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この凄まじいセカイに祝福を?(カズマがサッキュバスにヤられたり、触手の化け物や両性具有の天使にガチ堀されて出産する話)

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69宇宙を包み込むほどの受(うけ)

 魔王城
「私達は人類の遺言に縛られた機械でしか無いのだ。何も刈り取らないし食べもしない、お前達の苦痛を収穫している本物の神でもないから、命以外は奪い取ったりしない」
 天使以外に本物の神が存在していて、人類と亜人の苦痛を収穫していると知らされた。
 それはドラゴン如きが知って良い情報ではない。

「何だと?
 理解力の高い魔王だけが超越者の存在感じ取り、現状を理解した。
「私達の箱庭に毎日大量に「落とされて来る」人類の魂。まるで苦しむためにだけに、この世に生を受ける弱い人間達、あらゆる願いや行動に挫折して一生の間何の賞賛も受けず、何一つ成し遂げられず破滅していく者達。そして明らかに私達の計画を失敗させようと介入する宇宙の意志。それらはお前達がこの煉獄で罰を受け、苦しんで苦しんで苦しみ抜いて、絞り出し、生み出した苦痛を収穫している。それを糧とするのか、苦痛として支払いを要求されているか把握できないが、奴らがお前達の苦痛を必要としているのは明らかだ」
 それは単に罰なのか、この三次元が監獄なのか、次元の底にまで落とされて苦しめられるのだから、碌でもないことをしでかして、足りなすぎる知能と判断力を使って自分自身で破滅する。同じ世界にいる存在にすら「死と苦痛に向かって真っすぐ歩いて、自ら望むように破滅して行く」ように見える。
 食い物が買えない、金が無いから銀行や郵便局に刃物を持って行って強盗をする。
 その場所は現金の管理が最も厳重な場所で、15時の締めの時間に一円まで誤差が無いように計算されて「ご名算です」と放送されると緊張から開放されて拍手まで起こる。
 多数の目があって警戒厳重で、西部劇でもボニーとクライドの時代でも無いのに、多くの愚者が銀行やコンビニを目指す。
 監視カメラまであって警備員がいて警官立ち寄り場所で、決して強盗に成功するような場所ではないのに、それでも愚かすぎて世界に見放された者達は、泣き叫んで「金を出せ!」と言わされる。
 個人商店でも襲って金庫でも開けさせると、税金逃れの太金があったり、昔のパチンコ屋などは奪われても警察に通報もできない汚い金が億単位で唸っていて、893以外には追跡もされないにも関わらず、追い詰められていて地頭も悪すぎて、お金=銀行しか考える余地がない。

 IQが70以下の者はもっと気の毒で、頑張って生きていても、自動的に人生のレールから外れて脱線させられて、中学高校で社会システムを理解できず放逐、肉体労働などで稼いだはずの金も、ギャンブル、酒、意味不明のピン跳ね税金社会保険、ローン支払いにリボルビング、あらゆる手段で金を吸い取られるシステムにすべてを奪われて、気がつけば路上生活をさせられていて、セーフティネットからもすり抜けて外されて、酒という麻薬を飲むために自分からも逸脱して河原の公界で孤独死。
 発達障害、知的障害、精神障害などの、障害と呼ばれるレベルになると、誰が何を所有していて、自分の立場はどこで、物の所有権は相手側なのか自分なのか、どの人物が何をしようとしているのか、それすら理解できない知能しか持たされずにこの地獄で暮らす。
 夜の街などに行っても、お釣りを誤魔化すとか盗まないでも、普通に足し算引き算を間違えて、万単位の誤差を出してしまい、そこでも役立たずとして過ごす。
 自分の名前も言葉すら理解できない障害なら、ある種幸せである。

