Fate/imMoral foreignerS
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始まりから夏休みまで
大魔女と画狂の共同戦線の話
前書き
どうも、クソ作者です。
フォーリナー祭り終わって欲しくないです。
もう復刻版やりたい。全ての記憶を消去してからまた一からやりたい、
それくらいにいいイベントでした…。
個人的に一番良かったのは推し鯖が一気に三騎も水着になったラスベガスなんですが余裕で超えてきましたね。
今ではイマジナリスクランブルが1番です
さて、名残惜しいですがそろそろイベントにも別れを告げ、本編にいくとしましょう。
それではどうぞ!
それから、
学校は事件のこともあり、午前中に終わり僕ら3人は下校して作戦会議のため僕の家に集まることになった。
もちろん、桐生を倒すためのだ。
「すっげーな…葛城めっちゃいいとこ住んでんじゃん。」
学校からそこまで離れていない僕の自宅であるアパートを見回し、暮馬くんはさっきから感心しっぱなしだ。
「それにさ、あんときの…マジで葛飾北斎だったんだな。」
「うん。ゲームとはほんのちょっと性格が違うけどね。」
と、階段をのぼり、僕の部屋に着くまで歩きながら身の回りの事を話す。
突然FGOができなくなったと思えば、お栄ちゃんが来たこと。あの日デートみたいなことをしてたこと。
さて、部屋ではきっとそのお栄ちゃんが僕を今か今かと待っていることだろう。
「ここが僕の部屋。」
そうして話しているうちに部屋の前までたどり着き、鍵は空いているのでドアノブを回して入る。
「お栄ちゃーん。ただいまー。」
「…」
「…」
しかし無音だ。
「お栄ちゃん?」
廊下を歩くも、物音もしないし人の気配一つしない。
どこに行ったんだろうと思いながら、寝室を横切ったその時だ
「も"」
「!?」
「か、葛城が消えた!?」
ものすごく強い力で引っ張りこまれたかと思えば、次の瞬間にはベッドに寝転がされている。
傍から見れば僕はいきなりその場から姿を消したように見えたらしい。
で、そんな速さで僕を寝室に引き込んでベッドに押し倒したのは間違いなく。
「随分とお早いお帰りじゃないか…♡」
「た、ただいま…。」
息を荒くしたお栄ちゃんだ。
「お栄ちゃん…その前に大事なことが」
「マイとのせっくすより大事なモンがあるってのかい?いいやない。今はこれが一番大事サ。」
「待って…友達来てるから…!」
「友達…?」
お栄ちゃんがゆっくりお顔を上げる。
そこには友作くんに暮馬くん。呆れた顔したキルケーがこちらを見ていた。
「おや、あんときのお友達に後は…、」
「ど、ども…。」
暮馬くんが会釈する。
しかし、彼と目が会った瞬間お栄ちゃんは
「なんだァ…またマイをイジメに来たのかい?」
「お、お栄ちゃん!?」
さっきまでの嬉しそうな顔は消え失せ、殺意に満ちた視線を暮馬くんに向けた。
このままでは彼が危ない。そう思いお栄ちゃんを抑える。
「お栄ちゃん!暮馬くんは違うんだ!」
「いいや違うもんか!こいつァマイをいじめたやつの一人だろ!?わざわざ出向いてくれるたァいい根性だ!ここでしばき倒してやる!!」
「お願いだからやめて!!」
暮馬くんもその気迫に押されごめんなさいと謝り出す始末。
このままじゃ埒が明かない。なんとかしてお栄ちゃんに落ち着いてもらわなきゃおそらく話しは進まないだろう。
「みんな!ここは僕に任せて先にリビングに!!」
「え…お、おう。」
「早く!!」
とりあえず皆をリビングに先に向かわせ、僕はお栄ちゃんを落ち着かせるため力づくでベッドにもどす。
「離せマイ!」
「離さない!!」
さて、彼女を落ち着かせる方法といえば…思いつく限り一つしかない。
