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KANON 終わらない悪夢

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27佐祐理のお仕置き

「さあ、一弥に乱暴する悪い子は、お姉ちゃんが虐めてあげます」
 佐祐理に上着を脱がされ、ブラウスのボタンも外されて行く栞。
 余り気持ち良すぎるお仕置きだと、栞が味を占めてしまい、祐一への暴行からお姉様のお仕置き、というサイクルが出来上がってしまう困った状況になるので、一言お願いしておく。
「ここで栞を可愛がりすぎると、味を占めて俺がひどい目に合わされる」
「うふ、誰も可愛がるなんて言ってませんよ、一弥にあんな酷いことをする子は、沢山虐めてあげます」
 悪い笑顔のまま、ビデオの録画スイッチを入れる佐祐理。可哀想な栞ちゃんは、お姉様にスッゴイことをされてしまうらしい。
「さあ、起きなさい栞、「私」がたっぷりお仕置きしてあげます」
 何やら中学生時代に固定されていた人格から、高校卒業ぐらいの精神年齢になり、自分の呼び名も私に進化した佐祐理。栞の頬を強めにビンタして、それでも起きないので敏感な乳首に爪を立てていたぶる。
「あっ、お姉さま」
「やっと目が覚めましたね、栞。貴方は私の大切な一弥に乱暴しました、これからお仕置きしてあげます」
「えっ? ……はい」
 起き抜けからいきなり呼び捨て、さらに「キツめのお仕置き」もして下さり、早速「妹として調教」という結構ハードなSM路線で可愛がって下さるお姉様を見て、何故か顔を赤らめる。
「さあ、どんなお仕置きをしてあげましょうか?」
 祐一の前なのに、明るい場所でブラを外されて貧乳を披露しても恥ずかしがらない栞。「お姉様になら見られても構いません、て言うかぜひご覧になって貧乳も責めて下さい」状態らしい。
「ベッドに四つん這いになりなさい」
「はい」
 これはもう「お尻ペンペン」だと思い、何故か喜ぶ栞。お姉様のお手を煩わせないよう、自分でスカートをたくし上げて、直接叩きやすいように準備した。
「まあ、自分からスカートを上げて一弥にまで見せるなんて、なんて嫌らしい子でしょう」
「あっ」
 パンツも下ろされて、まず一発目のスパンキングを頂き、喜び?の小さな悲鳴を上げるが、「これはもう、質問や詰問を受けて、どちらの答えでも難癖を付けられてシバかれるタイプのお仕置きだ」と気付き、心をときめかせる。
「今の貴方は「一弥の嫁」に相応しくありません。何ですか? この緩んだウェストは? お尻だってこんなにタプタプで」
 病弱な頃と違い、回復してからは何を食べても美味しくて、ガンガン体重が増えている栞。何故か胸部の発育は遅かったが、魔物に改造された部分に栄養が行き、骨密度が上がって筋肉も5キロ以上増えて見た目以上に体重が重く「デブ」と言われても仕方ない重さに成長していた。
「舞も叩いてあげなさい」
「…うん」
 数回シバかれて、真っ白な肌に佐祐理の手形が真っ赤に咲いた後、ついに舞お姉さまにもお仕置きをして頂けるようで期待する栞。
 冷たい目付きで罵られながらシバかれると、違う嗜好にも目覚めそうで怖かったが、もう大人へのステップを登り始めてしまったので舞の言葉にも期待した。
「…かわいい」
 スパンキングは強くてよかったのだが「そこは「ブタッ」「デブッ」と罵って、汚い物でも見るような目で叩く所です」と思ってしまう栞だった。
「…じゃあ、「ブタッ」「デブッ」「何ていやらしい子なの?」「このサカリのついたメス犬がっ」こう言えばいいの?」
(ああっ、そうです、お姉さまって天才?)
 栞の心の声と空気を読み、キツイ四連発を食らわせてやる舞。お仕置き中のはずの栞は、高度なプレイに何故かヘブン状態になった。
(何の音?)
