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この凄まじいセカイに祝福を?(カズマがサッキュバスにヤられたり、触手の化け物や両性具有の天使にガチ堀されて出産する話)

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21カズマを救うため死地に向かうサッキュバス兵

 人間の部隊方面にダッシュして、自分を差し出して停戦させようとしたカズマ。
 それは犠牲者を減らそうとか、無駄な戦いを止めさせよう、という清い心からではなく、自分が所有者になってしまった年頃のサッキュバス達から逃げ出し、500万人ものサッキュバスと交尾してピンポン言わせてから、現在どうしても受け取ってもらえない自由開放の音声入力をしなければいけない責務から逃れようとしたからである。
 人間側なら、取り敢えず10人ほどのキッッッッッッッッッッッッッツイ女王様からM奴隷男として軽く調教され、逆レイプされる程度で救われるのではないかと考えての打算であった。
「いけません、カズマ様」
「カズマさん」
 カズマ親衛隊状態の族長補佐とか新人サッキュバスちゃん、超美少女のサッキュバス達は、なんとしても人間のいる方向に行かせようとはしなかった。
「いや、大丈夫だから、あっちに行ったらすっきり解決するからね?」
「何を仰るんです」
 もう何か、涙ぐんで「ご自分を犠牲になさってまで、このように呪われた生物を救おうとしてくださるんですね? 貴方こそやはり伝承に歌われた救世主だ」とか感激しながら泣き始めたりする族長補佐。
「違うからね、ほら、あの女神が罰金払い終わって、裁判所も許してくれてるから、死罪とかじゃないよ、あの連中、俺を助けに来てるだけだからね?」
「「「「「ううっ、うわあああああっ!」」」」」
 このような性病に穢れた魔物に対して、そこまで思われているなら、この生命を捧げても惜しくはないと、本格的に泣き始めた親衛隊? 族長なんかも泣いていた。
「うそ~~~~ん」
 言えば言うほど、語れば語るほど深みに嵌って信じてもらえないカズマの言葉。
 何やらサッキュバス側の士気とかモラルが一気に上がって、宗教的統一感まで出始め、族長まで泣き笑いの良~~い表情をしながら死地に向かって行った。
「今日こそ一族の命をかけて戦う時だっ! 後に続く者達のため、カズマ様をお救いするのだっ!」
「「「「「伝承に歌われし~、黒ジャージ~~、その瞳は愛に溢れ~」」」」」
 何か合唱しながら、泣いて笑いながら前進して、全員命を弾として戦う気マンマンのサッキュバス達。
 もう宗教的な自殺をすれば天国に迎え入れられるとか、後ろを振り返り、まだサッキュバスの自分が死んだとしても、人間になれた女達、万年の呪いから開放された同族達のために死ねるなら、自分がお腹を痛めて産んだ子が呪いから解かれ、人間として行きていけるのなら、この生命など惜しくはないと思っているBBA達。
 もう自分は人間(形状)になれたのだから、たとえ命を失っても、穢れた魔族として地獄に落ちるのではなく、人として天国に迎えられるか、サッキュバスの約束の地に行けるのだと信じて飛んで行く女達。
 どっかの203高地みたいに、自分たちの死体を積み上げて土嚢として味方の弾よけに使うのだとか、一人一殺の覚悟で手に持てる程度の刃物でフル装備の兵士に向かって行く。
「らめえええええええええええっ!」
「さあ、お前達はカズマ様をお連れして逃げよ、魔族領に向かって飛ぶのだぞ」
「「「「「はいっ!」」」」」
 族長と親衛隊?は、また今生の別れなんかしてから、カズマを抱えて飛ぼうとしていた。
「いやちょっと待って、アクア、あの女神のところまで行って、あいつなら何とかできるから、ね? ね? ね?」
「はい、まだ猶予はあるようですのでお連れします」
 アクア方面に連れて行かれるカズマは、ウィズに向かって全力の「ヘルプミー」の目で見たが、悲しそうな顔で目を逸らされてしまった。

 人間側。
 隊列を組んだ人間側から、約束の時間が終わる頃に馬車が突出して、数人の人間を降ろした。
「先生、お願いします」
「ど~~れ~~」
 時代劇の凄腕の剣術の先生か用心棒のようなセリフを言って降りた人物。
 リッチのウィズが現在行方不明なので、アクセルの町では一番の使い手である。
「ほう、これはまた壊しがいのありそうな建物、よ~し、一丁やりますか」
 指につばを付けて風向きを感じ、爆裂の位置と方向を決めた。
「エクスプロージョン!」

