『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
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焚火-カタルシス-
前書き
どうも、クソ作者です。
新規のお話です。
マンションの一室さんとのコラボ回なのですが、ハーメルン連載時には本当に一瞬のコラボでした。
あちらの作品を確認させて頂くと分かるのですがええ、マジで一瞬です。
でもやっぱり折角コラボしてくれた(なおクソ作者からの一方的な無許可コラボのもよう)んですし、いいものにしたいなぁって思うじゃないですか。
というわけで長くなってしまい、前後編に分けることにしました。
夜。
夜の森というのは思った以上に静かで、不気味だ。
フクロウのような鳴き声も聞こえるが、たまに変な生き物の声だったり不気味な生物の唸り声が聞こえたりする。
焚き火はしているから大丈夫、なんて言うが本当に大丈夫だろうか?
いや、そのための刀だ。
そうして今俺達は薪をくべながら、4人で焚き火を囲っていた。
「はい、どうぞ。」
焚き火で温められた片手鍋に入っているのは即席うどん。
出来上がったのを確認し、箸とともに白島 陸にそのまま渡した。
「いいんですか?」
「いいのいいの。たかがうどんの一個くらい。そこまで私はケチじゃありませんから!」
片手鍋を受け取り、陸はいただきますと言ってから麺を啜った。
「大和くんは?」
「ああ…俺はいいよ。なんかお腹すいてないんだ。」
出来上がっているうどんを差し出されるも、俺は手のひらを向けていらないと言う。
なんかお腹すいてない…いや、"なんか"じゃない。
お腹がすいていない理由はきちんと分かってる。
というよりも、あんなに人を斬った後だって言うのに武蔵ちゃんは平然と食べている。
人を殺すという罪悪感と嫌悪感。俺はそれに支配され、食欲なんてどこかへ消え失せてるのに。
「食べないんですか?」
「ほら、少年も心配してるし。サーヴァントならまだしも大和くんは人間なんだから、とりあえずお腹に何か入れとかないと!」
そういい、武蔵ちゃんはうどんを差し出してくる。
…仕方ない。
食欲は湧かないけど、食べよう。
箸を持ち、片手鍋を握る。
スープに映るのは夜の空じゃなく、自分の顔。
浮かない顔をしている。何か嫌なことでもあったかのような、本当に浮かない顔だ。
「あの時襲ってきた男達…何者なんだ…。」
白島陸という少年とステンノを襲った謎の男達。
皆同じ服を着ていたので、どこかの組織とか部隊とかなのだろうか?
それに、森の中で武蔵ちゃんを勧誘しようとしてきた彼らもまた、同じ服装であった。
一体彼らは、何者なんだろうか?
「知らないんですか、葛城財団。」
「か、カツラギザイダン?」
「そう。世界がこうなってから有名になった財団みたいなんですけど、とにかく怪しいというかドス黒い闇を抱えてるというか…。」
「なんだそれ…詳しく聞かせて欲しい。」
と、陸の言った通りあの謎の団体は『葛城財団』という事が分かった。
「表では施設とか町の復興のための資金援助とかしてるっていう慈善事業みたいな感じなんですけど、もしそこにサーヴァントがいた場合、見返りとしてそれを求めてくるんですよ。」
「もし、断れば…?」
森の中でもそうだ。
アタッシュケースに入ったお金で武蔵を買おうとした。
そして断ったら襲われた。
とすると、
「力づくでも奪いに来る。」
「…だろうな。」
彼もまた、ステンノの譲渡を断ったのだろう。
だから武力行使であんなことになった。
戦況はかなり悪かった。もしあの時俺達が来なかったらと思うと、ゾッとする。
それと陸という少年は、その葛城財団の特徴にもう1つ付け足した。
「しかもどういう事か、葛城財団の人達は女性サーヴァントばかり狙うみたいで。」
「女性?」
