、術にも全く免疫がない栞の心は佐祐理に奪われてしまった。
 これが強化された佐祐理のアルター能力?でキチェサージャリアンで固有結界「ゴージャスさゆりん」の力だった?
『では誓いのキスを』
「はっ、はわわっ」
 佐祐理と舞に左右からキスされ「ロザリオじゃなくてキスなんだ」などと思いながら心拍と脳波が軽くフラットラインを描いて、白目を剥いて卒倒し、その場に座り込む栞。
 その頭の中に既にマヌケで浮気者の恋人や姉の姿はなく、憧れのお姉さま方だけになった。心残りだったのは命の恩人でもある祐一に体を穢される前、綺麗な体のままお姉様と出会いたかったと思っていた。

「やばい、川澄舞はともかく、この人だけはガチだ、お前らも気を付けろっ」
 ザコ1号の警告も虚しく、お嬢、お嬢の付き人、チョロイン1号は佐祐理の固有結界に取り込まれ、「憧れのお姉様との、めくるめく女子校生活」に囚われ、恥じらいともなんとも言えない表情になり「お姉様から薔薇の館へのお誘い」を待っていた。
『真琴さんでしたね、佐祐理、小柄で可愛らしい女の子に目がないんです。入学してきた時から貴方の事が気になってたんです」』
「は、はい」
 次にハグされてしまった真琴(本物)も、あっと言う間に籠絡され、「早く言って下されば二年間無駄にせず、すぐにでもスールになっていましたものを」などと考え、早速脳の中身をヌメヌメのヌレヌレに改造された。
『貴方も佐祐理の妹になって下さいますか?』
「はい、喜んで」
 朝の誓いとか、ついさっきまでの祐一への思いとは何だったのか? 自分の体にも佐祐理お姉様の血印が欲しいと思い、こちらもマヌケで浮気者の恋人より、憧れのお姉さま方との、めくるめく女子高生活?を送れる予感に胸をときめかせた。
『じゃあ決まりですね』
 栞と同じようにキスされ、脳波と心拍がフラットラインを描き、その場に座り込む真琴(本物)。
 付き人の少女も、チョロイン1号も佐祐理の毒牙に掛かり、その魔の手はザコ1号にも迫った。
「や、やめてくれ、アタシはソッチ系じゃないんだ、普通に男が……」
 他のメンバーも、悪意を持って近寄られれば合気道なり骨法なり対処法があったが、好意や善意で抱き締められると無力だった。
『佐祐理、男っぽい女の子にも目がないんです、貴方も妹になってくれますね?』
 結構ストライクゾーンや守備範囲が広い佐祐理に抱き締められ、無かったはずのスイッチを探し出されて、思いっきりオンに切り替えられてしまう。
「は、はい……」
 胸を押して抵抗していた両手がパタリと堕ち、逆にハグするために背中に回る。
 多分、佐祐理に侵入したはずの舞の左足も、同じように籠絡され、魂までペロペロされてしまい、飼い慣らされていると思われる。

「危ない所でしたね、一弥」
 恋人二人とその他三名に迫られ、現時点での恋人二名との壮絶な修羅場に突入するはずだった現場も、あっと言う間に解決してしまった佐祐理。
 床には女五人のタヒ体?が転がっていたが、既に佐祐理のスタンド能力?で支配されているので目を覚ましても問題ない。
(佐祐理さんスゲー)
 自分とオットセイ君の危機を解除され、素直に驚く祐一。「この調子で香里も」とは思ったが、トゲトゲだらけで何となく舞とも佐祐理とも相性が悪そうな香里を思い、どうやって攻略するのか考えたり、秋子との頂上決戦を予想してみる祐一だった。

