KANON 終わらない悪夢
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舞の処女喪失、運命の少年と繋がる
祐一の胸に顔を埋め、肩に爪を立てながら心臓の音を聞いている舞。今は胸の奥を掻き毟られるような感触と、運命の少年とようやく一つになれる期待感で、自分の心臓も早鐘のように鼓動していた。
「舞~~~~~~っ!」
そこにタイミングも悪く、佐祐理が到着してしまった。合鍵を使ってドアを開け、一気に舞の部屋に突入して来る。さらに祐一の毒牙から舞を救うため、年配の運転手までが入ってきた。
(敵性兵器の稼働を確認、以後イプシロンワン、イプシロンツーと呼称します)
祐一クンロボのボロい戦闘AIからも警告が出た。何故か舞と同じ声なので紛らわしいが、現在佐祐理は祐一に敵対しているらしい。
「…佐祐理、来たの?」
自分で呼んでおいて、邪魔そうな言い方をして親友を見る。現在の位置関係は舞が上で、祐一が押し倒された状態で、舞はジャージを着たままだが泣いているので心象が悪い。
もし祐一が上で舞が泣いていれば、佐祐理が持っている三脚付きカメラで殴り倒されていたに違いない。
「サ、サユリサンジャナイカ、ソチラノカタハ?」
佐祐理本人も怖かったが、後ろの男性がホモだったり、ワセリン無しだったら怖いので、カタカナ語で喋る祐一クン。
既に戦闘態勢で拳を握っていたり、手に持っている警棒代わりの長い懐中電灯も自分のお尻に納めさせられそうで怖かった。
「舞っ、大丈夫? 何もされてない?」
その表情は当然いつもの笑顔では無く、目を見開いて、能面か般若のような顔で祐一を見ていたので、さらに怖くなる祐一クン。
「はわわわわ」
「祐一にキスしてた。その先はどうすればいいか分からなかったから困ってた所」
舞が無事だったので安心する倉田家の一同。年配の運転手は警棒を隠して退出しようとした。
「私はお邪魔なようですので外におります、御用がありましたらお呼びください」
車にも施錠せず飛んできたので、車に戻って駐車違反を取られないよう出て行く運転手。
「急がせて済みませんでした、帰りは呼びますので、もう結構です」
「左様ですか、それでは暫くしましたら帰りますので、またお呼びください」
ドアに付けたまま飛び込んだ合鍵で施錠して出て行った運転手。
(イプシロンツーが撤退しました、イプシロンワンは未だ非友好的です、警戒して下さい)
「…座って、佐祐理」
「ええ……」
ようやく振りかざしたカメラ付き三脚を下ろし、近くに座った佐祐理。
まだ祐一を疑わし気に見ていたが、明らかに舞の方がラブラブなのが表情から見て取れた。世の中には飼っているヘビの表情が読める人物もいるので、佐祐理には舞の表情からそれが分かった。
「一体何があったの? 教えて、舞」
すぐに逃走できるように、舞もベッドに座らせ、自分も隣に座る祐一。
「…祐一が私の両手を捕まえて返してくれたの」
相変わらず意味不明の解説をする舞だが、ジャージの袖をめくった所で佐祐理も気付いた。
「手の傷が全部消えてる……」
一生消えないような深い傷や、青痣が定着してしまった黒い染みも無くなり、綺麗になっているのに驚かされる。
「…前に私が魔物を追いかけてるのは言ったでしょ? それは私が追い出した手足や胴体だったの。そいつらが夜の学校に現れて、ずっと戦ってたんだけど、二月から出なくなって探してたら、香里さんと栞さんに取りついて操ってたらしいの」
「はあ」
意味が分かったような分からないような返事をする佐祐理。
祐一も口を挟んで解説しようかと思ったが、舞が以前どこまで話しているかも知らないので任せることにした。
「…昼前には栞さんと戦って、憑いてた魔物を祐一が説得してくれて、自分の体に取り込んでくれたの。ついさっき、香里さんと戦ってた時も祐一が話して、香里さんから魔物を取り出して」
「ちょ、ちょっと待って、分からないわ、どうして舞が栞さんや香里さんと戦ったの?」
まず基本的な話からしないと難しそうなので時間がかかり、佐祐理以外の追手が来そうな予感がして縮むオットセイ君。
「…二人とも魔物がついてたから。誰かの命を奪って生きてるみたいだから、私が狩らないといけない」
「そ、そうなの?」
永遠に平行線を辿りそうな二人の会話に我慢できず、つい口を挟んでしまう祐一。
「舞が追い出してしまった使い魔が、人様に迷惑をかけてるみたいだから、捕まえないといけなかったんだ。だから俺が代わりに回収して舞に返した。両手の傷が治ったのは多分そのせいだ」
「そうなんですか」
佐祐理に解説するのは難しそうだったが、何とか頭に詰め込んでもらう事にして続きも話す。
「栞に憑いてた右手が悲しいと思える心を持ってたから、舞は泣けるようになった。香里に憑いてた左手が怒りの感情を持ってたから、これから舞は怒れるようになった。他にも色々戻ってるはずだけど、残り三体いるからこれからも探さないといけない。全部集めたら、舞にも恥ずかしいとか、冷たいとか色んな感情が戻ると思うんだ」
「ええ……」
色々と無理難題を押し込み、苦しそうな佐祐理の頭。しかし舞の感情の変化には気付いて、手の傷が治ったのにも喜んでいた。
「さっきシャワー浴びた時も、水なのに平気で浴びてたし、体中傷だらけだったし…」
「シャワーを浴びた? 体中傷だらけ?」
祐一の話を遮り、違う所にグイグイ食い付いて下さる倉田家のお嬢様、ソッチ系の話には超ビンカンでいらっしゃるらしく、また目を見開いて怖い表情におなりになった。
「はわわわ」
佐祐理の逆鱗に触れてしまったのに気付き、恐れおののく祐一クン。
「…私が誘ったの。祐一は私と麦畑で遊んでた男の子だったから、もう私たちは一つにならないといけない、でも方法が分からなかった」
「え? 舞の幼なじみの男の子って、祐一さんだったんですか?」
難解な舞語の解説でも理解してくれたようで、窮地を脱した祐一。
両手の魔物を返す時、キスして返したと言えば何をされるか分からない。ここでも祐一は慎重に言葉を選ぶことにした。
「…そう、祐一は化物と呼ばれた私と同じ力で遊んでくれた。祐一も普通の人間じゃない、栞さんや香里さんの病気が治ったのもそのせい」
「じゃあ、祐一さんも妖狐の一族なんですか?」
「え?」
そこまで知っているなら、さっきの話も、もっと理解してくれても良さそうな物を、何も知らない一般人向けに噛んで砕いて話したのは何だったのかと思い直す。
「ごめんなさい、佐祐理の家もそうらしいんですけど、詳しくは教えられていません」
「…だからこれから祐一と、もっと色々なことをするの、佐祐理はそこで見ていて、写真とかビデオを撮るなら撮ってもいい」
「「エッ?」」
自分が好きな女の子に、「男とするからそこで見ていろ、お前はビデオ係だ」という高度なプレイを言いつけて平然としている舞。
ゴゴゴゴゴゴゴゴッ!
