崩壊した世界で刑部姫とこの先生きのこるにはどうしたらいいですか?
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コラボ章-様々なサーヴァントとマスター…そして性癖。-
ダーリンの名前はR/二天一流剣豪参上
前書き
横浜の図書館。
ありとあらゆる書物が集められるこの場所。
普段なら様々な利用客がいるのだが今日は一人も来てはいなかった。
なぜなら
「今頃、横須賀はすごいことになってるんだってね。」
この図書館の館長、源 葵がそう話し出す。
「うん。葛城財団が本気で三笠を攻め落とすらしいよ。」
彼女の疑問に答えたのは葛飾北斎のマスター、葛城 舞だ。
「地方に散らばっていた隊員達を呼び集める程ですから…余程本気なのでしょう。」
メガネをくい、と押し上げ本から顔を上げた紫式部。
葵のサーヴァントにしてこの図書館の司書である。
「だとしたら、おれ達がただここでぼうっとしているわけにゃいかねぇナ。だろ?マイ。」
葛飾北斎が自分のマスターに問いかける。
それに対し舞は、力強く頷いた。
「うん。僕達も戦いに行こう。」
「だよね。あたし達も行くよ。」
三笠にいく。
その意見に葵、そして紫式部も賛成した。
「三笠の人達、たまにここに来たりしてくれるからね。常連さんがいなくなったら寂しくなるし。」
「葵ちゃん…!」
「"ちゃん"はいらないから。」
二人と二騎のサーヴァントは三笠に行くことを決意した。
そして
「アンタらも来るでしょ?えーと…。」
「…竜胆だ。」
「そう、竜胆さん。」
図書館の隅にいる男に話しかける。
竜胆と呼ばれたその男は真っ黒なコートを羽織っているが、その髪は逆に白く目立っているという変わった風貌をしていた。
「葛城財団あるところに我らアリ。奴等の邪魔なら喜んでしてやるさ。」
と、腰に携えたメイスに手を添えながらそう答える。
そして彼の隣にいる女性、すなわち彼のサーヴァントもまた腕を組み、自信満々に答えてみせた。
「ええ、葵ちゃんには生き倒れてたところを救ってもらったし、一宿一飯の恩もあるからね。喜んで同行しましょう!」
「だから"ちゃん"はいらないから。」
図書館にいた三名のマスターと三騎のサーヴァントはたちあがる。
三笠に向かうため、そして葛城財団を倒すため。
「で、俺と武蔵にはバイクがあるんだけど、二人はどうやって向かうんだ?」
「…あー、そうだ。」
考えてなかったと頭を抱える葵。
そんなとき、舞が手を上げた。
「オルタクシーっていう速いタクシーがあるって聞いたことあるんだ。それ頼もうよ。」
「タ、タクシーって…こんなときにやってるものなの?」
「うん。電話するね。」
と、舞はどこかに電話をかける。
ともかくそれにより、横須賀への足は無事確保した。
後はそこへ向かうのみだ。
なのだが、
乗り物酔いに対して非常に弱い葵は、オルタクシーを足に選んだことをこの後死ぬほど後悔することになる。
三笠防衛戦開始から三時間。
戦況は泥沼化していた。
「あちらもあちらでそれなりに足掻いているようですね…。」
ゾンビ兵のみならず、テストも兼ねて英霊兵を投下。
じきに全滅か降参でもするかと思いきや三笠の連中は抵抗を続けていた。
「マスター、ここは私が。」
この状況を見かねたのか、ランスロットがひざまづき、マスターである置鮎に出陣の許可を乞う。
「いえ、必要ありません。」
「ですが…!」
「産廃にあなたの相手はつとまらない。今はまだ傍観していましょう。」
「…。」
出撃を拒否され、ランスロットは何も言うことなく下がる。
そんなときだ。
「よう、うまくやってるみてぇだな。」
「代表…!?」
どこからともなく、葛城財団の代表である恋がやってきた。
おそらくキャスタークラスのサーヴァントを使ってここまでやってきたと予想される。
そして、
「そのサーヴァント、気に入ってくれたようですね。」
隣には、また新しいサーヴァントが。
「ああ、それにこいつのマスター、まだ十歳にもならねぇガキだったな…取り上げて目の前で犯してやったぜ。そんときの表情ときたらもう…ぶっ、ふふふっ…!」