 さらに大きな音を聞いて真琴(本物)も目を覚まし、夢の様な?乙女の園を拝見して「私達にもお仕置きを」と思ったかどうか定かではない。
「舞に罵られて喜ぶなんて、恥ずかしい子ですね、やはり貴方は一弥の嫁には相応しくありません」
 サディストの目で見下げられ、先ほど色々な変なスイッチを全部「オン」に切り替えられてしまった栞は、頭から蒸気を吹いて、下の方からもナニかを吹き出してしまい、再び佐祐理に叩かれている時、ついに手が濡れてしまい、ヌメヌメのナニかを凝視される。
「まあ、何てことでしょう? お仕置きされているのにおもらしですか? 一弥にも見てもらいなさい」
 お尻をビデオカメラに向けられ、「スパンキング中にヌルヌルに濡らしてしまう」という失態を犯した栞は、ヌレヌレの大事な所を撮影されてしまい、クパァもされてビデオにも祐一のデジカメにも収められる。
「ああっ、見ないでっ、写真はダメですっ」
 明るい所で祐一に見せたことがない所までガン見され、さらにフラッシュを炊かれて接写されてしまい、流石に手で隠して泣き言を漏らす。
「お黙りなさい。一弥、この子には「栓」が必要です、このだらしない穴に太い栓をしてあげなさい」
(いいんだ……)
 佐祐理が支配している空間ではお姉ちゃん公認で浮気オッケーで、まだ嫉妬心が無い舞も、佐祐理の命令なら栞と交尾してもオッケーらしい。
「栞って変態だったんだな、佐祐理さんに虐められて喜んで、その上こんなベチャベチャにするなんて、俺とした時でもこんなになったこと無かったのに」
「いやっ、言わないで下さいっ」
 ちゃんと栞の望み通り、言葉責めでも穢してやる祐一。指で広げて今まで拝見できなかった奥の奥までガン見して、撮影もして、ペロペロしてやってから「栓」をして差し上げた。
「ああっ、ちゃんと避妊して下さいっ」
 明るい所で弄くり回されて、ついにオットセイ君を入れられたが、ゴム製品の装着を要求する栞。
「危険日なのか? だったらたっぷり中に出してやるよ」
「だめですっ」
 子種なしモードか、外出ししてやるつもりだったが、栞を虐めるために乱暴に突いて、中出しも宣言しておく。

 さらに体を起こした真琴も見ていたが、その目は「お姉様からのお仕置き」を所望していたので、「栞と相沢くんの浮気?」は眼中に無かった。
「お姉さま、栞さんを許してやって下さい、今度は、その…… 私を」
 やはりお姉様からのお仕置きを「おねだり」してしまう真琴(本物)も、めくるめく女子校生活?の課外活動に期待して、無い胸を膨らませた。
「まあ、栞だけじゃなくて、真琴までそんないやらしい女の子だったなんて、貴方にもお仕置きが必要ですね」
 またサディストの目で見下げられ、変なスイッチを全部オンにされていた真琴の背筋をゾクゾクと鳥肌が立って行く。
 首筋を掴まれてベッドの上に投げ出されても抵抗せず、スカートを捲られてショーツを下ろされてもされるがままになっていた。
「何ですか? 何故貴方に一弥の名前が書いてあるの? 言ってみなさい」
 まず挨拶代わりのキツい一発を頂き、こちらも何故かヘブン状態の真琴。
「あの、今朝相沢君と、いえ、一弥さんと結ばれて…」
「この子を一弥と呼んで良いのは私だけですっ」
 さらにお姉様にお尻を叩かれ、ビックンビックンして喜ぶ。この場合、沢山間違いを起こしたり、失礼があったほうが虐めて頂けるので、洗いざらい話すことにした。
「登校中、栞さんと名雪を追い払って、相沢君と授業をサボってシようって誘ったんです」
「学校をサボってまで嫌らしいことを? 何て子でしょう」
 予定通り叩いて頂き、次の失態を考えるが、失態が多すぎて困るほどあったので、その辺りは余裕で答えた。
「合鍵も渡して「これからは遠慮せず、セックスフレンドとして毎日でも使って下さい」とお願い、キャッ」
 告白中にも数回バシバシとシバかれ、課外授業?の虜になる真琴。
「貴方は今までもそんな事をしてきたんですかっ? このサカリのついたメス犬っ、栞から彼氏を奪う泥棒猫っ」
