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崩壊した世界で刑部姫とこの先生きのこるにはどうしたらいいですか?

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ほんへ
最終章へと向かうその前に…
  水・着・勢・揃(前)

 
前書き
どうも、クソ作者です。
最初に言っておく。
一話におさまりきりませんでした。
いや、おさめられるっちゃあおさめられたんですが気付けば文字数がまさかの13000超え。
よくもまぁこれだけ集中して一気に書き上げられたなとまるで思います。
にしても長い。長過ぎる。
このままでは読者の皆様が途中で読み飽きてしまうのではと思い、前後編に分けることにしました。
 

 
「土蜘蛛さん、こちらへどうぞ。」

ペンのような杖のようなそれをキューティーパープルは地面にトンと突くと、そこからうぞうぞと黒い何かが湧き出てくる。
真っ黒で、八本の足を備えた"何か"
そう、まさに黒後家蜘蛛(ブラック・ウィドウ)のような…

「う、うわぁ!なんだこいつ!?」

蜘蛛のような式神は地面を這い、やがて雑魚敵の足元までやって来るとぞろぞろと足を伝って身体へと登り始めた。

「ぎ、ぎゃああああ!!!!」

蜘蛛に包まれた雑魚敵は塵となって消える…
ように見せかけてるだけで実際はなんともない。
こうするので心の準備は済ませておいてくださいね。と紫式部本人から言われていたが全身を虫が這い回る感触はさすがにトラウマになりそうだったと悪役の人は後にそう語った。

ってかこの攻撃明らかに正義の味方のやり方じゃねーよ。

「お姉ちゃんはイルカさん!そしてあなたは蜘蛛!なるほど!生き物を使役するという点は同じ、つまりはあなたも妹ですね!!」
「…はい?」

とんでもねー極論ぶつけられてキョトンとしてるぞ。

「ともあれ3人揃えば姉妹の知恵!これならあなた方に負けはしませんよ!!」
「へへ…そうだな。確かにこのままじゃ俺様達の分が悪過ぎる。」

出禁の武蔵にキューティーパープルと、強力な(みかた)を得たジャンヌ。
だがブラックバード様、何やらニヤリと不穏な笑みを浮かべているではないか。

「どうやら"奥の手"を使う時が来たようだね。」
「ああそうとも!さぁ来やがれ新米!とっておきの"アレ"でヒロイン達にあんなことこんなことやっておしまい!!」

黒髭が高らかに拳を掲げ、そう叫ぶとハリボテの海賊船が派手に爆散。
そして中から現れたのは

「あれは…!」
「蛸!?」

現れたのは何本もの触手。
裏側にはおびただしい数の吸盤がついた蛸の足だ。
しかし大きさが並ではない。
丸太とそう変わらなそう太さの足。
あれに押し潰されれば一溜りもないだろう。
そして、そのタコ足を召喚した人物とは

「やるじゃねぇか新入り!お客様もビックリだぜ!」
「お褒めいただき恐悦至極。当初はジャンヌと敵対することになると聞き涙を流した日もありましたがいざ悪役となるとこれは中々!楽しいもの!それではジャンヌ。最高にCooooolなショウをお見せいたしましょう!!」
「あ、あなたは一体!?」
「おお、失礼いたしましたジャンヌ…もといキュア☆ドルフィン。私の名前は冒涜的大元帥、プレラー・T。以後お見知り置きを…。」

と、まさかの悪役側も新キャラ登場。

『突如として現れた3人目の刺客!その名もプレラー・T!冒涜的な触手を操り、いかにもいあいあな雰囲気で観客のSAN値がマッハでやばい事になりそうだ!!どうするキュア☆ドルフィン!』

うねる触手。
それはプレラー・Tの指示を受けると一気に3人の方へと伸びていく。

「なんのッ!」

迫る触手達は出禁の武蔵が次々と輪切りにしていくも、その量はあまりにも多く

「ああっ!」
「いけません!キューティーパープルが!!」

お姉ちゃんと自分を守ることは出来たものの、それ以上をカバーしきることは難しかったようだ。

「フッフッフまずはあなたからにしましょうか、キューティーパープル…。」
「くっ…離しなさい…!」
「さぁて、その強気な態度がどこまでもちましょうか?」
「ああっ!く、うぅ!!」

触手に巻き付かれ、強い締め付けがキューティーパープルを襲う。
さらに触手の先端はキューティーパープルの口元へと伸び、無理矢理押し込んでいくでは無いか。

おいやめろよ。
これ子供向けのショーなんだぞ。

『これは思わぬファンサービス!お父さん方がみんな前かがみになってしまった!どうするキューティーパープル!?どうなってんだヒロインショー!どうしましょうシロウさん!』
『私に振らないでください。』

