艶やかな天使の血族
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4部 淫楽に堕ちる天使
23話 あの夜の自分
水菜に玩弄された夜。
実は俺は密かに記録に残しておいた。
あの時、水菜に『自分を玩んでくれ』と頼んだ夜。記憶が所々に飛んでいて、よく思い出せない。ただ、それは、新しい快楽として記憶の奥底に刻み込まれた感覚だった。
それをどういう風にされていたのか知りたい。自分のパソコンのハードディスクにそれは記録として残っていた。
書斎には今は俺だけがいる。あの時の玩弄を記録として残したと聴いて水菜はどう思うのか、という前にまるで第3者の視点であの時の映像を観た。
そして自分自身があの時、いかに乱れていたのかよくわかった。
「わかりました……。エリオット。まずは貴方にこれを付けるわ」
彼女が最初にしたのは目隠しだ。
普通のアイマスクを俺に装着させた。
そうだよ。視界を奪われて少し興奮したんだ。
「アソコが勃っている。興奮しているのね?イヤらしい男…」
と言いつつ、彼女は俺をベッドに押し倒す。俺は映像ではどうも彼女に抵抗をしたらしい。
「ち、違う」
「違わない癖に」
普段の水菜とは思えない口の利き方だ。俺も何だか怯えているように画面では観えた。
すると、不意に水菜は優しい言葉を掛ける。
「私は愛する人しか傷付けない。痛くしない。痛くしない…」
俺は怯える子供のように唇を歪めている。だけど、この言葉の後、映像の水菜は俺の身体に唇を這わす。舌を這わす。
最初は胸。乳首だった。俺は女のように喘ぐ。
「アウッ…」
「エリオットの乳首は感じやすいんだ。奥様に散々、仕込まれたのかな?」
「ウウッ…」
水菜……攻めているな。こうやって映像で観ると本当に水菜は舌の使い方が上手だ。きちんと手のひらで胸全体を愛撫している。やがて水菜は首筋に唇を這わす。
「ううん…」
「エリオットが何時もしている事と同じ事だよ。どう?」
「細い首。汗の味はしょっぱいわ…。でも美味しい」
映像の俺は身体をくねらせているな。
あんなプレイ。確かに初めてだった。水菜の手元は俺のアソコを弄っている。
そして擦り出した。俺を搾ろうと激しく攻める…。俺は女みたいに喘ぐ。
「アウッ…ダ…ダメだよ……水菜……。そんなに激しく動かさないで…」
「ダメよ!今夜は私が貴方の女主人よ。限界まで搾り出すわ」
俺は虐められるとこんな声になるのか。
アイマスクしているから泣いているのか、喘いでいるのか、判別つかないな。
だけど、余りの快楽で頭のヒューズは飛んだ事は確か。
映像の水菜の攻めはかなり怖い。
「アウッ!アウッ!」
「1発目を抜いてあげたわ。相当、溜まっていたのね。この淫乱技術者」
いや。刺さる言葉だね。確かに。だけど映像の俺はだいぶ歓んでいるな。
水菜のエロス溢れる声が聴こえた。
「私の口を行きたいところへいかせて?」
黙って頷く俺がいた。
水菜のディープキスがくる。粘着質な体液の音が聴こえた。後は水菜の喘ぐ声が。
「今夜はこの唇は私のもの。私だけのもの…!欲しい…!欲しい…!」
「ハアッ…ハアッ…ハウッ」
たぶん俺は水菜の身体を触りたかったのだろう。しかし、迷っている様子だ。
「貴方の手の感触を確かめて?ほら…」
そう言って、水菜が俺の手のひらを水菜の胸に触らせる。俺は感触を頼りに触っていた。意外と当たっている。
「ここは…君の胸…?」
「ここは…乳首かな」
「弄って?舌で」
「見えない…から…どこにあるのか…わからない」
「じゃあ…特別に頭を掴んでやるわ」
水菜が躊躇う事なく銀髪を抱いて自分の唇が触れるところへ持って来てくれた。
「さぁ……いい子だから、私の乳首を弄って?」
映像の俺は舌を伸ばす。乳首の感触が口に広がると攻めたくなるんだよなあ。目隠しされても意外といける。
水菜は喘ぎながら、まるで愛犬をあやすように髪の毛を触っていた。
