ジョジョの奇妙な冒険外伝~黄金の意志を伝えるもの
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反旗をあげ燃えゆヴェネチア
イタリアの都市ヴェネチア。アドリア海に面し「アドリア海の女王」、「アドリア海の新宿」と呼ばれる美しい街だ。清らかな水が流れ争いとはまるで無縁な静かな街である。そんな街で一つの大きな革命の火種が上がろうとしていた。
ヴェネチアの高層ビル、イタリアを中心としたギャング「パッショーネ」のヴェネチア支部のビルの最屋上階。
ヴェネチア支部の支部長であるジョレーノ・ジョースターは鎮座していた。
後ろにはヴェネチアの街が一望でき、両側には大量の歴史書や学問書がならぶそんな質素な部屋だがその日その部屋にら9人の男女が集結していた。
「皆すまないな。忙しい中呼出してしまって。」
最初に声を出したのはほかならぬヴェネチア支部長ジョレーノ・ジョースターであった。その言葉には労りとともに決意を含めた意志がおびていた。
「いえいえいいわよーん♡ほかならぬボスからの緊急収集ですもの♪」
そう答えたのは黒のスーツに真っ黒に焦げた肌、プロレスラーのような大柄で筋肉質な体をもつエンゴー・ウィルバッカ、ヴェネチア支部の副支部長にあたるオネェ言葉を使う元イタリア空軍大佐である。
その彼の隣には青いスーツに身にまとった金髪のメガネをかけた容姿端麗な男性がいる。
彼の名はリチャード・アンスター。ヴェネチア支部の幹部の1人であり、元々はナポリ支部の支部長を務めていた大物だったが数年前部下にその役職を渡しヴェネチア支部に移籍した変り種でもある。
彼の真向かいで紅茶を嗜んでいる金髪の巻き毛でサファイアのような青い瞳をもつ女性。彼女の名はリシェーネ・ベルモット。フランスのベルモット伯爵家の長女にして唯一の生き残りであり彼女もまたヴェネチア支部の幹部であり金庫番という重要役職についている人物である。
その彼女の隣でそわそわとしている亜麻色の髪をもつまだ幼さをもつ少女。名をロシェ・パローナ。元軍人志望であったが軍に失望しギャングの道に進んだ弱冠16歳の最年少幹部である。強行突破班という先陣部隊の体調を務めている。
扉によりかかっている赤毛のいかにもギャングのような服装、装備品を身に纏う男。名をノーチ・ナムレス。
14の時にパッショーネの門をたたき五年目になる青年でありロシェと同じく強行突破班に所属している。
本棚の本をとり静かに読んでいる黒髪の容姿端麗な女性。彼女の名はニーナ・ウルリカ。元々はイギリスの貴族の家柄であったが家を飛び出しパッショーネに訪れた女性である。
ヴェネチア支部の本部隊の隊長であり、パッショーネではヴァルキュリーと恐れられる人物である。
その彼女を後ろからハグしている白の髪に黒く焼けた肌、カウボーイの衣装に身に纏う女性。彼女の名はウィンター・ロッドヘッジ。ヴェネチア支部の本部隊の副隊長でありヴェネチア支部の良き姉御分である。
ボスであるジョレーノの隣にいる着物を着た黒髪の男性。名を村雲紫龍。村雲流と呼ばれる独自の戦闘術をもつ日本では忍びと呼ばれる人物でありジョレーノのボディーガードを務めている人物である。
彼らに共通していることは誰も話そうとしないこと、彼ら彼女らはなぜ今日呼ばれたのかを察し、その行為の恐ろしさと歓喜に震えていたからである。
ジョレーノのが、再び口を開ける
「お前達に遠まわしにグダグダというつもりは無い。単刀直入に大胆に言おう。
俺は本日今をもってパッショーネをつぶす。いや父ジョルノ・ジョバーナの意思を継いで奪われたパッショーネを取り戻すと」
その声には覚悟と怒りがおびていた。
それは数年前のこと、父ジョルノ・ジョバーナが部下の反旗、そして凶弾によりこの世を去った。
その反旗の中心人物こそ現パッショーネのボスロシータ・エッゾ。
