| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

崩壊した世界で刑部姫とこの先生きのこるにはどうしたらいいですか?

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

ほんへ
始まりの章-世界は終わった、しかし物語はここから始まる-
  突然世界が崩壊したが俺のところに引きこもり系眼鏡ヲタ女子サーヴァントが転がり込んできた件

 
前書き
どうも、クソ作者です。
ラノベみてーなタイトルだな! 

 
「おっきー…?」

目の前にいる彼女に、俺はそう問いかけた。

「そ。姫はマーちゃんのカルデアからやってきた、おっきーだよ。」

ニッコリと微笑みながらそう答える彼女。
うわ…笑顔やば…俺死にそう。
越えられねぇ次元の壁越えて推しが目の前にいんだぜ?
いやもうそれだけで死ねるわ。

「立てる?」
「ああ、ごめん。」

さて、いつまでも見とれてボーッとしていたらいらぬ心配かけさせてしまう。
差し出された手を取り、俺は刑部姫の手を借りてよっと立ち上がる。

「紙、見てくれたんだ。」
「まぁ見たけど。それより言いたいことが」
「来てくれるって信じてたよ。”姫のマーちゃん”」

あっ、もういいや。
なんで助けに来てくんなかったの?とか着地は任されてくれよってあれこれ問い詰めようとしたけどもうどうでもいいや。

けど待てよ。

「…?」
「えっ、どうしたのマーちゃん。」

ザザっと下がり、一旦距離をとる。
冷静に考えてみろよ。
なんでここに刑部姫いんの?
俺のカルデアから来た?なんてほざいてたが…こいつホントに刑部姫か?
さっきはとんでもねー推理して勝手に舞い上がってたが、やっぱなんか怪しいなオイ!!
それに、

「マ、マーちゃん?」
「それ以上近づくんじゃねーよ。」
「え…なんで?」

女子というのは怖い生き物だ。
表ではニコニコキャッキャウフフしているように見えて、裏では汚ねー事を考えてる。
女子共はそうして腹の探り合いをしつつ、時には陰湿なイジメで追い込んでくるジメジメネチネチした汚ねー生き物だ。
それに、

「どうせ俺の事キモイとか思ってんだろ?」

こいつと初めて会った瞬間、俺はさぞ気持ち悪い笑顔を浮かべただろう。
鏡見なくても分かる。だって推し鯖目の前にしてみろ?
誰でもキメー顔になるから。

「え!?なんでよ!?姫はマーちゃんのことが」
「うるせー近付くな!!」
「さっきまでの嬉しい顔はどうしちゃったの!?ねぇ!!」

確かに刑部姫が来てくれたのはすごく嬉しい。
けどな、誰だおめー。
刑部姫のコスプレした何者だよ。
俺を助けに来た?都合のいいこと並べて自分が助かりたいだけなんじゃねーの?

と、俺は女性不信なのでこいつの心の内を疑いまくる。

「気持ち悪いとかそんなこと思ってないよ!それにマーちゃんは姫のマスターだってさっきも言ったでしょ?」
「うるせーバーカ!なーにが姫のマスターじゃボケ!!女ってのはどうも信用出来ねーんだよ!それに申し訳ないっすねー!桐○漣とか菅田○暉みたいなイケメンじゃなくて!」
(なんでその2人なんだろう…?)

ついさっきまでわーいやったー刑部姫だーなんて喜んでた自分をぶん殴ってやりたいね。
正体も何も分からない怪しさ満点のこいつが刑部姫?都合が良すぎるわ。

「マーちゃん、信じてよぉ。」
「うるせー!甘ったれた猫なで声を出すな!!好きになっちゃうだろ!!大体てめーはどっから来た!?そもそも誰だよ!!あぁ!?」
「どこって…マーちゃんのカルデアだよ。」

俺のカルデア?
冗談も休み休み言えよバカタレ、なんて返してやりたかったがこの後のこいつの発言で、俺はそのでかかった言葉を飲み込んだのだった。

「Show-taro…だよね?英語のshowにローマ字のtaro。マーちゃんのカルデアでの名前。」
「は…?」

確かにその名前は俺のFGOでのユーザーネーム。
しかしそんな洒落た名前のやつだったらごまんといるだろうが…

「姫にたくさん聖杯上げて、Lvも100にしたっけ?あ、フォウ君も上限までもらったね。」
「お前…どうしてそれを…?」
「それだけじゃないよ。宝具のLvも絆もカンストしたね。じいじとかカーマちゃんとか他に強いアサシンいっぱいいるのに、それでもずっと姫を使い続けたね。マーちゃん。」
「…。」

当たっている。ビンゴだ。
確かに俺の刑部姫は彼女の言った通り、上げられるものは全部上げた。
課金し、究極のおっきーに仕上げた。

「姫ね、今日もマーちゃん来ないかなーって、ずっと待ってたんだ。」
「…。」
「そしたら不思議なことが起こってね。本当のマーちゃんがいるこの世界に来られるようになったの。」

そんな素っ頓狂な事を言われても、イマイチ信じることは出来ない。

「あ、信じられないって顔してるね。でもマーちゃん。今こんなことが起きてるこの世界だよ?」
「だからなんだよ。」
「姫が言ったことが起きても、何もおかしくなくない?」
「…。」

徐々に近付いてくるおっきー。
ニコニコしていて、俺に対して嫌な感情は持っていないようにも見えるその顔。
じゃあこいつは本当に…?