 祐一妄想中……
「何よっ、女同士なんておかしいでしょ? こんなのありえないっ」
 散々名雪とか後輩の女子との浮名を流し「美坂香里はガチ」と言われ続けたのに否定する香里。
『うふっ、佐祐理、気が強い女の子に目がないんです、香里さんも佐祐理の妹になってくれますね?』
 守備範囲が広いと言うより、結局舞以外の女でも全部美味しく頂けるタイプの佐祐理。ガチレズなのか祐一とはできたのでバイなのか不明だったが、女は全部イケるらしい。
「そ、そんな……」
 キッツイ性格で気の強い母親や、根に持つタイプで一度怒らせれば一生恨み続ける妹のように、口より先に手が出るタイプの女と違い、まるで天使か妖精のようなやさしい女に抱き付かれ、名雪とはまた違う聖母に抱かれた気がして、顔が赤くなったり青くなったり忙しい香里の自律神経。
『これも何かの縁ですよね、香里さん、ぜひ佐祐理の妹になって頂けませんか?』
「…妹になって」
「だお~~」
「ええっ?」
 既に「憧れの川澄先輩」に籠絡されていた名雪も加え、妹、お嬢、付き人、ザコ1号2号も入れて5.1chドルビーサラウンドで攻撃して下さる一同。
「ああっ、そんなのだめっ」
 そう言いつつ、四巻辺りで香里に喰われた美汐が「ロサカニーナにヤラれました」と報告しながら、色々とヤラれまくったヌルヌルのボロボロの状態でロサギガンティアである佐祐理の前に行ったり、妹への愛が強すぎて怪しすぎる関係が校内で噂になったり、親友だった名雪にもガッツリ手を出して、佐祐理率いる「山百合会」が一大勢力を築いて生徒会より強大になっていくのを仕切る香里。
 後輩女子など佐祐理好みの子は薔薇の館の茶話会に呼ばれ、全員お茶菓子として喰われた。

「佐祐理さん、最近のご乱行の噂は聞いています」
 自分の娘まで喰われ、佐祐理の毒牙に掛かってソッチ側に転向させられてしまったのを知り、面会に来た秋子。
「秋子さんですね、お噂はかねがねお伺いしています。ぜひ佐祐理達のお姉様になって下さい」
「へ?」
 予想外の展開に戸惑い、これからでも学校の教師になるか、校医にでもなって潜り込むか考え始める秋子。
「「「「「お姉様になって」」」」」
 結構イケる口だった秋子もお誘いに乗ってしまい、娘より年下の現役女子高生を頂いて、お肌がツヤツヤになる。
(むう、実にけしからん)
「どうしたんですか? 一弥」
 この手の妄想を舞や佐祐理の前でしてはイケナイのを思い出し、現実に引き戻されるが、多分香里や秋子でもこのアルター能力には対抗できないらしい。

「さあ、この子たちはどうしましょうか?」
 女達の屍累々となった部屋で、何となく一人づつ起こして面会し、ベッドの上で「佐祐理のお茶菓子」とか「ポット係になって自分の温かいお茶を出す」ような状況に陥りそうで、今回もカメラ係を拝命しそうな祐一。
「まずシーツを替えましょうか」
 佐祐理と舞の血で結構怖い状態になったベッド、特に佐祐理の血が多く、母親でも帰ってくれば「殺人事件でもあったの?」と聞かれそうな惨状だった。
「ごめんなさい、シーツをこんなにしてしまって」
「…いい、いつもの事だから」
 佐祐理が真ん中の血の辺りに「舞、初体験」と書き込み、自分の血の跡に「佐祐理、初体験」と書き込んでからシーツを取り、マットに被害が及ぶのを防ごうとしたが、肩、背中、足、頭に当たる部分に、もっと大きい血の跡があった。
「舞……」
 魔物との戦闘の記録に絶句する祐一。自傷から自己治癒という悲惨なサイクルが繰り返されてきたのがマットからも見て取れた。
「…そんなに痛くない」
 そのシーツを当然のようにビニール袋に入れてカメラバッグにしまい込んで、マットをテッシュで拭いてから自分でプレゼントした新品のシーツを敷いた佐祐理。舞もいつもの事なので「洗濯して返してくれる」程度にしか思っていなかった。
(永久保存なんだ)
「ええ、記念の品ですから」
 これもいつもの通り、祐一の心の声にも普通の会話のように答えてくれる佐祐理。シーツを交換した後は、栞と真琴を見比べて迷ってから、栞を選んでベッドに座らせた。
「さあ、一弥に乱暴する悪い子は、お姉ちゃんが虐めてあげます」
 新品のビデオテープは、魔物の転送シーンではなく、栞が別の世界に旅立つ記録ビデオになりそうで、オットセイ君の背丈が伸びる祐一クン。
 次回からついに「ガールズラブ」にチェックを入れる羽目になるのか?


(あゆちゃん、栞ちゃんが佐祐理さんにヤラれちゃうよ)
「ええっ?」
 真琴ロボにマジンゴーしても操縦方法が分からず、まだ近くをガコガコ動いて慣熟走行していたあゆ。現状では佐祐理ロボと対戦しても戦闘にも成らず負けてしまう。
「真琴ちゃん、目を覚まして、栞ちゃんが危ないよっ」
 あゆの願いに答え、「暴走」して下さる真琴ロボ、やはりどこかのエヴァみたいな叫び声を上げて街まで走った。
「ああっ、ダメだよ、止まって、あああ~~~っ!」
 路上に出たあゆは「だろう運転」で危険走行をしながら舞の家を目指した。
 
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