「男性のサーヴァントは見向きもしなかった…って。これはあくまでウワサなんですけど、後の驚異になるのを防ぐため男性のサーヴァントはマスターに命令させ、令呪で自害させるとか…。」
「…。」
「ごめんなさい。これはあくまでウワサなんで。」
怖い顔をしていたんだと思う。
それを見て陸は謝ってきた。
「拠点がどこにあるのかも知らないし、それに奴らは何処にだって現れる。サーヴァントがいれば葛城財団もそこにいる。落ち着いてご飯も食べていられない毎日ですよ…。」
「それは…辛いな。」
心配することはひとつ。
それは、俺達は"目をつけられていないか"ということ。
1度は退けたものの、それが仇となり余計に彼らの注目を集めてしまうかもしれない。
そうすれば奴らはまた来る。武蔵ちゃんを盗りに、ステンノを盗りに。
彼は…大丈夫だろう。しかし俺は…
また奴らが来て、今度は殺せるだろうか…。
「ねぇ、宮本武蔵さん。」
「?」
そうしていると、ステンノが口を開いた。
「何かしら?」
「少しこの辺りを探索して欲しいの。もしかしたら魔物が潜んでいるかもしれないでしょ?」
「探索…まぁ、した方がいいわよね。」
スっと立ち上がり、武蔵ちゃんは腰に差した刀に手をかけて辺りを見渡す。
「魔物がいたら斬ってその辺に放り投げておいて頂戴。そうすればほかの魔物も怯えて、今夜くらいはこの辺りに寄らなくなりそうだから。」
「つまり、女神様は安心してグッスリ眠りたいという事ね!」
「ええ、眠りたいというか安心して搾りたいと言った所かしら?」
陸の肩がびくりとはねる。
「まぁ、女神様のご命令とあれば。あ、大和くんと陸くんは大丈夫。それくらい私ひとりで充分だから。」
そういい、武蔵ちゃんは女神様に哨戒任務を与えられ、どこかへと走り去って行った。
「…。」
「さて、と。」
持っていたマグカップを置き、ステンノは軽く伸びをすると立ち上がる。
「それじゃあマスター。私は先にテントで待ってます。」
「えっ。」
「折角の機会なのだし、マスター二人でじっくり話すといいわ。覚悟の話とか、ね。」
「ステンノ様、それってどういう話を…」
陸が聞こうとした時にはもう、ステンノはテントの中へと入っていった。
「相変わらず身勝手というかなんというか…。」
「…でも、好きなんだな。」
「…。」
そう、口に出していた。
それに対して陸という少年は、戸惑うことなくうんと頷く。
「まぁ、そうでもなければここまで頑張って来れなかったし…。」
「覚悟も、ちゃんと出来てるみたいだし。きっといいマスターになれると思うよ。」
そうだ。
この少年は、覚悟が出来ている。
サーヴァントを守るという覚悟。何がなんでも、自分の命に替えてでも、
見た目で見ちゃいけない。彼の心にはそんな凄みと覚悟がある。
なのに俺は
「あの…竜胆さん。」
「大和でいいよ。こんな世界だ、もう年上年下関係ないよ。」
俺、そして陸。
マスター2人きりというのもあるのか、次第に互いに話しは弾んでいく。
自信が無いこと、そして世界が崩壊するまではどうしていたのか、
いつしか、互いの昔話やここまでの経緯、サーヴァントの事も話し合っていた。
⚫
「二十歳…だったんだ。」
「うん。だから少年と呼ばれるのはちょっと語弊が。」
「ごめん…学生に見えたからさ。」
「そういう大和も、二十五歳には見えないし。」
話し合っていくうちに彼、白島 陸とも打ち明けていきいつしか身の上話をしていた。
彼は世界崩壊以前はフリーターをしていたこと。
そして成人ということも分かった。
俺も武蔵も少年も呼んでいたが、それは大きな間違いだったみたいだ。
「俺はサラリーマンでさ、連日残業休日出勤なんざ当たり前、親の死に目にも会えなかったし、まぁ絵に書いたようなブラック企業に勤めてたよ。」
「えぇ…。」
「確かスマホに…ああ、あった。これが数ヶ月前の会社勤めの時の俺。」
「別人だ…。」
スマホのフォルダにたまたま会社勤めの時の写真があったので陸に見せる。