「いえ、相沢くんが初めてでした。これは血印と言って初めての血で所有者を決める儀式です。もうこの体は相沢くんだけの物で、相沢くんも私だけの物になるはずでした、それを川澄舞が…」
 とりあえずシバかれ、説明を中断される。色々と問題発言がありすぎたので、どの項目で叩かれたのかは分からないが、お姉様からの叱責を待つ。
「私の許可無く一弥を自分の物にしたなんて、もう許しませんっ! それに何度も舞を呼び捨てにして、ちゃんとお姉様とお呼びなさいっ」
「はい、お姉さま……」
 災厄を巻き起こし、生まれて来てはいけなかった川澄家の娘を姉と呼ぶのには抵抗があったが、佐祐理の命令なので仕方なくそう呼んだ。
「もっと丁寧に心を込めて」
「はい、舞お姉さま」
 嫌々言ったのも見抜かれ、何度もシバかれてヘブン状態になった真琴も、ついに堕ちて舞を姉と呼んだ。

(アルファワンに大してジィアントバズーカ発射体制、子種なしモードで対象を撃退します)
「ようし、来た来た、たっぷり中出しして孕ませてやるっ」
 栞から受けた制裁の仕返しに、少し意地悪を言って困らせてやるが、自分が仕出かした浮気の数々や、恋人への背信行為はすっかり忘れている祐一クン。
「中には出さないでっ、学校退学になってしまいますっ」
 そこで栞の背中に佐祐理が触れ、尻を叩くのではなく、体重を乗せて語りかける。
「栞、そのまま一弥の精を受け止めなさい、それが貴方の寿命を延ばす方法です」
「えっ?」
 佐祐理の口調が急に変わり、優しいような、怖いような語り口調になった。
「栞さん、真琴さん、貴方達は自分のお葬式の夢を見たことはありませんか? 佐祐理は何度もあります。弟の葬儀が終わった後から、何度も見るようになりました。力を使い果たして倒れて、病院でも手の施しようがなくてそのまま…… でも家族以外の誰かが悲しんでいる光景です」
「「えっ?」」 
 急に素に戻って「さん」付けで呼ばれ、お尻丸出しでシバかれている状況や、お姉様に見られてビデオにも撮影されながら犯されている状況に恥ずかしくなるが、思い当たる節が多すぎる栞、真琴と、舞までが固まり、夢の中の記憶を探った。
「そこからフィルムでも巻き戻すみたいに風景が逆回しになって生きている時まで戻って、その誰かに「何か」を渡されませんでしたか?」
「「「あっ」」」
 夢の中の出来事、それも目が覚めてしまえば簡単に忘れてしまう夢の内容。しかし三人は何度も見た光景を思いだした。
「私達が力尽きて倒れた時、何かを両手で掬ってボタボタ零しながら駆け寄ってくれて、空になった体を満たしてくれたのは、この手じゃなかったですか?」
 祐一の手を取り、栞の目の前に差し出す佐祐理。
「そんな……」
 手の大きさは違ったが、おおまかな感じ、覚えのある手相、何もかもが夢の記憶と重なり、震えだす栞。
「…祐一」
 まだ舞も魔物も弱かった頃、何度か魔物四体を瀕死に追い込み、最後の一体の急所に刀を突き立て、満足して倒れたあの日。
 何者かが自分を救い、左右の腕の魔物にまで何かを飲ませてくれた記憶がある舞。その気配は約束の少年と酷似していた。
「相沢くん……」
 父親に捨てられ、母と共に実家に帰った頃、母の予言だの天啓に振り回され、術の修行や心身の修練など、どうでも良い事ばかりさせられて自暴自棄になり、故意に力を使い切って倒れた時、必ず現れて自分を抱き起こして支え続けてくれた存在を思い出す真琴。
「みんな、どうしたんだ?」
 栞のお目目を加えて、合計八個に増えたヤンデレーな目が祐一に向かい、大きかったはずのオットセイ君が萎んで、オシッコもちびりそうになる。
「佐祐理も今までそうしてくれてたのは弟の霊だと思っていました。でも生前虐めていた相手がそんな親切にしてくれる訳無いですよね? さっき真琴や舞が言っていた天使の人形、以前会ったことがあります。七年ぐらい前、弟の霊が夜中に帰って来ていた頃、お別れに来た時に一弥を連れて来てくれた子がいました。その子の頭には輪っかが乗っていて、背中には羽が生えていました。あの邪悪な感じがする子が天使の人形だと思います、佐祐理が手首を切った時も、それから力尽きた時も、「誰かの命を刈り取って盗んで」、与えてくれた子です」