佐祐理の怒りが再び祐一に向かったのに気付き、生命の危機を感じる祐一クン。
(イプシロンワンに超重力反応! 警戒して下さい、僚機のデルタワンを排除して撤退を推奨します)
(ファッキンAIめ、帰ったらプログラムをファックしてやるっ)
目の前の処女を放置して、撤退や退却しか推奨しないボロいAIにアメ~リカンな態度で苦情を言う祐一クン。
しかし佐祐理ロボ?の電子頭脳を冷却する魔法の言葉を知っている祐一は、すかさず呪文を唱えた。
「佐祐理さんも一緒にどう?」
「エッ?」
頭に登った血が、顔面装甲に移動して真っ赤になり、目を逸らしてモジモジし始める佐祐理ロボ?
「そ、そんな、私達は女同士なのよ、そんなのできないわ」
佐祐理的には「祐一とする」という選択肢は存在しないようで、世間の常識回路が搭載されているロボには「女同士でする」のは規律違反らしい。
「佐祐理さんは舞とするのが嫌なんだ」
「い、いいえっ」
(アファーマティブ(肯定))
ボロい戦闘AIには嘘発見器の機能があるらしく、佐祐理の言葉を肯定した。そこで祐一は問いただしたくて仕方なかった内容を聞いてみた。
「少し佐祐理さんに質問があるんだ、全部「いいえ」で答えてくれる?」
「え? ええ」
「じゃあ最初の質問、佐祐理さんは舞をお泊りパーティーに誘って、一緒にお風呂に入って、わざわざ使いにくい高級石鹸とか高級シャンプーまで用意して「佐祐理に任せて」とか言いつつ舞の体中洗ったり、触り放題、揉み放題、髪の香りも嗅ぎ放題、な~んて事をした事がありますか?」
まるで感電したかのようにビクリとして、目を見開いて祐一を見てから目を逸らし、挙動不審になって目を泳がせまくる佐祐理。
「いいえっ!」
(ネガティブ)
不必要なほど大きな声で否定し、戦闘AIにも即座に嘘だと判断された佐祐理の言葉。
「じゃあ次に、舞が使ったタオルにバスタオル、ついでに舞だけが使ったお湯まで保存して飲んだり、ビニール袋に入れてチンしてスーハーしたり、脱衣所や風呂の中を撮影して保存したりしましたか?」
「いいえっ、どうしてそんな事を聞くんですかっ?」
(ネガティブ)
舞が祐一に相談でもして「佐祐理に困ったことをされている」と聞かされて詰問されているように思えたので、まるで見られていたかのような名探偵の質問にうろたえ、明らかに「私が犯人です」と自供し始める。
「舞を着せ替え人形にした後は、よく眠れるオクスリを飲ませて、同じベッドで眠った振りまでして、ファーストキスをして泣いたり、胸に…」
「もうやめて下さいっ、何の質問なんですっ」
気分を害した振りをして質問を遮る佐祐理。その後の行為はどうしても舞の耳に入れたくなかったらしい。
「…私が泊まりに行った時は、いつも佐祐理が洗ってくれたり、寝てからはキスしたり色々するから」
舞の方向を向き、雷の直撃でも受けたように震え、髪の毛を逆立てて驚く佐祐理。
名探偵に「犯人はお前だ」と言われるよりも早く、一番知られたくなかった相手から審判の言葉を聞かされ、茫然自失になり卒倒しそうになる。
「ま、舞…… 気が付いて」
もう親友でいることもできず、近寄ろうとしても「寝ている間にイタズラするレズ女」と蔑まれて、一緒のお弁当も、一緒の登校も、他愛無いおしゃべりも、お泊りも、お風呂も、同じベッドで寝るのも拒否されてしまえば、どうやって生きて行けば良いのか分からず、がっくりと肩を落とす。
もしかすると今までは、弁当を作ってくれるから我慢、洗濯や身の回りの世話までしてくれるから我慢、という最悪の理由で見逃していてくれたのかも知れないと思い、涙が溢れ出てきた。
「いいんだよ、佐祐理さん、舞はそんなの気にしない」
「えっ?」
祐一も舞も、何故か今までの行動を責めず、それを認めるような言い方をされ、正気を取り戻す。
「…私と祐一だけ仲良くなったら佐祐理がかわいそう、だから一緒にしてもいい」
その言葉で佐祐理の所にも守護天使が降臨して、女同士なので無理だが受胎告知されたり、和風の室内だが小さい天使も舞い降りて祝福される。
「でも佐祐理さんが嫌ならいいんだ、大きな家のお嬢さんなんだし、無理にとは言わないよ」
「いえやりますさせてください是非おねがいします今後ともよろしく」
今度も句読点を含まない言葉を言い切って頭を下げる。二人は珍しい「佐祐理の土下座」を拝見した。
もうこの時の佐祐理は「祐一さん、すぐに(偽装)結婚しましょう」と申し込みたいほど気持ちが昂ぶっていたが、舞には余りメリットが無いのと、怒りだしてチョップでも食らいそうなので黙っていた。
「…じゃあ、佐祐理も脱いで、狭いけどこっちに来て」
舞から聞けるとは思わなかったセリフを聞かされ、フラフラと近寄りそうになるが、気になることがあって立ち止まる。
「ちょっと待ってて、表を見てくるわ」
運転手が残っていないか確認するためにダッシュで表に出て、帰ったのを確認して、今度はビデオをセッティングして録画も始めると、祐一が見ているのに豪快に服を脱ぎ始めてブラと下着だけになると、祐一に高級デジカメを渡して舞の隣に割り込んた。
「祐一さん、舞とキスしてる所を撮って下さい」
佐祐理の目付きもかなりヤバかったので、有無を言う暇も無く受け取り、撮影係を仰せつかる。