「見えたんだ。ワイバーンに襲われてるマーちゃんが。今すぐ助けなきゃって思って、大急ぎでやって来たんだよ。」

彼女の手が、俺の手を優しく包む。

「ねぇ、信じてくれる?」
「え…あ…。」

これは…なんだろうか。
世界がやべーことになって、そしたら刑部姫が来た。
これは現実か?それとも出来の悪い夢か?
夢なら覚めろ。そう思った時だった。

「夢じゃないよ。」

心を見透かされているみたいに、おっきーがそう答える。
それと同時に引っ張られる手。
俺は吸い込まれるように、

「じゃあこの感触は夢?分かる?聞こえてくる姫の鼓動。」

彼女の胸に包まれた。
あ、やべぇ。
堕ちる。

「…。」
「信じて欲しいな。姫のこと。」
「信じる。」
「即答だね…じゃあご褒美に、」

初めての女性に抱かれるという感触。
さらに刑部姫は俺の手を取り、

「…!?」
「初めてでしょ?どう?思ったより柔らかい?」

自分の胸を触らせた。
ああやばいなんだこれマジで。
おっばいってこんな柔らかいの?
やっべこれ…エロ漫画に書いてあったみたいに触るとホントに弾力で指が跳ね返ってくる。

嗚呼、そうか。
これが、

この手の中にあるものが












「Gyaoooooooo!!!」
「!!」

柔らかな感触に包まれていたが、ワイバーンの咆哮によって俺は強制的に現実へと引き戻される。

「あいつら…まだ俺の事狙ってんのかよ…!」
「ちっ…もうちょっとで堕ちるとこだったのに…。」

飛べなくなったにも関わらず手負いのワイバーンが飛び降りてくる。
おまけに他のワイバーンも引き連れてだ。
てかおっきーなんつった?

「適当にやっとけば追い払えると思ったのに…!」
「きっと中途半端にやった誰かさんのせいだろーな!!」

若干の皮肉を交えつつ、俺は身構える。
逃げる?ノンノン?
だってここには彼女いわく俺の刑部姫様がいるんだぜ。

「相手はライダー、こっちはアサシン。相性有利だし俺の刑部姫なら楽勝…だろ?」

今から俺はただの一般人からマスターへとなったわけだ!!
つまりは戦える!!サーヴァントを駆使し、ちぎっては投げちぎっては投げの大奮戦をおっきーがこれから…

「ごめん、無理。」
「…は?」

え、今なんて?

「マーちゃんごめん。姫、今戦えないの。」
「な ん で ! ?」

両手を合わせて申し訳なさそうにするおっきー。
いやまじでなんでだよ。これでイキる気満々だったんだぞ。

「実はこっちの世界に来る時…魔力を使いすぎちゃったみたいで…。」

ごもっともらしい理由述べられたらなんも言えねーよ。

「だから戦えないの…?」
「うん…実はさっきも1匹飛ばすので精一杯で…。」

だからあんな中途半端なことしかできなかったのね!!
そりゃしょうがねーわ!!
というわけで、

「じゃあほら!!」
「え?マーちゃん?」

彼女の手を引っ張り、走り出す。

「マーちゃんどうするの!?」
「戦えない!?だったら逃げるしかねーだろ!!お前だって現実に来てすぐ死ぬなんて嫌だろ!!」

残された選択肢は逃げるのみ。
どこへなんて決めていないが、ともかく俺は一心不乱に走り出した。

あ、
冷静に考えたら俺今日初めて女の子の手触ってたわ。





「マーちゃん、ここって…。」
「俺の家。」

それからがむしゃらに走り続けたこと数十分…。
気が付けば俺は自宅の前に息を切らして立っていた。
ワイバーンから逃れるべく無我夢中で走っていたが多分帰巣本能とかそういうものだろう、うん。

「ともかく早く入ろう。またワイバーンがしつこく追いかけてくるかもしれないしさ!」
「うん。そうだね。じゃあお邪魔しまーす。」

刑部姫を家へと招き入れ、素早くドアを閉めると俺は鍵をかける。

「…なんとかなった。」

ふと安心し、振り返って部屋を見渡せばそこは朝家を出る前とは変わらない風景。
両親は共働きのお仕事大好き人間のためほとんど家におらず、ぶっちゃけほぼ一人暮らしみたいなものだ。
とはいってもなんかやべーことになったんだ。しばらくすれば慌てて帰ってくるだろう。