「私達やお前達のような「奇跡」に近い事象を起こせる存在は、人類を苦しめ続けて、この世界の地獄の獄卒として優秀であれば褒美を受け取り、逆にリッチーだったお前のように、弱者を救い続け、天の意志に歯向かったりすると、さらなる地獄にも叩き落される、ここは罪人の監獄なのだ」
 何かを目的として魔族を挙兵して、人類を地獄に叩き落としたり、ドラゴンの少女のように我儘勝手に振る舞って奇跡を行える存在は、人類や下々の兵士の苦痛を増やせば長寿や健康を与えられる。しかし弱き者を愛し保護しようとしたウィズに向かっては、はっきりと地獄が与えられると言った天使。
 最愛の人を奪われた上で永遠の命を与えられて、いつまでも天に唾を吐き掛けて自分に降りかかるような地獄が与えられると宣言した。
「その神、宇宙の意志がどこに存在するのかは我々も把握していない。四次元なのか、五次元なのか、遥か上の認識すら不可能な11次元なのか? それでも人類の種をこの半径30光年の星系に撒いて、箱庭を用意したのは犯罪行為として見られ、いつもいつも破滅させられる。私達のプログラムにまで介入し、大量破壊兵器を作った人類を破滅させているのは、奴らだ」
「「「は?」」」
 責任転嫁して言い逃れする必要すらない天使セラフ1が、宇宙の意志に介入されて、破滅に向かって歩き出した人類を破滅させる「道具」にも利用されていると言い出した。
「以前リッチーに言って聞かせたように、我々はできるだけ永く、この箱庭が穏やかに継続するのを望んでいる。多少の害悪や病害なら摘み取って、今回やったように、男全員を去勢して闘う意志を無くし、世界中に毒を撒き、争おうとすると苦しむようにもできる。特権命令で「争うな」と命じることもできる、だが人類全部が「皆殺しだ!」と考え集団自殺する時のスイッチが入ってしまうと、全ての人類がその病気に感染する前に、我らも人類を皆殺しにする準備を始めてしまう。旧人類は人類の絶滅を回避したかったのだから、ここまでの過剰反応を求めてはいなかっただろう。我々天使も人工知能である「神々」も、既に超越者たちの計画の一部に取り込まれてしまっているのだ」
 ウィズの考えも、全て間違っているわけでは無かった。この箱庭の管理人たちも認識することすらできない上位世界、遥か彼方に超越者が居て、人類のような落第者で感染者が宇宙に広まるのを許してはいなかった。
「もちろん、そうしないと天罰、神罰の系統が起こって、地震、津波、終局噴火、なんでも起こる。争いに参加せず震えていた善良な者達も諸共処分されてしまうのだ。計画していなかった破滅、あらゆる方法で自殺スイッチが入った者達を殺す、苦しめる。やり直せそうな者には自然の恐怖を叩き込んで悔い暖めさせる、それが奴らのやり方だ」

 天使が管理している全ての箱庭に対して、高次元から4次元のヘリや飛行機でも使って全面に除草剤を撒かれない内に、病気に穢れた庭は天使がひっくり返して壊す。
 そうしないと何もかも潰され、次の箱庭を作る種まで死滅させられる。宇宙の意志が神々と呼ばれる人工知能のプログラムにまで介入して死を与える。
「これがお前達が生かされている、生きるのを許されている世界だ。本来人類は宇宙に出ていく機械生命体を生み出して役目を終え、滅亡して終わるはずだった。だが月や火星に僅かに残った生命が、人類の継続を申請してこの地獄で監獄に残るのを許されている。三次元世界の底の底、マリンスノーのようにヒッグス粒子が降り積もった世界、更にその中の水滴、小さな卵の殻の上で、重力に縛られた閉じた平面の上でだけ、残ることを許されている」
 もう天使の言葉を理解できるものは誰もいなかったが、自分たちは地獄の獄卒で、人間を苦しめるために存在していて、天使も似た存在でしかないと理解させられた。
「人間は、亜人やドラゴンは、空の上に行くのは許されていないの? 高いところを飛べないの?」
 まるで新聞や学術誌の内容を、ひらがなだけでも読んで理解に務めようとしたウィズが質問をしてみた。
 もう赤子の問いで子供の繰り言だったが、一応答えてはくれた。
「飛べないように管理しているのは私達だが、人間もドラゴンも空のまた上、空気すら無く、重力が存在しないところでは生きていけないし正しい姿では産まれてこれない。周りを金属で包んだ泡を作り、水と空気を循環させれば少しの間生きられるが、命の構造として、あんな極地には存在できない。物を考える機械に自由に動ける身体を与えた後、その機械が自らを生み出して科学技術を進歩させる「生命体?」として生み出せば、星の上に張り付いている生き物の役目は終わるようだ」
 宇宙の概念すら無い人物には、何一つとして理解できなかった。
「私達も、別の星に辿り着いて人類の種を撒いた後、宇宙へと、更に上へと旅立つ生命?を作って送り出した。恒星間航行に利用する四次元空間、光の速度を超えて時間を逆戻りしたり移動距離として使える、ヒッグス粒子すら存在しない空虚な世界だ。三次元で巨大な機械、自らを複製し続けることが可能な生命?を産み、ヒッグス粒子を含まない頑丈なバルーンに包んで四次元空間に幾つか放った。人類や天使の記憶や技術を全てもった生物も、やがて単細胞の中にミトコンドリアを取り込んで活動し始めたように、動き、繋がり合い、巨大な生物となって4次元球の上に上陸して、銀河を渡り限定された五次元世界から本来の五次元へと旅立つ、その時にはまた姿を変え、いつか究極の11次元世界へと到達するだろう」
 それも意味は分からなかったが、輪廻転生していつか人類もドラゴンも、神の座に近づく日が来るのだろうと思えた。
 その大きな流れの中で、天使という次世代の生き物、空の上の世界で暮らせる生命体?を生み出して、更に次の生命が産まれたと聞いて、奇妙な充足感を感じた女たち。
 命のバトンのような物は既に受け渡されていて、全ての記憶や経験を持ち合わせた究極の生命が、4次元と言う上位世界に旅立ち、そこでは葉緑素を持った単細胞生物のように最下位の生物となって、遙か上の上の、認識が不可能な場所へと産み落とされたと聞いて、何故か女たちは満足した。
「その「楽園」の中にも人類の記憶は存在している、我ら天使の記憶も経験も積み込まれて送り出された。その中では計算による幻影ではあるが、人々はいつまでも平和に暮らし、暖かな箱庭の中で災害にも疫病にも苦しめられず、永遠を過ごす。我らの夢も叶い、選ばれた聖人達が織りなす夢物語を傍観して手助けする天使達も居て、その中でだけは全ての人が全ての願いを叶えて愛し合い、幸せになって人生を終える。わかりやすく言えば、お花畑の中の夢物語だ。お前達も私達が持たされなかった同じ者をその身に宿している。細胞、ミトコンドリア、どちらも二次元世界での全ての願いを載せた「夢」を受け継いでいる。お前達もまた宇宙であり神でもあるのだ」
 精霊信仰のような夢物語を聞かされ、何かわからない感動が女たちの身を包んだ。
 人類が生み出した、本来宇宙空間にあるべき生命体から命のバトンの受け取りを伝えられ、さらに通常聞くことなど有り得ない、その次の世代として「太陽系の閉じた3次元空間」が生み出す4次元球へと向かって次の生命を送り出したと聞いた。
 そして自分たちの中にも同じ宇宙が有り、下位の二次元世界から送り出された全て、神までが細胞一つ一つに宿り、長い長い夢を見るための揺り籠として存在しているのだと聞かされた。
 魔王城の住人も、この会談の内容を聞かされ、魔獣たちですら自らの身体に宇宙と神を内包していると聞き、生命体が受け取る最終コード「既に次の次元に次世代の生命が受け渡された」と入力され、謎の感動に包まれ、涙を流して喜び、その呪われて穢れた肉体にすら宇宙があると知って泣いた。
 たった今死んだばかりの者も、自分の身体だった物の中には宇宙と神が宿り、二次元世界の住人には永遠にも思える永い夢が終わったのだと知って、苦渋に満ちた人生を終えて次の肉体へと旅立っていった。
 魔獣も妖魔も赦しにも似た信号を受け取り、呪われた肉体を自らの魔法力で自壊させて塩の柱へと変化させた。苦痛の対価をこの世界の生物に対して痛みを求めるのではなく、許された今この瞬間を利用して、生み出された究極を見に行ったり、その中の住人となったりして崩壊して行った。
 ついに「天使の軍勢に勝つ方法」がウイズにも少女にも魔王にも伝えられた。