「…佐祐理」
「舞……」
結構雰囲気を出して抱き合い、顔を寄せる二人。佐祐理も舞からしてもらうのは初めてだったので、目を閉じて受け入れる。
「いいですか? 撮ります」
そのまま縦横で何枚か撮っていると佐祐理が上になって舞を押し倒していく、意外な感じがして「ねこさ~ん」だとばかり思っていた佐祐理が攻めで「タチ」なのかと思うと、予想外の言葉が出た。
「掛カッタナ、体ヲ返セ」
「しまっ……」
佐祐理にも魔物が憑いていたらしく、舞の上に伸し掛かり、首を締めながら口を開き、舞本体に侵入して体を取り返そうとしていた。
また病院の香里の病室。
『じゃあ、『私達がいない間、何があったのか思い出して、正直に話して頂戴』、香里』
術に掛けられ、夢の中のような魔物と祐一、舞との会話を思い出す香里。
「私が…… 病院に戻ったら川澄さんがいて、テレビの人や母さんを追い払ったの、祐一も買い物に行かせて中庭で戦ってた。何で戦うの? 意味わかんない」
『相沢くん取られて襲いに来たのよ、悪い女ね、もっと思い出して』
話に詰まった所は適当な嘘で流し、その先を思い出させる。
「あたしを殺せないからあの女も困ってたみたいだわ、でも左手を折ろうとして突っ込んできたから潰してやろうと思ったのに、この体全然力が出なくて、 に助けて貰ったんだけど、そこに祐一が帰ってきたから「この女に殺されかけた」って抱き付いたのに、祐一ったらあの女を信じたのよ」
一同も香里の言葉の空白が何者か分からなかったが、それが黒幕なのだと思い至る。
「その後ロビーでなにか話してたんだけど、何言ってたのか覚えてないわ、どうでもいい事よ、魔物があたしの命を繋いでたとか、祐一に近付けるようにずっと背中を押してくれてたとか」
「信じらんない、どうなってやがんだ?」
術者からすると最重要の話題のようだが、夜の使い魔は香里の命を繋ぐために憑依させられていて、恋愛を成就させるために後押しまでしていた。
「そしたら栞に入ってた奴が祐一の中にいて、猫みたいに横になって気持ちよさそうに寝てるじゃない。もうバカみたい、こいつ何してんの? って思ったけど、あたしも誘われて「こっちに来い」って言ってもらって、祐一の中にもあの麦畑が見えたのね。あたしもあそこで昼寝できたら気持ちいいだろうなって思ったら我慢できなくなって、入れてもらったの」
使い魔視点の話を聞かされ、必死でメモを取るザコ1号。香里も使い魔も「あたし」なので混乱するが、話の内容から察しながら聞く。
「二人とも行けるのかと思ったら、あたしだけ置いてけぼりで、あいつだけ気持ちよさそうにしてて、そこで眠くなって寝ちゃったんだけど、起きたらこのとおりでしょ? もうあいつはいないし、ゆ… 相沢くんに会ったらどうしたらいいかわかんないし、早く帰って来いって気分よ」
使い魔に乗り移られ、命を食われて心も蝕まれていたとばかり思っていた一同は、案外二人が仲良く暮らしていて、今でも戻ってこないと、宿主自身が以前のように上手くやっていけないと思っているようで驚かされる。
「仲良しの使い魔なんて聞いたこと無いぞ、心のお友達かよ」
「ええ、結構いい相棒だったわ、ほんとにあいつ、どこに行ったのかしら? 早く帰って来て貰わないと困るのよ、あれ、どうしたんだろ?」
大切な友達を無くしたかのように、涙を流し始め、手で拭い始めるが止まらなくなり、テッシュを取って震え始める。
「あいつっ、川澄さんの中に帰っちゃった。祐一と何か話してて、最初は嫌がってたくせに、だんだんその気になっちゃって、祐一の中の方が居心地良いはずなのに帰るなんてっ、あのままだったらまた、あたしの中にも戻って来れたって知ってたくせに帰るなんて…… 酷い」
そのまま寝転んで、丸まって泣き続ける香里。
『ごめんなさい、もういいのよ、眠りなさい、良い夢を、また夢の中で会えるわ』
「え…… ええ」
悲しい記憶を呼び覚ましたのを詫び、せめて夢の中で相棒に再会できるよう願い、眠りに落として去って行く一同。
「行きましょう、使い魔は川澄舞の中に帰ったそうよ」
「引き出すだけじゃなくて、ついに戻しやがったか、凄えな、何者だあいつ」
「天孫の末裔たる、現人神よ、不敬な態度は控えなさい」
舞の部屋。
「掛カッタナ、体ヲ返セ」
舞に伸し掛かって首を絞め、口を開いて舞本体に侵入しようとしている魔物。
「佐祐理さんっ」
喋り方や、舞の腕力に対抗している所からも、祐一の目から見ても佐祐理が魔物に支配されて操られているのは分かったが、腕力のない自分がどうすれば良いのか分からない。
舞も、このまま首を絞められて意識を失えば、魔物に体を奪われ、自分は追い出されるか、体の隅にでも追いやられ、飼い殺しにされるかもしれない。どうにか魔物の佐祐理の手を掴み、血流や気道を確保しようと務めた。
選択肢。
1,舞の鞄に入っている木刀で殴る。
2,佐祐理に無理やりキスをして魔物を吸い出す。
3,舞にマウントしている佐祐理のパンツを引き下ろし、オットセイ君をインストールして、手を離すまで突きまくって差し上げる。
4,敏感そうな佐祐理の背中に指を二本這わせ、上から下にス~~ッと撫でてやる。