髪はボサボサで、眼鏡をかけた無精髭の痩せこけた頬の男。
これでよく四十代に間違えられたもんだ。
「それが…今ではこんなふうに…。」
「なったというわけ。まぁでも、どうしてこんなふうになったかは分からない。身体も軽いし、映画みたいに人間離れした動きも出来る。この武器も、自分の力で生み出したものなんだ。」
鞘から刀を抜き、見せる。
刀身はゆらめく焚き火を映し、きらきらと輝いていた。
「死にかけて、気付いたらこうなってた。もしかしたら俺には過ぎた力なのかもしれないって、最近そう思うようにもなったよ。」
「そうじゃ…ないと思う。」
「?」
陸が、そう言った。
「それって、守るために備わった力…とかなんじゃないのかなって。」
「守る?」
「そう。自分じゃなくて、自分のサーヴァントを。」
守るため…か。
「さっき、大和はいいマスターになれると思う。なんて言ってたけど正直言って自分、いいマスターになれる自信なんてないんだ。」
「どうして?少なくとも今の時点で、俺よりかはずっといいマスターだと思う。」
「覚悟なんて決まってない。いや、覚悟する間も無くこうやって今までやってきた。」
そう言って陸は話を続けた。
「ステンノ様から聞いたんだ。大和、人を殺せない自分が情けないのか、ずっと抱え込んでるみたいだって。」
「…。」
「俺も殺す覚悟なんてなかった。でも、そうしなきゃステンノ様を守れないからって思ったら、身体は動いてた。」
彼は、ここまで必死でやってきてことは聞いた。
様々なハンデを抱えながらステンノ様を死に物狂いで守ったと。
悩んでる暇もなかった、考える余裕もなかった。
ただ、一日一日が必死だった。と。
彼のことを考えると、俺はなんて贅沢な悩みなんだろうと思える。
「じゃあ…俺のこの力は武蔵ちゃんを守るための力…そう言いたいのか?」
「そう考えた方が、少しは気が楽になるんじゃないかなぁ…って。」
「そう…かもな。」
自分の手のひらを見つめる。
この力を持って蘇った意味。
それは…彼女を守るため。
宮本武蔵は最強だ。それこそ、1人で充分なくらいに。
でも、もしも、もしもだ。
もしそんな最強の剣豪でも、やられそうな時が来たら誰が守る?
そうだ、マスターの俺しかいない。
この力は、武蔵ちゃんのマスターに相応しくなるためとずっと思ってたがそうじゃないかもしれない。
陸の言った通りこの力は…本当に…。
「ただいまー。ってあれ?女神様は?」
背後の茂みががさがさと音を立て、武蔵ちゃんが帰ってきた。
「ああ、ステンノ様ならもうご就寝に。」
「あらそうなのね。じゃあおふたりさんはマスター同士の話し合い?」
「まぁ、そんなところで。」
そういい、哨戒を終えた武蔵ちゃんちゃんは俺の反対側へ座る。
「で、なんの話してたの?」
「特になんてことないよ。お互い、大変なんだなって話。」
「なにそれどういう意味?まるで私が手のかかるサーヴァントみたいじゃない!」
「そういうことじゃないよ。そこんとこは安心していい。」
そう会話を交えつつ、夜はふける。
なんだろう。
陸というこの一人のマスターといくらか話をしたせいか、いくらかスッキリした気がする。
そうだ。
この刀は殺すためにあるんじゃない。
守るためにあるんだと。
守るために俺は…そうだ。生まれ変わったんだ。
「じゃあ、お邪魔になりそうなんで俺はそろそろ寝ますね。」
そういい、陸はそそくさとテントへ入っていく。
本人は眠りにつこうとしたらしいが、テントの中からは「何言ってるの?寝かさないに決まってるでしょ?」という声が。
その本人、ステンノ様なんだけどもしかしてこうやって二人で話すための場所を整えてくれたんじゃないかと思う。
武蔵ちゃんがいると話しにくいこともあったし、確かにマスターという共通点を持った陸とは何かと気を許せたし話しやすかった。
ともかく陸にも、ステンノ様にも感謝しなくちゃいけないな。
さて、
「俺達も寝ようか。」
残ったうどんのスープを飲み干し、立ち上がる。