 理解力が低く、妖狐や魔物の知識が一切無いはずの佐祐理が、何故か饒舌に知識や経験をひけらかす。それは魔物が持っている知識なのか、力や術で知り得たことなのか、誰よりも明確に詳しく語った。
「貴方達の命も、佐祐理には縞模様か年輪みたいに見えます。それは貴方達の命が誰かの命のつぎはぎだからです。命を盗んで接ぎ木みたいにして生かして貰った弱い木、すぐに枯れてしまうプランターの植物の面倒を、誰かがずっと見てくれたんです。もしそれが災厄だと言うなら、その行為を裁いて滅しないといけないと言うなら、佐祐理は天使の人形くんの味方をします、私達はすでに罪人で、同じ罪によって生かされているからです」
 色々と身に覚えがありすぎる三人も、佐祐理の言葉によって夢の記憶を呼び覚まされ、自分の命も既に他人の命を狩って与えられて生き延び、罪に穢れているのを知った。
「その命を繋いでくれたのは誰ですか? 私達の隣に別のプランターや鉢植えがあっても驚きません、むしろそんな姉妹がいるなら助けてあげたい。あゆって言う子や、他にも魔物がついて命を繋いでもらっている子が二人いるはずです、佐祐理もその子を探します、きっと私達と同じ境遇の子が困っているはずですから、貴方達も手伝ってくれますね?」
「…分かった」
「はい」
 佐祐理の言葉には何でも従う舞と、祐一や天使の人形、魔物に救われた栞は即答した。
「私も、相沢くんと佐祐理お姉さまに従います」
 一旦間を置いたが、自分の命を繋いでくれた存在や、同じように困窮している姉妹がいるなら、邪魔するのではなく救おうと思う真琴。
「佐祐理の中の舞も力を貸してくれるそうです」
 元々天使の人形側である、舞の左足も協力を申し出たので、悪魔のような笑顔で笑う佐祐理。ここにいる一同は災厄の中心になった。

 そこで気絶した振りをしていたザコ1号は、聞いてはいけない言葉を聞いてしまった。妖狐の一族として、災厄が起これば各家の垣根すら超え、その元を断たなければならない。
 しかし真琴を含めた目の前の数人は、既に命を食わされた当事者で罪人。その一同は天使の人形と呼ばれる災厄の中心に加担して、あゆと呼ばれる少女や他の使い魔が憑いた相手を救おうとしている。
 ここで少女は自分の里や祖母に知らせるか、このまま気づいていないふりをしてこのメンバーの中に居続けるかの選択を迫られた。

 選択肢
1,今目覚めた振りをして、解散したらすぐに他の二人や里にも知らせ、真琴を含めた全員を討伐する。
2,女同士三対三になって戦ったとしても、絶対に勝てる相手ではないので、仲間に残って災厄が広がる前に火消しに奔走する。
3,女同士の友情を優先して、例え悪事でも加担する。
4,佐祐理お姉様と愛の逃避行。
 選択「2」

 ここで佐祐理は、天使の人形は祐一が放った魔物だと気付いていたが、他の三人には伝えなかった。特に気絶している振りまでして動かない女の耳には入れたくなかったので、口をつぐんだ。
「私も自分のお葬式の夢を見たことがあります。それも姉のお葬式まで済ませて、両親が喧嘩をしたり、離婚して荒れた生活をして、最後にはみんな死んでしまう悲しい夢です。最後に母のお葬式を私や姉の幽霊が見ていて、どうしてこうなったんだろうって思ってると、小さな男の子が走って来て、全部無かったことにしてくれたんです」
 自分の震える両手を見ながら、栞も口を開いた。女四人の共通の悪夢、自分の葬儀や姉、両親の葬儀まで見た悪夢を語る。
「その子は幽霊の私にも、口移しで命を分けてくれたんです。生きていた頃も、死んでからも、あの世とこの世の距離を超えて、キスしてくれるんです」
 涙声のまま、クマみたいな腕力で祐一の手を掴んで下さる栞さん。その病んだ目が自分に向いた時、鈍い祐一も「いつもの事が始まったな」と思った。
「ドウシタンダイ、シオリチャン」
 歯の根が合わないので、いつも通りカタカナ語で話してしまう、気の毒な祐一クン。