選択「4」
(イプシロンワン、デルタワンと交戦中、背後からイプシロンワンをJ・Bで撃破して下さい)
ボロい戦闘AIから佐祐理ロボ?をバックからレイプして撃破するように指示が出たが、仕返しが怖いので遠慮した。
腕力では到底魔物には敵いそうもないので、佐祐理の背中に指を這わせ、気持ちよさそうな所を首筋から尾骨までス~~~~~ッとさすって差し上げた。
「あひゃうっ!」
即座に舞から手を離して飛び退き、壁を背にして祐一の攻撃を警戒しながら、舞の動きも警戒する魔物。
「…ゴホッ、ゴホッ」
一番信頼していた相手から不意打ちされ、さすがに防御する暇もなく、一瞬呼吸を止められた舞。すぐに転がって鞄に手を伸ばし、木刀を抜き出す。
「あひっ、うひゃひゃっ、あははははははははっ」
魔物の佐祐理は既に祐一の毒牙に掛かり、脇の下を念入りにくすぐられてベッドの上をのたうち回り、うつ伏せになったり仰向けになったりして攻撃をかわそうとしたが、ブラが外れて胸を露出しただけで、プルンプルンさせながら自分がセッティングしたビデオに一部始終を録画される羽目になった。
「…何してるの?」
「あひーーっ、許しっ、ヒヤッ、うひひひひっ、もうっ、ああああっ、ダメッ、ひゃーーーーっ」
異様な光景を目にして驚いている舞。確かに二人とも戦闘態勢に入る前で、アドレナリン出まくりのクシャミも瞬きもしないような集中状態ではなく、エンジンが掛かってすぐの暖機運転も終わっていない所だったが、あの魔物が一般人同然の祐一にオモチャにされているのは信じられない光景だった。
「佐祐理さん、降参する? それとも、もっと続けて欲しい?」
「やっ、もうっ、あひっ、あははははははっははっ、こうさっ、ひーーっ」
「するの? しないの?」
「しまっ、あはははははっ、ゆるっ、だめぇっ」
降参したようなので、うつ伏せの佐祐理をカメラに向け、胸がブルンブルンしながら腹筋を痙攣させ、笑顔のまま涙を流して、両脇を必死に閉じている所を録画しておく。
「また暴れたら全力でくすぐるよ? いいですね」
「キャーーッ、もうだめっ、それだけは許してっ、あははははっ」
もう手は止まっているのに笑いが止まらず、体から離れている手が動いただけで身を捩って笑い続ける魔物。
「…祐一、ヘンタイ」
祐一の嗜虐的な表情を見たのか、ゾクリとして背中に鳥肌が立ち、魔物に対してでもエロエロな攻撃で撃退するエロオヤジを見て、変態呼ばわりする舞。
(イプシロンワン、重力子反応、再起動します、沈黙させて下さい)
「コノッ!」
「あるぇ~? 佐祐理さんは、どこが一番くすぐったいのかな~? んんん? ん~~~~?」
「ひゃあああっ、らめええっ、やっ、ひいいっ」
舞の声に耳も貸さず、戦闘AIの指示に従って動き出した佐祐理に再度攻撃を開始する。耳や顔を舐めながら脇に指を差し込み、拒否されると脇腹、それも防がれると背中、足の裏、胸、乳首、お尻、太腿、内股、アソコ、全身調査するうちに下着も取られ、ブラも外されて全裸のまま良いように笑い転げさせられる魔物の佐祐理。
「やっ、ひいっ、あう~~~~~~っ」
ついに限界が来たのか、ビックンビックン痙攣しながら背中を反らせ、もう十九歳になろうかというお年頃なのに、ちょっとお漏らしする所まで撮影されてしまい、失禁と失神を経験させられた佐祐理。
「悪は滅… ビッケ!」
決めセリフを言う前に舞に木刀で軽く殴られ、舌を噛みそうになった祐一。
「何するんだよ?」
「…佐祐理に酷いことした」
ちょっと涙ぐんで、自分より先に佐祐理のほうが色々されて、達した?のを怒っているらしい。
「仕方ないだろ? また暴れようとしたんだから」
「でも、佐祐理が気絶してオシッコ漏らすまでくすぐった」
白目まで剥いてアヘ顔を録画され、気絶しても尚ビクビク痙攣して、各所がプルンプルンしている佐祐理。これを先ほどの運転手に目撃されると、警棒でぶん殴られるだけでは済まない。
「相手は魔物だからな、木刀で突いた程度では倒れなかっただろう?」
「…うん」
喉仏の急所を突こうが、心臓が止まるような突きを入れても無駄だった魔物。確かに剣で刺すような事態になるよりマシだったが、舞から見ても佐祐理は傷物にされてしまっている。
「舞、魔物と話したい、何か手足を縛れるもの無いか?」
「…さがしてくる」
舞がビニールひもか何かを取りに行っている間、佐祐理の上に乗って両手を押さえていた。
選択肢
1,紐で縛るまでじっと我慢して、その後に乱暴狼藉の限りを尽くす。
2,魔物や佐祐理が泣こうが喚こうが、伸し掛かって挿入までさせていただいて絶対中に出す蔵。
3,魔物に愛を囁いて舞の体を乗っ取り、元の舞は自分の心の中で飼って乱暴狼藉の限りを尽くしたり、佐祐理さんの体に入れて玉突き状態にして体をずらして行って、ややこしい話にして楽しむ。
4,とりあえず、揉んだりしゃぶったり色々させていただく。
ここでも選ぶ前に一旦落ち着き、全裸のお嬢様を前にして脳までケダモノになった状態でも何とか考えてみた。
祐一未来予知中……
選択肢1を選んでしまった場合。
ビニールひもで手足を縛られ、文字通り手も足も出ない状態にされてしまった佐祐理。そこで嫌らしい目付きをした祐一が頬を叩いて起こす。