二つあるテントの内もう1つが俺と武蔵ちゃんのものだ。
「…。」
「…。」
しかし、2人して一向にテントに入らない。
考えてもみてほしい。張ったテントはそこまで大きくなく、大人である俺が入ればそこそこスペースを占拠してしまう。
そこに武蔵ちゃんが入れば、離れて眠るなんて相当難しい話だしかなり近くにいると思うと眠れなくなる。
あっちは…どう思っているのかは知らないけど。
「大和くん…寝ないの?」
「いや、俺やっぱり外で寝ようかなーなんて。」
「…。」
隣のテントからはガサゴソという何か動く音と布の擦れる音、
押し殺したような声にステンノの色気を帯びた笑いが聞こえる。
そんな状況で武蔵ちゃんの隣で寝てみろ。身体に毒だ。
「…。」
「…。」
2人して、何やら騒がしいテントを見つめる。
「そ、その…。」
「…。」
「お盛んね。やっぱりマスターとサーヴァントって、こういうものなのかしら?」
気まずいんだろう、苦笑いで話しかけてきた。
「わ、わかんない…かな?」
「大和くんはその…どう思う?」
俺は男だ。
武蔵ちゃんみたいな人が隣で寝てたらそりゃもう大変な事になる。
ムラムラが込み上げそうになるけど、ここはダメだとグッとこらえた。
そしてそのままテントには入らず、2人で焚き火の番をしながら夜が開けるのを待った。
翌朝。
「それじゃあ、またどこかで。」
夜が明け、別々の旅路を行くことになり陸とはここで別れを告げる。
「ああ、またどこかで。昨晩はありがとう陸。俺も大切な人を守れるよう頑張るよ。」
握手をし、反対方向へと歩いていく俺達。
「そういえば大和くん。」
「?」
「昨晩、私が帰ってきた時あっちのマスターと二人きりだったけど、何を話してたの?」
歩きながら武蔵ちゃんが聞いてきた。
「色々…かな。」
「色々?その細かいところを聞きたいんだけど…。」
「もう心配なんかさせない。ってだけ言っておく。」
俺のこの力は斬るため、殺すため、戦う為なんかじゃない。
守るため。
そう思っていた方が、少しは気が楽になる。
陸はそう教えてくれた。
「心配なんかさせないって…大和くんはまだ色々未熟だし、嫌でも心配するところがごまんとあるのですが!」
「技術面は…うん。その…頑張るよ。」
そしてこれからも俺は武蔵ちゃんに鍛錬と称して一方的にしばかれるのであった。
⚫
日本のどこか。
山かもしれないし海辺かもしれない。
そこには高層ビルが立ち並び、都会を凝縮したような場所があった。
その中央に位置する、ひときわ高いビル。
入口に書かれているのは『葛城財団本部』の文字。
そう、
ここは葛城財団の所有する土地。
ビルは全て財団が建設したものであり、部署ごとに分けられている。
多くの研究員が行き来し、また研究室にてこもりうちこんでいるのは主にサーヴァントに関する研究だ。
ここ、葛城財団に所属する者は大きく二つに分けられる。
前述したサーヴァントを研究する科学者達。
そして、サーヴァント達を捕らえる為に全国あらゆる場所に向かう実働部隊。
その実働部隊の1人は、中央のビルの最上階へと呼び出されていた。
「で、そこからおめおめ逃げてきたわけか。」
「申し訳なくありません…!ですが彼らの強さは異常なほどで…!」
高級そうな革の椅子にふんぞり返る財団代表に土下座を決め込んでいるのはそう、
昨日陸とステンノを襲撃した者の1人であり、そして大和に見逃してもらったあの男だった。
「そうか…それとその武蔵ってやつはその付近にいたもう一つの部隊も蹴散らしたって情報もあるしな。お前の言う通り強いんだろう。」
「…!」
代表がデスクの上にあるパソコンのキーボードに何かを打ち込み、にんまりと笑う。
ボサボサの髪に脂ぎった顔。腹に溜めた脂肪のせいではち切れそうなワイシャツ。
その上に白衣を羽織ってはいるがそれは何かで赤茶色く汚れており、清潔感の欠片も感じさせない男だった。
