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崩壊した世界で刑部姫とこの先生きのこるにはどうしたらいいですか?

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ほんへ
コラボ章-様々なサーヴァントとマスター…そして性癖。-
  画狂H/洗脳弾の恐怖

 
前書き
どうも、クソ作者です。
ハーメルンの方でも他の作者様方の活動が活発になっているので暁にいる私クソ作者も頑張りたいと思います。 

 
日は暮れ、時刻は八時過ぎ。
俺達を乗せたハインド商会の船は三笠を目指していた。

「…。」
「隣、いい?」

甲板で一人でいると子安さんがやってくる。
懐からタバコを取り出し、吸っていいかと聞かれたのでオーケーした。

「ありがと。あいつのいるトコで吸うとグチグチうるさくてね。財団も室内禁煙だったし。」
「はは…そうなんすか。」

ライターで火を付け、思い切り煙を吸い、吐き出す。

「はーっ!このためだけに生きてるもんだよ。」

と気持ち良さそうに一服する子安さん。
タバコってそんなにうまいものなのだろうか。
まぁきっと俺にはそれと酒の良さは一生分かんないだろうし知りたくもねーけど。

「なぁ、探偵さん。」
「なんすか。」
「私さ、見ての通りダメ人間なんだよね。」

うん。それは知ってる。
財団勤務時代にしこたまあった給料全部ギャンブルで消し飛んだのも聞きました。

「変わろう変わろうって思ってても変われなくてさ。そのたびアンデルセンに小言言われて、なんとかしなきゃって考えてたのよ。」

ヘビースモーカーで、
アル中なりかけで、
ギャンブル大好きで、
お金の扱いがかなり破滅的な生き遅れの32歳だとアンデルセンから聞いていた。

「…三笠に着いたら、変わろうと思う。」
「それは…いい案だと思いますよ。」
「私がどんなにダメ人間でもさ、あいつは縁なんて切らず、ずっと私のサーヴァントでいてくれた。だから変わろうと思ったんだ。」

最後にタバコを吸い、煙を吐く。

「だからこれは最後の一服。三笠に着いたら禁煙禁酒。ギャンブルも程々にしないとさ。」

そういい、持っていた一本のタバコを海に投げ捨て、まだ中身の残っているタバコの箱やライターも投げ捨ててしまった。

「ヨシ!これで後腐れなしだ。」
「変われるといいっすね、三笠で。」
「うん…。」

二人で空を見上げる。
そこには満天の夜空ではなく、生憎の曇天。
これから新しい旅立ちを迎えるにしてはやや不安な天気だ。

「おい、そこでぼさーっと何をしている。」
「あ、アンデルセン。」

呼ぶ声が聞こえ、振り向いてみるとアンデルセンとおっきーが来ていた。

「なーに、ちょいと野暮用だよ。」
「何が野暮用だ。どうせ俺に隠れて煙草でも吸っていたんだろう?臭いで分かる。」

と、鼻をつまんで手でしっしっとジェスチャーをしながら嫌な顔をするアンデルセン。

「そういや二人揃ってどうしたんだよ?」

アンデルセンならまだしも、おっきーも来ている。
二人してくるということは何かがあったのだろうか?

「うん。船長さんが呼んでるんだよ。乗客全員はホールに集まってくださいって。ご飯かな?」

無償で乗せてくれた上にディナーまでていきょうしてくれるとかそれとんでもねぇ至れり尽くせりだな。

「だからまーちゃん。早く行こう!」
「だな。なんか雨も降ってきそうだし。」

空がゴロゴロと鳴いている。おそらくもう少しで雨が降るだろう。

「じゃあ行くか。待たせるのも良くないしな。」

ネクタイを締め直し、俺達は船内へと帰っていく。
その直後、稲光がしてパタパタと降り出す雨。
こんな時にそういった悪天候と言うのはどうにも不安になる。
不吉というかなんというか、こう…
これから起こることは良くないことだと言われているみたいな感覚だった。