「祐一さんの命を私に下さい」
「キャーーーッ!」
 正確には「命を分けて下さい」なのだが、つい「全部下さい」とも聞こえるように言ってしまった栞ちゃんは、これまたいつものように祐一を引き摺り込んでベッドに押し倒し、ヤンデレーなお目目のまま発情して、無理矢理上から伸し掛かった。
「栞さんは暫く力を分けてもらっていないようですね、私達みたいに沢山貰っておきなさい」
 佐祐理おねえちゃんも助けてくれず、リミッターカットされちゃった栞さんに唇を奪われる祐一クン。
 以前のような強烈なエナジードレインは受けなかったのでレベルは下がらなかったが、ヒットポイントと、舞と佐祐理を倒した?経験値を吸われてしまう。
「避妊しないで子供まで産んだら、瀕死の重病でも六年以上生きた人もいたんですよね? これから退学になっても、通信か夜間で高校も卒業して、働くか子育てをしながら、お父さんやお母さんが、お爺ちゃんやお婆ちゃんになって、皆が幸せに暮らしてる将来があるんですよね?、今までそんなの考えた事もありませんでした」
 秋子の言葉を思い出したのか、六年後の将来を予想してみた栞。そんな幸せな未来が来るなど有り得ず、自分か姉のどちらかは他界して、残った方が祐一と結婚して、少ない寿命の中でどうにか子供を産んで両親に託して力尽き、自分達の代わりとして育ててもらうような余生しか考えていなかったが、これからは魔物に強化してもらった体で自由に生き、自由に走り、青春を謳歌して恋人と愛し合って子供でも産める。
(タスケテーーッ!)
 ついに栞のお目目まで香里のようになり果て、救いの叫びを上げるが、舞も真琴も栞のような辛い記憶があり、エネルギー補給と子作りの邪魔をしようとはしなかった。
「私、いえ、私もお姉ちゃんも、来年まで生きられるなんて思ってませんでした。でも、魔物に強い体にしてもらえたので、ずっと生きられそうです。それでもまだ「力の源」は無いんです、だから……」
 魔物に与えられた知識なのか、どこかのエヴァみたいにS2機関が無い栞ロボは、ゼルエルに噛みついてエネルギー源を食べて取り込んだように、祐一クンのオットセイ君に向かって大きく口を開き、無限エネルギー祐一クンエンジンを取り込もうとした。
「ソ、ソレダケハユルシテ」
 先ほど意地悪をしたのを早速後悔して、オットセイ君を捕食するのだけは勘弁して欲しがる祐一クン。
「これって百薬の長で、十年寿命が伸びるんですよね?」
 これも魔物に与えられた知識で、オットセイ君を噛まずにエネルギーの元を吸い出し始める栞。
 今までは舞の右手と一緒に世間の常識回路までダブルで付いて強化されていたので、お口でするのを嫌がり、生でするなんてもっての他と思っていたが、「リミッター」である魔物が抜けた今、香里と佐祐理の逆で、エロエロでヌルヌルの汚い行為も嫌がらず、病んだ目のままオットセイ君を巨大化させようと努力していた。
「…栞、慣れてる」
 ちなみに舞に返還された世間の常識回路は右腕の魔物が持っていたが、まだ羞恥心と嫉妬心が戻っていないので、自分の恋人が栞とエロエロしていても、突き飛ばして邪魔するような感情は湧いてこなかった。
(まあ、あんなに……)
 真琴(本物)の方も、佐祐理の固有結界の中では猛烈な嫉妬心は湧かず、「相沢くんが見ている目の前で、佐祐理お姉様に奪われちゃう」のが最優先の課題になっていた。
「お姉さま、私の体にも名前を書いて、所有権設定して下さい」
 女同士の場合は血印も関係無かったが、憧れのお姉様とはぜひ契約をして結ばれたい、などと思い始めた真琴。
 祐一のオットセイ君に汚染されてからは脳みそがヌメヌメで、栞と同じくギャグキャラ方向にぶっ壊れていた。

 そこで栞と佐祐理の行為から目が離せず、正座して見ていたチョロインさんは、「次、私の番ですよね? じゃあ準備しなくちゃ」と言う表情で舞に話しかけた。
「あの、シャワーを貸して頂けますか?」
「…え? こっちよ」
 舞に案内され、浴室に行ったチョロインさん。ザコ1号も「え? アタシらもここですんの?」と思っていたが、自分の汚部屋でするよりはマシかと思って目の前の乙女の園に注視した。