と、思い出し笑いで吹き出す代表。
すると隣にいたサーヴァントは
「もう!ダーリンてば笑いすぎ!あんなクソガキのことなんかさっさと忘れて欲しいし!」
かつてのマスターを"クソガキ"と呼び、自分から何もかも奪い取った代表の腕にカップルのように抱き付いた。
「ね、ダーリン♡」
「だな、鈴鹿。」
代表、そして他のマスターから奪ったという"鈴鹿御前"は置鮎の目の前であるにも関わらず熱烈なキスを交わす。
そのあまりの不快さに彼とランスロット半ば呆れたように目をそらし、隊員達も羨ましい目で見る者もいれば思わず顔を伏せる者もいた。
「ぷはぁっ♡ダーリン、さっさと帰って魔力供給しよ?」
「ふぅ…あーそういや様子見に来たんだったな。置鮎、状況はどうなってる?」
三十秒ぐらいだろうか。
キスだけでは飽きたらず、互いの身体をまさぐりながらのふれあいを終えて満足そうな顔で今作戦の指揮官の置鮎に尋ねる。
「未だ抵抗を続けてますが時間の問題です。じきに私達が押しきり、"三笠"はサーヴァント共々我々の手に堕ちるでしょう。」
「なるほど…要は順調ってことだな。鈴鹿。」
彼の報告を聞き、代表はうんうんと頷くとサーヴァントの名を呼ぶ。
「なぁに?ダーリン。」
「ケリ付けてこい。置鮎の働きぶりは素晴らしいが時間がかかりすぎだ。速攻で終わらせて"三笠"を葛城財団第二の拠点にする。」
「おっけー♡」
鈴鹿御前が三笠の方を見る。
彼女が見ているのは三笠の上に建つ姫路城。
霊基は汚染されきってはいるものの、そこにはおぼろげながら覚えている見知った影があった。
「へぇ…偶然じゃん。」
「どうした? 」
「ううん。ただ昔会った知り合いが見えただけ。そんじゃついでに挨拶してくるね!」
「そうか、それと鈴鹿。俺様は待つのが嫌いだ。」
代表が腕をまくり、手の甲を鈴鹿に向ける。
そこに刻まれているのは令呪。しかし三画だけではない。
腕全体、肘の方までびっしりとその紋章は入れ墨のように刻まれていたのだ。
「令呪を"十画"使って命ずる。『鈴鹿、宝具で一網打尽にしろ』。」
「りょうかーい♡」
刀を投げ上げると、それは一気に何百もの刀へと変わっていく。
「それじゃ、ダーリンの為に頑張りまーす♡」
愛刀、大通連を250本にまで分裂させ豪雨のように降り注がせる彼女の宝具。
「文殊智剣大神通…恋愛発破『天鬼雨』!!」
天鬼雨。
令呪を十画消費するというありえない強化から繰り出される宝具はまさにケタ違いであった。
二つの宝具を重ね合わせ、無敵の防御力を誇る『スチームオブ三笠姫路城』に対して、その刀は容赦なく突き刺さる。
サーヴァントの自爆でもびくともしなかったそれが、なんなく崩されていく。
ヘルタースケルター、そして財団の隊員をも巻き添えにしながら『天鬼雨』は三笠に致命的なダメージを与えた。
「どう?ダーリン。」
「やればできるじゃねぇか。帰ったら俺のザーメン、たらふく飲ませてやるよ。」
「やった!」
飛び上がるほど嬉しいのだろう。
彼女はそのまま代表に駆け寄り、飛び込むように抱き付いた。
「どうだ置鮎。世の中じゃ仕事ってのは速さも求められる。いつまでも勿体ぶってねぇで、ご自慢のランスロットとかいうやつを出してればもっと簡単にかたづけられたんじゃねぇのか?」
「仰る…通りですね。」
代表にそう言われた置鮎は立ち上がり、隊員達に次なる指示を下す。
「それでは、サーヴァント達を捕らえなさい。生き残っていたとしても最早虫の息。あなた方とゾンビ兵で充分に捕らえきれるはずでしょう。」
「は!」
お供として周りにいた隊員も三笠へと走っていく。
もはや三笠…スチームオブ三笠姫路城はボロボロであり、至るところに穴が空き、城は崩壊寸前であった。
「んじゃ、私も挨拶してくる!」
「その知り合いとやらが生きてたらの話だけどな!ぶっはははは!!!!」
続けて鈴鹿御前も三笠へと向かう。
そんな彼女を冗談混じりに送り出し、代表はどのようなサーヴァントが捕らえられるのか、それを純粋な子供のようにわくわくしながら待つことにした。
⚫
「…。」
何が起きた?
