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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

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第一巻
  【第六話】

――1組教室――


 時は流れ、日は傾き、既に放課後になっていた。

 今日1日、女子が後ろからついてきたりして昼御飯もあまり食べられず、かといって勉強に集中出来ない状態が続いている。

 現在進行形なのは、今も教室の外に他学年やら他クラスの女子が押し掛けて、きゃいきゃいと小声で話し合っている。


「ああ、有坂くん。まだ教室にいたんですね。よかったです」

「はい?――山田先生…」


 呼ばれて顔を上げると、副担任の山田先生が書類を片手に立っていた。


「えっとですね、寮の部屋が決まりました」


 そう言って部屋番号の書かれた紙とキーを手渡してくる山田先生。

 IS学園は全寮制、生徒は皆寮で生活を送ることが義務付けられている。


「部屋決まってたんですね、てっきり自宅から通うかと思ってました」

「そうなんですけど、事情が事情なので一時的な処置として部屋割りを無理矢理変更したらしいです……有坂くん、その辺りの事って政府から聞いてます?」

「……いいえ」


 政府――まぁ日本政府だな。

 前例のない男のIS操縦者だから保護と監視をつけたかったようだが――。

 何にしてもニュース流れてから妹や近所には迷惑をかけた。

 ある程度の調査のために軟禁されてる状態だったからな、俺。

 今思い出しても嫌な感じだ――人をモルモット扱いして……。


「そう言うわけで、政府特命もあって、とにかく寮に入れるのを最優先したみたいです。1ヶ月もすれば個室の方が用意できますから、暫くは相部屋で我慢してください」


 女子と相部屋って……何かえっちな関係になりそうだな。

 ヤバい、にやけそうだ。

――じゃなくて、耳打ちがくすぐったい。

――でもなくて、思春期の男子に、そんな肉をぶら下げられて我慢しなさいって言われてるものだな。


「部屋はわかりました、荷物の方はある程度持ってきてますからそのまま直行しますね?」


 入学前に、ある程度鞄に突っ込んで用意はしてあるのだ。

 エロ本もあったりするが――女子と相部屋なら必要なさそうだな……。

 いや、必要になるかも?


「じゃあ、時間を見て部屋に行ってくださいね。夕食は六時から七時、寮の一年生用食堂で取ってください。因みに各部屋にはシャワーがありますけど、大浴場もあります。学年ごとに使える時間が違いますけど……えっと、その、有坂くんは今のところ使えません」

「了解です」


 入れないのは残念だ……だが理由はわかる。

 流石に女子と入るわけにはいかない。

 入りたいがな、これが。

 女子と風呂は……男の夢だ。

……苦手な筈だが、何か入れそうな予感だ。


「えっと、それじゃあ私は会議があるので、これで。有坂くん、ちゃんと寮に帰るんですよ。道草くっちゃダメですよ」


帰るだけならここから寮までは50メートルぐらいしか離れてないから、道草をくうのは難しい。

 正直、これから携わるIS設備を見て回りたいのだが――。

 何せ今日1日女子の視線で休まることがなかったから部屋に行って少しでも身体を休めたいし、一応ルームメートも気になる。


「……行くかな」


 山田先生が教室から出ていくのを見送ると、帰り支度をして教室を後にする。

 何か小声が聞こえるが、気にせずに行こう……。 
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