「やりたい放題じゃねーか。」
「あたしがやれって命令した。」
「…え?」

場所は変わり俺達のいる控え室。
カメラ越しにキューティーパープルのサービスシーンを見てた葵は悪そうな笑顔を浮かべながらそう言った。

「そういうの好きだから多少遊んであげてくださいって。」
「少しは考えろよ!大人はともかくお子さん方の性癖歪んじゃうだろ!!」

葵はすっかりご満悦の様子。
そんな時だ。

「随分と派手にやってるみたいですね。」
「?」

いつの間にか控え室に何者かがやってきた。
見た目は子供のそいつは確か…。

「こんにちは。あなたが確かヒロインショーの発案者でしたっけ。」
「まぁそうっすね。あ、俺は」
「話には聞いてますよ探偵さん。僕はギルガメッシュ。このシルク・ドゥ・ルカンのスポンサーをつとめてます。」

と、名刺を渡されたのでこちらも名刺を交換する。
そう、彼こそがこの会場を支えるスポンサー。
子供のギルガメッシュだ。

「そんなスポンサー様が、なんの用ですかね?」
「いえ、何か楽しそうな雰囲気だったので思わず寄り道して来ちゃいました。お客さんもいつもよりいますし、どうやら大盛況みたいですね。」
「それはどうも。」
「ですが…派手にやりすぎでは?」

セットを破壊し、派手な爆発起こしたりしてる。
それはやはりスポンサーとしては黙ってはいられないようだ。
何を言われるんだろうなぁとかまえていると

「まぁでも、お客さんも楽しそうだしいいと思います。弟くんの顔が死んでますが、やはりお客さんの笑顔が1番ですからね。」
「あぁ、それはどうも…。」

と、ギルガメッシュに握手を求められたので勿論両手でしっかり握り返した。
相手は金持ち+未来の英雄王だぜ?
ここでしっかりやっとかないとあとでどうなるか分かんねーもん。

で、ギルガメッシュの言った通り

「」

弟くんの顔は死んでいる。
まぁヒロインショーいつもより豪華にやるよと言っただけで内容は一切伝えてなかったからね。
そらびっくりするわ。
さて、改めて会場の様子が映された液晶に目をやると

「イルカさんも歯が立たない…一体どうすれば…!」
「一つだけいい方法があるぜぇ?キュア☆ドルフィンさんよぉ!ここは大人しく降参して負けを認めることだ。そうすりゃ、囚われの未亡人も返してやるよ!」
「キュア☆ドルフィン!あいつの言葉を信じちゃダメ!悪者ってのはそういって後で騙してくるんだから!」

明らかに劣勢の様子。
観客席からはがんばれの声援。
しかし持ち直すことは非常に難しいようだ。

「にしても厄介ねあのタコ足。せめて私と同じようにあれを"斬り落とせる"ような水着剣豪がいれば…!」

しかし逆転の手段は一つだけある。
それは武蔵と同じように"斬る"という攻撃手段を持ったサーヴァント。
おっきー?違う。勿論マリーでもない。
答えは

「…。」
「探偵殿、なんだいその目は。おれァ出ねぇって言ったろ。」

北斎だ。

「こういうのはなんだかんだで逆転して勝つってもんだろ?正義は勝つなんて言葉があるしナ。だからおれの出る幕はねぇし何より"あいつ"を出したかねぇ。帰る。」

そう言い、帰ろうとする北斎。
だがそれを止めたのは

「…どういうつもりだい?マゾ犬。」
「お栄ちゃん…その。」

裾を引っ張る舞。
そしてその手には

「なっ…!?」
「…ごめんね。僕、買われちゃった。」

聖晶片が握られていた。

「それは…おれが全部売っぱらったろ!?」
「残念。俺があげたんですよ。」(ゲス顔)
「!?」

悪意タップリのゲス顔をした俺を驚いた顔で見る北斎。

「マイ…!お前まさか"ぐる"だってのかい!?」
「安い男の娘(オンナ)だったぜぇ?お前の奥さんはよォ。何せモンブラン三個で北斎を水着にしますって快諾してくれたんだからなぁ!」

