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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

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【第178話】

 次の日の朝。

 毎日欠かさず行っている早朝トレーニング後の二度寝を終え、起きて直ぐ様シャワーを浴び、今はうだうだとベッドに寝転がっていた。

 残ったチケットは自分のを入れてまだ残り三枚。

 未来を誘ったのだが、土曜日は政府高官の役人と会うらしく、残念そうに断りを入れ、その次にシャルを誘うものの、彼女も土曜日は自分の専用機の予備パーツの納入が夕方までかかるとかで申し訳なさそうに俺に謝っていた。

 そしてラウラだが、彼女も黒ウサギ隊及びドイツ軍に自身の戦闘データの提出と臨海学校の時に用意されていた装備のテストが残っているとか何とか。

 ……何気なく、このままだとウォーターワールドに一人で遊ぶ羽目になりそうなので、それはそれで寂しいと思ってしまう。


「……どうしたものかな」


 そんな呟きが虚しく部屋に響き、吸い込まれていく。


「……とりあえず、後は美冬に聞いてみるか。 ……少なくとも、美冬と一緒ならそこそこ遊べるだろうし」


 そんな独り言を呟き、携帯を取り出して電話をかける。

 コール音が何度か鳴り、繋がると――。


『お兄ちゃん? どうかした??』

「あぁ、美冬。 ……唐突だが明日って暇か?」

『へ? ……うん、明日は特に用事がないし、今日の夜にそっちに戻る予定だから大丈夫だよ?』

「そっか。 実はさ、ウォーターワールドの前売り券手に入れたんだが一緒に行かないか? チケット余らせても勿体無いしな」


 そう伝えると、美冬は二つ返事で承諾した。


『うん、勿論いいよ? お兄ちゃんのお誘い、断らないもん♪ ……でも、私でいいの? ほら、みぃちゃんやシャル、ラウラとか――』

「あぁ、皆土曜日は用事があるらしくてな」

『あー……、皆代表候補生だもんね? シャルも微妙な立場とはいえ、やっぱりフランス政府も優秀なIS操縦者は欲しいから無下に出来ないだろうし』



 この辺りはフランス政府がどう思ってるのかは知らないが、ISランクAの子ってのは世界にもあまり居ないのが現状らしい。

 ……才能だけでいうならA+のセシリアや美冬、更にSの未来も貴重な存在だ。

 ……セシリアに関しては、俺たちとの模擬戦での勝敗が良くないが……アリーナ設定での試合に、あの狭さで長大なライフル……距離を活かした戦いが出来ないのがセシリアのネックだろう。

 彼女のブルー・ティアーズは蒼空の自由な空が一番機能を活かせる気がする……。


「何にしても、帰ったら俺の部屋に来いよ? チケット渡すから」

『了解~。 じゃあ私、これから部屋の掃除するからね?』

「あぁ、いつも悪いな美冬。 今度何か一緒に食べようぜ」

『あ……。 ……い、いいよ? その代わり、二人っきりでだからね?』

「おぅ。 じゃあまた夜にな」


 そう言い、通話ボタンを切ると携帯をポケットに入れた。


 今日一日予定が何も無いから暇だな。

 ISの訓練するにしても、アリーナの管理をしてる先生も他の生徒共々帰省中だったりする。

 山田先生に言えば、大丈夫だったりするのだが職員室を覗いた時に山ほどある書類に半泣き状態だったのが印象的だったので何も言えなかった。

 今年はいつもと違い、イレギュラーな事態が多いらしい。

 ……何でも、俺や一夏の身柄の引き渡し(俺は解剖用らしい)とか、篠ノ之の専用機の事とか……。

 美冬と未来は日本の代表候補生だから、そのまま日本の管轄だがそれもまた世界が非難しているとニュースでやってたな……。

 特に中国と韓国が……。

 政治の話は面倒しかないと改めて認識したニュースって印象だったな、これが。



「さて、久しぶりにカフェに行ってクリームソーダでも頼むかな」


 部屋に鍵をかけ、俺はカフェへと向かった。

 道中の廊下には、人気も無く、冷房も効いていない為正直めちゃくちゃ暑くて早く冷房の効いたカフェでまったりしたいと切に願うほどだった……。 
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