「へっへっへ、倉田のお嬢様もこうなったらオシマイだな、どうれ、お嬢様のお肌の味を確かめさせてもらおうか、ペロペロ」
「いやあっ、助けてっ、爺やっ!」
「今頃呼んでもさっきのジジイならもう来ねえよ、ビデオで処女を開通する所を全部撮ってやる」
「だめえっ、舞、どうして見てるのっ? 助けてっ」
親友に助けを求められても、目を逸らして助けようともしない舞。
「…ごめん、佐祐理、最初からこうするよう言われてたの、祐一は最初から佐祐理の体目当てだったの」
「どうしてぇっ?」
「…私はもう祐一のドレイなの、祐一のオットセイ君が無いと一日も生きていけない体にされてしまって…… 佐祐理にもすぐに分かるわ」
「ああっ、やめてえっ!」
まんぐり返しにひっくり返され、ビデオに向かって大開脚させられる佐祐理。女の子の一番恥ずかしい部分も全開に開かされてペロペロされ、無修正で録画されてしまう。
「へへっ、議員のお嬢様なのにこんな所まで録画されて、もし逆らったらネットにバラ撒いてやる、全世界にAVデビューしたくなかったら、今後も夜露死苦頼むぜ、お嬢さんよお、ふえっへっへっ」
「いやああああああっ!」
その後はもう、お口からお尻の*まで、体中の穴という穴の処女を奪われ、その一部始終を録画されてしまい、自分のデジカメでパケ絵まで撮影された佐祐理。
後日祐一の指定した金額を用意できなかったので裏ビデオデビューさせられてしまい、さらにネットにも売りさばかれ「@@議員のお嬢様、ついにAVデビュー、サユリ涙の処女喪失」のタイトルで世界デビュー、何年経過してもググればすぐに表示されてしまう状態で、女子高生レイプ物といえばコレ、といった有名人にされてしまうが、それでも体がオットセイ君から離れられず、祐一のオモチャにされ続けた。
「ちわー、宅配便でーす」
ある日、秋子も名雪もいない時間に宅配便が来て、受け取りに出た祐一は、その場で160サイズに梱包されて謎の二人組にハイエースされてしまい、どこかの廃工場で梱包を解かれた。
「ちわー、いつものホモ軍団でーす」
「熟女もいるわよ」
バイ*グラの互換品を飲まされてギンギンになった所を六十歳以上のBBA達にレイプされ、その後はホモの皆さんに徹底的に可愛がられ、3テイク目ではスナッフ*デオに出演することになった祐一サン。
「小僧、楽にタヒねると思うなよ、たっぷり楽しませてやる」
「はわわわわ」
祐一クンの周囲には、生爪を剥ぐペンチ、麻酔無しで歯を全部抜いちゃう歯科医療器具、チェーンソーから電動挽肉機、神経が超ビンカンに覚醒しちゃうオクスリなど、様々な拷問器具が待ち構えていた。
(らめええええええええっ!)
祐一クンの首をナイスボートの上でコトノハさんする佐祐理ちゃんの姿も思い浮かんだが、夜にトイレに行けなくなるので未来予知を強制的に打ち切った。
さらに選択肢2を選んでしまった場合。
「へっへっへっ、佐祐理さん、いい体してるじゃねえか? お嬢様だから毎日いいもん食ってるんだろ、さぞいい味がするんだろうなぁ、ペロペロ」
「いやああっ」
「うへえ、極上の肉の味がするぜ、これから毎日この味が楽しめるなんてなあ、ふえっへっへっ」
「だめえっ、助けてっ、舞っ」
「…ごめん、佐祐理(以下略)」
「そ、それだけは許して、お金なら払いますから、それ… いやあっ、だめええっ! 佐祐理には許嫁がいるんですっ、だから、ひいいっ! 痛いっ、痛い、抜いて~~っ!」
「じゃあその許嫁さんがこのビデオみたら、さぞ喜ぶだろうなあ? それに議員ってのは世襲なんだろ? 俺の子供も議員とやらにしてくれよ、頼むぜ佐祐理さん」
「嫌っ、それだけは、なっ、中にだけは出さないでっ」
「お嬢様の腹の中にタップリ流し込んでやる、しっかり受け止めろよ、おうっ、おおおうっ!」
「ひいいっ、中に、こんな下品でクズでカスの劣等遺伝子を上級国民様の子宮の中に出されちゃった。舞、見ないで、見ないで~~っ」
先ほどの予知後半に戻る。
(らめ~~~~~~~っ)
最悪の未来を予想しているにも関わらず、極上できめ細かいお肌や肉を見て、匂いも嗅いでしまった祐一くんは、我慢できずに佐祐理の胸をモミモミペロペロし始めてしまった。
(ああ~、舞とは大違いだな、この舌触り、最高だな)
雑種で傷だらけでボロボロの舞と違い、手に吸い付くような傷一つ無い最高級のお肌と、滑らかすぎて崩れないプリンでも舐めているような乳首の舌触りに、蕩けそうになる祐一。
選択肢3を選んでしまった場合。
「祐一っ、アタシついに自分の体を取り返したのダ~! ミャハッ!」
「は?」
やけに明るい話し方をして、何やら喜びのダンスまで披露する舞。佐祐理に宿っていた魔物は喜怒哀楽の喜びの感情を持っていたらしく、元の舞のように「おねがい☆ティーチャー」の苺さんか「ひぐらしのなく頃に」の梨花ちゃまみたいな暗い話し方ではなく、ギャラクシーエンジェルのランファさんぐらいの話し方をしていた。
「ねえっ、佐祐理も起こしてどっか遊びに行こうよっ」
「その前に天国に連れて行ってやるよ」
そのまま舞をベッドに押し倒し、魔物が離れて気絶したままの佐祐理の隣で舞を「天国」に連れて行ってやる。