そう、昨日の事を思い出して欲しい。
舞が限定モンブランをのがし、しょんぼりしていたところに俺達3人のマスターがやってきたことを。
ある条件をのめばモンブランを食べさせてやる。
その条件とはまさに、『北斎を水着にし、ショーに参加させること。』
最初は確かに舞も躊躇った。
ドMだが水着関係の場合、ひどいお仕置きが待っているんだろう。
モンブランという目先の欲望か、それとも自分の中では絶対のご主人様か。
しかし、北斎の忠犬が選んだのは前者だったのだ。

「モンブランが食べたかった。それに、水着のお栄ちゃんも見たかったんだ。」
「マイ…!」

北斎が舞から聖晶片を取り上げようとする。
だが彼女の手が届く前に、舞はそれを砕いた。

「ごめんねお栄ちゃん。あと、たくさん楽しんできてね。」
「後で…後で覚えてろよぉぉぉぉぉぉー!!!!!」

聖晶片が砕かれ、北斎の身体が眩い光に包まれる。

「黒歴史なんて…僕は気にしないから。」

そうして絵描きは、買収されたマスターに裏切られ表舞台へと飛び立つのであった。
ちなみにこれがおっきーを水着にさせる作戦その2
味方をなくす作戦だ。



「冒涜的大元帥プレラー・T…なんてやつだ!」
「くそっ!もっとやれ!!」

拘束され好き放題やらされてるキューティーパープル。
彼女のピンチに観客は声を上げるが主に悪者の方を持ち上げる声が多かったりなんだったり。

「ヌゥーははは!!これで明日からこの会場は俺様のもの!!そして夢の『ワクワク!黒髭と愉快な水着ハーレム達!ポロリもあるよ!』を開催してやるぜ!」
「待て!この会場を支配した暁にはここをメカクレの楽園にすると言っただろう!」
「えー?なにー?拙者きいてませーん。」

悪者が仲間割れしているがショーは進行する。

「さて、それじゃ新入り!キュア☆ドルフィンに引導を渡してやれ。」
「いやです。」
「は?」
「このような名伏しがたき触手でジャンヌを陵辱するなど…このプレラー・Tにはできません。それこそまさに冒涜!!おおジャンヌ!!こうなる事は分かっていながら!私は何故悪の道へと進んでしまったのか!!」

なんかさらに仲間割れが起きた。
どうすんだよこれ。

「え、じゃあ分かった。出禁の武蔵とキューティーパープルをこらしめろ!仲間をやっちまえばキュア☆ドルフィンも降参せざるを得なくなるからな!」
「ええ…かしこまりました。」

条件を変えプレラー・Tも渋々了承。
高く持ち上がる触手。
それは出禁の武蔵を押しつぶすため。
そしてキューティーパープルを叩き付けるため。

「さて、悪足掻きもここまで!私が最高にCoolな血の花を咲かせ、あなた方の最期を美しく飾ってあげましょう!」
「そうはさせねぇヨ。」
「…はい?」

剣閃が走り、触手達があっというまに輪切りになる。
何が起きたか分からないプレラー・Tだったが、ボトボトと落ちる触手だったものを見てふと我に返る。

「なに…まさか!?」
「新手!!あそこにいるぞ!!」

メカクレスキーが指さした方向。
そこには腕を組み、仁王立ちの新たな水着サーヴァントが。

「画狂剣青一筆両断。水着剣豪葛飾北斎たァおれのこと…!」

そこにいたのは葛飾北斎。
だが、雰囲気は今までと全く異なるものであった。

「サァサァかかってきな悪党共!悪さする奴らは例え神様仏様とと様が許したとてこのおれが許さねェ!全員まとめてなます切りでい!!」

と、かっこよくポーズを決めドヤ顔する北斎。

「っと、どうだいマイ?今のおれ、どう見える?」
「すごくかっこいいしかわいいよお栄ちゃん!きちんとビデオカメラにもおさめたし、あとで一緒に見ようね!」
「ったく…可愛いは余計だってんだ。」

なんであいつはいつの間に観客席にいるんだよ。

「というわけでそこな御三方、そこのうねうね気持ち悪いタコ足はおれに任せナ。」

ステージに降り立ち、刀を抜く北斎。
触手からやっと開放された紫式部も復帰し、なんとか持ち直すことが出来た。

「あなたは一体…!?」
「おれかい?おれァ水着剣豪、仙女見習いの葛飾北斎!人呼んで謎のソードファイターセイバー北斎だ。」
「なるほど…では私の妹ですね!謎の北斎さん!」

