あいつの女ということに強引にさせられて
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「お姉ちゃん 慎吾君 デートしてくれるって 向こうからも誘うつもりだったんだってー 断られたら、かっこう悪いから 迷ってたってー」
「そう 良かったわね じゃぁ おめかししていかなきゃぁーね どこ行くの?」
「うん ハルカスと動物園」
「そうかー 楽しそうね」
私は、その日、仕事に出る前に、いちごにワンピースを着せて、唇も薄くリップをひいてあげて、お小遣いも渡して出てきた。
夕方、家に戻ると、もういちごは帰ってきていた。だけど、なんか様子が少し暗かった。
「お姉ちゃん お帰り 今日 楽しかったよ ありがとう」
「うん なんか あったの? 沈んでいるみたい」
「うーん 慎吾君ね 京大 第一志望にしたんだって 望み出てきたからって」
「そー いいじゃぁない 優秀なんだね」
「だってさー ウチも一緒のとこ行きたいけど ウチの頭じゃぁ無理だよー」
「いちご まだ 1年以上あるんだよ 一緒のとこ行きたいんだったら 頑張りなさいよ」
「そんな 簡単に言うけどさー ハードル高すぎるよー」
「まぁ 君がどんだけ彼のこと思ってるか だよね」
「もっと やさしくしてよー 氷の女神様ー」
「ダメ いちご次第だから どうにもなんない イチゴが頑張るしかない」
そして、私はいちごに学習塾も必要なんかなーって考えていた。だけど、いちごの大学の授業料、それにどこかに住まわせなきゃいけないし、そのための貯金で余裕がない。それと、穣一郎さんに嫁ぐんだって、手ぶらじゃぁ行けないだろうし・・。
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