| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

☆柵-しがらみ-

 
前書き
前回までの超簡単なあらすじ。
大和くんの過去めっちゃ悲惨!!!
それなら私がえっちなことして忘れさせてあげましょ!!!
以上。 

 
「こうするのも随分と久しぶりだな。」
「…。」

割と抵抗するかと思ったが、キスをすると武蔵はたちまち大人しくなった。
俺になにかしてあげたい、というのは本当らしい。

「最初にした時の事、覚えているか?」
「…。」
「あの時は酔った勢いでって感じだったが、今はお互いシラフだ。」
「…そ、そう、ね。」
「恥ずかしいのは俺もそうだ。嬉しい半面、心臓の鼓動が早くなって胸が熱くなるのを感じるよ。」

そう言いながら、掴んだその胸を優しく揉んでいく。

「その…もう少し強引に…。」
「断る。女性の身体だ。優しくしてやらないと良くないだろ?」
「そんなこ、あっ、くぅっ♡」

ツンと勃った乳首を指先で弾いてやると、普段からは考えられない可愛らしい嬌声が漏れた。

「…弱いのか、ここ。」
「別に、弱くなんか…っ♡」

俺から目をそらす。
1度弾いたあと、今は乳輪の辺りに指先をくるくると這わせている。
じれったくてもどかしいんだろう。いや、実際そう感じてもらうようにしている。

「触って欲しい。そう言いたげにかたくなっているな。」
「言わなくて…いいから。」

目をそらしながらやや反抗的だが、身体は正直だ。
もっと触って欲しいと求めている。そう、欲している。

「俺に対する労いの為、だったか。」
「そう、だけど…。」
「じゃあもっと素直になって欲しいな。そんな嫌な顔されると俺だって触りたく無くなるさ。」

と、俺は少し意地悪なことを言ってみる。
ハッとなる武蔵。そして少し悩んでから…。

「さ………です…。」
「…?よく聞こえないぞ。」
「触って欲しいです!!もっと触ってください!!大和くんの手で触って!!」

令呪でもチラつかせてみようかと思ったが、今日の武蔵は思いのほか素直だ。
こんなふうになるのなら、もっと早くこうしておけば良かったのではないか?
武蔵だって女性の身体をしている。
無駄という概念の無い、そして出ているところはしっかり出ている非のつけようのない完璧な身体。

俺だって男だ。
そんな身体の美女に24時間隣にいられれば欲情だってするし、そういったものも溜まる。
これだと、今まで我慢して溜め込んでいた自分がすごくバカみたいだ。

「わかった。触ろう。だが少し姿勢を変えてもいいか?」
「…。」

そういい、俺は武蔵の上からどくと、隣に座って膝を叩いた。

「ここに座って欲しい。」
「そこって…。」
「俺の膝の上だ。今日はお前に何をしてもいいんだろう?」

押し倒されていた武蔵はゆっくりと起き上がり、何か戸惑うような仕草を見せたが首を振って何かを振り切ると、決心したように俺の膝に座った。

「こ、これでいいの…。」
「ああ、それでいい。」

やってみたかったことがある。
彼女の脇から腕を通し、そのまま両腕でその豊満で、戦いや稽古の際暴力的に揺れるその胸を再び鷲掴みに…

「ひゃっ!?」

はしない。
手ではなく指先。乳房ではなくその先端、
邪魔な胸のファーは剥ぎ取り、露になったそのピンク色の乳頭に指の腹をくいと押し付ける。

「…可愛い声を上げるんだな。」
「…い、今のはビックリしただけです。」

そうは言われても、そんな声をあげられれば昂る。

「…ッ。」
「今だからハッキリ言おうか。ずっと触りたいと思ってた。」
「…。」
「その身体は、俺には毒だ。どうあっても目に入るし、どれだけ集中しても本能には逆らえない。ずっとずっとお前に対するリビドーを溜め込んでた。」

聞いているのかは、分からない。
乳首はずっとこねくり回していて、時折武蔵はびくんと跳ねる。
それがまた可愛らしく感じて、もっと弄り回してみたいと思わせる。
悪い女だ。本当に。

「ねぇ、大和くん…。」

さぁあとどれくらいいじってやろうと思うと、今まで我慢して口を結んでいた武蔵が話し出した。

「なんだ。」
「その…お尻に熱いものが…。」
「ああ、失敬。」

お前の反応がいちいち可愛らしいからだよ、と言ってやりたくもなるがここは言わないでおく。
どうやら俺自身もまた興奮し、脚の上に座る武蔵の尻に怒張したそれを押し付けていたらしい。