彼こそが葛城 恋。この葛城財団を創設した代表であり責任者。いわゆるトップだ。
「そこマンコのマスターは白髪だって言ったな?」
「はい、そうです。それに赤い刀を携えておりマスターにしてはかなり強く…。」
「そんだけ特徴もありゃ目立つしすぐに見つかるだろう。そいつらは財団に脅威を及ぼす危険人物としてリストに登録しておいた。」
「…!ありがとうございます!!」
危険人物リスト。
主に葛城財団の活動を邪魔するもの、財団の栄光を脅かす者はそこに登録される。
今登録された大和と武蔵だけではない。そこには数多くのマスターやサーヴァントが登録されている。
これは実働部隊全員に通達され、発見した場合最優先で排除もしくは連行することが命じられているのだ。
「さて、これでこいつらはマークされた。精鋭相手にあと何日もつだろうな…!」
「それでは代表!私も妥当武蔵の為に戻ります!」
自分の得た情報は概ね伝えた。
代表は満足そうにしていたし、あとは汚名挽回するだけだ。
そう思い、彼は礼をして踵を返し、部屋を出ていこうとしたが…
「おい。」
「はい!まだなにか…」
代表に呼び止められ、振り向く。
何かまだあるのだろうかと思い返ってきた答えは
「死ね。」
武器。
いつの間にか自分の腹部を貫通している武器。
槍、刀、矢など様々な武器が突き刺さっていた。
「なん…で?」
現状に脳内の処理が追いつかず、何が何だか分からないまま彼は倒れる。
「俺様の命令より自分の命を優先したんだろ?そんなやついらねぇから死ね。あと追いかけてたサーバントの名称も能力も結果的にわからなかっただぁ?そんな無能は『葛城財団』にはいらねぇから。消えろ」
「そん…な。」
代表のプライドは、恐ろしく高い。
故に、葛城財団において失敗は1度も許されない。
失敗すれば使えないものと見なされ、代表の率いるお気に入りのサーヴァント達にこうして"処分"される。
「やだ…いや、だ…。」
逃げようともがく、
べったりと血の跡を床に引きながら、這う。
しかしそこで代表のサーヴァントが現れ、串刺しにして彼を床と縫いつけた。
そこから1ミリとも動くことが出来なくなり、ただ死にかけの虫のように手足をばたつかせる。
「おいおい、とんだ困ったちゃんだな。」
代表の方にはいつの間にか何十騎ものサーヴァントが。
皆服従の証として体の至る所にピアスやら、屈辱的な刺青が彫られていた。
全て女性であり、どんなに崇高かつ、気高い英霊だったとしても彼女らは荒い息づかいをし、代表の下半身へと群がっている
その姿に、面影はまだあるもののかつての"らしさ"はどこにもない。
「そんなに俺様のチンポが欲しいのか?だったらあそこの"ゴミ"を綺麗にしてからだ。ほら。」
代表が手を払うような仕草をすると、サーヴァント達は一斉に散る。
そして皆、各々の武器を持ち実働部隊の1人であったゴミに向かって武器を突き立てる。
何度も、何度も、何度も、何度も。
最早原型の分からない肉片にまでなると、サーヴァント達は少しの嫌悪感を見せずどこかへと持ち去る。
おそらく、文字通りゴミを捨てに行ったんだろう。
「宮本武蔵…か。」
残ったサーヴァント達に性欲の処理を命じさせ、代表は一人にんまりと下品な笑みを浮かべる。
「いずれこいつも、そしてこの世のサーバントは全て俺様のモノになる。それまで精々無駄な足掻きでもしてるんだな。」
葛城財団代表、葛城 恋
彼の目標は全ての女性サーヴァントを自分のモノにし、性奴隷にすること。
そう、財団の存在意義はひどく低俗で、そしてひどく自己中心的なものであった。
後書き
これにて、外伝『赤』の初コラボは終わりにします。
短い?いや、ハーメルン連載時にはもっと短かったんですよ!
やっぱりもっと会話を増やして仲良くさせたいなぁと思い、まぁこんな結果になりました。
そんなわけで次回もお楽しみに。
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