「暮馬くんはもういいの!」
「いいわけあるか!例え神様仏様が許したとておれが許さねェ!マイをいじめたのは万死に値するってんだ!!」
「だからいじめてないんだってばぁ!!」
もうやるしかない。
覚悟を決めよう。
「分かった落ち着こう!とりあえずセックスしようよ!僕の身体好きにしていいよ!!ほら!!」
そういい、お栄ちゃんを押さえつけるのをやめ、ブレザーを脱いでネクタイを緩めて両手を広げる僕。
「マイを…好きに…?」
ほら効果てきめんだ。
ただ、
「…いいのかい?」
「うん…それでお栄ちゃんの気が済むのなら…いい…かな?」
「んじゃあ遠慮なく!!」
僕の身体が持つかどうかだ。
⚫
三十分後…。
「ただいま…。」
「おかえり…って見ない間にやつれたか?」
「ちょっとね…。」
幸い四、五回出したらお栄ちゃんは気が済んで終わりにしてくれた。
僕の頬はやつれ、対照的にお栄ちゃんはつやつやしていた。
「な、何をしたんだキミは…。」
「せっくす。さあばんととして当たり前だろ。てかお前さん誰だい?」
「せ…せっくす!?」
さも当然のことのように言うお栄ちゃんにキルケーは驚きを隠せなかった。
「サ、サーヴァントとして当然!?いや嘘だろ!私はまだマスターと1度も…!」
「キルケー、そっちの常識に呑まれるな。」
話が脱線しそうになったので友作くんが止めに入る。
「まぁとりあえず改めて自己紹介から行こうか。俺は友作。そしてこっちは俺のサーヴァントのキルケーだ。」
「よろしく。キミは確か葛飾北斎だったね?」
まずは互いを知るため自己紹介。
これから共に戦うんだ。相手のことを知らないままじゃやりにくいのもあるんだろう。
「おう。正確には違うけどナ。」
簡単な自己紹介を済ませ、桐生を止めるための作戦会議が始まる
「まずは彼の対象の共通点だけど…見たところバラバラだが実は一つだけ当てはまるものがある。」
「?」
今までの被害者はサラリーマンや道路工事の人からホームレス。そして先日は取り巻きだった生徒達。
年齢、格好、そのどれにも共通点はないが一体どこにあるのだろうか。
「彼が狙うのは"自分よりも下の人間"そういう奴らは生きる価値が無いとボソボソと呟いていたからね。」
「下の…人間。」
「そう。社会の奴隷の労働者、重労働をさせられる者、また家のない者。そして自分の手下だったもの。彼から見ればそれは、自分よりもずっと下の人間なのさ。」
「そんな…酷過ぎるだろ…!」
暮馬くんが思わずそう口にする
確かに彼らはただその日その日を必死に生きていただけなのに…。
そんな人の命を奪える権利なんて…彼にはない。
「そしてだ。彼の最終目的…それは…。」
「僕と…お栄ちゃんですよね?」
「あたり。中々勘が鋭いじゃないか。」
そんなの、分かる。
ある意味桐生の人生を転落させたのは僕だ。
女性に一方的にボコボコにされるという恥を仲間の前で見せ、泣きながら逃げ帰ったあの日。
彼は殺してやる…そう呟きながら帰って行った。
恨んでいない訳が無い。
「そして、その前にキミだ。えーと…」
「暮馬…狩井…暮馬です。」
「そう。キミも桐生を助けず逃げ出した1人だからね。いずれ見つけ出し殺しに来るだろう。」
彼はそれを察知し、だから僕に助けを求めた。
この作戦は、彼を救うための作戦でもある。
「さて、今までの監視で見たところ桐生とかいうやつはプライドだけは高いがその実はバカだ。単純な罠に引っかかるほどのね。」
そういい、キルケーは友作が持ってきた紙を受け取ると机の上に広げて見せた。
この街の地図だ。
「だから囮作戦を使い、彼を捕える。」
「囮…作戦。」
あえて敵の前に姿を現し、捕える。
しかしそれは魚を釣る時のように"エサ"が必要だ。
当然、エサになる人の危険性は高い。