「へー、マーちゃん家広いね。」
「ああ、俺の両親金は持ってるからな。」

二階建てでここらではそこそこ大きい家。
広々としたリビングを歩き、刑部姫はあちこち見回しながら驚きの声を上げていた。

「とりあえずゆっくりしてていいよ。俺はなんか食えるもん探すから。」

刑部姫をソファで座って待っているよう言い、俺は客人用のお茶か菓子はなかったかなと台所を見に行こうとするが、

「ねぇマーちゃん。」
「何?」
「姫、マーちゃんの部屋見てみたい。」

とまぁ、刑部姫がそんなことを言い出した。

「俺の部屋ぁ?」
「そ、マーちゃんの部屋。」
「見ても面白くもねーし、それに汚ねーよ?」

なんて言うが、こいつは引き下がってはくれない。

「ねー見たいなー姫。マーちゃんが普段どんなところで過ごしてるのか、マーちゃんのサーヴァントとしてぇ、やっぱりそこは気になっちゃうって言うかぁ…。」
「…。」

少し、考える。
女の子を自分の部屋に招き入れるなんて生まれてこのかた17年間したことねぇ。
使用済みティッシュの詰まったゴミ箱はキチンと処分したか?
後処理の換気やファ○リーズはきちんとしたか?
性癖全開の同人誌は出しっぱなしではないか?
漫画やゲームは転がりっぱなしではなかったか?
服はその辺に放り投げたままでは無いか?

と、短時間の間に俺は頭をフル稼働させ、昨日の俺の行動を思い出しながら確認していく。
よし…全項目チェックOK。問題ナシだ。

「分かったよ…。」
「やったぁ!!」

飛び上がる刑部姫。
何?そんな嬉しい?
一般男子高校生の部屋に入ることがそんなに嬉しいか?

「二階にあるからさ。ほら。」

階段をのぼり、案内させる。
2階には部屋がいくつかあり、その内の一つが俺の部屋だ。
ドアを開け、俺は彼女を自分の部屋に入れた。

「へー、ここがマーちゃんの部屋。」
「ゲームなら最新機器揃い踏みだぜ。漫画は…お前の趣味に合うかどうか分かんねーけど。あ、いけね、バジャマそのまんまだったわ。」

そういい、俺は今朝脱ぎ捨ててそのまんまだったパジャマを畳んでその辺に置く。
その最俺は刑部姫に背を向けており、気付くことが出来なかった。

「…。」

おっきーが舌なめずりをし、野獣のような眼光で俺を見つめていることに。

「はい、俺の部屋紹介終わり。さっさと戻ろう。」
「ううん、戻らないよ。」
「は?」

パタン、とドアの閉まる音。
そして刑部姫は後ろ手に、がちゃりとドアの鍵を閉めた。

「お、刑部姫さん…?」
「…。」

鍵を閉められ、何やら怪しい笑顔の刑部姫。
その後何をするのかと思えば

「おい!ちょっ…!?」

俺を押し倒した。

「お、刑部姫さん!?」
「おっきーでいいよ。マーちゃん。」

倒れた俺の上に跨り、彼女はそっと顔を近づける。
やば…女の子の顔が超至近距離に…!
ってそんな場合じゃない!

「お、おおおおおっきー!?なんだよ!!何すんだよ!!」
「ふふ…じゃあマーちゃんは、これからどうされると思う?」
「ど、どうって…!」

メガネの奥に光る目は、真っ直ぐ俺を見つめている。
こうして押し倒され、跨られちゃってるなら男ならアレしか想像できない。

「えっち、しようよ。」
「はぁ!?」

予想はなんとなーくは出来ていた。
けど、改めてそう口に出されると驚くことしかできない。

「え、えっちっておま、お前…!」
「へぇ、マーちゃん戸惑ってる。可愛い♡」

戸惑うに決まってる。
こちとら未成年の17歳だぞ。

「それに、姫知ってるんだぁ♡姫のえっちな本オカズにして、マーちゃん毎日オナニー、してるよね?」
「…!」

何故…バレた?
後処理も完璧、性癖と欲望の赴くままに買った同人誌達も絶対に見つからない場所に隠した。
なのに…なのにどうして?

「あ、図星なんだぁ♡」
「お前…カマかけたってのかよ!!」

しかしそのタネは心を読むとかずっと見てたとかそういったものではなく、どうやら俺ははめられ見事に墓穴をほったらしい。
そして…

「マーちゃん、シようよ。本に描いてあったみたいなコト、してみたいでしょ?」
「…!」

世界が崩壊したその日、
俺はゲームの世界からやってきたらしい推し鯖に、逆レイプされるのであった。
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