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装者達が勘違いしている件について

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4話小日向未来①(前編)

 
前書き
エロは後編です 

 
友達に意図しない形で、何かしら不利益を与えた場合、どう謝罪すれば良いのか?

何か自分がやってしまったら、そりゃあ面と向かって謝るだろうが。

それが全く意図していない、予想外の形である場合、そりゃあ誰だって謝り方に悩む。少なくとも自分はそう思う。

小日向未来という少女の身に起こったのも、そういう事であった。

いや、別に今回は悪巧みしてないよ?

誠治郎嘘付かない(カタコト)

とまあ、冗談は置いておいて。

小日向未来という少女との話を始めよう。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

彼女と知り合ったのは、半分偶然で、半分は故意である。

とまあ、抽象的に書くと非常に分かりづらいので、簡単に述べると。

原作でやっていた、奏が死ぬはずのライブ会場付近にたまたま(建前)居た誠治郎が、奏が死なないように応急処置をしたって、だけ。

実際、ライブチケットは取れないまでも、ライブチケットは誰が当てたのか?は存外(裏の伝から)分かるし、倍率が高いチケットを二人同時に当てた日、ってのは直ぐに分かった。

まあ、分かっただけで未然に防げてねーじゃん、と言われりゃ言い訳出来ないが。

全く戦闘に向かねー能力なんだ。勘弁してくれ。

とまあ、ここまで待たせといてあれだが。

この話をするときに通らざるおえない説明…………つまり誠治郎の『転生者』としての能力なんだが。

まず、前提として、俺は転生前にその世界について大まかにか知らない。

『現代社会に似通った世界』としか。

だから考えた。

一般的な現代社会人で、なおかつ、特技が高校から大学まで働いた料理店の経験しか持たない俺から見て、ベストな能力を。

それが、自分の『転生特典』を、料理スキルにした理由だ。

『医食同源』と呼んでいる、この能力は、一本の包丁を起点とした回復能力の発現。

つまりは料理に医療『的』な効果を付加できる能力です。

え、お前の能力大したことなさそうって?

………………そうね。名前が地味だから分かりにくいよね。

でもこの能力、ショボい能力に見えて一応転生特典なんだ。神から貰った能力なんだよ。

その世界の他の能力や武具に見劣りがする能力は、神のプライドにかけて与えられなかったらしく。

つまり、『聖剣』や『聖槍』が変形して地球規模の災害を防いだように。

ト○コや中○一番のような奇跡レベルの事も出来ます!凄いね!(自画自賛)

バトルに適した能力にしなかったのはあれです。運動神経に自信が無かった(人並ぐらい)なのと、個人的に頭固いので『どんな相手にも有利取れそうな能力』が思いつかなかっただけです。はい。

とまあ、能力の詳細はまた今度詳しくやるとして。

とりあえず準備の甲斐あって、ギリギリだけど奏ちゃんの散華前にたどり着いた俺は、特製スープにより奏救出成功!

ついでに残りのスープ飲ませて響ちゃんの体調も良くしました!

以上!解散!

ん、他の民衆は?

いや、会場の外側のドアは開けたから、いくらか脱出出来たよ。

全員助けられなかったのか?

いや、だって俺の能力、ベースは料理作成だから。

原作主人公のような無双は…………一介のコックには無理です。

まあ、腕がもげたとかならなんとかなるんだが。

あれでしょ、ノイズって、触る→死じゃん。

斬るとか撃つとかじゃなく、触る→死は割りと回復能力者(死者蘇生は無理)には無理ゲーすぎる。

ん、なんで死者蘇生は無理かと。

いや、一応料理人なので。『口に物を入れる』のがスキル発動条件なんで。

一度ヨーロッパで、『死にかけの少女』を助けたけど、まあ、あれはまだ『食べ物を摂れる状態だったし』

まあ、『戦闘型のシンフォギア』のように、敵をバッタバッタまとめてなぎ倒すのは無理と覚えて貰えれば。

とまあ、自分の話はここまでにして、小日向未来という少女についての話に戻ろう。

小日向未来。

日本人らしい黒髪をショートに整え、白いリボンをあしらった清楚な髪型に、おっとりとした目を中心として目鼻立ちの整った少女、一言で言えば可愛らしい少女である。

彼女との出会いは、響と奏を病院に入れた、その日に遡る。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「あの、私、ひび…………立花響の友人なのですが、この病院にいらっしゃいませんか?」