父を失ったジョレーノは行方をくらまし名をジョレーノ・ジョバーナから祖先のジョースターの名をかりてジョレーノ・ジョースターと名乗りパッショーネへと戻り幹部まで登りつめた
全ては父のパッショーネを取り戻すために、ロシータ・エッゾを倒す為に。
「俺は今からイタリア中のギャングやマフィアにこの命を狙われるだろう。それはお前達も同じだ。自分の身が大事なもの、俺の意思についていけないものはなにもいわなくていい。この部屋を出て言ってくれ。
俺の名に誓って出ていったものに危害を加えない。俺はそんなに野蛮で卑劣なことは認めん。
あとはお前達で決めてくれ」
ジョレーノはそう言うと後ろを振り向きヴェネチアの街を見つめた。
「愚問ですわねボス」
そういって紅茶をおきリシェーネは立ち上がった。
「この面子でいなくなるものなんていないでしょうに。貴方の息がかかった唯一の部下である私たちに。」
リシェーネは呆れながらそう言った。
するとジョレーノは振り返りいたずらっ子のような顔で
「ばれた?」
と無邪気にわらいながら言った。
ヴェネチア支部の幹部は彼らの他にもいるが彼らは現パッショーネの息がかかった者達である。
「それにボスこそパッショーネのボスに相応しいと小生おもうであります!」
席を立ち敬礼しながらロシェは言う
「まぁそれでこそ我らがボスというもの。仕えがいがありますよ」
メガネをかけなおしながら満足そうにリチャードは笑う。
ニーナは黙々と本を読み彼女に抱きついてたウィンターが抱きつくのをやめると
「面白くなってきたジャーン。さてそれじゃぁそろそろやっちゃおうか」
そういって扉の方に目を向ける
「そうだな。後ろの背からビンビンに殺気だってるぜ?こりゃ相当の人数いるぜ?生きてビルから出るのは大変そうだな」
まったく大変そうじゃなくノーチは言う。
「それじゃあ皆。丁寧に丁重に歓迎してあげようか?」
彼らにはもう一つ共通点がある。
それは彼らの後ろにそびえたつもの…スタンドと呼ばれるもの彼らは全員スタンド使いだということ。
ノーチが豪快に扉を蹴り飛ばすとそこには重火器をもったついちょっと前まで部下だったパッショーネのギャングや幹部たちいるそこにはそこそこうえにおいておいた猛牛ことアガロ・テンペと金庫番のひとりウーグ・トニアの姿があった。
「おうおうボスの部屋にずらずらと不細工なつら並べてどーゆー要件だアガロ、ウーグ?」
ノーチが先陣にたって言う
「ふん!もうボスでもなんでもねぇよそいつはパッショーネの裏切り者がぁ」
「ようやく尾っぽをだしてくれて生成してますよ裏切り者さん」
「なるほど…君たちがエッゾが送り込んてきた刺客だったわけか」
ジョレーノはきだるげに椅子からたちもせずにいった
「テメーら!うちこめ!」
アガロの声とともに一斉に銃が発砲される
ジョレーノたちは蜂の巣になるはずだった。
銃弾は扉のまえで振動して落ちていった。
「あらあらほんと野蛮ね~。その顔と同じくらい野蛮だわ」
ノーチの後ろからエンゴーが現れる。
「私のスタンドclod gigante(土塊の巨人)は物質や空間を分子レベルで振動させることができるの。
空間を振動させてあなたたちのそのちっぽけな玉なんて止めちゃうなんておちゃのこさいさいなのよねん♡」
するとアガロたちよ後ろから次々に悲鳴があがる。
後ろを振り向くと仲間達が次々と死んでいた。
そこにはリチャードの姿があった。
「俺のスタンドLa parte anteriore della parte posteriore(後ろの正面)
の能力は必ず相手の後ろをとるができるスタンド。お前達のバックは俺にとってはがら空きなんだよ。食っちまうぞお前達をな」
アガロが動揺した声で
「てめーら全員スタンド使いなのか!俺達の前で1度も使ったことなかったのに!」
部屋の椅子に座っていたジョレーノが立ち上がりアガロ達に近ずいてく
「いやーそりゃね?君たちはパッショーネから送られてきた幹部だもの。最初から信用してるわけないよね?
