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この凄まじいセカイに祝福を?(カズマがサッキュバスにヤられたり、触手の化け物や両性具有の天使にガチ堀されて出産する話)

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機動要塞も壊していないのに、法廷に立たされたカズマきゅん

11機動要塞も壊していないのに、法廷に立たされたカズマきゅん

 ダクネスの両親とか、農家から娘を激安で買い取っていた売春宿とか、色々な方面から恨みを買っていたカズマ。
 捕らえられて法廷に連れてこられると、パーテーの仲間とは言え、この街では少ない若い娘の処女を三人も食い、噂では農家の少女を「女王様」として仕込むのに自分で頂いたり「貴族の愛人候補にする少女も、ょぅじょも全員食った」と噂され、娯楽も少ない街の傍聴席からは、男達の「もげろっ!もげろっ!」のコールが鳴り止まず、カズマきゅんのティンコだけでも切り落とす正義が行われ、ルーンが刻んである首切り斧でティンコとタマを切り落とし、女神の治療呪文でも再生出来ないように刑が行われるのを望む声が大半であった。
(なんでこんな事に……)
 最初は女神が弁護をすると言い出したが、頭の悪い女神では勝てないので、ダクネスさんの父から本物の弁護士が雇われ、どこかのナルホド君が「異議あり!」みたいなセリフを言う事になった。

 第一回口頭弁論。
 カズマは「ょぅじょの人身売買」という、調べが付けば高い所に吊るされるか、首切り斧で首を切り落とされるぐらいの罪で告発されたが、今までそんな罪で告発されたり罰を受ける人間は存在しなかった。
 冒険者の街でそんな事をすれば、夜の街の半分は閉店して職業や食い扶持を失い、街の広場は首吊りとか首切りの死体で埋まって日常生活もできなくなる。
 今回は弁護側がダスティネス家当主、告発側がその妻という複雑な事情もあり、適度な刑で済ませる方向で取引が行われ、カズマも死罪だけは免れていた。
 まず一人目の証人が呼び出され、貴族に愛人として売られた農家の少女が証人席に立った。
「カズマさんは、ゴミを漁って生きていた私達を見かねて、食べ物やチップを恵んでくれました。お客さんからも毎日チップを貰って、家族全員食べて、弟や妹も生きていけるようにしてくれたんですっ! どうかこの人を死罪なんかにしないでっ!」
 弁護側は泣き落としで来たらしく、一番演技が上手いと言うか、本気でカズマを弁護する気でいる本人を連れてきて、美人の涙を見せ、傍聴席にも検察にも美少女の絶叫を聞かせた。
「どうせ私達は、生理が始まったら売春宿に売られるんですっ、そのために育てられたんですからっ、それからは皆さん知ってる通り、20歳まで生きられる女なんか数えるほど、みんな性病で死ぬか、頭が病気でおかしくなって川に流される、それをカズマさんが救ってくれたんですっ!」
 服を着替えさせて風呂に入れ、食べさせてガリガリの骨みたいな状態から回復させるだけで、街中でもまず見ないぐらいの美少女に泣き崩れられ、その場に座り込んで泣き始めた子に絆されて、傍聴席の「もげろっ!」コールが止んだ。
 ブサイク過ぎて売るに売れず、農家同士で「嫁」として売られ、姑にもイビり倒されて地獄の苦しみを味わう子もいたが、元から美人→売春宿→洗って綺麗な着物を着て食って太る→高級娼婦→貴族か金持ちの愛人のコースは変わらず、途中経過を省いて出世しただけで、親に売られて心も体もズタボロの雑巾になってから金持ちに身請けされるより、大事にされて「女王様」扱いの少女は奇跡的に幸せな暮らしをしていた。
「私はまだ生娘ですっ! カズマさんにも貴族様にも何もされていませんっ!」
 貴族を鞭で叩いたり、足で踏んでいたりしたが、「処女の女王様」として、もう立たないような貴族にも床入りの許可を与えず、「出来ることならカズマさんに乙女を捧げて少しでもお返しがしたい、もし可能ならカズマさんと結ばれて子供が生みたい」と思っているような少女は、めぐみんに爆裂魔法を食らって骨も残らないぐらいバラバラにされて焼死したり、アクアに平地で水死、溺死させられるような運命にはあったが、ほぼ初対面の貴族に犯されてすべてを奪われてボロ雑巾にされるような悲惨な人生は送っていなかった。
「「「「「「「おおっ!」」」」」」」
 傍聴席からも驚きの声が漏れ、「オレもこんな美人の子と世帯を持って」と妄想させたが、貴族からこの子を買い戻す金額が、自分の生涯賃金より高いのを知らず、「こんな美人に命令出来る立場にいて、二人っきりになっても手出ししなかったカズマは、絶対にホモ野郎だ」と思うことにして、この世に聖人君子がいるのは否定した。
「ありがとう……」
 カズマも美人の少女の証言に涙して、同じ境遇の少女の証言が何人か続いて、その一人がトチ狂って「カズマさんと結ばれたいですっ、乙女を捧げて子供を産んで恩返しがしたいですっ!」と叫んだ時、聞き覚えが有る「チッ!」と言う女神の舌打ちが聞こえたり、めぐみんの爆裂処刑リストに少女の名前が載ったり、傍聴席からまた「ジゴロ野郎はもげろ」というつぶやきが聞こえ始めて心象が悪化した。
「この証言の通り、性や体を売って生かして貰っている少女は存在しないのです、何と恋愛の自由まで約束されて、被告カズマ少年に嫁入りして愛し合いたいと思っている少女ばかり。彼女たちはお金持ちの庇護の元、学校にも行ける自由を約束され、メイドとして働いて、手に職も付け、奉公の年季が開ければ家に帰ることもできます、これのどこが人身売買なのでしょう? どうか美しい隣人愛に拍手を!」
 傍聴席からも女神と騎士とめぐみんと、その他少々の拍手が続いたが、男どもの賛同は得られなかった。
 現代社会のフェミニズムを教育され、女性蔑視がないカズマは「頭がおかしい男かホモ」として処理された。
 貴族や金持ちと交渉して、ロリコンの男達からは「生理が始まって胸が膨らんで毛が生えたような女に興味はない」と言われ、年が老ければ用なしの女を下げ渡してもらえるよう契約して、学校にも行ける、手に職をつける等の条件も付けたカズマ。
 予想はしていなかったが、女たちは漏れなく自分の契約条項を知ってすぐ、胸の奥を万力で締め付けられるような思いをして、さらにカズマに好意を抱いて身も心も奪われ、「カズマさん好き」ぐらいから「カズマさん以外と結ばれるなんて有り得ない、もう今生も来世も身も心も全部捧げます」ぐらいに病的に出世していた。
 めぐみんとかダクネスとか、貧しかったが女神も同じ扱いを受けたり、借金を何度も棒引きにしてもらったりして、同じ思いをしていた。
 そこでもう一人、同じ思いをさせられた少女が証言台に立った。