「無事かパリス!?」
「うぅ…なんとか。」
辺りを見渡す。
ボロボロの城内。穴だらけの甲板。さらに屋根はなくなり上は雲一つない快晴の空が見え、朝日がダイレクトに城内を照らす
「おっきー!おい!どこだ!?」
「こ…ここ。」
瓦礫に埋まりかけたおっきーを助ける。
「守りは完璧だったのに…どうして?」
「んなもん俺が聞きてーよ!」
空が光って、いきなり何かが降ってきた。
そしたらこれだ。
三笠はボロボロ。そしてバベッジ先生とおっきーの宝具が解除されかけ本来の姿に戻ろうとしている。
「とりあえず城から出るぞ!」
「うん…でも足が…。」
姫路城はいつ崩れてもおかしくない。
早いとこ出ようとしたがおっきーの足からは血が流れていた。
きっとさっき瓦礫で怪我したんだろう。
「しょーがねーな!!」
彼女をおぶり、全速力でパリスくんと共に姫路城を脱出。
ミシミシ言い始めてるのでそろそろマジでやばい。
というかなんだ?
スチームオブ三笠姫路城は無敵の要塞だ。
通常兵器はともかく、並大抵の宝具でも壊せないことは実証済みだ。
なんだ?とんでもない新兵器か?
それとも大量のサーヴァントからなる数の暴力の宝具か?
「…!」
しかしその疑問は、
崩れ行く姫路城から抜け出してすぐに解明した。
「やっほー探偵さん。元気してた?」
あの降り注いだものは刀。
何百本の刀。
刀を使うサーヴァントは多数いるが、そんな大量の刀を降らせるサーヴァントなど俺が知る限り一人しかいない。
そしてそのサーヴァントは、
過去に俺が知るサーヴァントだった。
「鈴鹿…御前?」
全員が満身創痍でかろうじて立っている中、
一人だけ無傷でニコニコしている奴がいる。
それが鈴鹿御前。
そうだ。さっきのは彼女の宝具『天鬼雨』によるものだ。
「そうそう!覚えてた?しかも探偵さんまだ生きてたんだねー。」
「…知り合いなのか?」
親しげに会話する鈴鹿御前に院長先生が疑問を持ち、血の流れる腕をおさえながら俺に尋ねる。
「はい…俺が探偵駆け出しの頃、彼女の依頼を解決したことがあるんすよ。でも…。」
「でも?」
おかしい。
何故彼女はこの三笠を攻撃した?
それに
「お前…マスターは…将はどこだよ?」
彼女のマスターの姿がない。
田村 将とかいうショタだったような気もするが、その姿はどこにもない。
「ああ、元マスターのクソガキのこと?あんなの思い出したくもないんですけど!」
「…は?」
頭の中が疑問符で一杯になる。
どうしてだ?あんなに仲が良かったのに。
もしかして喧嘩したのか?だとしても鈴鹿御前が葛城財団の味方をするようなサーヴァントか?
いや違う。
だとしたらなんだ?
いや分かってる。
分かっているが否定したい。そうであって欲しくないと願いたい。
だが、そんな願いを裏切るように
「ムカつくから殺したっての。それに今のダーリンの方が、あのクソガキより何百倍もカッコいいし!」
「…殺した?」
鈴鹿御前は満面の笑みで答えた。
そうだ、
彼女はとうに、"洗脳"されている。
霊基は汚染され、代表のことしか考えられないようになっている。
「お前…!」
「え?何キレてんの?」
握った拳がふるふると震える。
背負っているおっきーもまた、目の前のことが信じられず口をおさえている。
「まーちゃん…う、うそだよね?」
「残念ながらホントらしい。夢だったらその足も痛くはねーだろ。」
彼女は、あのときの鈴鹿御前。
しかし何らかの事件があり、葛城財団に捕らえられ…
「じゃ、挨拶も終わったしとっとと死んでくんない?あ、ダーリンはマスターの目の前で犯したいって言ってたから生け捕りか。」
鈴鹿御前がそういうと、待ってましたと言わんばかりに隊員立達がワイヤーを使って甲板へと上がってくる。
人間相手ならどうってことないだろう。
だがここにいるサーヴァントは皆、先程強化された宝具をモロに受けてボロボロの状態。
万全で戦える状態ではない。
そして、
「えへへ…れんさま!れんさまぁ!!」
抑制装置が壊れたのだろう。
ゾンビ兵は息を吹き返し、よたよたとこちらに近寄ってくる。
「へぇ…みんなして嫌そうな顔してさ。でもその顔もダーリンに犯されればみーんな変わる。最ッ高だよ?ダーリンのちんぽ♡」
かろうじて立っているサーヴァント達。
