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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

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第一巻
  【第二話】

――一組教室――


 一時間目の授業が無事終了したのだが、正直……授業内容についていけなかった。


「……………」


 そして現在、休み時間だが周りの雰囲気が異常だ。

 時間割りを見ても殆どがISに関する授業、普通の授業も存在してるが程々にしかない。

 後、普通なら入学式で終わりなのだがIS学園は当日から授業がある。

 学校案内などはなく、自主的に見て回れとの事だ、時間に余裕があれば見てくるかな、これが。

 ちらりと視線を廊下側を移す――他のクラスの女子、及び二年生や三年生の女子先輩達がここ一組に詰めかけている。

――俺は動物園にやってきたパンダかよ――。


 誰も話しかけて来ることはない、肝心の妹は学園の地図を見に出掛けた。


「はぁっ……」


 思わずため息が出る――。

 ため息を出すと、幸せが逃げるというが、ため息しか出ない。

 話は変わるが、IS学園は日本にしかなく、ここに入学するための事前学習として世界中の学校でIS学習を組み入れているらしい。


 そしてその学校は大体が女子校、共学の学校もあるがその時は男子は別授業、女子がIS授業と分かれている。

 ISが発表されてから十年、世界の技術や情勢は激変した。

 当時の戦闘兵器――旧戦車や戦闘機等はISに対して機動力で圧倒され、微力にしか役に立たず、世界の軍事バランスの崩壊に伴い、日本の領土問題や外交問題なども変わったらしいが――。

 その辺りは今一理解してないのでよくわからない。

 確か――アラスカ条約なるものでISの軍事利用は禁止と決められているのだが、それは既に形骸化している。

 噂ではイギリス、ドイツ、中国、アメリカ等々はISを軍事的な防衛力として使用されているとか――噂の域ではあるが、火の無いところに煙はたたないとも言うからな。

 そして、各国IS操縦者がどれだけ揃っているかという点が、その国の軍事力へと繋がるらしい。

 操縦者で無くとも、既存の兵器をISがもたらした技術による改良された戦闘機等の搭乗も女性が主だっている――だからかもしれないがどの国も女性優遇制度を施行した。

 よくわからないがそれが『女=偉い』という構図らしい。

 だからか、今の世間は女尊男卑社会になっている――あり得ないが、事実、そうなってるので仕方がない。

 そしてそこに、対等の立場の男性――つまり俺が現れたということだな、これが。


 だから皆が興味を示してここに見に来たのだと思う。

 ちらっと左隣の女子を見ると、此方へ向けていた視線を慌ててそらした。

 何故か雰囲気は話しかけてって感じを残してるが……。

 どんな反応をとられるかわからないので、放置しておく。


「あれ?お兄ちゃん誰とも話してないの??」

「ん?」


 美冬が帰って来たことすら気づかなかったようだ俺は――というより、【お兄ちゃん】発言で周りの反応が――。


「え?お兄ちゃんって…?」


――と、美冬の近くの女子生徒が美冬に訪ねていた。


「あ、そっか。さっき自己紹介の時に言わなかったよね。有坂緋琉人は私のお兄ちゃんだよ。そして私とお兄ちゃん、双子なの」


 少しの沈黙――そして――。


「「「えぇぇぇぇぇえええ―――――――っ!?!?」」」


 というクラスと廊下の女子全員の大絶叫――そして――。


 キーンコーンカーンコーン。


 休み時間が終了した。

 まあ、休めなかったがな、これが。


「あ、お兄ちゃん?私席に戻るね、隣だけど」

「ん…わかったよ」


 美冬が隣の席に座ると同時にパァンッ!と乾いた音何回か響いた。


「とっとと席に着け、馬鹿者共」

「「は、はい………」」


 頭を擦りながら戻っていく女子たち――。


 普通に頭を叩かれるのか、怖いな――。 
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