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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

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第一巻
  【第二十五話】

 
前書き
またまたオリジナルです

暫く続くので苦手な方はスルー推奨 

 
――朝食後――


「ふぅ……食った食った。 未来、ごちそうさま。 また上達したな?」

 作ってくれた未来にお礼を言うと、未来は少しだけ頬を赤く染めた。

 毎日の事だが、俺はよく食べる。

 特に……疲れはてた時なんかは、馬車馬の如く食べるので若干食費がかかる――。

 その事で妹には色々言われるのだが……食べないと力が出ない上に体力も回復しないんだな、これが。

 そんな考え事をしてると、まだ少し頬を赤らめたまま笑顔で未来が――。


「ふふ、お粗末さまでした♪ ――相変わらずヒルトってよく食べるよね? しかも太らないし……」

「あぁ、食べて身体を大きくしないといけないしな。 太るという意味ではなく、まだ身体細いから」


 筋肉はついているのだが、まだちょっとひ弱に見えるような……。

 まぁ、多少身体大きくなっても成長期だしな、これが。


「未来の場合は全部、胸に吸収されてるんだろ?」

「ば、バカッ!? 好きで大きくなった訳じゃないんだからねっ!?」


 胸を隠すように腕を組み、むぅーっと膨れっ面になり、唇を尖らせ、さっきよりも頬を紅潮させながら俺を睨んできた。


「ははっ、悪い悪い」

「もうっ! ……大きいと肩がこっちゃうし、ブラは可愛いの無いし……良いことはないんだからねっ!?」


 胸を隠すように腕を組み、まだ睨む未来。

 ……いやいや、俺にする話じゃないだろう。

 まぁいいけど、女子特有――というか、未来の悩みを聞けたのが――。


「……ね、ねぇヒルト…? ヒルトは――」

「……?」

「や、やっぱり……大きいのは……嫌……かなぁ?」


 ――胸の話……か?

 未来も思いきった事を訊いてくるな――。


「ん……まぁ、大きさとか関係無いんじゃないか? 未来は未来なんだし――まぁ……でかいの嫌いじゃないしな」

「そ、そっか……。 ――って、別に他意はないんだからっ!」

「わかってるって、他意が無いことぐらいは」


 ――幼なじみの気軽さで聞いただけだろうしな。

 あまり好意的に解釈すると、昔恥ずかしい目にあったこともあるからな。

 ……そういえば、その後、その子転校しちゃったんだよな……。


「………」


 じぃっ……と未来が此方を見ているのに気付き、目が合うと、先程より顔を赤くしてふぃっ……と横に顔を逸らした。

 うーん……時々未来がよくわからないな。


「あ……。 お皿洗っちゃうから、ヒルトはゆっくりしていいよ?」

「ん?自分の家だし、俺が――」

「い、いいからいいから。 ヒルトは休んでて♪」


 よく世話をしてくれるのが、俺には非常にありがたいと思う、素直に甘えるかな。


「……じゃあ、今日は未来に任せてゆっくりするかな。 ありがとう、未来。 助かるよ」

「え? ……ううん。 じゃあ、洗い終わったらヒルトの部屋に行くからね」


 その言葉を訊き、そのまま二階の自室へと戻った。

 ――が、そういや荷物まとめてなかった事に気付き、必要な物を用意し始める。

 ――色々持っていっとくかな、エロ本無いが……。

 ――鞄に荷物を詰め込み、準備をしていると、またパタパタと階段をかけ上がる足音が聞こえ――。


「ヒルト、洗い物終わっ――わわっ!?」

「……未来ッ!?」


 未来の声が聞こえ、振り向くと、慌てたのか足が縺れて転けそうになっている未来を見て慌てて抱き止めるように受け止めた。


「おいおい、慌てすぎだろ未来?」

「う…うん。 ……ぁ…っ。 ――ち、近いから……顔……ッ」


 抱き止められ、密着した状態から上目で見つめる未来の瞳は少し潤んでいた。

 ――しかし、柔らかいな…むにゅって当たって。


「……悪い悪い、怪我させないためって思って抱き止めたが……セクハラになるな」

「あ……べ、別に……構わないけどね。 ひ、ヒルトなら……嫌じゃないから…」


 嫌じゃないから?

 ――幼なじみだから気兼ねないって事かな。


「――てか、何で慌ててたんだ?」


 密着したままだと、色々と俺がまずい――流石に未来相手に欲情したとなると、幼なじみの関係が気まずくなるかもしれない。

 ――名残惜しいが、未来をゆっくり引き離すと――。


「あ……」


 小さく未来が声をあげた。

 その声を聞き、軽く未来の表情を見ると気恥ずかしいような、それでいて少し残念そうな表情に見えた気がした。

 見間違えの可能性が高いが……真相は闇の中だ。


「――んで、何で慌ててたんだ?」

「あ、えっと……ね? その……ヒルト? この後時間ある……かな?」
「ん? ――今日は日曜日で休みだしな、時間はあるぞ」

「な、ならさ、久しぶりに一緒に出掛けない? ヒルトも買いたい物とかあるでしょ?」


 確かに……買うものあるかもな、これが。


「構わないぞ? なら久しぶりに一緒に買い物行くか?」

「う、うんっ♪ じゃ、じゃあ、一度家に戻って着替えてくるね!? ヒルトは前で待っててねっ♪」


 そう俺に告げるや、また慌ただしくパタパタと階段を降り、パタン……っと玄関の扉が閉まる音が二階にまで聞こえてきた。

 学園へと持って戻る荷物を詰め込んだ鞄を肩にかけ、家の全ての戸締まりを確認すると、俺は玄関から外へと出た。

「――ちょっと重いな。 まあでも、必要な物ばかりだから仕方ないが」


 再度、肩にかけ直し、隣の未来の家の前まで移動した。

 ――と、同時に未来の家の扉が開いた。


「ヒルト、お待たせっ♪」


 その声に反応し、俺は未来の方へと顔を向けた。


「ど、どうかな……? 変……かな?」


 そう不安そうな顔をする未来の服装は、下から見ていくと、紺のニーソックス、スカートはチェックの軽くフリフリが付いているミニスカート。

 上に着てる服は、大人しい白のブラウス。

頭には女性向けの白いベレー帽を、可愛らしく被っていた。


「……ま、まぁ馬子にも衣装だな」


 照れ隠しの為、若干未来から顔を背け、頬を指でかきながら応えると――。


「むぅっ! 何よそれーっ!? もぅっ!!」


 ――軽く頬を脹らませ、少し怒ったような表情を見せる未来。


「ははっ、わりぃわりぃ。 ――早速行こうぜ?」

「あ。 ――う、うんっ♪」


 そう軽く頷くと、俺の隣へと駆け足で来て、歩幅を合わせるように俺は未来の隣を歩いて共に駅前へと向かった――。 
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