崩壊した世界で刑部姫とこの先生きのこるにはどうしたらいいですか?
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コラボ章-様々なサーヴァントとマスター…そして性癖。-
Cはご主人の味方だワン/策士になる探偵
前書き
こんにちは、クソ作者です。
開幕謝罪です。本当に申し訳ありませんでした。
色んなことがあって、このコラボを半年近く待たせ続けた挙げ句、ハーメルンではなく別のサイトで書くことになろうとは誰が思ったでしょうか。
クソ作者とこうなるとは思いませんでした。
とはいっても、全て自分の責任なのでしょうがないんですケド。
さて、そういった謝罪は早めに済ませ、本編に行きましょう!
サイキライカさん!本当にすいませんでした!!!
ではどうぞ!!
「んじゃあ頑張るんだよ!」
ドレイク船長からの激励を受け、俺達は三笠への第一歩を踏み出した
「やっとだね…。」
「ああ。」
三笠記念艦を改造し、孤児院となったこの艦。
そこには既に迎えが来ており、一人の男の周りに複数のサーヴァントもいた。
「ようこそ三笠へ。この三笠孤児院で院長を勤めてる佐伯 魁良だ。」
そういい、ここの院長である彼は俺達に挨拶を交わす。
「探偵の一 誠です。こうやって顔を合わせるのは始めてっすね。」
院長先生とはメールで何度かやりとりはしたことがある。
だがこうやって顔を合わせるのは始めてだし、何より彼は思ったより若かった。
院長っていうからオッサンかと思ってたぜ。
「思ったより若いな。歳は?」
「17っす。まぁこのご時世俺と同い年でイルカショーのオーナーしてる人もいますし、珍しいことじゃないでしょ。」
あっちも同じことを思っていたらしい。
「そしてこちらが依頼の品…いや、依頼のサーヴァントのアンデルセン、そしてマスターの子安さんです。」
「ここが三笠か。悪いところではなさそうだ。」
これから住まわしてもらうのにそんなこと言うのかよ。
「私が彼のマスターの子安。元葛城財団の職員なの。よろしく院長先生、」
子安さんは自分の経歴は隠さずハッキリ言い、院長先生と握手した。
「葛城財団…か。」
「もしかして、ダメだったりする?」
意味深げに呟く院長先生。
本財団勤務はダメとは書かれてなかったけど?
「いや、ダメじゃない。むしろぜんぜんOKなんだ。ただ…。」
「ただ?」
少し考えるような仕草をし、院長先生は言った。
「申し訳ないが、今回は帰って欲しい。」
は?
「か、帰るってどういうことっすか!?」
折角アンデルセンを連れてきたのに帰れとはなんだ帰れとは!
俺達の苦労も知らねーでよぉ!!!
「悪い意味じゃないんだ。ただここは…近い内"戦場"になる。被害を少しでもなくしたいから、君達みたいな人をここにいさせるわけにはいかないんだ。」
戦場…だって?
それに葛城財団と聞いて眉をひそめてたなこの院長は。
だとすると…
「葛城財団と、戦うんすか?」
「…!」
「大方あれっすかね?あっちの無茶な要望を断って、売られた喧嘩を買いにいくって感じですか?」
「…さすがは探偵さんだ。大体そんな感じだよ。」
ほら図星だ。
「立ち話もなんだし、折角のお客さんを来て早々帰すのもアレだ。中に入ってその話をしようか。」
⚫
談話室にて。
「まずは私から説明いたしましょう。」
俺達がソファーに腰掛けると、院長先生のサーヴァントであるジル・ド・レが話を始める。
キャスターの方じゃない、セイバーの方のまだ大人しいヤツね。
「葛城財団というのは…ご存じですね?」
「もちろん。他の依頼でも散々ぶつかりましたから。」
「私も元職員だし。」
「話が早くて助かります。早速本題に入りましょうか。」