桐生が一体どんなモノを使って殺人を犯しているのかは知らないけどそれだけは確かだ。
そして問題は
「誰がエサになるかなんだけど…そうだね。」
キルケーが僕を見る。
「彼が一番恨みを持っているのは間違いなくキミだろう。囮役にはもってこいだ。」
囮役は僕になった。
作戦はこうだ。
この街には建設途中で計画が頓挫し、そのままになった廃ビルがある。
この敷地内までに"エサ"を使って桐生をおびき寄せ、そこからキルケーが魔術で結界を発動。
そこに閉じ込め、お栄ちゃんが桐生を捕らえるといったものなのだが…。
「ところでキミ…運動経験は?」
「あんまり…ないです。」
「運動に自信はあるかい?足が早いとか。」
「ないです…遅いしよく転びます。」
「はぁー…。」
とんでもなく大きなため息をつくキルケー。
仕方がないじゃない。僕は元より運動は苦手なんだから。
それに
「マイにそんな危険なことさせられるか。なんならおれが囮になろうかい?」
そんなことはお栄ちゃんがまず許さなかった。
「いやダメだ…キミの場合さすがのあいつでも警戒するだろう。1度やられているからね。釣るならまず相手を油断させなきゃダメなんだ。」
「じゃあどうすんだい?」
詰んだ、というのだろうか。
このままでは別の作戦を考えなければならなくなる。
そう行き詰まった時だ。
「あの…。」
沈黙した空間の中、暮馬くんが控えめに手を挙げた。
「なら…俺にいい考えがあります…。」
⚫
深夜。
作戦決行は日が変わる頃と決めそれまでに英気を養うことにした。
まぁ僕は精気を搾り取られたわけだけど…面白くないか。
さて、作戦内容はキルケーが話した通りなのだが…
「暮馬くん…大丈夫かな…。」
囮役となるはずだった僕は今こうして、友作くんやキルケー、お栄ちゃんと一緒に廃ビル近くの物陰に身を隠している。
そう、暮馬くんは
(やっべぇ…めっちゃ怖ぇ。)
自ら囮役を買って出たのだ。
葛城ほどの効果があるのかは分からないけど、きっと俺も殺す対象なんだ。だから俺が囮になる。
いい作戦とは、自分が囮になることだった。
「さぁな…ともかく今は暮馬がうまくやれることを願いながらヤツが来るのを待つ。キルケー、いつでもいけるよう準備しておけ。」
「ふふ…平気さ。私を誰だと思ってるんだい?」
自信満々な大魔女さん。
対して僕の胸中は不安でいっぱいだった。
どうして…彼は危険なことを自ら進んでやろうとしたのだろう。
自分が死ぬかもしれないのに。握りしめた拳が、あんなにも震えているのに…。
「葛城!」
「!」
友作くんがなるべく小声で僕を呼ぶ。
彼の指さした方向には
「来たぞ…。」
不気味な笑みを浮かべながら、革靴特有の足音をたててやってきた桐生の姿があった。
「あれぇ?誰かと思えば狩井 暮馬くんか。こんな時間に、しかも人気のないところで何してるんだい?」
「あ、あぁ…散歩…だよ。」
怖い気持ちを抑えながら、彼は必死に平静を装いつつ桐生と話す。
「お、俺さ…散歩して…こういう廃墟めぐりとか好きなんだよね…は、はは。」
「へー。陰気なキミらしい趣味だね。お似合いだよ。」
皮肉たっぷりに言い、それに対して暮馬くんは苦笑い。
「き、桐生はどうしてここに?そ、それにお前しばらく学校来なくってさぁ…みんな心配してたんだぜ?」
「まぁそうだね。強いて言うなら"ニオイ"を辿ったら君がいた感じかな。あとその点に置いては心配ないよ。」
「…?」
空気が、変わった。
「その心配してたって奴ら、もう全員殺したから。」
「っひぃ!?」
腰を抜かした、と言えばいいか。
暮馬くんは何かの殺気を感じ取り、思わずその場で腰を抜かし倒れる。
しかし、それが良かった。
「あー残念。もう少しで死ねたのに。」
彼のすぐ側にあった街灯。