自己紹介をしたがお姉ちゃんには妹判定を受け、さらには変な略され方をされてしまった。

『そう!あれは仙女か!?剣豪か!?いや違う!あれは謎のソードファイターセイバー北斎!謎のソードファイターセイバー北斎じゃないか!!』
『知ってるんですかジャガーマンさん?』
『あ、知らない。初耳っす。声に出して読みたかったなと思って。』

「いいぞ謎の北斎!触手なんざぶったぎってやれ!」
「シンブルな白ビキニいいな謎の北斎。ああいうのでいいんだよああいうので!」
「歩く黒歴史だよな謎の北斎。かわいいからいいけど。」

北斎は振り向き、観客席の方を見る。
彼女の糧は観客の応援ではない。

「おれの活躍…その目でジッと焼き付けナ!」

そこでじっと自分の事だけを見てくれてるマスターだ。

「おのれ謎の北斎!!こうしてくれるわ!!」

プレラー・Tは怒り、再び触手を召喚し彼女らを叩き潰そうとする。
しかし侮ることなかれ

「おれ達水着剣豪を…!」
「舐めてもらっちゃ、困るのよねッ!」
「!?」

触手はヒロイン達に辿り着く前に武蔵と北斎によって切り刻まれる。

「ハッ!なんならタコ焼きにでもしてやろうかい!」
「ななな…なんという!私の手塩にかけて育てた名伏しがたきペット達が…!」
「落ち着けプレラー・T!!まだ俺達が負けたワケじゃねぇ!!」

取り乱すプレラー・T。しかしブラックバード様の言う通り負けた訳では無い。
こちらにはまだ手下の雑魚敵がわんさかいるのだから。

「野郎共!やっちまえ!!」

手下に命令を下すブラックバード様。
しかし彼らは1歩たりとも動かないのであった。

「お前らどうした…いや、これは…!!」

ここでブラックバード様は気付く。
何やら輝かしい光が空から降り注いでるではないか!

「なんの光!?」
「ああ…心が…心が照らされていく…!」
「なんか…あったかい…!」
「お前ら…!!おいしっかりしろ!何してやがる!!」

その光が、神々しい慈愛に満ちた優しい光がなんと雑魚敵達の心を優しく照らし清らかにしているのだ。

「争いは…憎しみしか生まないもの!だからやめましょう?」
「…!!」

降り注ぐ聖なる光。
そこから舞い降りてきたのは一人の王妃である。

「おお…マリー様!」
「悪人である俺達すら…受け入れてくれるというのか!」

雑魚敵達は多分演技だろうが、やってきた5人目のヒロイン、マリー様に頭を垂れ忠誠の意を示し出した。

「キュア☆マリーがんばえー!」
「ヴィヴ・ラ・フランス!!フランス万歳!!」
「これで勝ったな。」
「ああ、今のところあの子出てビンチになったことないもん。俺の記憶が正しければ無敗。」

と、ベテラン観客が応援しながら語り出す。
実はこのマリー、ヒロインショーには割と初期から出ていたりする。
キュア☆おっきーに憧れ、なんでも弟くんに直接出演の交渉をしにいったとかなんとか。
あと

「マリー!!!!!」

広海さんもいつの間にか観客席に上がり熱烈に応援してる。
あれなに?あの『ヴィヴ・ラ・フランスして』って書いてある団扇自作?
あの人常識人なんだろうけどマリー関わると一気にIQ下がるよな。

「お栄ちゃぁぁぁぁん!!!!」
「マリィィィィィィーっ!!!!」

張り合うなよ。

「この光はなんだ!?」
「分からなければお教えしましょう!私の妹の1人、キュア☆マリーは王妃の威光とか愛とかそういうもので悪を払い、全てを自分の支配下に置くことが出来るのです!」

いやそれもう洗脳じゃねーか!!
雑魚敵達「ヴィヴ・ラ・フランス!!」しか言ってねーぞ!!
これ演技だよな!?そうなんだよなぁ!?

