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素直になるということ

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10 ※



手に液体を馴染ませる。
穴の周辺に塗りこみ徐々に穴に触れる。
ピクンと動く身体。
ツプと指の先を差し込む。

「んァ…」

「相沢、ちゃんと息してね?止めてたらすぐ苦しくなっちゃうよ?」

喘ぎが出ちゃうから息止めちゃうの、分かるけど…苦しいのは嫌だよ?
あ、そっか、俺も言われたことあったっけ。なんか、相沢を攻めてから色んなことが分かってくる。
面倒かけてたんだな。
二本目の指、三本目の指と差し込み、中でバラバラと動かす。

「ん…あっ…」

「はぁ…は…相沢…」

俺も熱にやられてる。
息が上がる。

「もっ…たまき…くんっ…」

「はぁ…うん…入れる…」

入れる…。
どうしよう、緊張する。
でも、大丈夫。
相沢が、待っててくれてる…。
先端を穴に当てる。
ちゃんと、入る、かな。
初めてだから、分からない、けど…。
やるって、決めたから…ちゃんとしたい!

「んっ…くっ…」

少しずつ押し進め、根元まで入れ込む。

「入ったよ…全部…」

「はぁ…は…ちゃんと…できますねっ…」

「うん」

すごい…相沢の中、熱い。
吸い付いてくる感覚にゾクゾクする。
こんなんじゃ、すぐイッちゃいそう。
腰を引いて打ち付ける。

「あっ…あ…んァ…」

「相沢…相沢…あっ…すごいよっ…ん…きもちぃ…」

俺、なんか、ダメ。
喘ぎ、止まらない。
だって、気持ちいいんだよ。
ナカってこんな良かったんだ?
相沢だから?
好きだ…好きだよ、相沢…!

「相沢、好き…大好き…はぁ…俺、もうイキそう…!」

「いいですよ、僕もっ…」

俺、全然攻めっぽくない。
攻めるならカッコよくしたかった。
こんなんじゃないのに。
ネコしかしてこなかったんだから、タチを上手くやれるはずないって分かってるけど。
思ってたのと、理想と、全然違う。
俺はもっと…。

ポタ…。
あ、何か涙が。

「え…」

思いっきり引き抜き、奥まで一気に突き刺す。
相沢のから白濁液が出るのを見てから、中に注ぐ。

「はぁ…はぁ…相沢、ごめんね…俺、上手くできなかった…」

「玉木くん!俯かない!僕をちゃんと見て!」

「相沢?」

「僕らはタチじゃないんです。うまく攻められるはずないです。上手く出来なくても次があります。それに、僕も気持ち良かったですよ?玉木くんは下手でもないですよ」

「相沢」

「いつか、僕も玉木くんを抱かせて下さい」

「え」

「玉木くんが可愛かったので…」

「うん。抱きたくなったら言ってね」

二人して笑い合う。
可愛い。
可愛くて、かっこいい、俺の恋人。
俺、相沢に好きになってもらえて良かった。相沢を好きになれて良かった。
こんな幸せ、二度とない。
相沢といれば気づかされることが多い。
俺はこんなに恋人を大事にしたいと思ったことがあっただろうか。

「相沢、好きだよ。大切にする」

「玉木くん。その言葉そのまま送りますよ。好きです。ずっと、大切にします」

うわぁぁ…そういうこと言えちゃうんだね。
かっこいいな。

「相沢、大好き」

唇に触れるだけのキスをした。




 
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