(((((((サッキュバスだ……)))))))
 この街でだけお馴染みで、もし農村や商業都市に現れれば「サッキュバス狩り」まで行われる人物が、人間世界の法廷に降り立った。
 頭からフードを被り角だか先尾翼だか、頭から生えている角を見せないようにして、マントかコートを羽織って身分を隠しているが、ここの住人から見れば、どうみてもサッキュバスの少女だった。
「被り物を取って下さい」
 裁判官から身分や名前を明かすよう指示されると、やはり新人のサッキュバスちゃんで、カズマの為に証言を始めた。
「私は新人のサッキュバスで、カズマさんの依頼でご自宅に伺いましたが、まさか普通の家に女神がいるとは思わず、女神の結界に捕まってしまい、私の前に女神アクアが出現して、すぐにディスペル、浄化されて消える運命にあった私を、カズマさんは身を呈して女神から守って「逃げろ」と言ってくれたんです」
 結構涙目で涙声、それまでの少女と同じように熱っぽい目でカズマを見た新人サッキュバスちゃんは、もちろんめぐみんの爆裂処刑リストに名前が載った。
 傍聴席の男達も、そこにいる青髪の「ぱんつはいてない」バカ娘が、本物の女神アクアだと知って戦慄し「前の洪水もコイツの仕業だ」と思い知らされた。
 同時に、身を呈して守る価値がないはずのサッキュバスを救った本当の漢として認められ、この街の男だけからは共感が得られ心象が好転したが、街の女達からは「サッキュバスに喜んで精を差し出すクズ」として認識された。
「ご存知の通り、サッキュバスは人間界では魔族、性病を運ぶ化け物で、狩られることはあっても、守られることなどありません」
 大勢の前、それも敵対者である人間の公式な場所、存在することすら認められない場所で証言し、怯えながらも想い人にために話す新人サッキュバス。
 この子も今までの少女と同じように、胸の奥を万力で「ギュウウウウウウウ」と締め付けられるような思いをしたので、弁護側に求められると進んで公の場所にまで現れた。