それが真っ二つに切れ、音を立てて落ちた。
もしそのまま走って逃げていれば、彼も街灯と同じ道を辿っていただろう思うと僕でさえぞっとした。
「ッ!」
自分の使命を思い出し、暮馬は立ち上がって走る。
目指すは廃ビル内。その敷地内まで桐生を入れればいい。
「なんだ?逃げんの?まぁどうしようがキミはもうどの道死ぬんだけどさァ!!」
ドッ、と桐生のそばに居た何かが地面を蹴る。
目には見えないが、"何か"が物凄いスピードで暮馬くんへと迫る。
ここから離れていても感じる、恐ろしい殺気。
それを直に背中で感じている暮馬くんは想像以上の恐怖と戦いながら走ってるはずだ。
「ほーら、逃げても無駄。大人しく殺された方が苦しくなくて楽だよ〜?」
「…ッ!!」
走る。ただ走る。
余計な事は考えず、ただ彼は廃ビルの敷地内へ入ることだけを考える。
3メートル、2メートル…
距離は段々と縮む。
それと同時に暮馬くんを追いかける"何か"との距離もだ。
そしてあと一歩、もうひと踏ん張り。
そう思った時だ。
「がっ!?」
"何か"が、暮馬くんの膝の裏を切り裂いた。
吹き出る鮮血。
味わったことの無い痛みに彼は思わず転んでしまう。
「おーおー、無様なもんだねぇ。」
走った勢いは殺しきらず、派手に転がって倒れた暮馬くんに桐生が歩み寄る。
「くそ…っ!もうちょっとなのに…っ!」
這ってでも彼は行こうとする。
だが
「逃げんなよ。小バエ風情が。」
追いつかれてしまい、手の甲を思い切り踏まれる。
踵をぐりぐりとめりこませ、思わず苦悶の表情を浮かべる暮馬くん。
対する桐生は笑顔のまま、狂ったように笑いながら彼を踏み続ける。
「ははは!!あっはははははは!!折角の努力も無駄に終わっちゃったねぇ!てかそもそも逃げられると思ったぁ?ざーんねーん!!僕のこの力からは逃れられませーん!」
「…っ、ぐぅっ!」
しかし彼はそれでも進もうとする。
「お前…何その顔。」
歯を食いしばり、恐れなど感じさせない眼差しを桐生に向けて。
「バッカじゃねーの…こんなんで…ビビると思ってんのかよ…!!」
「黙れよ!いつもいつも小バエみたいに周りをチョロチョロしやがって!!」
それは、彼のプライドを簡単に傷つけた。
「ごっ!?」
一思いに殺す前に、まず自分が制裁を加えてやる。
そうとでも言いたげに桐生は暮馬くんの脇腹に蹴りを入れた。
「…はは、前から…思ってたんだよ。ちいせぇ人間だなぁって。」
「うるさいッ!」
また、蹴飛ばされる。
けど暮馬くんは喋ることを辞めない。
「そうやって…最終的には暴力に頼るんだもんな…立派な小物の証だよ…っ!」
「黙れ!黙れ黙れ黙れ黙れェッ!!」
蹴る、蹴る、蹴る。
蹴られ、転がされ、痛いはずなのに彼はそれでもやめない。
助けに行こうとはした。
けど、
「友作くん…!?」
立ち上がろうとした僕の肩を、友作くんがおさえる。
「待て葛城…あいつは、暮馬は何かしようとしている。」
「何かって何を!?早く助けに行かないと…!」
「マイ、駄目だ。」
「…お栄ちゃんまで!?」
友作くんも、お栄ちゃんも暮馬くんを助けに行っては行けないと言う。
「今は駄目だ。あいつの努力を無駄にする訳にはいかないだろ。」
「今はダメって…今助けないでいつ助けるのさ!」
「ふーっ」
「ひゃあぁ!?」
耳に息を吹きかけられ思わず変な声をあげる。
こんなときにこういったことをするのは決まってる。
「お栄ちゃん…!!」
「まぁ見てナ。じきにおれ達の出番が来る。」
と、お栄ちゃんにおさえられ、僕はじっとしていることにした。
なぜ二人は助けないんだ。
彼は体を張って怪我をしてまであんなに頑張ってるのに…見殺しになんかできない。
いや…
「…!!」
ここで、僕もやっと彼の真意に気付く。