そのにらみつける目からしてまだ諦めてなどいないようだ。
「誰が好きで…知らん男に犯されるか…ッ!!」
アタランテが矢を放つ。
狙うは鈴鹿御前の眉間。
距離も近く外すことはないだろう。
腕を怪我しているという弓兵にとって致命的なダメージがなければ。
「どこ狙ってんの?」
速射した矢は彼女の顔スレスレで通り抜け、どこかへと飛んでいく。
鼻で笑い、鈴鹿御前は怒りの眼差しをこちらに向けているアタランテに対し、どこかばかにしたような目で見下ろした。
「その表情最高だし。この後ダーリンのちんぽの虜になるって考えたら最高に面白くなってきた…!」
と、それから各サーヴァントを品定めするかのように見ていく鈴鹿御前。
周囲には何十人もの隊員、さらにゾンビ兵達、
そしてまだ数機の英霊兵が残っている、
さっきまでなら勝ち目はあった。
だが今は、もうない。
この一騎のサーヴァント、鈴鹿御前によりこの戦況は葛城財団の完全有利となった。
じきに、この三笠は葛城財団の手に堕ちる。
「じゃ、捕まえちゃって。」
鈴鹿御前がそう指示し、隊員達全員が銃をかまえる。
何か策はないか、
俺も考えてるし院長先生も考えているだろう。
「ご主人。」
「…?」
そうしていると、タマモキャットが院長先生に小声で話し掛けてきた。
天鬼雨から院長先生をかばっており、その身体は誰よりも傷ついている。
立っていられるのもやっとかもしれない。
しかしそんな状態でキャットは、驚くことを口にした。
「全員を連れて逃げろ。この程度ならキャット一人でそれだけの時間は稼げる。」
「な、何を言って…!」
「三笠を失うのはしょうがない。だがご主人を失い、そして自分の存在意義を失うのはもっとイヤなのだ。だから逃げてほしい。」
自分を囮にし、逃げてくれと言ったのだ。
「さぁ、その令呪でキャットに命じてくれ…ご主人。」
「無理だそんなこと…第一お前はどうなるんだ!?」
「ちょっとそこー?うるさいんですけど?」
キャットの思わぬ発言に声を大きくしてしまった院長先生に鈴鹿御前が近寄る。
「あ、もしかしてサーヴァントとマスターの友情ゴッコ(笑)の真っ最中だった?」
「…。」
ニヤニヤしながら尋ねる鈴鹿御前。
「大丈夫大丈夫。そんなクソみたいな忠誠心もダーリンのちんぽの前じゃすぐなくなるから。きっとすぐにあんたのマスターの粗チンなんかダー」
「その汚い言葉しか吐けぬ口を閉じろ、下衆め。」
ほんの刹那だ。
完全に油断しきっていた鈴鹿御前の顔に、キャットの爪が襲い掛かった。
「った…!」
血の滴る顔をおさえ、鈴鹿御前がよたよたと後ずさる。
「よくも…っ!」
「あまり我々を舐めない方がよいぞ。追い込まれたキツネはジャッカルよりも狂暴である!!」
追い討ちをかけるがごとくキャットは飛び上がる。
彼女のどこにそんな力が残っていた?
葛城財団の隊員、そして院長先生や俺がそう思えるほどに彼女の身体はボロボロだ。
「よくも…よくも!!これじゃダーリンに顔向けできないじゃん!!」
刀をかまえ、顔を傷つけられたことにより完全にぶちギレた鈴鹿御前はキャットを迎え撃つ。
「!!」
その時だ、
一人の隊員の隙をつき、今度は院長先生が反撃に出る。
腰にあった自動小銃を奪い、そこから間髪いれず隊員の眉間に撃ちこんだ。
「おま…」
気付いたときには既に遅く、実に呆気なく隊員は息絶えた。
「院長先生!?」
「ご主人!?何をしている!!」
「キャットが頑張ってるんだ!そんなんでおめおめと逃げられるか!」
諦めるつもりはないし、逃げるつもりもない。
院長先生の目にはまだ闘志が宿っている。
どれだけ不利になろうが、彼はまだまだ戦うつもりだ。
だとしたら、
「俺達も…ここで終わるわけにはいかねーな…!」
俺も戦うしか他ない。
「立てるか?おっきー。」
「…ちょっと無理。」
「頑張れ。この仕事が終わったら二ヶ月だろうが半年だろうがいくらでも休ませてやる。」
そういい、おぶっていたおっきーを一旦下ろす。
「ホントに?」
「ああ。ただしここを生き残れたらな。」
「不可能ってことに目を瞑れば破格の待遇だね!」
キャットや院長先生を皮切りに全員が次々と立ち上がる。
そう、誰一人として諦めたものはいない。