「えー、乗客の皆様、お集まりいただき誠にありがとうございます。」

集まれと言ったのはお前だろというツッコミは心の中にしまっておくとして、俺達は船の中央に位置するホールに来ていた。

しかし輸送会社の船とはいえ、こんなところまであるとはまさに豪華客船とかフェリーみたいだ。
個室はなく、乗客は大部屋で雑魚寝だがいくらなんでも居心地が良すぎる。
この船は本当にハインド商会のものなのだろうか。そういった疑いもあった。

そしてこの疑いは、見事に的中することになる。

「今この船の航路は無事『葛城財団本部』へと向かっております。」

耳を疑った。
いや、ここにいる乗客全員が耳を疑った。

「葛城財団!?ふざけんな!」
「俺達は横浜に行くから乗ったんだぞ!?」

乗客の何人かが叫ぶ。
確かにそうだ。
俺達は横浜に、三笠に行くから乗った。
いや待て。
もしやこれは…"罠"なのか?

「!!」

その時、銃声が響く。
どさりと言う倒れた音。
倒れたのは、さっきまで叫んで文句を言っていた男性の乗客二名。
そして、

「うるさいぞカス共が。」

船長らしき男はにんまりと笑い、硝煙の立ち上る銃をかまえていた。

「さて、まずは"剪定"だ。この船が財団本部へ辿り着く前に、マスター共には消えてもらおう!」

船長、もとい財団職員が指を鳴らす。
すると各所の扉が開き、ヘルメットやら防弾チョッキやらで完全武装した職員がぞろぞろとホールに入り込んできた。

「これは…偽装船だったのか!!」
「ふふふ!逃げ切れると思ったのか?元先輩さんよぉ!」

職員の一人が銃をかまえ、子安さんのところへとじりじりと近寄ってくる。

「お前…!」
「裏切り者も処分して、あの刑部姫も捕獲できる。へへへ…これで俺は間違いなく昇進確定だァ!死ねェ!」

その男を皮切りに、財団職員達は一斉に撃ち始めた。
しかし、あちらは武装しているとはいえ人間。そしてこちらにはサーヴァントが見ただけで十騎以上。
これでは戦いを挑む財団が滑稽に見える
だが、

「ど、どうしたんだブーティカ!」

乗客の一人のサーヴァント、
それが何やら様子がおかしいらしい。

「あ…あ…。」
「ブーティカ!しっかりしてくれ!!」

腕や胸からは血が滴っている。
おそらく、発砲からマスターを守ったのだろう。
サーヴァントなら、銃弾程度なんとかなるだろうと思って。

しかし、それがいけなかった。

「かつらぎ…れんさま…。」
「…ブーティカ?」
「れんさま!!!はははははははは!!!ははは!!!れんさまばんざい!!れんさまぁ!!!!」

いきなり狂ったように笑い出すブーティカ。
マスターらしき人を突き飛ばし、天井に手を伸ばして叫び続ける。

さらに、こうなったのは彼女だけではない。

「れんさま!れんさま!」
「ああれんさま!わたしのじゅんけつをあなたにささげます!はやくうばって!!」
「ごうかんしてください!!もうこのおとこなどマスターではありません!!わたしにみえるのはれんさまひとり!!ああ!なんとすばらしいかたでしょう!!!」

被弾したであろう女性のサーヴァントは皆、狂ったように笑いだし誰だか知らん『れんさま』という名前を連呼している。

「…信じられない!あれはまだ試作段階のハズ…!!」
「子安さん!なにか知ってるのか!?」

何か心当たりがあるのか、子安さんは酷く狼狽えている。

「"洗脳弾"…」
「洗脳…弾?」

彼女の口から零れたのは、その名称だった。

「ああ、サーヴァントのみに効く一種の催眠系統の兵器だ。被弾したものは無条件で…代表に心酔するようになる…!」
「なんだって!?」

だからか。
つまりこいつを一発でも撃ち込めば、そのサーヴァントはたちまち無力化する。
こいつらは無謀に戦いを挑んだんじゃない。
充分に勝機があるからこうしたんだ。
さらに、