「そうか…暮馬くん…!」
蹴飛ばされ、ボールのように転がされる彼。
そうだ。ああやって挑発したのも自分が"蹴られる"ことを想定してやっていたんだ。
そうやって転がされれば…。
「へへ…かかったな…!!」
知らず知らずのうちに、彼は廃ビルの敷地内に入っていた。
「キルケーさん!!お願いします!!!!」
あらん限りの声で叫ぶと、廃ビルの敷地内すべてが透明な壁に覆われる。
「なんだ…なんだよこれ!?」
「ボール遊びする時は危ないところに入っちゃいけないって、ママから教わらなかったのかよ!」
慌てる桐生。
周囲を見渡すも、360度どこを見ても抜け道はないしどこにも逃げられる隙間はない。
そう、怪我をして走ることが出来なくなった暮馬くんはどうやって桐生を敷地内に誘い込むか考えたんだ。
プライドは高い桐生は挑発されればそれは乗る。
傷付いた弱者に煽られれば尚更だ。
そうして暮馬くんは桐生を蹴るよう誘導し、入らせた。
ただ無謀に煽ってたんじゃない。
全ては彼の命懸けの計算のうちだったんだ。
「こんな見え見えの罠にひっかかりやがって…だからお前は小物なんだよ!!」
「お前…お前ェェーッ!!」
今までで1番の力で思い切り蹴飛ばされる。
暮馬くんは咳き込み、そしてフラフラと立ち上がった。
「くそ犬!!こいつを殺せ!!両手両足を切り落としてからじわじわと殺してやる!!」
"何か"が動く。
得物が暮馬くんの首めがけ振るわれる。
しかし
「おぉっと、そこまでサ。」
火花を散らし、それはお栄ちゃんの大筆に阻まれた。
「お前…キモヤシの…!!」
「だからマイって言ってるだろ。次そんな名前で呼んでみろ。二度とおもてに出られねぇ顔にしてやる。」
僕や友作も彼の前に姿を現す。
そしてキルケーもだ。
「ホクサイ!私は結界の維持で手一杯だ。援護も申し訳程度しか出来ないがやれるかい!!」
「あぁ、合点承知の助サ。」
「それじゃあ頼んだ!やってやれ!!」
得物をはじき、お栄ちゃんは空中で身をひねって華麗に着地する。
対する"何か"は、もう姿を隠す必要がないと思ったのだろう。
「あれは…!!」
"何か"は、ついに姿を現した。
「予想はついていたがやはりだ。噛みちぎられたような殺害現場、夜な夜な響く狼の遠吠え…そして、見えない何か!」
本来サーヴァントとしては有り得ないモノ。
それが今は僕らの目の前にいる。
幻霊と呼ばれるサーヴァントに満たないものを集め、1つの英霊としたもの。
アヴェンジャー、へシアン・ロボがそこにいた。
「まさか…桐生が三人目のマスターだったなんて!!」
「マスタぁ?知らないなそんなの!これは僕が貰った最高の力なんだ!!」
桐生がマスターで、しかもアヴェンジャーを召喚していた。
一体どうやって?
サーヴァントを召喚できた共通点としてそもそも彼はアプリをしていたのか?
いや、今はそんなことはどうでもいい。
「ウゥゥゥ…!」
姿が見えなかったのは彼の含んでいる幻霊の1つ、透明人間のグリフィン博士によるもの。
しかしもうそれは必要ない。
姿を現し、威嚇の唸り声を上げお栄ちゃんを睨みつけた。
「ハッ!物の怪の類か何かは知らねぇがかかって来ナ!例えなんだろうが描き尽くしてやる!!」
画狂と復讐の大狼。
真夜中の廃墟ビルにて二騎のサーヴァントの戦いが始まった。
後書き
復讐の大狼、しかし彼は皮肉なことに人間に使われることとなった。
決戦の夜、二騎のサーヴァントは激突する。
逆恨みの感情は復讐となり、その炎は彼を焼き尽くすのか、
しかし、またそれとは違った炎が決戦の場に召喚される。
次回
『復讐の炎、旭の輝きの話。』
お楽しみに。
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