IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
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第一巻
【第十四話】
前書き
これもオリジナルです
苦手な方はスルーを
――第三アリーナ――
次の日の放課後、俺と美冬はまた第三アリーナに来て特訓をしている。
昨日と違うのは客席には誰もいないということだ。
歩くのすらままならない俺に、期待は出来ないという事だろう。
まあその方が気も楽だし、やりやすい。
「お兄ちゃん、今日はISを使ってのダッシュやジャンプの訓練だよ」
「了解、何とか頑張ってみるさ、これがな」
そう美冬に伝えると、まずは昨日みたいにゆっくりと歩行し――そして徐々にスピードを速めていく。
ガション…ガション――ガショッガショッガショッ!
昨日の歩行訓練のおかげか、スムーズに走りへと移行出来た。
アリーナに、重厚な足音が一定間隔にリズムよく響き渡る――。
「はっ…はっ…はっ…!」
ガショッガショッ!!
昨日と同じくISの重厚な歩行音だけが、アリーナ鳴り響いている…。
補助機能があるとはいえ、体力使うな、これは……。
そして妹の声が聞こえた。
「はいっ!そこでジャンプ!」
「え――うぉっ!?」
美冬の声に反応し、その勢いのままジャンプ、ISの補助機能のせいもあり、高々と跳んだ―――が。
「う―――うわぁぁぁぁぁっ!?」
ズドォォォォンッ!!
急なジャンプのせいか、体勢を整えられず、頭から地面へと着地してしまった。
「だ、大丈夫!?お兄ちゃん!?」
「……いてて……っ…」
ISには絶対防御という機能がある。
だから顔や神経に傷を負うことはないが、その代わり衝撃が伝わる――それでも怪我もしないし死なない分、これまでの兵器と呼ばれるものよりはましだろう。
「だ、大丈夫だ……。うまく姿勢を正せなかっただけだしな、これが」
「お兄ちゃん、ごめんね…?でも突発的にこういうのに慣れないと…スポーツって言っても剣での斬り合いや銃での撃ち合いになるから……」
改めて考えると、スポーツって無理がある気がするな、ISって。
少し難しそうな顔をしていると、心配したのか美冬が――。
「お兄ちゃん……難しい顔してるけど…」
「ん?あぁ、少し考え事しててな、悪い悪い」
「ならいいんだけど……。教えるの下手でごめんね、お兄ちゃん…」
「美冬はよくやってるさ、後はどれだけセシリアさんとの差を縮めれるか…だな」
時間は待ってはくれない、セシリアさんとの差は果てしなく広がっているのは明白だ。
正直、自信はない…わからない事だらけな上に、まだ自分用のISが到着すらしていないのだから。
――夜――
ザアァァァァ……。
一通りの練習を終え、現在シャワーを浴びている。
とりあえず、動かすことは形にはなった――が、まだ武器とかを使った訓練はしてない。
というか刀すら握った事ない俺に使えるのだろうか。
今は身体を休める事にするか……。
シャワー室を出、タオルで全身を拭いて出ると――。
「お、お兄ちゃんっ!?し、下ぐらいはいて来てよっ!!」
洗面所を出るや、妹が顔を真っ赤にし、自分の手で顔を覆った。
「ん?――悪い悪い、家と同じ感覚だった――」
「も、もぅっ!!お兄ちゃんのヘンタイっ!!バカっ!」
「へ、ヘンタイじゃねぇってば!!」
失敬な――と言いたいが、よくよく考えたら俺が悪いな、次からは気を付けるとするか……。
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