 お嬢の付き人も「私もついに…」と思いながら、オットセイ君のサイズと自分のサイズを比べて困惑した。
「さあ、祐一さん、私も妊娠します」
「エ?」
 オットセイ君をエレクチオン(笑)させ終わり、先走りのお汁やエネルギーも吸い取られてしまった祐一クンは、栞ちゃんから「妊娠したいです」とか「させて下さい」ではなく、「します」と確定事項で話されてしまった。
「シオリチャン、ナニイッテルノ?」
 そこで「さっき嫌がってたのは誰?」とは思ったが、佐祐理の言った夢の記憶がそれほど強烈だったのか、人生設計を大幅に書き換えた栞にオットセイ君を掴まれて、いつも通り逆レイプされ、「これって俺が乱暴に逆レイプされるだけのお話?」と気付く祐一クンだった。
「これまでは妊娠しても体が弱すぎて産んでやれないって思ってました。私の方が先に死んでしまうとか、もっと弱い子に生まれて、病気で苦労させたり死ぬ恐怖だけ与えるなら生まれてこない方が幸せだと思ってたんです」
 またまたまた泣きながら怖い目付きをしている女の子に伸し掛かられて犯され、子種を搾り取られる祐一クン。
 目の前の女達は、それぞれ理由は違ったが祐一クンのお胤目当てで、「子供を産む」のも決定しているらしく、謎の秘密結社?からの指令で祐一の子供を産むために「草入り」してまで同じ学校に通い、粉を掛けられまくってきた四人。
 約束の少年と再会して、人としての縁があるなら妊娠であろうが無理心中であろうが、どんな事でも済ませておこうと考えている舞。
 死に別れてしまった弟を再び現世に受肉させるには、祐一の精を受け止めて自分の子供として宿すのが、力を使い果たさない強い子供として産んでやれる方法だと魔物に教えられ、もう弟の一弥と再会したと思い込んで色々と狂ってしまった佐祐理。
 そこに姉の結婚式やテレビ報道にも対抗し、姉より先に両親に孫を見せて親孝行して、エネルギー補給や寿命の延長も同時に果たすおつもりの、すっかりおかしくなってしまった栞ちゃんも参戦した。
「沢山下さい」
「はわわっ」
 いつものように魔物の腕力と脚力で固められ、有無を言わさずヤラれてしまう祐一クン。
 隣では初恋の女の子で、現時点では恋人で婚約者のはずの相手が寝取られ、早速浮気?して男らしい佐祐理お姉ちゃんにペロペロされて喰われていた。
「あっ、お姉さまっ、お上手です」
「うふっ、女同士の方がツボは心得ているものですよ」
 何やら優しいお姉様の責めに夢中になって、下手糞で乱暴な男の行為より喜んでいる恋人を見て、技術の差でも敗北してしまい少し悲しくなるが、ネトラレしている状況で興奮するマゾい祐一クンだった。
(佐祐理さんって、やっぱりタチだったんだ)
 ねこさ~んが似合う大人しい人のはずが、肉食系で女性全般イケる口のお姉ちゃん。
 今日は念願の舞も頂いて、他の女の子も山盛りなので、何かにお目覚めになられて得意絶頂らしい。
「お姉ちゃん、でしょ?」
「はい……」
 祐一の口を魔物の腕力で掴んで、心の声にも瞬時に反応して下さる特殊能力をお持ちの怖い姉?に恐れをなし、口ごたえはできなかった。
「さあ栞、貴方の力を見せて上げなさい」
「はい、お姉さま」
 魔物の力で下のお口もメキメキ音がするほど女の股の力で締め上げ、オットセイ君を入り口でもキツく締めて、吸い込まれるような感触に祐一も音を上げる。
「うっ、何て締め付けなんだっ、食いちぎられて奥に吸い込まれるっ」
 本日六回目の「本紙記者も思わず昇天、栞嬢の強烈締め付け」で、オットセイ君も「ブハー!」しそうになったが、万力のような素晴らしい締め付けで思い通り写生?もさせてもらえず、写生管理されながらグイグイと腰を動かされる。
(筋肉もなくて栞が一番ユルかったはずなのにっ)
 寝ている名雪に続いてユルユルだったはずの栞さんのピンクのアワビも、魔物によって舞や真琴より強化されて、物理攻撃最強?に改造されてしまった。