「オラァ!さっさとその令呪で命令しろ!!」
「やだ!やだぁ!!」

彼らのターゲットはあくまで女性のサーヴァント。
男性のサーヴァントは殺すのだが、ただ相手にするのは骨が折れる。
なので、最悪の方法で始末していた。

「れ…令呪を以て命、ずる…。」
「お、お待ちくださいマスター!」
「ランサー弁慶…自害して!!!」

男性サーヴァントのマスターを捕らえ、令呪で自害させるよう脅す。
銃を突き付けられた女性マスターは涙を流しながら、己のサーヴァントに自害を命じた。
さらにそれだけではない。

「やめて…サーヴァントを自害させたら命だけはって…!」
「ああ確かにそういったな。でも"貞操"は奪っちまうけどな!ぎゃはははは!!!!」

サーヴァントを失った男性のマスターは問答無用で頭を撃ち抜かれ殺されるが、女性のマスターはそうではなかった。

「やめて!!やめてぇ!!」
「"代表"はサーヴァントにしか興味ねぇんだ!だったら"人間"は俺達で好き放題やっちまおうぜ!!」
「おい見ろよ!こっちも中々だぞ!!」

服を剥ぎ取られ、財団職員達に強姦される。
命だけは助かった、だがこれでは死んだ方が余程マシだ。
女性サーヴァントは壊れたように笑いだし、見えない何かを讃え出す。
女性マスターは獣と化した財団職員に襲われ、その隅には男性マスター達の死体の山が積み上げられていた。

ここはもはや、

「地獄じゃねーか…!!」

そう、ここはまさに地獄。
こんなの、人間のやることじゃない。
ふつふつと込み上げる怒り。
そして、こうなりたくないと心の底から感じた。

「おっきー!!」
「はい!?」
「知らねー男とヤらされんのと!後で筋肉痛になって動けなくなるの!どっちがいい!?」

手には聖晶片。
そうだ、やらなければ俺達がやられる。

「んーーーーーーーーーーー後者!!」
「悩みすぎだけどいい返事だ!蹴散らすぞ!!」

聖晶片を砕き、おっきーの霊基をアサシンからアーチャーへと変化させる。

「暴れろ!おっきー!」
「了解!乱れ撃つぜーっ!!!」

アーチャーへと変化を完了させたおっきーは両手にマシンガンをかまえ、なみいる財団職員達を撃退していく。

「子安さんとアンデルセンは俺から離れないで!ともかく今は生きることを最優先に!」
「分かった!」

子安さんは現に狙われている。
それを守りながら、そして他の生存者も助けながら戦わねばならない。
そして何故か…

「刑部姫だ…!」
「あの刑部姫だ!」
「え?なにこれ?」

派手に暴れたことで目をひいたのか、財団職員達は皆ターゲットをおっきー一人に絞り始めたのだ。

「良かったな。人気者じゃねーかおっきー!」
「こんなんで人気者になっても嬉しくないよ!?」

何はともあれ、こうしておっきーに集中してくれたことで他の人達に被害が及ばずに済む。
だけど、

「れんさま!れんさまああああ!!!」
「ああはやくおあいしたい!!そのちんぽでわたしをぶちぬいてくださいいい!!!」

ああなってしまったサーヴァントは、もう救えないが。

「こんのぉ!」
「ぐあぁ!?」

さて、殺到してくる財団職員をおっきーは軽く蹴散らす。
さらにはスキル、『千代紙大隊』という簡単に言えば折紙版バッド・カンパニーを用いて数的不利をなんとか解消。
ある意味たった一人のワンマンアーミーとして戦況を徐々に有利に持ち込んでいた。