「…。」

すると武蔵は姿勢を変え、今度は俺も向き合う形に。

「…どうするんだ。」
「こう…するの。」

俺をベッドに座らせたまま、武蔵は俺の前にしゃがんだ状態になる。
何故か妙に慣れた手つきで俺のベルトを外すと、覚悟を決めたようにズボンを脱がせた。

ぶるん、と勢いよく出た俺の愚直。

「相変わらず…大きいのね…。」
「”相変わらず”?」
「ううん、いいの!なんでもない!!」

今日の武蔵は何か引っかかるものがある。
いや、こうしている時点で武蔵としてはかなりおかしいが、ともかく何かが変なのだ。
しかし今の武蔵は俺に考える時間を与えてはくれないらしい。
柔らかな感触に包まれた感じがして、下を見るとそこには自分の胸で俺のものを挟んでいるではないか。

「…。」
「気持ちよくされたから、今度は私の番。」
「そうか。」
「男ってさ、こういうの…されて嬉しいものなの?」
「ああ、嬉しいさ。特に武蔵にされるとなるとな。」
「…。」

そう言い返してやると武蔵は目を逸らし、挟んだものを刺激し始める。
吸い付くような乳の圧力。
柔らかくもしっかりした刺激に包み込まれ、ついうっかり今にも出してしまいそうになるがここは腰に力を入れてグッとこらえる事にした。

「…1つ、聞いていいか…?」
「なに…?」
「随分と、手馴れた感じというか…上手いんだな。」
「…!!」

ズボンを脱がす時もそうだ。
こうしてパイズリをしてもらってる時も、妙な違和感を感じた。

上手いのだ。
どうして?あれ以来やった事もないし覚えもない。

「れ、練習したのよ…。」
「練習…?」
「そ、練習。」
「1人で乳をこねくり回すのか…?」
「そういうのはいいの!気にしないでください!!!」

怒られた。

「ほ、ほら…なんか感想とか…。」
「気持ちがいいな。それに武蔵が上目遣いでこっちを見上げてくるのがたまらない…。」
「…ハッキリ言うのね。」

と、今度は恥ずかしがる仕草を見せる武蔵。
覚悟を決めたり怒ったり恥ずかしがったり、なんだか今日は忙しいな。

「…そろそろ、出そうだ。」
「わ、わかった。じゃあ…。」

ぎゅうぎゅうと挟み込まれ続け、俺自身も正直限界が近い。
どうせすぐに復活する。ここは一発出してしまおうか。
そう思って射精が近いことを伝えると、武蔵は胸に収まりきらなかった先の部分、すなわち亀頭の部分をかぷっと咥えた。

「…どこで習った?」
「ないひょ…。」
「そうか。」

舌でちろちろと先を刺激されている。
まるで早く出すように催促されているみたいだ。
俺のしたいことなんでもしてあげるなんて言っていたが、実は自分がしたいことをしたいだけなんじゃないだろうか?
そう思うが、そんな些細なこと下半身から立て続けにやってくる快感でどうでも良くなって放り出してしまう。

「出すぞ…っ!」

射精の意思を伝えると、武蔵は何も言うことなく勢いを強める。
そうして立ち上ってきた白濁した欲望は、勢いよく武蔵の口内に出された。

「ん…うん…っ。」

人から出た精液を自分の口に入れる。
それは確かに汚い事だし抵抗もかなりあるだろうが、武蔵は嫌な顔せず、いや、むしろ味わっているようにも感じる。
そうして彼女はごくん、と喉を鳴らし俺のものを飲み込んだ。

「剣術と同じで、随分と熱心に練習したんだな…。」
「えっ、あっ、まぁ、うん…そうね。」

歯切れが悪い。
さっきから何か変だ。

「武蔵。」
「えっ」
「お前さっきから怪しくないか?」

このままにしておくのもよくない。
俺は武蔵の主に妙にうまいテクニックについて聞いてみることにした。

「俺のズボンを脱がすのもそうだ。手間取ることも無く随分とスムーズに脱がせていた。」
「そ、それも練習を…。」
「どうやってるんだ?そのズボンの脱ぎ着の練習は?フェラもパイズリもそうだ。何で練習した?いや…
誰で練習した?」

挟んだままの武蔵がびくりとはね、かたまる。

「…そ、それは刀を…アレに見立てたりしましてね…。」
「武士の魂と言っている物を舐めたりするのか…?」
「…。」
「しらばっくれても無駄だ。それに昨晩、どうしてお前は俺に乗っかっていた?何をしようとした?何をしていたんだ?」

と、疑問になっていたこともついでに話していく。
悪夢から目覚めた先には、俺に乗っかっていた武蔵。
普段から一定の距離を保っているのに、何をしようとしていた?