「異議あり! サッキュバスが法廷で証言をするなど聞いたことがありません」
「法廷で魔族が証言した前例はいくらでもあります、当法廷ではサッキュバスの証言を認めます」
 発言を認められたので、言葉を続けるサッキュバスちゃん。
「もし、カズマさんが死罪になるなら、私たちはこの街からも去ります。それと私を代わりに死罪にして下さいっ、この生命はカズマさんの物ですっ!」
 サッキュバスまで泣かせたカズマは、「どこまでジゴロ野郎で女泣かせ何だ?」と思われたが、もしこの街からサッキュバスが消えれば冒険者には大ダメージで、また病気持ちで安物のブサイクか、ムーミントロールみたいな化け物しかいない売春宿の世話になる羽目になる。それも値段が高いので、サッキュバスのように連日気軽に頼めない。
 BBAどもからはサッキュバスがいなくなるのは歓迎されたが、裁判官も検事も判事も弁護側もサッキュバスの店が消えるのには困った。
 カズマきゅんも新人サッキュバスちゃんの証言に涙したが、その後ろにいる人物に見覚えがあり、検事、裁判官、全員の顔と言うか、姿形に見覚えがあるのを感じた。
「あ? ブタ259号さん」
 裁判長を見て呟いたカズマに恐れをなし、裁判所の全員が下を向いて顔を隠した。
 貴族以外にも、高尚で高給取りで身分が高い人物達、少なくとも一度は同僚に誘われて風俗店に足を運んだ事があり、農家のょぅじょに踏まれたり、黄金水を全身で浴びてから公衆浴場でょぅじょ同伴で入浴したり、石臼を挽かされて女の子たちに鞭打たれる新サービスが始まってからは大盛況で、2号店まで計画されていたので、リアルバレだけは困る裁判官たち。
「只今より休廷します、休廷!」
 素早く休廷を申し出て、カズマに駆け寄った裁判長。
「君、あの店での事は口外しないよう頼むよ、取引は別室でしようか?」
 明らかに動揺し「被告と会話などしてはならない」という初歩の原則も忘れて、裏取引まで持ち出した裁判長。
 他の裁判官なども後に続き、店での出来事を話されると困る人物が続出したが、それは裁判結果を好転させず「いっそ喋れないように口を閉じさせる」とか「死人に口なし」と思われる結果になった。

 別室。
「実は告発したのは、ダスティネス様の奥様の手の者でね、弁護側はダスティネス様の者という複雑な事情があってねえ、一応君を処罰して、罰金刑か街からの追放ぐらいで済ませる予定だったのだが……」
 裁判長からも色々ぶっちゃけられ、「ブタさんの休憩所」での出来事、見聞きしたことは口外しないと誓い、契約書にまでサインしたカズマ。
「でもねえ、検察だけじゃなくて、弁護側とか裁判官全員敵に回ってしまってね、みんな口を揃えて「死人に口なし」とか言い始めたんだよ」
「ええ~~~~っ?」
 証人の証言とか、傍聴席への心象とか、勝ちを確認したような弁護士からも勝訴を約束されたカズマだが、その弁護士までが「死人に口なし」と言い始めて、出来レースだったはずの裁判を敗訴に持ち込んだ悪運に驚く。

 さらに、検察が押収した品々の中に「女神がダクネスとカズマの交接中の会話を録音した魔法機器」が発見され、会話内容の一部だけが抽出され、「レイプ最高」とか「ひ~っひひひひ」と言うゲスな叫び声だけが法廷で流され、BBA達から総スカンを食らう羽目になった。

 もちろんめぐみんはエクスプロージョンの詠唱を終え、いつでも裁判所ごと吹っ飛ばせる準備が終了し、女神の方は、この場所と言うか城塞都市ごと更地に変え、水害で何もなかったことにする準備が終わっていたが、ダクネスだけが正気で「殺人はダメだ」とか「お前たちがお尋ね者になる」と普通に説得していたが、病んでいる人には薪をくべたり燃料を投下するだけだったので、カズマきゅんがチューでもして大人しくさせるか、太いお注射でもして黙らせるしか方法がなかった。

 そして美女で女王様で処女の皆さんから、主であるはずの貴族とか大商人に「今すぐカズマ様を連れてきて、私の前に安全に差し出せ」とか「カズマ様を保護せよ、この願いを叶えれば、処女以外は全部許す」と言う命令が10件ほど重複し、貴族の兵士と商人が雇った冒険者達が街中で交戦し、剣と魔法と魔獣が戦う、ヴァーリトゥードの戦いが行われる楽しい状況が展開された。
 
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