だが、
現実というのはそう上手くはいかない。

「どけ!」

新たにやってきた財団職員が何やらゴツい銃のようなものを持って登場。
おっきーに殺到する職員達に退くようにいい、何をするのかと思えば。

「なっ!?」

まず、その銃のようなものは"火炎放射機"であった。
そう、おっきーの千代紙大隊は、いってしまえばただの紙。
アサシンにしろアーチャーにしろ、その使い達は炎に滅法弱いのだ。

「うそ!?」
「ひゃははは!!燃えろ燃えろ!!」

銃を持ったリスやウサギの折紙も、ヤドカリ型戦車やトビウオ型爆撃機も、すべて火炎放射機で灰になっていく。

「人間同盟の事前情報通りだ!"折紙"さえ封じればなんてことねぇな!!」

「…っ!」

千代紙大隊を燃やされ、一人になってしまったおっきー。
さらに、

「あきらめる…もんか…!」
「おれも…代表みたいにサーヴァントとやりてぇんだ…!」

倒したはずの財団職員がゾンビのごとく起き上がる。
前にも説明したが、おっきーの持つ銃はエアガンだ。
だが魔力で強化されており、弾丸は当たれば大の大人でも悶絶するくらいには痛い。
しかし彼らは痛みを感じていないかのようにゆらりと起き上がる。

「サーヴァントのまんこ…どんな感触かなぁ?」
「ここで俺も…サーヴァントの奴隷を手に入れてやる…」
「ヤりまくりたいんだよ…へへ、へへへへ…!」

と、倒したハズのやつらは不純な理由からくるガッツで起き上がってくる。
にしてもそれはなんだ?
まるでサーヴァントを、性の捌け口としか考えていないような言い方は。

「まーちゃん…!」
「あきらめんな!俺達には正しいと信じる夢があんだろ!もうそれはゴール目前なんだ!!」
「うん!そうだよね!!ここで諦めるわけにはいかな」

その時、銃声が響いた。

「あ…れ…?」
「…!!!」

おっきーがバランスを失い、ぐらりと倒れる。

「おっきー!!」

全てがスローモーションに見える。
考えるよりも先に、まず身体が動いていた。

「おい!おっきー!お前まさか!?」
「う、撃たれちゃった…みたい。」

倒れる寸前になんとかだきかかえる。
確かにおっきーのふとももには、一発撃ち込まれそこから血が流れていた、

「私のことを、忘れてもらっては困るな。」

そういい、財団職員の後ろからやってきたのは船長のふりをしていた、彼らのリーダーであろう男。
その手には拳銃が握られており、硝煙が立ち上っていた。

「お前…!!」
「これでも銃の腕前には自信があってね。どうだ?割りと遠くから撃ったんだが、上手いだろう?」

そんなことは関係ない。まず一番はおっきーだ。

「おい!大丈夫か!?しっかりしろ!!」
「うん…でも今回は…ダメっぽい…。」
「…は?」

おっきーから漏れた諦めの言葉。
その直後、彼女は苦しみだした。

「う…うぅ!!」
「おい!おっきー!何がダメなんだ!!おい!おい!!」
「無駄だよ刑部姫のマスター。彼女はじきに貴様を忘れ、我らが"代表"に忠誠を誓うようになる。」
「なんだとォ…!!」

俺を忘れる?代表に忠誠を誓う?
そんなことあってたまるか。

「ふざけんなぁ!!」

リーダーらしき職員に掴みかかろうとするが、部下の何人かに取り押さえられてしまう。

「何が目的だ!!どうしてこんなことしてんだよ!!答えろクソ野郎!!」
「目的?そうだね、それっぽく言うならば男としての"エゴ"…かな?」
「うるせぇ!かっこつけてんじゃねー!!!」

頭をおさえつけられ、床にこれでもかと押し付けられる。
そしてリーダーらしき男はそのまま俺の頭をふみつけた。

「調子に乗るなよ…ガキが…!」
「っ…!!」

ぐりぐりと踏みにじられる。
そして視界の端では

「まーちゃん…!」
「お…おっきー!」
「わかんない…わかんないよ…!まーちゃんがどんどん消えてって、頭の中が知らないおじさんだらけになってくの…なにこれ?ねぇなにこれ!?」