「ああっ、こんなの生まれて始めてよ~」
綺麗になった左足を含め、全身ペロペロされて大事な所を念入りにかき混ぜられて天国まで飛んで、地球を七廻り半回って帰還した舞。
「舞、気持よかったか?」
その間にも、元の舞は祐一の中でペロペロされ、同じように天国巡りをしていた。
「…うん、少し痛かったけど、あんなの初めて」
とても気持ちよかったのか、元の舞のような話し方をする舞。その表情はラブラブで、脳みその中身はヌルヌルのヌメヌメになって少し壊れていた。
「じゃあ次は佐祐理さんも天国に送ってやろう、舞は上半身な、俺は下半身担当だ」」
「うん」
佐祐理も起こして上半身は舞とラブラブ、下半身も色々されながら天国に旅行する佐祐理。
「ああ、いつもの舞じゃないけど、明るくて可愛くて楽しい舞なんて、それにアッチのテクニックが凄いのぉ」
「佐祐理はここがイイんだ、タップリ可愛がってあげるね、ミャハッ」
女同士で体のツボを知り尽くしている喜びの舞に可愛がられ、脳をヌルヌルのヌメヌメにされる佐祐理。下の方は後半痛かったが、その辺りは気にせずタップリ楽しんだ。
「ゆ、祐一さんもキスしてください」
「ああ」
魔物を吸い出す時と同じようにキスをすると、何故か元の舞が佐祐理に入り、佐祐理が祐一に入る面白おかしい状況になった。
「…何で私が佐祐理の中にいるの?」
「次の犠牲者を探しに行くのだ~、ミャハッ」
どこかの漫画のようにキスで人格が入れ替わってしまうが、一人多いので玉突き状態で別の体に移動して行く。さらに香里の中に佐祐理、栞の中に香里、秋子の中に栞、名雪の中に秋子、真琴(本物)の中に名雪…… という楽しい状況になった。
「お姉ちゃん、私の体でナニしてるんですかっ?」
香里は最愛の妹の体を使って一人ファッションショーを開いて写真を撮りまくり、風呂に入ってエロエロ、栞のパンツをクンカクンカしたり、オ○ニーにふけってたっぷりと楽しんだ。
「秋子さん、名雪の体だったら従姉妹同士で大丈夫なんです」
「ああっ、そんなっ」
既に祐一の中で、魂まで汚されてしまった秋子は、二ヶ月間使い込まれてこなれていた名雪の体で何度も天国に送り込まれ、体が離れられない不潔な関係にされた。
「舞、佐祐理です、体は香里さんですけど是非色々とシマショウ」
「え? しようしよう、ミャハッ」
佐祐理の執念で、ついに舞の体に入り込んで乗っ取りに成功。舞の体でやりたい放題したが、クンカクンカペロペロしても自分の匂いで自分の味なので楽しめない。しかしオナりまくりで楽しみ、油断して祐一を誘った時に押し出されて入れ替わってしまう。
「やだ、佐祐理、祐一さんになってしまいました~」
さらに犠牲者を増やしていくと、誰かに魔物が宿っていたらしく、体が二つ足りなくなり、混乱しすぎて誰に誰が入っているのかも分からなくなり、元に戻す方法も分からなくなった。
「これはこれでいいんじゃない?」
「ええ」
栞の体をエンジョイしている香里と、名雪の体に入って若返った上、祐一に可愛がってもらえるようになって、ツヤツヤのラブラブで幸せな秋子。
「美汐~、アタシの体返してよ~」
「真琴(偽)これはこれで良いものよ」
お互い入れ替わったままの美汐と真琴だが、美汐が真琴の体を気に入ってしまい、元に戻るのを拒否。再び舞の体を乗っ取った佐祐理も元に戻るのを拒否。数人が自分が誰なのか口を割らない状況に陥ったのと、基本祐一の体を介さないと移動できないので、元に戻れない者が続出した。
「もしかしてこれもハッピーエンド?」
「「「「「「「「そんな訳あるかいっ!」」」」」」」」
その混乱は佐祐理の舞を縛って舞本体を入れ、人狼ゲームのように魔物を探し出し、魔物を和解させて元の部位に戻し、計画書通り一人一人元に戻していくまで続いた。
「祐一さん、私だけは戻ってませんから、今日も可愛がって……」
「えっ? 名雪じゃない?」
未来予知終了。
自動的に選択肢4になり、佐祐理の形も良くて柔らかそうな胸に目が行って、「つい」揉み初めてペロペロしてしまう。
「あは~、ナニヲシテイル。だめです、今は眠ってて」
そこで佐祐理が目を覚まし、魔物の声も聞こえたが、佐祐理が抑えたのか、普通の話し方に戻った。
「捕まえた~」
魔物の腕力で上下をひっくり返し、今度は佐祐理が上になって祐一を抑えつける。
どうにか片腕を離して脇の下に指を入れたが、今度はアドレナリンが出たのか、佐祐理は余り脱力しなかった。
「よくも色々してくれましたね~? もうくすぐったくありませんよ~」
今は佐祐理なのか魔物なのかよく分からない状態だが、攻撃もして来ず、何故か祐一の唇を奪った。
「さ、佐祐理さん? 舞一筋じゃなかったのか?」
「あはっ、佐祐理も普通に男の人が好きなんですけど、舞だけは特別なんです~」
佐祐理は歌った時に力が発現するキチェサージャリアン?だけに、前世の恋人と再会したものの、相手が女性化していたのか、自分が友達でいられるように女になったのか、舞だけが特別扱いらしい。
「祐一さんとは特にこうしたかったんですけど、舞から取るようで嫌だったんです」