そうすると院長先生がソファーの前にあるテーブルに、一枚の紙を置いた。
「契約書…?」
「そうだ。この三笠を支援する代わりに、サーヴァント達をこちらに譲渡して欲しいという契約書だよ。」
渡されたのは何の変哲もない契約書。
いや、何の変哲もあるな。だってくしゃくしゃになってる辺りきっと一回捨ててるもん。
「やつらにしては…至極真っ当なこと書いてありますね。」
とりあえずその契約書に目を通してみると…
サーヴァントを譲渡する見返りとしては、資金援助や介助スタッフの派遣。さらには食料などの支援物資を送るなどそういったことが書かれている。
「そう思うだろう。だがこれを見て欲しい。」
そういうと談話室のスクリーンが降り、電気が消えるとあるものが映し出された。
この紙、契約書だ。
「ここ、あるだろ。」
院長が指差したのは何かの線。
いや、線じゃない。何か文字が並んでいるが、小さすぎて線のように見えてるだけだ、
「ジル、拡大してくれ。」
「かしこまりました。」
映写機のようなものをいじり、その小さな文字が拡大される。
その内容とは
「なにこれ…!?」
「こ、こんなの詐欺じゃねーかよ!?」
そこにはこう書かれていた。
『三笠は全てのサーヴァントを葛城財団に譲渡し、以後、召喚されたサーヴァントはその所有権を全て葛城財団に献上するものとします』
と。
「あの時この文章を見逃していたら、大変な事になっていた。奴らはこれを、この契約書の全ての内容を把握した上で渡してきたんだ。」
もしここにサインしてしまっていたら…と思うと俺でも寒気がする。
要はこの三笠は葛城財団のものになるといっても過言ではないことだ。
さらに他のサーヴァントの召喚に成功したとしても、それの所有権は全て三笠のものとなる。
つまりは…
「代表の…オモチャになる…。」
「…?」
子安さんの言ったことに院長は反応した。
「オモチャ…だって?」
「ああ。連れてこられたやつはまず、強制的に代表との魔力供給をさせるのさ。それで奴は人から奪ったサーヴァントでハーレムを形成してた…。」
分からなかった葛城財団の目的、
それは女性のサーヴァントを拉致し、代表のものとすることだったのだ。
世界を征服するとか、神様になるとか、そういった大それたものじゃない。
ただそいつは…性の捌け口が欲しいがためにそうしている。
「それは…酷すぎる…。」
あまりの内容に院長はそれしか言えなかった。
『酷い』。本当にただただそれだけだ。
「その文章が判明したときのご主人はすごいものだったぞ。財団職員をボコボコにした後口に銃を捩じ込んでな…。」
そういいながらやってきたのはあのサーヴァント。
玉藻の前が切り離した尻尾が意思を持ち、新たな存在となった通称タマモナイン。
その内の一騎、タマモキャットである。
「その時たまたまキャットがやって来ていなければ、彼はネギトロよりも凄惨な死体になっていただろうナ。」
ボコボコにした挙げ句口に銃を捩じ込む?
確かに自分のサーヴァントを勝手に人のモノにされてはブチギれるだろう。
けどやることえげつねーのな。この院長先生。
「キャット…見張りはどうした?」
「客人の気配がしたので後はアタランテに任せ迅速に帰還した。客が来たのなら誰であろうともてなさなければならないのがご主人のサーヴァントたるもの。それがキャットなのだゾ。」
待て。
今このタマモキャット…院長先生をなんつった?
「あの…院長先生。」
「どうした?」
「院長先生のサーヴァントって…ジルでは?」
俺の問いに対して院長先生は慣れた感じで答えた。
「ああ、そうだよ。ジルは俺のサーヴァント。そしてキャットも俺のサーヴァントだ。」
マジ?