敵に情報を与えるほど僕も馬鹿じゃないってことさ」
「そーかいそーかい……なら俺もお前に教えてないことがあるぜぇ!!」
そう叫ぶとアガロはジョレーノに向かって飛んだ
「俺は吸血鬼なんだよ元ボス~!!不死の存在吸血鬼ぃのその力ぁくらいなぁ!!」
アガロは熊のように鋭く長くはえた詰めでジョレーノの肉体をさこうとした
「そーか。なら僕もアガロお前に伝えてなかったことがあるよ」
ジョレーノは手を前に突き出し言う。
「俺はスタンド使いであると同時にな仙道の使い手でな。俺の祖先が残した波紋を使えるんだよ……お前らの嫌いな波紋の力をな」
ジョレーノの手から黄色の太陽の波動が空気に波紋していく。
「そして俺のスタンドの名はIntenzione di ondulazione(波紋する意思)。
その能力は伝える能力。俺の仙道を今空気中全てに波紋させて伝えた。
それじゃぁサヨウナラだ波紋疾走!!」
ジョレーノが指を鳴らすと空気中に波紋していた仙道の力がスパークしアガロの体はスパークの光に包まれた。
スパークが終わった頃にはチリ一つ残っていなかった。
ジョレーノはウーグをみて
「さて残るのは君だほかの部下達は全員やられてるみたいだしね」
アガロとウーグが率いていた元ジョレーノの部下や幹部たちはジョレーノ直属の部下達に全員倒されていた。
「やれやれですねまったく……これだから脳筋の馬鹿と組みたくないんですよね私」
ウーグはそういいながらスタンドをだす
廃棄工場のスクラップでできたボロボロの人形ロボットのようなスタンドである。
「スタンド使いか……やれやれ面倒くさくなってきたな」
ジョレーノは髪をかきながら面倒くさそうに言う。
「面倒くさいですか…まったく舐められたものですね面倒くさいですませるわけないでしょ。
組織の裏切り者は必ず殺すそれがパッショーネの掟。それを脅かすものは排除しますよ。」
ウーグは懐から古ぼけたマグナムを出す。
「なんだいその年代物のマグナムは?まさかそれで僕を殺そうと?それこそ舐めすぎだと思うんだけど?」
「まさか。それにこれのどこが年代のマグナムなんです?」
ジョレーノが次に見た瞬間そのマグナムは先ほどの古ぼけたマグナムではなく新品のピカピカ。まだ1度もされていないかのようなマグナムになっていた。
引き金が引かれた刹那
ジョレーノは自身のスタンドを出現させる。
ジョレーノのスタンドは伝える能力であるが主に2つの能力を使う。
一つは自身の意思を遠くの人間に伝える能力
もう一つは自身の意思を自身に伝えることにより超感覚を引き起こす能力である。
ジョレーノは弾道をみるという意思を自身の全神経に伝え続けた。
だんだんとスローモーションになっていくマグナムのたまを寸前のところで避ける。
間髪をいれずに次々と撃たれる銃弾を寸前で避けていくそれはまるで銃弾のほうがジョレーノを避けていくかのように錯覚してしまうようだった。
「ふー。そんなもので撃ってこないでくれないかな~。当たると痛いじゃん」
ジョレーノは肩を鳴らしながら近づいていく
「ちっ!」
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