次々と証拠を叩きつけ、何をしていたかを吐かせる。
気分はまるで取り調べ中の刑事だ。

「言わねば令呪(これ)を使う。」
「まっ、待って!!そんなくだらない事のために貴重な令呪を使わないでよ!!」
「くだらない?くだらないのか?どんなくだらない事なんだ?教えてくれ武蔵。」
「…。」
「令呪をもって命ずる…武蔵、素直になー…」
「………した。」

令呪をちらつかせたところ、俯いた武蔵はものすごく小さな声で何か囁いた。

「なんて、言った?」
「よ……してました…。」
「令呪をもって命ずる。武蔵、恥ずかしがらずに大きな声で言っ」
「夜這いしてました!!!!!!寝てる大和くんを襲ってました!!!!」

と、衝撃的な事実。
そういったことには抵抗があるように見えたのに、実は俺の知らないところで夜這いをしていたとはちょっとビックリだ。

そういえば…ほんのちょっと昔魔力がうまく扱えないせいかよく分からんが勃起してしまうことがあった。
最近しなくなったのは修行をして心身ともに鍛えられたからだと思っていたがまさか、

発散していたのは…武蔵か。

「だってしょうがないじゃん!!人が寝てる横でその…アレだけ勃ってるんだもん!本人は寝てるのに!!しばらく眺めててもちっとも収まる気配はしない!!このままじゃよくないかなーなんて思ってたらその…なんか。」
「そういえば、昔言ってたな。」

以前、言われたことがある。
溜まってどうしようもなくなって、仕方なく武蔵に口で処理してもらった時だ。
「まあこうなったら、言って。弟子の性欲をなんとかするのも師匠の務めですから、」と。

「何も悪くないさ。お前はお前でやれることをやろうとしたんだから。」
「そ、そうなんだけど…。」
「他に何かあるのか?」

そう聞くと武蔵は、一旦離れてからぼそりと呟いた。

「強く…なる?」
「そう…なの。身体を重ねれば重ねるだけ、大和くんとまぐわった分だけ強くなってる…気がするの。実際身体は軽くなるし、有り得ないほど動けるし、刀の腕だってどんどん洗練されてる。こんなふざけた話ある!?」

確かに、あまりにもふざけた話だが本当なのだろう。
武蔵の腕前は普段から稽古を付けてもらっている俺がいちばんよく知ってる。
性交せざるを得ないくだらないような後付くさい設定だが彼女の言うことは本当だ。
ふざけていない、これは真面目な話なのだ。

「そういうものじゃないのか?第一魔力供給という言葉があるんだ。サーヴァントはマスターから魔力をもらってこそ輝くものなんじゃないか?」
「それはそうだけど…。」

認めたくないのはわかる。
だって、性交すれば強くなることを認めてしまえば、今まで自分がしてきたことはなんになると言うのだ。
真面目に刀を振るってきた今までは、無駄だと言うのか?バカを見たというのか?
だから武蔵は葛藤している。しかし、

「前に、言った気がする。」
「何を?」
「一緒に強くなろう、と。だからこれは…この魔力供給は一緒に強くなるための修行の一環なんじゃないか?すればするほど強くなると言うのなら、俺はそうなんじゃないかと思うのさ。」

俺は、それをふざけているとは思わない。
修行は無駄じゃない。それに、強くなるために俺も協力できるのならば大賛成だ。
身体を重ねるだけで強くなれる?そんな設定も大賛成だ。

「強くなるぞ、武蔵。ただし今度は起きている俺と面と向かってだ。」
「え、ちょっと!?」

離れた武蔵の腕を引っ張り、ベッドへと押し倒す。


「待って!ちょっとまだ…」
「可愛いな、武蔵。」
「はぁ!?」

面と向かってそう言われたのが余程恥ずかしいんだろう。
顔を真っ赤にし、素っ頓狂な声を上げる。

「俺の為に…俺のリビドーを発散させるためにしてくれていたんだな…。」
「…」
「それとも、自分がただえっちしたいだけだったからなのか?」
「違うから!!」
「俺はそうであっても全然構いやしないさ。」