 現在は筋肉に栄養を与えている状態で体もユルユルだったが、もう少しすると「彼女と連絡が取れなくなって一ヶ月、その間に何があったのか?」みたいなムッキムキでカッチカチ、ポージングでもしようものなら筋肉のバルクとカットを見て「キレてるっ、キレてるっ」と声を掛けてしまうような躰に変化するのは間違いなかった。
「これですね? こうされるのが一番イイんですね?」
 栞にまで心の声を読まれ、一番気持ち良い状態で擦り倒され、「やっぱり栞ともヨリを戻してヤリまくりたい」と思わされる程の具合の良さで困らされる。
「「あっ、ああっ」」
「まあ、一弥も真琴もそんなに喜んで」
 隣で可愛がられている真琴ともハモってしまい、佐祐理のおかげで「もっと世間では言えない不潔な関係」にされてしまった一同。
 まさか「沢山いる恋人の大半が佐祐理さんの妹にされて、女の子同士のプレイにも夢中にされてます」と秋子ちゃんに相談する訳にも行かず、残る名雪、香里、あゆ、真琴(偽)、美汐なども喰われてしまいそうで困るが、お陰さまで壮絶な修羅場は回避できたので感謝してみる。
(お姉ちゃん、ありがとう)
「かっ、一弥っ」
 子供っぽい心の声で感謝すると、佐祐理のトラウマスイッチが一つ解除されたのか、泣きながらナデナデされた。

 その後、祐一も耐えられず栞の中にブハーー!してしまい、真琴の方も佐祐理の指と舌で天国に送られた。
 さらに「佐祐理の前にバスタオル一枚で来てしまう」という失策を犯したチョロインさんは、早速佐祐理お姉さまに食われて、ご相伴に預かった祐一にも食われて乙女を失った。
 続いてザコ一号、お嬢の付き人も佐祐理に食われ、同じく祐一にも頂かれ、その女達にも佐祐理と舞、ついでに祐一の所有権設定がなされて支配下に置かれた。

「真琴、貴方には力の源があるようですけど、まだ小さいようですね? 少しの間、舞の魔物を貸してあげます」
 力が抜けたままの真琴に覆いかぶさり、通路を作るだけの軽いキスをした佐祐理は、自分たちを裏切りそうな真琴一行を信じず、他の女にも魔物を送り込みたかったが、まず司令塔である真琴を落とし、次に他の女にも入れて支配するつもりでいた。
「えっ? ああっ」
 まさか佐祐理にまでそんな能力があるとは思わず、体の中に夜の使い魔を送り込まれてしまった真琴。
「いやっ、あああっ」
 左足を押さえ、転げまわって舞の左足の支配から逃れようとするが、心の戦いでも舞の魔物の方が強く、組み敷かれて心を犯された。
『さて真琴、貴方達の目的は何ですか? 正直におっしゃい』
 魔物の移動を録画し、佐祐理の悪魔のような笑顔も収めて、一時間テープの録画が終わった。


(佐祐理さんスゲーーッ)
 術の見事さや、女達を全員頂いて屈服させてしまった手腕以外にも、自分の正体まで見破られて正直に驚く天使の人形。
 まあ自分の仲間として活動してくれるようで、邪魔になりそうだった真琴一行まで配下に置いてくれたので素直に感謝しておく。
(ありがとう、お姉ちゃん)
 声が届いたのか、笑顔で返してくれる佐祐理。またトラウマスイッチが解除されたのか、涙を流しながら祐一を撫でる。
(ほら、一弥も一緒に)
 天使の人形がいた場所に呼び出されると、保管されていた一弥の霊も現れた。
(あれが今のおねえちゃん?)
(そうだよ、君を虐めたりしたのをあんなに後悔してる、もう許してやって佐祐理さんの子供として帰ってあげるかい? それとも……)
 醜い笑顔を返し、一弥に後者を選ばせて姉を苦しませる方向に行かせたい天使の人形。
 一弥が持っている呪いを利用して佐祐理ぐらいの術者を破滅させて、舞を道連れにできれば、普通の人間を滅ぼすより数百倍効率良く、あゆの復活が早まる。
(まだ許せないよ、おねえちゃん)
(そうかい、それは良かった、ハハハッ)
 自分は佐祐理への呪いを持っていないので、無理に力を引き出して使わないでも、一弥の持つ呪いを使って無償で佐祐理を破滅させられる、天使の人形は満足して笑った。
 
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