「ちなみにジキルと黒い方のアタランテとも契約している。色々と罪深きご主人の所持するサーヴァントは計四騎だ。」
「罪深きって言うな。ここをやっていく上ではどうしても人手が足りなかったんだ。こうするしかなくってさ。」
なるほどな。
まぁ他にも多数のサーヴァントと契約してるっていうマスターは噂で聞いたことがある。
「というわけで粗茶だ。受けとるがよい客人。」
タマモキャットからお茶を受けとる。
なんだそれは。粗茶ってそんな上から目線であげていいものなのかよ…。
「そんなわけで俺は契約書を叩き返し、やってきた財団職員をボコボコにして帰した。そうなるとおそらく葛城財団もなにもしないというわけにはいかないだろ?」
確かにそうだ。
だからこの人は、
「あっちが来るなら、こっちも全力で迎え撃つ。その為に今俺達は戦う準備をしてるんだ。」
戦うという選択肢をとった。
「そういうことがあってここは"戦場"になる。だから探偵さん。落ち着いた頃にまた彼女と一緒に来て欲しい。」
そう言い、院長先生はジルに「例のものを。」と言い何かを持ってこさせた。
少ししてジルが持ってきたのはアタッシュケース。
そう、これは
「報酬金の5000万だ。先に渡しておくよ。」
ずっと欲しかった5000万が入った、夢のアタッシュケースだ。
けど、
「悪いけど院長先生。俺、今それは受け取れないっすね。」
「!?」
俺の予想外の答えに、思わず隣にいたおっきーが立ち上がった。
「ま、まーちゃん!?何言ってるの!?」
「"今は"受け取れねーっつってんの。ただ、5000万をこのままもらうのは少々"釣り合わない"気がしてさ。」
「つ、釣り合わない?」
普段通りの俺ならば、ここでさっさともらってどこか安全な場所で悠々自適に過ごしていただろう。
だが今回は話が違う。
「葛城財団とドンパチする?中々面白いことしようとしてるじゃありませんか院長先生。俺も混ぜてくださいよ。」
「!?」
おっきーが驚き、院長先生もまた驚いた。
「たっ、探偵さん!これはあくまで俺達のことだ!わざわざ君が介入するような事じゃ…」
「いや、俺結構根に持つタイプでしてね。あいつらに関しては鬱憤が溜まりに溜まってるんでどこかでギャフンも言わせたいなと思ってたんですよ。」
許すもんかよ。
俺のおっきーを、取ろうとしたことをよ。
「どうです?ここは手を組んで奴らをブッ飛ばしませんか?」
「…。」
院長先生は黙っている。
「どうするご主人。探偵はああ言ってはいるが?」
「…その、ギャフンと言わせられる策は…あるのか?」
真面目なトーンで尋ねる。
当然だ。なきゃこんな自信満々に言えねーからな。
「ええ、ありますとも。」
「どれくらい協力してくれる?」
「まぁ5000万分の働き…簡単にいうなら、そうっすね。全面協力に決まってるじゃないっすか。」
「…ありがとう。」
院長先生と握手を交わす。
そして
「私も協力するよ。あの憎たらしいクソ野郎共に吠え面かかせられるのなら大賛成だ。」
子安さんも、ここに残ることを決めた。
「ありがとう。味方は多い方が助かる。」
「それじゃ、お言葉に甘えて早速なんだけどここには研究施設、もしくはそれっぽいのはある?」
そう、子安さんは元職員。
研究結果や手柄を横取りされた経験がある彼女は、きっと有能な研究者だったに違いない。
「あるにはあるが…どうして?」
「奴等がどういった手段をとるかはあらかた予測できる。できるだけ対抗策を作っとくのさ。」
「なるほど…ジル。彼女をキャスター達の魔術工房へ。」
「かしこまりました。」
ではこちらへ…と子安さんとアンデルセンはジルに案内されどこかへと向かった。
「探偵さん。」
「なんすか。」
俺とおっきー。そして院長先生とタマモキャットのみになった談話室。
「一体どうして、俺達に協力してくれるんだ?。」
「ただの私怨っすよ。」
可哀想とか、奴らの好きにはさせない!とかそんな主人公みてーなキレイな理由じゃない。
そう、私怨だ。
「あいつらには大事なモンを取られかけたことがありましてね。人のモノを取ったらどうなるか、痛い目見せてやりたいだけっすよ。」
「…。」
「ふむふむ。そこな引きこもり、随分と大切にされているようなのだナ。」
院長先生は納得したような顔をし、タマモキャットはうんうん
と頷きながらおっきーを見て言った。
「私怨…か。」
「なんだよおっきー。」
意味深げに呟くので思わずどうかしたのかと聞く。
「ううん。まーちゃんらしいなって。」
「当たり前だ。俺はいつでも"俺"だっての。」