彼女はそういって、怪我人ごった返す病院に足を踏み入れた。

ふむ…………さてどう対応するか。

酷い言い方をすれば、彼女は『部外者』である。

おそらく大事な友人のために必死で早く来たのだろうが、親族でない人間を人がひしめき合う病院に無制限に入れる訳にはいかないし、親族と違い本人照会に時間がかかる『友人』という立場の人間をチェック出来る人員が不足している以上、彼女の申し出は悪手ではある。

彼女の友人を案じる気持ちが悪い訳ではない。

ただ、こういった多数の人間の不幸を記事にするようなパパラッチから被害者を守る病院の立場だと、被害者の友人と言っているだけの人間をこの状況で受け入れられないだけである。

「申し訳ないが、今は怪我人で溢れていてスタッフに手の空いた人間が居ないんだ…………面会は後にしてもらえると…………」

案の定、恐らく警備員の取りまとめをしている人間から、静止の言葉が送られる。

ふむ、まあ分かる事情だ。

だが、自分としてはここで彼女に恩を売れるタイミングを逃す気は無かった。

「小日向未来君、だよね。立花響さんとは、君と同じくらいのショートカットの少女で間違いないかな?」

誠治郎はすかさず、カットインした。

「真琴さん!」

生真面目な警備員が、静止する。

まあ、常識的な対応だわな。

だが私は躊躇わない。

「いやいや、君が職務を全うするからこそ、このような事を言うのは理解できるとも。しかし、個人的にはこのように必死に友人を見舞う子は応援したい。どうだろう、この子の責任は自分が取るから見逃してくれないかね?」

そう言って頭を下げる誠治郎に、警備員はため息と共に返す。

「こういった横紙破りはこれっきりにして頂きたい…………ではお願いしますよ」

そう言って彼女の背は軽く誠治郎の前に押し出された。

「…………あの、貴方は?」

感謝、疑問、困惑。

ない交ぜになった表情を顔に張り付け、前に来た未来に、誠治郎は笑って答えた。

「君の友人の恩人かな?」

その言葉に、彼女は困惑を深めていった…………

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

それからはまあ、あれよ。

自分が取ったチケットで響だけがノイズ被害に遭ったことに落ち込む彼女を励まし。

響に謝りに行くときも一緒に行ってあげたり。

どどめにメディア向けに(未来視点から見て)響を護るような発言をして、好感度大幅アップですよ(ゲス顔)。

うん?お前、前に同じ事を二人にやってたが、責任取るつもりあるのかと?

あるさ!そのために法律も手を回して一夫多妻を認めるように働きかけたからね!

…………うん、愛人とこそこそとかも憧れるがね。

やっぱサイヤ人もびっくりな人間凶器スキル持ちに修羅場作る勇気は…………うん、ない。

え、お前は自分の欲望優先じゃなく、その能力を公共の福祉とかに役立てろよ?

個人的に『無私の奉公』とか苦手なもんで。

ほら、可愛い子とイチャイチャ出来るのはね、モチベーションがね、違うよね。

…………ごほんゴホン、なんでもないわ。

まあ、しゃーないやろ。

俺は、腹を刺されたり、『ナイス○ート』せずに。

色んな女の子とイチャイチャしたい。(カス的発想)

とまあそんな感じで(唐突な話題変更)

いやあ、頑張りました(笑顔)

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

小日向未来にとって、真琴誠治郎の第一印象は『よくわからないけど良い人』である。

彼との出会いの形は、響の見舞いという形でそこまで良くは無かったが。

彼は響と私を、非常に気を使ってくれた。

それだけ?とよく言われるが、私にとって、その『それだけ』がどんなに嬉しかったか。

大々的に報道される事件。

面白半分に煽るパパラッチ。

(自分の関わったライブ関係の事件の後で)失踪する響の父親。

その全てに対応してくれた彼を、気にならない、という方が難しかった。

正直、『世間の悪意』というものに翻弄されていた私や響にとって、彼は短い間なれど、非常に頼りになり。

気づけば彼を意識していた。

…………ちょっとエッチなのは、玉に瑕だけど。

(後編に続く)
 
 

 
後書き
目下制作中(後編) 
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