「おおお…なんたる慈愛の光!!しかしこの程度…!聖女の光には到底及ばぬ…!!」
「くっ…メカクレだったら即死だった。」

プレラー・Tは悶え苦しみ、メカクレスキーは思わず膝をついてしまっている。
キュア☆マリーの登場により、悪役側の形勢はさらに傾いた。

「だが屈しはしない!この世をメカクレに染め上げるまで…メカクレスキーは死ねんのだ!!」

手下の雑魚敵は使い物にならなくなった。
メカクレスキーはふたたび剣を抜き、彼女らに直接勝負を挑みにかかる。

「ふっ…この程度近づいてしまえばごぼぉ!?」

まずマリーを潰せばいい。
メカクレスキーの判断は間違ってはいなかった。
だが彼は侮っていたのだ。

「こ、これは…バレーボール!?」
「そーれっ!」

メカクレスキーの顔面に当たったのはバレーボール。
そして前を見ればキューティーパープルにより投げ上げられた二球目、飛び上がるマリー。

「悪い人には、お仕置きよ!」

鋭いスパイクが、メカクレスキーの顔面に炸裂した。
そう、
キュア☆マリーは前衛だってガンガンこなせる。


「ぐはぁ!?」
「メ、メカクレスキー!!」

キュア☆マリーの必殺スパイクはクリティカルヒット。
顔面レシーブをしたメカクレスキーはついに倒れ、

「メカクレでなくとも…こんな力が…出せるというのか…!」
「メカクレスキー!おいしっかりしろ!死ぬな!おい!!」
「くく…メカスレスキー死すともメカクレは死せず。ブラックバード…あとは頼んだ…必ず…いつか世界中をメカクレに………。」
「メカクレスキィィィィーー!!!!!」

再起不能となった。
仲の悪い者同士であっても、ブラックバード様はメカクレスキーの死を悲しんだ(死んでないけど)

「くそっ!許さねぇ…!メカクレの意思は継がねぇが…てめぇらは俺達が倒してやる!!」

死んだフリをしていたメカクレスキーもといバーソロミューは己の役目を全うすると、匍匐前進でそそくさと退散していく。
そして普段からいがみ合っていたハズの関係なのだが、やはり仲間の死は悲しいもの。
怒りに心を染めブラックバード様は必ず彼女らを倒すと誓う。
しかしそんな時だ。

「ジャンヌ達を倒す?それはどうかな?」
「!?この声は…!!」

このヒロインショーは主に水着のサーヴァントが出てきて悪を倒すのがいつもの流れだ。
だが、ごくたまに女性でもなく、そしてサーヴァントでもない謎の戦士が颯爽と現れることがある。

「誰だ!?出て来やがれ!!」
「誰だ?だと?この声も聞き飽きただろうに。声の主も分からないのかブラックバード。」
「ブラックバード様!!この声!この憎らしい声!私は聞き覚えが!!」
「なんだとプレラー・T!」

正体不明の謎の声。
プレラー・Tはこの声に覚えがあるのだという。
飛び出しそうな目がさらに飛び出し、激昂したプレラー・Tは忌々しく語り出した。

「忘れもせぬ…この声…貴様…!思い出した!!思い出しましたぞ…!!なぜ私が悪役になったか!!それは貴様を!易々とジャンヌの隣に立つ貴様をこの手で倒すため!!」

そうして観客席からは声の主が現れる。
地を蹴り、空中で身体をひねって見事にステージに着地。
彼こそこのシルク・ドゥ・ルカンの隠れたヒーロー。
その名も

「マスク・ド・ルカン…ここに参上!」

マスク・ド・ルカン。
鮫を模した仮面をかぶり、そのヒーローはスタイリッシュに登場した。
 
 

 
後書き
かいせつ

⚫謎の北斎
というのは略称。
本当は謎のソードファイターセイバー北斎
強くて誰にも負けない仙女様になることが夢の水着剣豪見習い。
普段はなんて事ない恋に絵描きに一生懸命な女子高生。
だがひとたび危機が訪れれば謎の北斎に変身する(という設定)

マスコット的ポジションのとと様とのコンビネーションから繰り出される四刀流の刀さばきはどんなモノでも一刀両断するぞ。
かっこつけたり大人ぶったりするが中身はまだ少女。
不思議なことに水着になる際、北斎はこのように中身が若くなるがその理由は定かではない。


⚫キュア☆マリー
キュア☆おっきーの次に誕生したヒロイン。
彼女の愛の力は凄まじいものであり、降り注ぐ光となって悪者を心変わりさせる。
かと思いきや彼女も前衛をガンガンこなせるアタッカー。
言うこと聞かない意地悪な奴には鋭いスパイクをおみまいするぞ。

⚫冒涜的大元帥プレラー・T
3人目の悪者。
冒涜的かつ名伏し難い研究を行っているマッドサイエンティスト。
タコ足は彼の大切なペットであり、そしていつかキュア☆ドルフィンを我がものにしようと企んでいる。
その正体はジル・ド・レェ
本来はただの観客であったものの、とある理由で悪役を志願。
その理由とは"ある男"をショーで合法的にボコボコにすること。その願いが叶うならばと彼は喜んで悪役になったのだという。 
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