「良かった。いつも通りのまーちゃんだ…。」
「なんかいった?」
「ううん。なーんにも?」
そして俺達は立ち上がる。
さて、まずはこの艦のことをよく知らなければならない。
それとここに住んでいるサーヴァントのことも熟知しておかなければ。
この戦いに勝つため、いや、葛城財団に精一杯の嫌がらせをするために今から俺は策士になる。
今に見てろよ。
横須賀に二度と踏み入れられなくしてやるからな。
⚫
数日前のことである。
「で、契約を破棄されたと?」
「はい!そうなんです!急に豹変したかと思えばいきなり殴りかかってきて…!!」
葛城財団本部最上階。
ただっ広いその部屋は大きなデスクと高級そうな椅子があるのみで、他には何もない。
代表、葛城 恋はそこにふんぞり返り、満身創痍である財団職員の話を聞いていた。
彼はついさっき、三笠を訪れ例の契約書を渡した張本人である。
完璧に被害者面をしているが、どう考えても悪いのは財団側だ。
「なるほど、つまり三笠の奴らはマンコ共を渡す意思はこれっぽっちもねぇ、と。」
「はい!彼らは完全に私達葛城財団を敵に回しました!奴らは…私達に喧嘩を売ったのです!!!」
「ほう…。」
代表がデスクの上にある端末機器に触れ、どこかへと繋ぐ。
『いかがされました?代表。』
「実働部隊を呼び戻せ、武蔵の追跡を中止したのち、三笠の孤児院を落とす。」
『かしこまりました。』
通話が切れる。
代表の眼鏡の奥にある目がにんまりと歪んだ。
「三笠の奴等に思い知らせてやろうか。俺様率いる財団に喧嘩を売ったらどうなるかを。」
「はっ!さすがは我らの代表恋様!!あなたの野望のため、私も全力で協力いたします!!」
代表、葛城 恋はこの瞬間をもって三笠を攻め落とし、強制的に自分のモノにすることを宣言した。
代表がその気になり、院長にボコボコにされた恨みを持つその職員も思わず代表の太鼓を持ち始める。
だが
「何言ってんだ?お前。」
ずるり、
何かが滑り落ちたような音が聞こえる。
「え…?」
「契約を破棄された挙げ句、おめおめと逃げ帰って財団に泥を塗ったてめぇに"この先"があると思ってるのか?」
倒れる。
だがおかしい。
視線の先には、自分の足がある
しかし数テンポ遅れて、財団職員は今自分に何が起きているのか理解した。
「役立たずは死ね。それがこの財団のモットーだ。」
代表の隣にはいつの間にか彼のハーレムの一人であるサーヴァント、ジャック・ザ・リッパーが。
その手に握られた獲物には、既に血が滴っていた。
そう、自分はいつの間にか上半身と下半身をスッパリと両断され、致命傷を負っていたのだ。
「あ…ああ…!」
力なく、その手を代表に伸ばす。
だって仕方がないじゃないか。
ああすればうまくいくと思ったのに、なのにどうしてあの文章がバレた。
あいつが悪い。自分がこんな悲惨な目に遭ってるのは、間違いなくあの三笠の院長とかいうふざけたやつが悪い。
あの商談が成功していれば…自分は間違いなくサーヴァントを手に入れることができたのに…!
「やだ…やだ…!死にたくない…!!死にたくないぃ!!」
「邪魔だな…片付けとけ。」
「はい…れんさま。」
代表の隣からサーヴァントが消えたかと思えば、今度は職員の目の前に現れた。
両手に握られているそのナイフ。
避けられぬ死は、彼の必死な叫びを嘲笑うかのようにすぐそこまで迫っていた。
「じゃあね。バイバイ」
その言葉と共に、眼前に迫るナイフ、
そこで彼の意識は途絶えた。
後書き
登場人物紹介
⚫院長先生
本名は佐伯 瑰良。
だが周囲の人達からは院長と呼ばれることが多い
。
彼が所持するサーヴァントはタマモキャット、アタランテ(オルタ)、ジルドレにヘンリージキルなど非常に多いがこれにはちゃんとした理由があるが、ここでは割愛。
仕事熱心で割りと常識人ではあるものの、とあるスイッチが入ると大変な事になる。
いきなりブチ切れたり、自らのサーヴァントに対して狂信的な程の愛情をぶつけたり(意味深)など、普段は温厚な彼からは考えられない行動を取ることがある。
⚫タマモキャット
院長先生のサーヴァントの一騎。
喋り方がマジでわかんない。クソ作者最大の難所。だれかたすけて。
そういう隙自語は置いといて
院長先生が最初に召喚したサーヴァント。
彼に対して忠実であり、時には自分を犠牲にすることもかまわないマスター一途な一面も垣間見せる。
ちなみに第三礼装のソレは…何かロマンがあるよね!!
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