今度は逆に顔や耳を舐められ、もっとディープなキスもされて舌を絡められる。今は魔物が心を支配しているのか、背中を押しているのか、親友の目の前で祐一を襲っても気にせずキスを迫り、上から跨ってオットセイ君を掴もうとしたが、縮こまっているのでまだ入れられなかった。
「…祐一、佐祐理、何してるの?」
ひもを探して帰って来た舞に見られ、ドン引きされるが、先ほど「一緒にしてもいい」と言ったばかりなので、佐祐理を攻撃しようとはしなかった。
「今は佐祐理さんで、魔物じゃないみたいだ、う~~っ、舞から俺を取り上げるのは嫌だって言ったのに、はうっ、魔物がやらせてるっ」
途中何度も唇を奪われ、涎をダラダラ垂らして飲ませる、セックス中のキスを続ける佐祐理。
「舞、さっきはごめんなさい、この子が急に飛び出してきて止められなかったの。今は寝かせてるから大丈夫よ」
「…そうなの?」
香里と同じように魔物と仲良くして、その存在を「この子」とまで呼んで可愛がっている佐祐理。それが舞の分身だと薄々知っているのかもしれない。
「あ~、こんなに気持ちいいなら、もっと早くしておくんでした~、肌の感触とか、体の匂いとか、もう我慢できません」
少し痙攣しながら鳥肌を立て、普段の佐祐理ではありえないメスの表情で発情し、祐一の顔中を舐めまくる魔物。
「…じゃあ佐祐理は右半分、私はこっちを使う」
「な、ナニシテンノ? 舞?」
佐祐理を止めようともせず、魔物を倒そうともせず、嫉妬したのか対抗心が出たのか、ジャージを脱ぎ捨てて祐一に乗って、佐祐理を押し退けて体の半分から左が舞、右が魔物と言うように境界線を引いた。
「いいえ、舞がここから上、下は佐祐理がもらいます」
「…わかった」
祐一クンの上下分割が合意され、今度は舞が真似をして涎を飲ませるキスを始め、佐祐理はオットセイ君を握って頬ずりを始めた。
「これが祐一さんのなんですね、佐祐理初めて見ました~」
両手で触りまくって、擦られたりしごかれたり、皮も剥かれて色々されるうち、魔物の香里や栞との経験もあったオットセイ君は、見境なく巨大化して佐祐理の口の中に入った。
「うっ」
魔物によって世間の常識とエロリミッターを解除されている佐祐理は、吸う、舐める、噛む、奥まで咥えて味わうなど、香里と同じく普段の状態では決してできない事まで躊躇せずできた。
(イプシロンワンの内部に寄生している存在を排除するには、シグマワン同様、何度か満足させて、ジャイアントバズーカを内部に発射して一旦撃退する必要があります)
(なんだって?)
今回珍しく有能な戦闘AIは、佐祐理内部の魔物を引き出すには、何回かイかせた後に汚液を飲ませて、性的に満足させないとできないと言い出した。
(じゃあ、このまま飲ませれば?)
(上の口では不可能です、下の口に発射して下さい、後ろの口も禁止です)
(は?)
魔物を満足させるには、子供ができる状態にして十分満足させ、「このままでは産まれるのは自分の子供ではない」と認識させないと成仏?しないらしい。
「佐祐理さんから魔物を取り出すには、色々満足させてからじゃ無いとだめらしい、舞も佐祐理さんを」
『…もうおかしくなってしまいそう、何とかしてっ、どうにかして欲しいのっ』
濃厚なキスの間、胸を揉みまくられ、お尻も触られまくった舞は更に発情して、佐祐理を攻めようとせず祐一に跨がり、普通の女なら拒む「顔面騎乗」もこなした。
「綺麗だ…」
一度も使用した事が無い部分は、誰よりも美しかった。色濃い獣の血がそうさせるのか、脚も腰も、日本人とは思えない美しさがあった。
『早く、早くっ!』
祐一は舞の秘所を指で広げ、「はちみつを舐めるクマさん」のように、蜜を吸うため唇を付けた。
自分を慰めた事も無く、傷付けるような行為しかした覚えの無い舞には、こんな奇妙な感触は初めてだった。
唇が触れ、舌がなぞり、吸い付いている場所から脳髄に快感が走り、蕩けるような表情をする舞。
「あううっ!」
敏感な場所に祐一の舌が乗っただけで達してしまい、そのまま強く吸われ、口の中に溜まりに溜まった濃い愛液を出して行く。
「…………ああっ、うっ、ううっ!」
18年の人生で最高の快感に背中を反らせ、暫く息も出来ずに身を打ち震わせる舞。祐一の体の上に倒れこむように寝ると、目の前に何かを咥えている佐祐理の顔が見えた。
「舞、気持よかった?」
「…は~~、は~~っ、うん…… 佐祐理、それ、おいしいの?」
「うん」
オットセイ君を咥えたまま、ジュルジュルと音を立てて喉で返事をする佐祐理。こちらも舞の恍惚の表情など見たこともなく、祐一に吸われたり、リズミカルに舐められる音がするたびに腰を動かし、艶めかしい声で喘ぐのを聞かされる。
「んっ、ああ~~~っ」
そのまま舞が達すると、佐祐理も口を離して場所を譲った。
「じゃあ舞、祐一さんのこれを舞のあそこに入れるんですよ」
「…わかった」
舞は言われた通り祐一のオットセイ君に跨がろうとしたが、その上に奇妙な痣と、隠された文字が見えた。
(…真琴?)
何やら祐一への所有権を主張する忌々しい署名を見て、すかさず皮膚の下に指を透過させ、余計なものを引き剥がした。
「痛っ、何してるんだ? 舞」
「…変な名前を剥がした」
わずか数時間で破られた血印、これで祐一の所有権は、心の恋人秋子ちゃんに戻った?