 サッキュバスの巣、下側。
「おうら~~っ、女神を檻に閉じ込めるなんて、よくもやってくれたわね」 
 アクアは水を呼び、生み出し、一晩たまった怒りのゲージを発散するため、巣全体を水没させて聖水も入れて、ディスペルできる相手がいるなら消してやろうと用意した。
「巨大花鳥風月!」
 下から水が押し寄せ、濁流の渦が巣を飲み込んで行く、これがもし五階の神殿近くにある託児所に到達すれば、まだ契約されていない子供の命が危ない。
 それとほぼ同時にサッキュバスの巣の中心近くに撃ち込まれた爆裂魔法。
 攻城戦に使える魔法は、水とは反発しあったものの、五階から上、神殿から上を爆破炎上させ、脆い構造の巣を見事に吹き飛ばした。
「あああああああああああああああああああああああああああああっ!」
 この支払は必ず自分持ちになると確信したカズマは、あごが外れるぐらいの大口を開いて断末魔の悲鳴を上げた。
 サッキュバスの巣は「上は水浸し、下は火事でボウボウってなーに?」の逆になって、下半分が水洗便所のような濁流に洗い流され、上半分が爆裂魔法で粉砕されて爆発炎上。
 真ん中では水蒸気爆発が起こって相殺し合い、旧文明の力で作られた強化セラミック神殿とか重要施設は破壊されなかった。
 一つの大きく丸い細胞に、網の目のような橋が幾つも架かって繋いでいた巣を分解して吹き飛ばし、細胞部分が丸ごと燃えながらゴロンゴロン転がり落ちる惨状を示し、どっかのナディアさんが捕まっていたガーゴイルの秘密基地で、偽ブルーウォーターが爆発したぐらい、盛大に爆発炎上して壊れた。
「ああっ、巣がっ!」
 空には虹が架かって水も飛び散り、衝撃波が丸い円になって雲になって広がり、これが地球防衛軍2なら、輸送円盤にジェノサイドキャノンを打ち込んだぐらいの爆炎が広がって、羽アリの巣が破壊されるぐらいの崩壊が見られた。
 不幸中の幸いなのは、サッキュバスが全員カズマの後をついて回って戦いに出て、子供のサッキュバスは戦えないお母さんが抱いて、飛んで逃げ出していたので、死人は出なかっただけだった。

「この駄女神が、何しやがった?」
 犠牲者が出たと思い、建物も崩壊炎上してしまったので、アクアに走り寄ってワンハンドバックブリーカーをかまして、チョークスリーパーのまま、いわゆる「地蔵背負い」のような姿勢で女神を天に返そうとしたカズマ。
 この女神は、ヤってから確実に化け物以上の魔力を発揮しているので、それも自分の責任だと思えた。
 もう一人の頭のおかしい爆裂娘の方も、恋愛感情が冷めて、女神と似たような末路を歩ませてやろうかと思っていた。
「ギブギブギブ」
 アクアはタップしてギブアップしたが、昨日喉笛掻っ切られそうになった所を助けたのを後悔した。
「サッキュバスだって生きてるんだぞっ? それをお前は、お前は……」
 人造人間とは言っても、人様の住処、それも大規模住宅で神殿で、多くのサッキュバスたちの心の拠り所を壊してしまった二人。
 もし通信が完了して、個々の所有権とかが確定したら、惑星上の全サッキュバスを全員自由にしてやり、ディスペルも何も効かない人間(状態)として開放できたのに、それまで破壊してしまった女神とめぐみんに怒りを覚えて、絶望して跪く。
「何よ、手加減したでしょ? 誰も死んでないし、エクスプロージョンだって止めたじゃない」
「ヘ?」
 女神によれば、誰も死人は出ていないし、神殿とか巣全体も爆裂魔法で吹っ飛んでいたかも知れないのを、水で受け止めて半壊?程度で押さえたのだと言う。
 確かに神殿よりは上の、サッキュバスが積み上げた巣は壊れていたが、強化セラミックだか何かで作られた部分は、長年の汚れまで吹き飛んで、綺麗な地肌が見えていた。
「行ってみるわよ、付いてきなさい」
 水洗便所になってしまい、長年の汚れとかが流れ出し、ゴボゴボ言っている巣を超え、水の橋で神殿まで連れて行かれ、カズマ親衛隊?も付いて来た。
「ほら、見なさい」
 全員出た後、戸締まりもされていたのか壊れていなかった神殿。また女神が剛力で扉を開いて無理やり侵入した。
「あの、長の印……」
 女神なので特にIDとか必要なく、入りたい場所には実力で入れるらしい。
「どう? 壊れてないじゃなない」
 特に水浸しにもならず、爆裂炎上されていない神殿内部。カズマが確かめて、長の印とかも借りて起動させると、防衛装置なんかも作動した。
『緊急警報、外部からの攻撃を受けました。当社は直ちに防衛体制に入り、外敵を排除します。関係者は直ちに退避壕に入って下さい。警告、消化のためハロンガス、二酸化炭素を放出します』
 何かの装置が作動して、燃え盛っていたサッキュバスの巣も窒息消化で一瞬にして火が消え、むき出しになった神殿、サッキュバスちゃん工場は、モニターに映る神殿上部から破壊兵器を出して、外敵、先程エクスプロージョンしやがった集団の方に向けて、無警告で発砲した。
 カズマも女神もダクネスもサッキュバスも、「これアカン奴や」と思い始めた。

