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あいつの女ということに強引にさせられて

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2-9

 私は、卒業式を迎えて、穣一郎さんの会社に正社員として働くことになっていた。そして、卒業式を終えた次の日から、また、入社日の4月1日までバイトとして勤めに出ていた。

 もう、仕事中も私にも話しかけてくることも多くなっていて

「最近 徐々に 注文が減ってきているんだ どこも、外食の客が減ってきているみたいだなー コロナで営業規制もかかると、ウチも大変だよ 仕事なくなってしまうかもな」

「そうなんですかー スーパーなんかは?」

「うちは もともと 焼き鳥屋相手ばっかーで スーパーは少ないんだよ それに、利益幅が少ないからな スーパーは」

「そうですかー なんか 考えなきゃーね」と、私は、せっかく就職するっていうのに・・不安になっていた。

 そして、水曜日の会社のお休みの日、久々に穣一郎さんのマンションに行くって約束をしていた。お昼ご飯をつくるって言っていたのだ。まだ、そのつもりは無かったのだけど、下着は気を使って可愛いものにしていた。

 部屋に入ると、すぐに抱きしめられて、長ーい間、唇を合わせていて、そのうち、むさぼるように舌を絡ませていった。

「今日は ミートボールね 少し、時間かかるかなー 待ってる間 あんまり飲みすぎないでよー」

「飲まなきゃー すぐりに襲い掛かるぞー」

「やだー そんなことは、そのうちにね」

 出来上がったのは、もう、3時を過ぎていたけど、穣一郎さんは相変わらず、おいしいといって食べてくれた。

「ねぇ 直売所 作るってのはどうなの? 焼き鳥とか唐揚げのお店」

「うん それも、少し考えていた テイクアウトの方が繁盛していくだろうしな」

「ウン 焼き鳥も串刺しよりも、甘ダレので串無しのほうが安くできるんじゃぁない?」

「わかった すぐりもそう言うんなら ふんぎりついた さっそく、店を探すよ」

 そして、帰る時、もう一度抱き締めてくれて、ベッドに寝かされて、キスをされて、胸をまさぐられて、スカートの裾から手が入ってきたとき

「嫌 待って それは、嫌 許してください」と、私は、あの人を突き離していた。

「まだ 駄目なんかー?」

「うん あのね 今度 旅行連れて行ってー お願い 夏みたいに」

「わかった その時、覚悟してくれるんだね」

 私は、ウンと 頭を下げて、言葉には出せなかった。でも、もう、その時、覚悟はしていた。すべて、この人のものになるんだと。 
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