頭をおさえてうずくまり、助けを求めるおっきー。
たが俺には何も出来ない。
動けたとしても、俺には治すことも出来ない。
そして

「おぉっと動くなよ裏切り者。何かしたら即撃ち殺すからな。ま、お前が何かしたとて"洗脳弾"の汚染は止められないけどな!がははははは!!!!」

子安さんもまた、動くことができない。
だめだ。このままおっきーがおっきーじゃなくなっていくのを見てろって言うのか?
いやだ、それだけは絶対にいやだ。
おっきーは代表とかいうふざけた野郎のモノじゃない。
俺の相棒なんだ。俺のサーヴァントで、俺だけのモノなんだ。

それを、いとも簡単に…!

「まーちゃん…たすけて…!」

手を伸ばす。
触れ合えば、なんとかなるかもしれないと考えたから。

「さて、それじゃ探偵ごっこはそろそろおしまいにしようか。」

リーダーが銃をかまえる。
狙いは勿論、俺の頭。
この距離なら外すこともないだろう。
そして、確実に俺は死ぬ。
ああ、これは多分…罰だな。
急ぎすぎたせいで…バチが当たったんだ。

遅いかもしれないが…後悔する。
こうなったのは全部、俺のせいだ。
ごめんな、おっきー。








「そこまでにしときナ!!」

「誰だ!?」

誰かの声が響く。
その次の瞬間、天窓が割れ、ガラスの破片が降り注いだ。

「なんだ!?何が起き、ぐあっ!?」

財団職員の一人が、そこから飛び降りてきた誰かに蹴飛ばされた。

「くそっ!隠蔽は完璧だったはずだ!どこから漏れた!?」

財団職員、およそ二十名が乱入者に向けて発砲する。
だがまるで当たらない。
乱入者、もといそのサーヴァントは軽々と避け、

「ごろごろとふろめきな!!」

獲物であるその大筆をふるうと、そこから発生した"波"で財団職員を蹴散らした。
さらに、

「!」

俺を取り押さえている数名の財団職員。
そいつらの前に、もう一人降りてきた。

「お前!代表の…!」

何かを言い終わる前に、そいつは華麗な回し蹴りをくらい昏倒する。
俺は知ってる。
この人を知ってる。
いついかなるどんなときでも着物を花魁風に着こなしたこの人を…!

「マキさん!?」

マキさんは華麗なる身のこなし財団を蹴飛ばし、自由になった俺にその綺麗な手を差し出す。

「探偵さん、大丈夫?」
「あ、はい…ってそれ!」

差し出された手。
その手の甲には、あの令呪が刻まれていたのだ。
ということは…。

「話は後。今はともかく刑部姫を!」
「ああ…そうだ!おっきーが大変なことに!」

マキさんに手を貸してもらって起き上がり、すぐさまおっきーの元へ駆ける。

「おっきー!大丈夫か!?」
「まー、ちゃん…?」

だいぶ衰弱している。このままじゃあのサーヴァント達みたいになるのは時間の問題だ。

「マキさん!」
「うん。分かってる。"お栄ちゃん"!!」

マキさんがその名前を呼ぶ。
数十人の財団職員を同時に相手とり、互角以上に戦っているサーヴァントの名前を、
その、葛飾北斎の名を。

「どうした"マイ"」
「遠慮はいらない!全部派手にかっさらっちゃって!!」
「ほう、そうかいそうかい。」

呼ばれた葛飾北斎は大筆を派手に回し、地面にとんと突く。

「おれの"マイ"がそう言ったんだ。さあさあ腐れ外道の葛城財団共!!今からおれが描き尽くしてやる!」

にんまりと笑う北斎。
そう、マキさんはマスターで、
この北斎は、彼女のサーヴァントだったのだ。
 
 

 
後書き
もうちょっと…もうちょっとだ…!! 
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