 サッキュバスの巣、こんな場所で一万年近く巣を領地として繁栄、存続してきた理由は、巣の上部が撤去され、破壊された後に実力を発揮する。
 人類側とめぐみんは、間違った方法でこの場所を占拠しようとしていた。

 最前線。
 自分の命を弾として使うことに決めたサッキュバス達は、人間の部隊と交戦を開始していた。
「ファイヤーウォール!」
「サンダーウェーブ!」
 以前のサッキュバスのような、弱く単発の単独攻撃ではなく、人間化して士気も上がり、強い魔力を発揮して、グループ単位に魔法攻撃している人間形状の元サッキュバス。
 BBAのサッキュバスは、農地に併設された家屋や倉庫に身を隠し、歩兵や魔法兵団が通過する時、攻撃をかけようと身構えていた。
 それでも侵攻されるのに任せて後退し、散発的な攻撃を仕掛けて、眼力や魅了で仲間割れを起こし、魔法兵を刺し、数を減らしていく。
 元々こんな僻地の一部族との小競り合いに、千人もの部隊や50人規模の空挺隊を送り込んでくる方が異常である。
 戦闘員が数百人もいないサッキュバス側に、これだけの戦力に抗う手段はなかった。
「もう巣は諦めろっ! 壊されてバラバラだっ、この戦い、カズマ様だけをお助けできれば、それで我々の勝利だっ!」
 何か、サッキュバスが人間化して開放されるのをよく思っていない勢力が攻撃を仕掛けてきて、救世主であるカズマ様の命まで狙われていると思いこんでいるサッキュバス兵。
「後退しろっ、奴らを足場が悪い場所に引き込め、もし巣に入って金品を漁りだしたら、巣ごと燃やしてやれ」
 もう巣も仲間も自分の命も諦め、カズマさえ無事で、生き残ったサッキュバスや他の巣を救ってくれたなら本望と、戦い続けているサッキュバス兵。そこで異常が起こり始めた。
 人間の歩兵が一人、一人と意識を失って倒れ始め、地上にいたBBAサッキュバスも意識を失って倒れ始めた。
「何だ? 何が起こっている?」
 上空で飛んでいるサッキュバスには意味が分からず、地上近くに降りた者も意識を失いそうになるか、慌てて飛び立つ。
「下に空気がないっ!」
 消化用のガスが平地を伝い、意識を失わせたり、朦朧とさせて、慌てて飛び立って建物の上に立つBBA達。
 ほぼ勝敗は決して、サッキュバス側の防衛が成功したが、その後まで立っていた者に不幸が訪れた。
 動作し始めた防御装置が、重装歩兵であろうと、チェーンメイルの歩兵でも関係なく、ヘルメットに小さな穿孔を空けて倒した。
 紙に穴でも開ける程度で、弾丸の音もせず、爆風の音もせず、静かに、静かに処分されて行く兵士。
 エネルギー消費量も最低限で、たとえ数十万の兵士に包囲されても、全く同じ手順で黙々と作業を続け、サッキュバス以外の全員を殺傷できる防衛装置。その後も無音で頭に穴を開けられた兵士が倒れて行った。

 神殿
「脅威1……殲滅、脅威2……殲滅、脅威3……殲滅」
 映像がズームアップされると、赤い光点が当たった者は順に倒れて行く。何の派手さもなく、自社のサッキュバスは巻き込まず、武装した人間だけを消去していく。
「はははっ、まるで人間がゴミのようだっ」
 見事な悪役セリフを言い出すアクア、もう心の中まで悪役らしい。
「脅威12…… 殲滅、脅威13」
「らめええええええええっ!」
 カズマが叫ぶと一応攻撃が止まった。モニターにはアクセルの町でおなじみの冒険者たちが映っていた。
「停止しました、それでは、先程ここを爆破したと思われる魔法使いを発見しましたので処分します」
 ズームされると、後方にいる貴族や商人、女王様が待機している後方に馬車で運ばれていく術者、めぐみんがぶっ倒れて運ばれている所が映し出された。
「それもらめえええええええっ!」
 めぐみんが乗る馬車に光点が合わされると、馬車ごとふっ飛ばそうとした防衛装置だったが、一応カズマの声で止まった。
「何故ですか? この場所を破壊しようとしたテロリストですよ?」
「いや、みんな俺を助けに来てくれた仲間なんだ、助けてやって」
「了解しましたで、ではここを水没させようとした容疑者を…」
「こっちもらめええええええっ!」
 今度はアクアに光点が合わさり、モニターにも表示されたのでカズマが止めた。

 その後、カズマが泣いて頼んで、死んだ兵士とかもアクアに生き返らせてもらった。
 10小隊100人以上の兵士だったが、現在化け物以上の魔力があるアクアには可能だったので、どうにか死人を出さずに済み、対話のテーブルが用意された。
 
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