艶やかな天使の血族
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3部 公人と私人
13話 隠れた魔性
水菜との関係を始めたエリオットは、徐々に水菜に隠れた魔性を感じはじめる。
彼女の隠れた攻撃性というか、サディスティクな部分というのか、相手となるセックスパートナーが全員、彼女の根深さに白けてきたという部分が表に出ようとしている。
水菜という女性は、性欲はかなりのものであるが、年がら年中したいという訳でもなく、彼女なりに疼く時がありそうだった。
エリオットとして問題なのは、これは妻には秘密の関係である。ただしアネットは少し懸念は抱いていたようでこの男性が簡単に自分一人に夢中になり続けるのは少し無理はあると思っている。
ジオニック社でも有数のダンディな男性なので、パーティーに行けば女性の一人や二人は寄ってくる。そして、酒が入れば勢いでそういう関係にも一度や二度はある。
妻としての願いは家庭が崩壊しない程度に念入りに注意しながら楽しんで貰えばいい。浮気も甲斐性という女性なのだ。しかし、セックスに関する快楽には気をつけて欲しいとも思う。
エリオットがまだ理性の欠片を持ち、それを楽しむ時はいい。公人としての理性が残ればまだ大丈夫。ただし、それが私人として快楽に堕ちたら仕事すら放棄しかねない。もうすぐで戦争が始まる時期に、公人として任務を全うする必要もある。だから、この大事な時期に快楽に堕ちるのは要注意なのだ。
この所のエリオットはどうも禁欲に励んでいる。プライベートではスポーツマンとして様々なスポーツで汗を流している。娘の学校の運動会になれば年甲斐もなくはしゃぐし、この男性はどうもまだ精神の中には男子小学生が住んでいるように見える。
もう1つの顔は悪魔のような魅力で迫る大人の男だ。エリオット自身もそれはようやくわかった。そして今宵。自分に眠る悪魔が囁いている。またあの花を味わいたい。
彼は妻が深い眠りに入るのを確認すると、寝室から出て、水菜の個室へと向かう。そしてお互いに合図として決めたドアのノックを4回した。
水菜が静かにドアを開く。
そして銀髪の悪魔を部屋に入れた。
「エリオットさん」
「その様子だと俺を待っていた様子だね。あれから1週間後か。そろそろ禁欲もやめていいかなと思ってね」
水菜は待ち切れない様子で、エリオットにキスをした。
「ンンッ…そんなに…したいのか?」
「私も禁欲したけど、もう限界なの…!あれから毎夜、自分で慰めて…」
「でも足りないんだね。今夜はちょっとした遊びをしようか?」
「遊び?」
「ソフトなSM。今夜は君を軽くいじめてあげるよ。そうすれば案外、理性も吹き飛ぶかも知れないしね」
水菜がいつも寝ているベッドに腰を掛けると、彼らは待ちかねたようにお互いに唇を絡ます。そしてさっさと服を取り払う。エリオットの手は花びらを確認した。
「グショグショに濡れて…俺が欲しくて堪らないだね。もしかして、さっきまで一人でしていた?」
「アンッ!アンッ!グチョグチョにしてぇ…エリオットさん…!」
「質問に答え無いとやらない。ほら…」
突然、かきまわす手を止めた。そして見下ろす。銀髪の悪魔に違わぬサディスティクな笑顔があった。
「お願い…もっと、かき回して…。オナニーしてたの…エリオットさんを想って」
「よくできました。今夜はこんな感じでいくよ?君をいじめて理性を吹き飛ばしてやる」
花びらから粘着質な音が響く。遠慮なく指先を奥へ入れた。
「アンッ!アアッ!エリオットさんに犯されたいよお…!」
「レイプは嫌なんだろう?」
「アアッ!アンッ!アンッ!」
思わず手に持っていたネクタイを水菜の口に猿轡してしまった。
「あまり大声だと何事かと騒ぎが起きるからね。でも…そそるね…」
指先で手淫しながら、露わになっているふくらみを舌で舐めて、欲望を煽る。
水菜が呻くように喘ぐ。
エリオットが言葉と手と舌で攻めはじめる。
「こんなに濡らして、エッチな女だね。もうココはドロドロだよ。もっとドロドロにして舌で目一杯犯そうかな。そして、俺の愛液まみれにして汚そうかな」
