IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
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【第575話】
「やぁっと、私の番だよお兄ちゃん!」
ムスッと膨れっ面の美冬、散々待たされたのか若干不機嫌だ。
「悪い。 だいぶ待たせたな」
「そうだよ? ……でもまあ? 今から暫くはお兄ちゃん独り占めだし? 許す」
そう言ってギュッと抱き着いてくる美冬、場所は一年生寮付近。
妹ながら豊満な乳房を押し付け、女の部分を見せる美冬。
「お兄ちゃん、お腹はどう? 美冬で一息つく?」
「……どういう意味だ?」
「ん、美冬はもう食べたけど、お兄ちゃんがお腹キツかったら休むって意味だよ」
「……そうだな、飲み物だけ飲んで軽く休むかな」
「はーい」
コップにお茶を容れる美冬、さっきの簪の甘い物体Xのせいで味覚が少しおかしい。
お茶を飲むのだが……いまいち口内に残った甘味が抜けない。
「ん、お兄ちゃん? げんなりしてるけど、どったの?」
「……ああ、甘い物体食べさせられたからな」
「甘い? ……カップケーキとかかな?」
「いや……その方が良かったけどな」
当分甘いものはいらない、変わりに塩気のあるものが食べたい。
何と無く察したのか美冬はもう一杯お茶を注いでくれた。
「美冬、ありがとうな」
「ううん。 お兄ちゃんの妹だもん、当たり前だよ♪」
眩しい笑顔を見せた美冬、俺に身体を預けるように凭れてくる。
「ん……美冬、またか?」
「ん♪ こうするの好きだもん。 ……でも、さっきみたいなエッチな事は出来ないけどね」
そりゃそうだ、学年寮近くで――それも妹となんてバレたら不味い。
後ろから覗き見える美冬の巨峰――山田先生には負けるが、やはり大きい。
「あっ、せっかくだから膝枕してあげよっか?」
そう言ってベンチを指差す美冬――たまには悪くないと思い、頷くと美冬はベンチに腰掛け、ポンッと自身の腿を叩いた。
断る理由もなく、俺は美冬の膝に頭を乗せた。
下から見上げる形だが、目の前には柔らかな巨峰――その合間から覗き見える美冬の顔、正直そんじょそこらのアイドルより可愛い。
母さんと並んで歩けば姉妹に見られる――まあそれに関しては母さんの方が年不相応に見える可愛さだろう。
「へへっ、お兄ちゃんってば美冬のおっぱいに夢中だね?」
「……いや、視界に映ってるんだからどうしようもないだろ」
「またまたぁ♪ ……まあでも? お兄ちゃん専用だし、いっぱい見ても良いからね?」
「……何言ってんだか」
そう言い、頭の向きを変える。
向いた先は美冬の三角ゾーンが見える、ブルマのせいで妙にエロく見えてしまう。
昨今の体操着は短パン、場所によってはスパッツだ。
だがIS学園は何故かブルマ――女尊男卑なら明らかに問題になりそうなのに。
「……お兄ちゃんのエッチ♪」
「だぁあああっ、何処見てもそうなるじゃん。 ……はぁ」
軽くため息を吐き、瞼を閉じた。
美冬もからかうのを止め、俺の頭を撫で始める。
「お兄ちゃんの銀髪、綺麗だよね」
「いきなりどうした?」
「ん? ……双子なのにさ、美冬はこの色でしょ? ラウラみたいに私も銀髪だったらなぁって」
そう言って栗色の髪を触る美冬、いつもは流れるようなロングヘアーだが今は結って片結びにしている。
そのせいかいつもより幼く見えてしまう――。
「髪の色なんか気にすることないだろ? 誰がどう見ようとも、俺と美冬は兄妹なんだし」
「……そうだね、お兄ちゃん。 ……髪の話じゃないけど、たまに美冬……お兄ちゃんと血の繋がりなかったらなぁって思うよ? そうしたら、誰にもお兄ちゃん譲らないもん。 みぃちゃんにも譲らないもん。 美冬だけのお兄ちゃんだもん」
ブラコン極まる美冬、まあ俺もシスコンだが。
「ははっ、まあ……残念ながら血は繋がってるからな」
「ぶぅ。 ……繋がっててもいいもーん。 繋がってても、お兄ちゃんとはエッチ出来るもーん」
……まあ確かに出来るが、何て言うか……実際手を出してて言うのもあれだが、兄としてその発言聞くのはアウトな気がする。
「……あんまり外でそんなこと言うなよ」
「むぅ。 ……じゃあお兄ちゃんの部屋で言うもーん」
「……言うのは確定なんだな」
「えへへ、良いじゃん。 美冬が好きなのはお兄ちゃんだし。 今日の運動会、もし私の組が勝ったらお兄ちゃんとまた相部屋にしてもらう予定だもん」
相部屋になったら、確実にラウラは夜這いにこれないし、他の子も来れなくなるな。
……一人は寂しく感じるが、とはいえ特定の子が来ると……。
いや、ちゃんと特定の子に決めないといけないのだが。
そんなことを考えているとまた携帯が震え、時間が来たことを知らせてきた。
「美冬。 悪いが時間だ」
「も、もう? ちぇっ、早すぎだよぉ」
ブスッと頬を膨らませる美冬、身体を起こすと俺は軽く頭を撫でた。
「んじゃな、優勝するにはトップのシャルに追い付かないといけないけどな」
「ふふん、大丈夫! 楯無さんの事だもん、最終競技にどんでん返し入れてくる筈だから!」
小さくガッツポーズする美冬、俺は苦笑しつつ次の場所へと急いだ。
「……お兄ちゃんをどうしたら悩殺出来るかなぁ……。 魅力、ないのかな私」
そうごちる美冬だが、確実にヒルトを悩殺しに掛かってるのは間違いなかった。
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