IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
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第一巻
【第十五話】
前書き
これも同じくオリジナルです
次の話から原作の流れ通りに対決に入ります
――1025室――
更に少し時が流れ、土曜日。
学園から打鉄を借りる事が出来ずにいたずらに時間だけが過ぎていった――。
とは言うものの、やること自体はいっぱいあったりするのだが、これが。
土曜日の午前の授業を終え、妹の美冬は学園の外へ買い物に行き、俺は先日約束した更識先輩を部屋で待っている。
コンコンッ。
ドアが叩かれ、開けるとそこには制服姿の更識先輩が立っていた。
「やあ、ヒルトくん」
「こんにちは、先輩」
何気に下の名前で呼ばれたが……まぁ深い意味はないのだろう。
しかし――見事なスタイルの良さだな、これが。
そんな風に考えながら、更識先輩をまじまじと見ていると先輩が口を開き――。
「ヒルトくん、いくらおねーさんが魅力的だからって…女の子をまじまじと見るのはよくないわよ?」
「うっ?……す、すみません……」
指摘され、慌てて頭を下げるとクスクスと微笑む様な声が聞こえてきた。
「うふふ。素直に謝る子、おねーさん好きよ?」
「え?」
「ふふ、じゃあ行きましょうか?」
言うや、前を歩いて行く更識先輩の後を追って後ろからついていく――。
しかし…す、好きとは……じょ、冗談だよな、社交辞令的な言い方ってやつだよな――多分。
――第二アリーナ――
やって来たのは第二アリーナ、先輩が許可を取ったのかすんなりと入れた。
うーん…。
俺や美冬が使用許可取るのにえらく時間がかかったものだが……、先輩になると書類とか簡素になるものなのか?
「ヒルトくん、ぽかんとしてどうしたの?」
「え?――まぁ、えらく簡単にアリーナの使用許可が出たなって思いまして」
そう素直に先輩に伝えると、どこからともなく扇子を取りだし――。
「うふふ、おねーさん少しコネがあってね。ヒルトくん用にもIS借りてあるから心配しないで?――最近借りる事が出来なかったでしょ?」
「あ、はい…流石に毎日借りるのは困るって怒られましたから…」
学園には世界中で一番ISがあるといっても数に限りがあり、切磋琢磨する1年生~3年生まで使用許可がなかなか下りなくて借りれない人も多数……。
そんな中、男でIS乗れる俺だけがずっと借りられるというのも一部から非難が上がったらしい……。
まああくまで噂だから、真実は解らないが……。
「先輩、ありがとうございます。それとすみません、迷惑をかけてしまって……」
「うふふ、ヒルトくんはそんなこと気にしないの♪――まぁでも、デートに付き合ってくれたらいいかな」
「……へ?」
し、社交辞令…だよな?
「あは♪ヒルトくん、今はISの事を教えてあげる約束だから…行きましょうか?」
「あ…は、はい」
――第二アリーナ中央――
特訓を開始して二時間程が経過した。
先輩もIS用意してるのかと思ったが、どうやら俺だけの分を用意してくれていたようだ。
ラファール・リヴァイヴという第二世代型のIS――。
打鉄とは違い、すんなりと思ったより軽やかかつ、動きやすいのが特徴って感じかな――。
だが――。
「せ、先輩…いつまで反復横跳び続ければ…」
「ん?――後五〇往復かな」
な、何かの役に立つのか心配になってきた。
これまでISを使って行った訓練と言えば歩行とダッシュ、ジャンプに反復横跳び――。
因みに先輩には空が飛べない事は伝えてある――知っていたようだが。
その上での反復横跳びなのだろうか……。
そんな事を悶々と考えながらひたすら反復横跳びをし、ISの重厚な音のみが規則正しく響いていった――。
――30分後――
反復横跳びを終え、少し休憩をしていると――。
「ヒルトくん、はい」
そう言って渡してくれたのはスポーツドリンクだった。
そういや汗もかいてたな……。
「先輩、ありがとうございます」
「ふふ、ところでヒルトくん、ISの操縦なんだけど…オートにしてる?」
「え?」
マニュアルの手動何だが…オートの方がいいのか?
とりあえず、素直にマニュアルというかな…。
「マニュアルでやってますが…?」
「オートじゃないんだ?うんうん、マニュアル操縦の方がいいわよ」
「へ?」
訳が解らないという顔になっていたのか、先輩が簡素に説明を始めた。
「ISはオート操縦で動かすよりもマニュアルの方がよりISの力を引き出せるの、簡単に言うとね、オートだと100%引き出せてもそれ以上は無理なの、マニュアルならより自由な動きが出来るから100%以上の性能を発揮出来るってわけ」
「な、成る程……」
奥が深いんだな……まだまだ勉強をしないといけないな、俺は。
その後もISの基礎動作やISの色んな事を先輩から教わった。
1年勉強しただけでこれだけ幅広くISの知識が入るとは……もしかしたら、凄い先輩なのかもしれないな……。
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