「ンンッ!んうッ!」
「フフッ…ほら…ほら…!ココは?」
「ンンッ!」
水菜の花びらからどんどん甘美な蜜が溢れる。中は痙攣してエリオットの指先をとことん欲しがってひくひくしていた。
彼の指先が盛大に入ると、蜜を絡めて彼女の身体に塗りこむ。
そして、エリオットも服を取り払う。
花びらに顔を近づける。そして狂暴なセックスをはじめる。
「ハアッ…ハアッ…とことんエッチな女だね。ほら…君が欲しいものだ」
「ンンッ!ウウッ!ンンッ!」
いきなり舌を奥へ入れた。そして舌先で花の芯を攻撃する。容赦なく激しく。
上に、下に、動かす。水菜の呻き声が激しくなる。だが、水菜は想った……。
(気持ちいい…。すごく…気持ちいい…。もしかして…今日が、1番気持ちいいかも知れない…!私を壊して…!エリオットさん…エリオット)
「ウウッ…」
「話をしたいか?」
ネクタイを口から外す。
「エリオットさん……そのネクタイで……手を縛って下さい…」
「拘束プレイかい?大声上げられると困るからハンカチかタオルケットでも噛んでくれるかな」
「……わかりました」
「少しキツく結ぶよ」
「……意外な趣味だね。縛られるの好き?」
「初めてだけど、エリオットさんならいいって想った」
「ふーん。俺も惚れられたものだな…これでいいかな?」
赤いネクタイがまるで縄の代わりのように両方の手首を縛り上げた。
確かに自由はきかないけど得られる快感は倍増すると思う水菜。
残ったネクタイをベッドに固定する。
「どうだ?これなら更に快感が来るよ」
「試しに口でのセックスをするか」
そして、先程の続きをする。今夜のエリオットはワザと音を立てて、オーラルセックスをしている。
近くのタオルケットを噛む水菜は身体をくねらせた。
エリオットは水菜の太ももを強引に開かせて、執拗に攻める。2人の身体がリズミカルに動く。
「ウウッ…ウウッ…ウウッ!」
「ウウーッ!」
水菜がのけぞった。それと同時にとてつもない快感が水菜の全身を駆ける。
彼女が脱力した。口に噛んだタオルケットが外れる。
「すごい…気持ちいいよぉ…エリオットさん」
「まだまだこれからだよ」
「メインディッシュを入れないとね」
エリオットがコンドームをしながら、話し掛ける。
充分に奮起出来たエリオットは、一気に花びらに当てると貫いた。
「アアッ!」
「感じるかい?」
彼がリズミカルに腰を動かす。甘い香りと表情で、水菜の唇を包み込む。お互いに舌をもてあそぶ。
エリオットがベッドに縛り付けたネクタイを外す。そしてそのまま彼が倒れ、水菜を上にさせる。
そして、彼女に促す。
「もっと俺に夢中になれ。君の欲望を満たしてみろ」
「アアッ!アウッ!エリオット…エリオット…!硬くて素敵なの…!お願い…私の欲望を満たして!」
水菜が今度はエリオットを責め立てた。
激しく腰を使い、自らの欲望を満たす為に夢中になる。
(すごい…情熱的だな…水菜)
「ウウッ…ウウッ…すごい…」
エリオットも喘ぐ。自然と表情が歪む。
水菜は激しく責め立てながら、エリオットの顔を見る。綺麗…。喘ぐ姿が綺麗…。もっと歪んで見せて。エリオットさん。
彼女の奥の方から何かが押し寄せる。感じた事もない何かが押し寄せる。もっと…もっと…もっと来て。私を壊して…!
水菜の余りに激しい責めにエリオットは自我が崩壊しそうな快楽に身を委ねる。
すごい…凄すぎる。自分自身が無くなりそうだ…!
虚ろな瞳は彼女が今、最高の快楽に身を委ね、汗と愛液に濡れる姿を見つめた。
「アウッ!アウッ!」
そして、彼女がこの日。
「アアーッ!」
本能に身を任せた快楽に目覚めた瞬間だった……。
その時の彼女は天井に顔を仰いで、自分自身を喰らい尽くした時だった。
両方の手首を縛っていたネクタイを外すとエリオットは、身体を起き上がらせ、水菜を無言で抱きしめた。
「理性を壊す事は出来たんじゃないかな」
「……ごめんなさい……エリオットさん」
「謝らなくていい……から」
それだけ囁いて自分自身の胸に抱かせていたエリオットだった。
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