下のショーツをはぎとり、足を開かせ大事な部分を露にさせる。
武蔵は足を閉じようとするが、そんなことはさせるものか。

「言ったろう?素直になってくれ。俺もそうする。心に隠すな、俺にぶつけてくれ。」
「…。」

押さえていた足、次第に力が抜け、ゆっくりと足を広げていく。
後はもう復活したそれをあてがい、入れるだけ。

「わかった…素直に…なるから。」
「それでいい。」

頭を撫でると、彼女は大人しくなった。
そうしてゆっくりと腰を動かし、俺としては何ヶ月ぶりかの武蔵のナカに侵入する。

「はっ…くぅ…♡」
「夜這いするのと、こうするのとでは全然違うのか?」
「…。」
「令呪をもって命ずる。素直になー」
「言います!言いますから!!全然違います!!夜這いの時も気持ちいいけど、大和くんにされる時の方がずっと気持ちいいです!!!!」

まだ令呪をちらつかせないと素直にはなってはくれないが、それはそれでいい。
彼女の本音が聞けたのだから。

「…っ♡」

ゆっくり、ゆっくりと挿入していく。
それがじれったいのか気持ちがいいのか、武蔵は早くしてと言わんばかりに体をくねらせ、耐えている。

「可愛いな。」
「恥ずかしいから…言わないで…♡」
「いいや言うね。お前ばかり素直になるのはフェアじゃない。これからは俺も思ったことを素直に言う。快感に悶える武蔵は可愛い。それだけだ。」
「ーーーーっ♡」

そうして俺と顔を合わせているが恥ずかしくなってきたんだろう。
彼女は腕で目元を隠そうとするが、そんなことは許さない。

「俺を、見ろ。」
「!」

腕をどかす。
武蔵の目を見る。
俺を映している、銀色の眼。

「目をそらすな。視線を隠すことも許さない。言いたいことがあれば面と向かって言え、感じているのならそうだと俺の目を見て言って欲しい。」
「…。」

こくり、とそう頷く。

「動くぞ。」

ゆっくりと腰を動かす。
そうすると武蔵は僅かに声を漏らし、そして俺の首へと腕を回した。

「…それでいい。」

求めているのなら、求めて欲しい。
そのまま彼女は俺を引き寄せると、唇を重ねる。

「…。」

伝わってくる体温。口をこじ開け、彼女の舌が入り込む。
唾液で汚れるくらい別に何も気にしない。

「はっ…は、はっ…♡」
「欲しがりさんだな。武蔵は。」

上と下、
それぞれが繋がって武蔵は俺というものを求めている。
欲しいと目が訴えている。身体がそう伝えようとしている。

だったらここは男として、マスターとして欲しいものをやらないといけいないだろう。

「あっ♡くぅっ♡♡」
「これがいいか、」

ゆっくり入れていき、ゆっくりと時間をかけて抜いていく。
早くするのもいいかもしれないがそれではあくまで自分が気持ちよくなるだけだ。

「まだまだだぞ武蔵。お前の欲しいもの、いくらでもやる。」
「うん…欲しい…大和くんの…全部欲しい…から…。」

日はまだ高い。
まだまだやれる。
日が暮れても、夜が更けても、朝日が昇ったとしても、
お前が欲しいというのならどこまでもその期待に答えよう。





「ん…んっ、んんっ♡」

それから、何時間経ったろうか。

「…。」
「だめ、これがいいの…♡」

素直になれ、俺はそう言った。
そうしたら武蔵は本当に素直になった。
日が暮れ、夜も更け、そうして朝日が昇った。
どれほどやったろうかと壁掛け時計にちらりと目をやってみれば長短どちらの針も12を指していた。
大体…24時間か。

