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装者達が勘違いしている件について

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2話(響①)前半

 
前書き
出張地獄の後の連勤地獄、社会の歯車たる社畜の定めよ…………(愚痴)

紳士皆様へ→作中キャラクターは全て18才以上です。

ソウデスヨネ(力説) 

 
立花響(タチバナヒビキ)

シャギーの入ったショートカットに、メリハリのきいたナイスバディ、更に顔は美人と、一分の隙もない美少女である。

更に性格も善性で気さくとくれば、パーフェクトと言わざるを得ない。

だからこそ不思議に思う。

この世界の人、割りとノイズ関連で我慢しなさすぎじゃない?

いや、確かに理不尽ではあるのだ。

ノイズと呼ばれる超常物体の顕現。

出会うイコールほぼ『死』であり、自身のような腐れチート野郎という裏道でもない限り、対応できるのは『シンフォギア』と呼ばれるオーパーツで超常能力を得た女性のみ。

しかも、頻度が高いので亡くなった方への政府の保証も万全とは言えないし。

だからなのか。

とあるライブ会場の観客の中で唯一といって良いほど生き残ってしまった『立花響』という女の子が晒された悪意は、現代社会の常識を持った誠治郎からすれば、『?』と思えるほど不当に苛烈だった。

いや、なんで直接被害を与えた訳でなはい響の家に凸するの?

マスコミも何故煽る?

え?お前はそもそも事件が起きる前にどうにか出来なかったのかと?

いや、俺の能力は割りと金銭稼ぐ事や治癒、調理などに特化してて、別に戦闘に特化してないし。

自分なりにツヴァイウイングのライブで悲劇を起こさないよう努めようにも、まさか未来視のような原作知識は口に出来ないし。

出来たとしても信じてもらえるか不明だし。

同様の理由で、チケットの買い占めなんて理由もなく出来ないし。

まあ、一度試そうと思ったら政府の息がかかっているツヴァイウイングのライブはそもそも買い占め出来なかったのだが。

話が逸れた。

結論として、無理だった自分はしぶしぶ出来ることをした。

例えば『死ぬはずだった装者を助ける』とか。

まあ、それについては後に話そう。

目下の問題は…………

「誠治郎さん!ごろごろ~!」

自分の膝の上で、楽しそうに猫のように柔らかい体を擦り付ける響である。

ふむ…………控えめに言っても最高だな(絶頂)

いや、洗脳ではないよ。

個人的な嗜好としては嫌いではないが、それをやって響の家族やその他(特に未来ちゃんに)言い訳できる気がしないし。

やはりなー、未来ちゃんは強敵やで(違)

まあなんだ。

俺は確かに、防人&魂イケメンのような一騎当千の力はない。

だが、存外、フィクションではおざなりになりがちな『財力』とか『権力』も、現代社会に生きる時には馬鹿に出来ないもので。

ええ、やりましたよ。

国民的なアイドル会場で起こった悲劇。

そのお悔やみをテレビで全国放送。

そして、全国の被害者の遺族等の家に赴き、政府とは別にお悔やみ代として葬式代を手渡したてきた。

え、ただで配って会社を傾けるんじゃないかと?

いやいや、それは色々あるのさ…………

え、言わなきゃダメか?

いや、簡単に言えば、ノイズ被害の多数さで、遺族に対する保証が満足に出来ない政府と交渉して、ええ、支払った額の4分の3くらいの額の企業への税金、チャラにして貰いました。

え、それでも割には合わないだろうって?

いや、存外、お悔やみを社長自ら会って渡すって馬鹿に出来ないもので。

ええ、宣伝効果で前年の8割増しぐらいですよ、売上。オッーホッホ(フリーザ風に)

とまあ、そんな感じで。

当然、遺族どさまわり終わった後に被害にあった響の家にも出向き、心ない落書きも家の破損もサービスで全て消して。

『今まで大変だったね、大丈夫だよ』と言う訳ですよ。

ええ、響くんべったりですわ。

まあ…………親父さんが逃げてたのは偽りなしに残念だけど。

え、なんで目的が響なら、最初に行かなかったのか?

いや、言いにくいけど、ライブの観客の被害者達は、ノイズという『天災』で亡くなった家族などの悲しみや怒りを(どうかと思うが)生き残りの響にぶつけているわけだ。

だから、『更に響を先に優遇すると』更に燃料投下になる。

だから、メディアも巻き込んだ遺族どさまわりで(たとえ見当違いでも)遺族の怒りを静めた後、響の家に向かうプロセスは踏まなきゃならなかった。

逆にそうすることによって『なんで響だけ…………』という気持ちを抑制できるし。

例えば響の家に向かう自分をドキュメンタリーでテレビに映し、かつ『天災で遺族を亡くした悲しみは分かりますが、それを大怪我を負った女の子にぶつけるのは違うでしょう!』と言っても反発よりも納得が上にくる。

何故なら、『その前に自分達が先に優遇されているから』

止めに『一人の大人として、か弱い女の子の家にこのような被害を与える人間を許すことは出来ない!』とメディアで映せば、完成である。

何故なら、ここまでのプロセスで響たち家族に対する印象を『被害者』に変えたのだから。

これ以降、本当の遺族だろうが野次馬根性のくそ野郎だろうが、彼女の家族に手を出せばそいつこそ『社会悪』であると、全国規模で認識させたのだから。

とまあ、ここまで説明してから言うと薄っぺらに聞こえるが、響の境遇を不遇だと感じたのは別にポーズではない。

美少女と深い仲になるのも好きだが、生来の性根で、元々『何も悪くないのに回りからいじめられる』とか好きでないのだ。

だから、響やお母さんが元気になって本当に良かったし、病んで出ていってしまっているお父さんのために、その事は記事にしないよう、裏から箝口令を敷いている。

まあ、『汚い大人のやり口』と言われると否定できないのは事実ではあるが。

「…………ねえ、誠治郎さん!」

気がつくと、響の声が顔の辺りから聞こえてきた。

どうやら、正面から抱きつく形に変えたのを気づかなかったらしい。

「…………ああ、すまないね、どうやら仕事疲れでふらついていたらしい」

そう言うと直ぐに響は血相を変えた。

「え、だ、大丈夫ですか!」

そっと額に手を当てたり、首筋に手をかざす響にいとおしさを感じながら、その手首をそっと捕まえて、キョトンとした響の唇を塞ぐ。

直ぐに意図を察し、響は両腕を首に回し、彼女の口内に伸ばした舌を自身の舌でそっと絡みとる。

しばし、淫靡な口音だけが、部屋に響く。

そして、響の目が快感で微睡んだ時を見計らって、唇を放した。

「あっ…………」

キス好きな響が残念そうにそう口にするが、残念ながら誠治郎の股間の息子は既に臨戦態勢である。

当然、キスだけで済ませるつもりも無かった。

どうやら、彼女も分かったらしい。

座っている誠治郎の膝の下で起立するぺニスに気づいた響は、恥ずかしそうにモジモジしながら、耳元で囁く。

「その…………我慢できませんか?」

ふむ…………うむ。なるほど。

潤んだ瞳。紅潮したすべらかな肌。

これは誘い受けですね。間違いない(断定)

羽のように軽い響の体を、両腕で持ち上げると、誠治郎は確固たる足取りで、寝室に向かっていった。

第2話(前半)了


 
 

 
後書き
エロは後編にやります(社畜ゾンビより) 
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