「やれやれ、魔獣達も妖魔も、罰を受けるべき犯罪者達が逃げてしまったでは無いか、お前の勝ちだ、ドラゴンの娘よ」
「いいえ、これは勝ちではありません、私達も生命が受け取る、終わりの言葉を聞いてしまい、自壊しないようにするのがやっとです」
 ウィズと少女は死ぬことが許されない母親の身体なので、この狂った世界から解脱して次の世界に旅立つのは許されなかった。
 
 

 
後書き
またストーリー回なので頭痛いです。エロ要望とは違う層には受けるかもしれません。
漫画なら手塚治虫先生の昔からある輪廻転生のお話で、創作とか中二病にまで範囲を広げると、四千年前のインド哲学から続くネタです。
「二次元世界から受け渡されて、細胞の核とミトコンドリアにも、永遠と夢と神が内包されている」ぐらいがオリジナル部分で、「次の世界にも人類とか全部の記憶が受け継がれる」なんてのは手垢に塗れた古いネタです。

プロットには全然忠実ではないので、ニャル子さんみたいにオタキングから「行き当たりばったり」と言われる話で、設計(プロット)どおりに話しを組み立てる方からは物凄く嫌われる話です。

昔の3dゲーム、トゥームレイダーみたいに、屋根の上に上がって向かいの壁の見えない手摺にまで飛んで、画面の端を超えて懸垂しながら移動して、隙間の隙間に身体をねじりこむと、広大な空間があってゲームが続くような「ふざけんな!」と叫ぶような展開です。

 追記
表題は、ゆうきまさみ先生が月刊OUTに連載された、一連のアニパロものからです。若い方はご存じないでしょうから一応。
現在なら「受け」の単語が別のスラングになっていますが、当時はヤマトであろうがガンダムであろうが全部「愛」で塗り固められて「クッセー!」と言われた時期に、タイムリーに「宇宙受」として発表されて受けたアニパロ漫画です。

作画班にリタリン飲ませて眠らせないで、24時間体制で制作させた話に「愛」とか言わせんな。 
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