「綺麗な髪の毛。本当に染めた銀髪じゃないのがわかる。本当に地毛なんだ…」
「ほら…もっと触って、体中全部を」
俺は確かめるように触る。ここは二の腕。脇かここ。この辺はおへそかな。そして指が花びらに触る。
水菜が喘ぐ。俺は指に絡まるものがぬるぬるしたものだからわかった。ああ……こんなにしてくれていたんだ……。
映像の俺はまた喘ぐ。
水菜も俺の身体を舐め回すから。胸板の下の腹にくる。
「いい身体…。鍛えていて、細身なのに筋肉があって素敵。近づくのわかる?貴方の分身に舌がくるわよ」
「……まさか、ゴム着けてないよ」
「生の貴方はどんな味かな」
「や、やめて。やめてくれ…」
珍しく断る俺がいた。でも。水菜は無視をして俺のをなんの躊躇いもなく咥えた。
切なく喘ぐ俺。その映像を観る俺は複雑な気分だ。この映像の中の俺は確かに俺だ。だけど別人のように怯える。
やがて、激しい責めがきた。
水菜の生の俺をフェラチオしてくれていた。フェラをしながら罵倒する。
「先っぽから液を出している。淫乱な男…。ほら…気持ちいいでしょう?ほら…本当によく勃起するね」
「アウッ!アウッ!スゴイ…こんなの…こんなの…!」
あのときの俺は蕩けていたのか。
目隠しで覆われた顔が見えない天井を仰いでいる。
水菜の脅威の攻めでまた抜かれた。
喘ぐ俺は既に陶酔しているんだ。
映像で観る俺は、恥ずかしくなった。
「今夜は違う風にやってみたい。腕を出して?」
「ああ…」
状況を掴めてない俺は、両方の手首を自分のネクタイで縛られるなんてそんな発想は無かった。
身体がまたベッドに横たわる。
水菜がそのネクタイを固定している光景が映像で観えた。
こんなにされたのか。
目隠しと拘束プレイ。
しかし、もっと恐怖だったのは、生のアソコを弄る水菜が生の俺を欲しがっていた事。
「ああ…欲しい。生のエリオットが欲しい。どんなに濃い愛が注がれるのかな」
「そ、そんな…!やめるんだ…ウウッ!動けない…!」
「もう入れたい。いくわよ」
「やめるんだ…ウウッ!うアッ!」
「入っちゃたね……エリオット」
「スゴイ…水菜の中は気持ち良過ぎるよ」
騎乗位で咥え込む水菜の恐ろしい攻めがきた。
「コレ、イイっ!硬くて、暴れて!」
「ウウッ!!ウウッ!スゴイよお、水菜」
余りの責めを受けると俺は女になるんだな……。やられた側なのに他人行儀に映像を観る俺。水菜の腰の動きもエロスだ。快楽でヒューズ飛ぶのは仕方ないよね。
俺は手首を縛られて身体をくねらせ、叫ぶ。
「水菜…水菜…!もう…もう…!」
「まだ入れたばかりじゃない」
「でも……イク!…に、妊娠したら…君は…」
「じゃあ…思い切り、貴方の愛をぶち撒けて」
そうして白熱するセックス。
俺がイクと呻いた瞬間。
彼女が花びらから抜いて、俺の愛液が盛大に彼女を顔から身体を全部汚した。
荒い息を吐いている俺。相当体力を持っていかれたのはこれか。
水菜はしばらく、快楽に陶酔していた。
無言の間が広がる。荒い息をする2人。
赤いネクタイを外され、アイマスクを外されて、俺は映像の俺の顔を観た……。
俺は、余りの快楽に涙を浮かべていたのだ。
そして、何時もの水菜に戻り謝罪した。
「つい調子に乗ってしまいました。ごめんなさい……エリオットさん」
知っている……。
君の優しさは確かにあるよ。
大丈夫。君は傷付けていないよ。
しばらく映像を観て、想った。
この子は本当に俺が好きなんだ。
でも。俺は快楽の身代わりにしている。
このままでいいのか?
不意に涙が溢れてきた……。
まるで支えている糸が切れたように、嗚咽をあげる俺がいた……。
机に腕枕して、泣いた……。
ごめんよ…ごめんよ…水菜…。
君の虐めのような行為は、君の俺への復讐だったんだね?
本当にありがとう。水菜。
俺の快楽を深めてくれて……ありがとう。
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