「…祐一、やっと繋がる」
体重を掛けて祐一を奥まで招き入れた途端、祐一の心の声だけでなく、心の情景も全て伝わって来て、また泣き出して覆い被さる舞。
「舞っ、痛いのっ? 大丈夫?」
「…平気、これぐらい慣れてる」
魔物を使っての自傷行為に比べると、この程度の痛みなど何ともない。それよりも運命の少年と巡り合って繋がった幸せの方が遥かに上回った。
「…ああ、あの時はできなかったけど、今ならこうして一つになれる。この後はどうすればいいの? 祐一はどうして欲しいの?」
そこで祐一の心を覗き込むと、上下に動いたり、締め上げて刺激を与えれば、祐一が気持ち良くなると分かった。
「こう? こうすれば気持ちいいの?」
「うっ!」
祐一の顔を撫でて、気持ち良さそうにしているのを眺め、約束の少年と繋がりながら、自分の体にその印を刻み込み、治らない傷を付けている状況に満足する。
「ああ、こんな事って…… 何もかも一つになってる」
10年前、知ってさえいれば、あの麦畑で繋がり合えたのを後悔する舞。ここまで強い絆が出来ていれば、遠く離れていても心が通じ合えたかも知れない。
8歳の自分には子供は産めなかったが、今ならそれも出来る。もう今日は人として成せる縁があるのなら、全て済ませてしまおうと思っていた。
「これ? これがいいのっ?」
表情と心を覗き、どこをどうすれば気持ち良いか、全て分かってしまう舞。血でぬめる自分の傷口に、祐一の体液を擦り付けて行くのが、とても心地良かった。
「うっ、気持ち良すぎるっ」
「…こんなの初めて、来るの? 私の中に祐一が来るのね、じゃあ沢山来てっ!」
祐一の心の奥に見えた光景で、このまま精を受け止めるのが、子供を宿す方法なのだと感じた舞。
(子種禁止モードだ)
(了解、J・B空砲モード発射用意)
「あっ、もうっ!」
香里のように、祐一の体液が自分の体外に出されるのを嫌い、舞は腰を落として祐一を自分の一番奥に詰め込み、手や足を絡めて絶対に逃がそうとはしなかった。そして耳元で哀願されるように、この言葉を聞かされる。
『お願い、祐一の子供が欲しい』
(J・B空砲モードが外部からの干渉で停止、実弾発射モードに切り替わりました)
(ええっ?)
「だめだっ、ううっ!」
また命令されたのか、泣くような声で頼まれたのが効いたのか、最後の堤防が崩れ、決壊するよう子種も放出して行く祐一。
「…溶けてる、私達、溶けて一つになってる」
交わってやっと力尽きたのか、祐一に乗ったまま、肩で泣いていた舞に問い掛けてみる。
「舞、避妊しないと子供ができるぞ、いいのか?」
「…嫌だった? 私の体、どこか変だった?」
今頃になって少し顔を赤らめ、恥ずかしそうにする舞。他の女のように無駄毛を処理する知識は無かったので毛深いままだったが、それを変に思うより、自然な感じすらした。
「いいや、どこも変じゃなかった、凄く綺麗だった」
『…じゃあ、これからはずっと一緒にいてっ、もう離れたくないっ』
「ああ……」
真琴(本物)より強力な命令を受け、拒否する方法がない祐一。その心の中からは、また栞も香里も真琴も排除されていた。
病院、タクシー乗り場。
「血印が破られた、相沢くんの居場所が分からない」
祐一の後を追おうとしていた真琴一行は、その現在位置を見失った。
「なんだって? あの術を破る方法なんてあるのか?」
「多分、川澄舞の仕業です、あの人の力は私より強いですから」
その程度の情報で、理解力の高い栞は、マヌケな自分の恋人に真琴が書いた痣のような物が舞によって破られ、祐一がスッポンポンにひん剥かれて、いいようにされている状況まで分かった。
「じゃあ、私がその場所まで連れて行きますから方角を教えて下さい。皆さんは私の腕を掴んで下さい」
「おおっ、縮地で連れて行ってくれるのか、アタシも初めてだ」
「相沢くんを見失ったのはあちらです、距離は…」
「もう分かりました、行きます」
今回も栞の術が無詠唱で行使され周囲の景色が歪む、魔物に体を強化された栞は、エネルギー容量も増強され、祐一から受けた力も多く蓄えられるようになって、一日に使える術の回数も増えていた。
「しっかり掴まってっ」
「うおっ、縮地って現地まで直線で行けるのか?」
「いえ、交差点は曲がっているようですが、早すぎて見えないようです」
何とか舞との交接を済ませた祐一、しかし物理攻撃最強となった栞ロボ?の襲来まであと僅か。佐祐理の処女を貰うのに間に合い、魔物を吸い出すのに成功するのか? 祐一クンロボの運命や如何に。
(惜しかったね、もう少しで舞の体を奪えたのに、まさかあんな攻撃手段があるなんて)
「でも、一人ずつ人格がずれるなんて嫌だよ、ボクまで誰かと入れ替わったら…」
(とりあえず誰かの体に入ってみるかい?)
「え? そんなのできるの、じゃあボク秋子さんになってみたい」
秋子のいつものポーズを取り、笑顔の真似もするあゆ。
「了承」
(あの体を乗っ取るのは難しいね、真琴(偽)とか天野美汐なんてどう?)
「天野さんって人は知らないなあ、でも真琴ちゃんなら会ったことあるよ」
うっかりと、真琴を知っていると言ってしまったあゆ、その魂は早速真琴(偽)の中にブチ込まれた。
「ええっ? どうなってるの? ここどこ?」
(秋子さんの家に行くといいよ、タイヤキや肉まんぐらい食べさせてもらえるよ)
どこかに保存されていた真琴(偽)の体が起動し、目を見開いて眼光が怪しく光り、稲妻が走る。
「ええ? フェードイン、バイラテラル角3.5、真琴ロボ、発進ゴー!」
操縦方法も分からない、お爺ちゃんが作った?神にも悪魔にもなれる最強ロボ?が発進した。
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