葛城財団の手に堕ちるくらいなら、せめて足掻きに足掻きまくってやる。
そういった意地汚さがあった。
その時である。
「!!」
財団達の前に、誰かが降り立った。
「お、お前は…!?」
その降り立ったサーヴァントを見て、隊員達は驚いたような反応をした。
「劣勢であろうと輝こうとするその心意気…実に気に入りました!」
「え?」
降り立ったサーヴァントがなんか難しいそれっぽいことを言う。
いきなりやってきたこの謎のサーヴァントに混乱する院長先生。
今やってきたのは三笠のサーヴァントではないのか?と思うかもしれないがそれは違う。
奥の手でもないし切り札でもない。
そもそも
「よってこの武蔵、助太刀いたしましょう!」
三笠に、宮本武蔵はいないからだ。
「武蔵だと!?」
「あの宮本武蔵だ!!捕らえろ!! 」
宮本武蔵が現れた瞬間、彼らは目の色を変えて襲い掛かる。
各方向からやってくる三名の隊員。
洗脳弾が装填されたマシンガン。
サーヴァントにとって脅威なのは確かだが彼女の表情は余裕そうで、笑みさえ浮かべている。
「遅い。」
腰に携えた二本の刀を抜き、目でとらえきれないスピードで隊員達の間を駆け抜ける。
気付けば後ろにいた武蔵。
刀をヒュンと振り払い鞘に納めると、それと同時に隊員達から血が吹き出し、おまけに英霊兵の一騎が真っ二つに両断された。
「お前…ダーリンの言ってた…!」
タマモキャットと鍔迫り合いをする鈴鹿御前が武蔵を見て気付く。
「いかにも。私こそが宮本武蔵。葛城財団あるところに私アリ。アンタ達の邪魔なら全力でしますってね!」
そうして俺達の方に振り返り、彼女は意気揚々と言い放つ。
「というわけで皆さん。あなた達の敵は私の敵。まぁ他に色々な理由もあるけどさっきも言ったように助太刀いたしましょう!」
「だってよ…院長先生。」
「助太刀…だって?」
いきなりやってきたこの武蔵ちゃんはなんと協力してくれるのだという。
怪しさ満点だがこんな強力なサーヴァントが味方ならとてもありがたい。
なので、
「じゃあ分かった。是非とも協力してほしい。」
院長先生もこれにはOKを出した。
「宮本武蔵…アンタはダーリンの敵!見つけたら必ず捕まえろって言ってた…!!」
キャットを弾き飛ばし、殺意を剥き出しにして鈴鹿御前は武蔵ちゃんをにらみつける。
さらに他の隊員たちもそうだ。
何故だか知らないが皆、武蔵ちゃんにターゲットをうつした。
よほど怨みでも買っているのだろうか。
「ご主人。」
満身創痍ながらも鈴鹿御前に立ち向かったキャットが院長先生のもとに戻る。
「ご主人の覚悟は分かった。だから逃げろとは言わない。」
「ああ、逃げはしない。一緒に勝ちに行こう。」
「うむ。予想外の助っ人に勝機は見出だした。勝利の報酬にはニンジンをいただこう!」
二人同時に駆けるサーヴァントとマスター。
隊員達は一斉に銃を向ける。
ゾンビ兵や英霊兵もまた再起動し、彼らに襲い掛かる。
ここが正念場だ。ここで頑張らずしていつ頑張る?
「悪あがきもいい加減にしろッ!どうせここのサーヴァント全員!ダーリンの虜になるんだから!!」
やってやろうじゃないか。
サーヴァントをなめきっている葛城財団を、思い切りギャフンと言わせてやろうじゃないか。
後書き
かいせつ
⚫この鈴鹿御前誰?
ハーメルンで読んでいた人はご存じかもしれませんが、過去にまーちゃんに依頼したことのある鈴鹿御前です。
元々マスターがいたのですが不慮の事故でなくなり、代わりに弟がマスターとなったのです。
要はおねショタです。
でも純粋な彼と鈴鹿御前の旅は長続きしませんでした…。
⚫NTRは嫌いなのでは?
はい。クソ作者はNTR大嫌いマンです。
特におねショタでオッサンやチャラ男が割り込んで寝取るのは大嫌いです。
しかし葛城財団、もとい代表の非道さを書くため色々考えた結果、このようになりました。
もう二度と書くもんか。
⚫鈴鹿御前の元マスターのショタは?
死にました。
目の前で鈴鹿御前が犯されるのを無理矢理見せられた後、洗脳された鈴鹿御前本人により殺されました。
唯一の救いは一撃で死ねたことくらいです。
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