IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
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第一巻
【第七話】
――1025室前――
寮の通路を歩いて、部屋番号を確認しながら進むと――。
「あった。……ここが1025室か…入って休むかな」
そう呟き、部屋番号をもう一度確認し、ドアに鍵を差し込む。
「…?開いてるということは誰かもういるのか?」
自分の部屋になるんだし、あまり気にせず行くかな。
ドアを開け、部屋に入って奥に進むとベッドが2つ並んでいる。
少なくとも家のベッドよりかは高級そうだ。
手前のベッドまで行くと、角に荷物を置いてベッドに座り込む。
と同時にシャワー室から声が――。
「あれ?誰か居るの?」「え……?」
何だか……凄く身近な人の声が聞こえるような――。
「あ、同室の子かな?これから一年間よろしくね」
やっぱり…この声の主は――。
「ごめんね、こんな格好で。シャワー使ってて…私は有坂――」
「――美冬」
やはり妹の美冬だった。
シャワー上がりたてでバスタオル一枚巻いただけの姿だった。
相変わらずスタイルいいな……。
「……なんだ、同室相手ってお兄ちゃんだったんだ」
「あ、あぁ……」
妹は決して羞恥心が無いわけでは無いが、俺が慌てることも無いのだが……。
流石に妹のバスタオル姿だけは妙にドキドキさせられる。
妹はそんな俺を気にする事なく、バスタオル姿一枚で歩き、ベッドに腰かけた。
「ま、まぁ家族のお前と同室なら気が楽だな」
「ふふ、本当はお兄ちゃん、残念って思ってるでしょ?」
「な、何でだよ」
「ん?だって他の子なら親密になれたかもしれないじゃん」
まぁ…それは確かにそうだな、ってか若干それを夢見てたよ。
何て考えていると、目の前に妹が来て屈みこんでいた。
「美冬?」
「………」
そして、唐突にギュッと、妹が抱きついてきた。
妹は昔からこうするのが好きらしい。
って言っても外でこんな事はしないがな。
「…今日はごめんね、お兄ちゃん……」
「ん?なんの事だ?」
「オルコットさんとの事――」
「気にするなって、美冬は昔から家族の――特に俺が馬鹿にされるのを黙って見てられなかったからな」
「……うん。――ISの事は私が教えるからね?」
「あぁ――てか美冬、お前もうら若き乙女なんだ。いい加減パジャマを着なさい」
「ぶー。急にお兄ちゃんになって……妹に欲情した?」
「ば、バカ言うなって、妹に欲情したら不味いだろ」
「ふふ、それもそうね――お兄ちゃん、とりあえず部屋の決まりごと決めない?」
……決まりごと?
「シャワーの使用時間とか?」
「うん、私が七時から八時。お兄ちゃんが八時から九時でどう?」
「構わないぞ?早くても遅くても問題ないからな、これが」
「うん、じゃあお兄ちゃん――これから一年間よろしくね?」
「あぁ、よろしくな」
妹がニコッと笑顔で応えると、パジャマに着替えにシャワー室(多分脱衣場や洗面所も兼ねてる)に行った。
危ない危ない…、ハグ自体は結構妹からされてたから慣れてるが、流石にバスタオル一枚でのハグは……。
危うく妹に欲情するところだった…。
平常心平常心……。
でも、不思議と美冬とそうなるのが嫌と思わない。
……普通、遺伝子的に拒否反応示すのだが…。
「……眠くなってきたな…」
多分…精神的な疲れだろう…。
とりあえず制服ハンガーにかけて先に寝るかな…。
朝にシャワー…浴びよう。
てきぱき制服をハンガーにかけ、ラフな姿でそのままベッドに入り眠りにつく……。
「お兄ちゃん、パジャマに着替え――寝ちゃったか。おやすみ、お兄ちゃん…」
何て声が聞こえ、軽くおでこにキスされたような気がした――。
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