「武蔵。」
「なぁ…に?」
「時計を見ろ、俺達はもう24時間こうしているみたいだ。」
「そうなんだ…。」

武蔵の脚が腰をしっかり固定する。
これが噂のだいしゅきホールドというやつだが、別に俺は時間のことを話したからと言ってやめたい訳でもないし逃げるつもりもない。

「まだまだ時間はたっぷりあるでしょ?」
「そう…だな。」

彼女の身体を抱きしめ、腰をうちつける。
もう何発目か分からない射精をしても、彼女はまだどこか足りなさそうだ。

「とんでもないな、武蔵は。」
「べつに、私は大和くんが欲しいだけ。それに私は元から欲深くてがめつい女なのは知ってるでしょ?」
「そうだった、なッ!」
「っ!?」

思い切り奥を突いてやると彼女は背中を逸らし、全身で気持ちがいいことを伝えてくれる。
びくびくと痙攣し、緩んだ口元からはよだれが垂れる。

これが、普段はあんなに凛とした宮本武蔵とは思えないくらいの乱れっぷりだ。

「ねぇ…今の良かった…♡」
「そうか。」
「今度は体位を変えましょ。ね?」

大和くんがしてほしいことをしてあげる。
いつしかそんな事で始めたものは、武蔵のしたいことをする為だけになってしまった。

「これで、いいのか?」
「後ろからそうやって…んっ、そう。それがいいの…♡」

後ろから抱え込んで突き上げたり、立ちバックで獣のように交わったり、シックスナインで互いの性器を舐めあったりなど、
武蔵はとにかく悦んだ。
ちなみに、俺は大丈夫なのかと言われると、実は平気だ。

「ほら…また勃った。」
「お前の期待に応えようとしているのかもな…。」

武蔵を抱きたい、犯したい、
そう考えれば考えるほど、身体からはとめどなく性欲が湧いてくる。
何十発と出したそれも、すぐにまた元の大きさと硬さを取り戻し、臨戦態勢へと移る。
まだだ…まだ彼女は物足りないなと訴える。

そうして何もかも忘れ、無我夢中で交わり続け、気づいた時には…。


「…夜が、明けたな。」

二日目、
休憩にと冷蔵庫から取り出したペットボトルの水を飲み干していた時に気づいた
空が、明るくなっている。
夜明けだ。

「…武蔵。」

彼女は今、ベッドの上に大の字になって寝転がっている。
お互いに体液まみれでベタベタ。勿論ベッドも無事じゃない。
もう感覚も麻痺して分からないが、約2日間閉めきりでやり続けたこの部屋のにおいも凄まじいものだろう。

「な…に。」
「朝だ。」
「だとしたら…昨日の昼から始めて…どのくらい?」
「約2日だろうな。」

ははっ、と武蔵は自嘲気味に乾いた笑いを飛ばす。

「ほんと…最初からこうしていれば…こんなに簡単だったのに…。」
「…。」

空になったペットボトルを潰して、ゴミ箱に投げ入れると武蔵の隣に寝転ぶ。
そうすると彼女は自然と俺に寄り添ってきた。

「まるで恋人だな…。」
「そう…かもね。」

この光景、
セックスをしてこうやって寄り添ってピロートーク的なものをしているんだ。
これは誰が見ても俺達を恋人もしくはカップルだと思うだろう。
まぁ、こんなところ誰にも見せたくはないが。

「夢だった。」
「…何が?」
「人並みの恋愛をしてみたいなと、思ってたのさ。とにかくあの頃はとことん縁がなかったからな。」
「人並み…ね、これが人並みだなんて言うのかしら?」
「…言えないな。」

そう言って、二人で顔を合わせると自然と笑いが溢れ出た。

「どう?あんな嫌な上司のこと、忘れられた?」
「ああ、もう武蔵で頭がいっぱいだ。」
「そう、なら良かった。」

そうして武蔵は、俺に寄り添ったままスッと目を閉じる。


「…。」
「しばらく、このままでいさせて。」
「そうか、分かった。」

余韻を楽しむため、俺もこのままでいさせてもらいたい。
そうして俺の為になにかしてあげるという武蔵からのサプライズプレゼントは、武蔵が心の内、隠していたこと全てを打ち明け素直になるという結果に終わった。
まぁそれだけで俺は嬉しいし、強いて言うならなにかして欲しいかと聞かれたら素直になって欲しかったと言うのもある。

しかし驚いた。
あの武蔵が、夜這いをしていたなんてな。

「…ドスケベめ。」
「はぁ!?」

しまった。
思ったことがつい表に出てしまった。

「そんなこと言う大和くんだって大概じゃない!?」
「かも…しれないな。」
「…アッサリ認めるのね。」
「嘘は良くない。互いに素直になると約束したんだからな。」

肩に手を回して腕枕をしてやる。
やれやれと言わんばかりな感じの武蔵はそうして頭をあずけると、また目を閉じた。

そうだ。
こう言えばよかった、ああすれば良かった。
素直になっていれば、事は思っていたよりもスムーズに進んでいたのかもしれない。
まぁ、今となってはどうでもいいが。

 
 

 
後書き
Q.えっちなシーンが少ない気がする。

A.しょうがねぇだろ純愛とかノーマルなやつ書くの苦手なんだから。
こういうの書くと恥ずかしくなって手が止まるんすよ。
でもま、二人の心の内を明かしてこうして二人の仲はより深いものになりましたって感じでいいんじゃないかとクソ作者は思いますよ!
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