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人造女神アリスディアと魔人少女達の戦い

作者:メア
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始まりの終わりと終わりの始まり①








 空は赤く染まり、剣戟と怒声が響き…………多数の人の世界を呪う声が聞こえて来る。
 今、我が加護を与えた愛しき子達が殺されていく。ある者は無数の矢によって、身体に多数の穴を開けられ絶命し、ある者は剣に斬り裂かれて殺されていく。幼い子供達と女は捕らえられる。

「たっ、助けてっ!! 誰か、助けて! 女神様っ!!」

 どんなに愛しい子らに願われようが、この身では現し世に干渉する事は出来ない。既に我が子らには加護を与えてある。この世は一人一つの加護が神より与えられる。それを覆す事は我には出来ない。

「殺せ、奪えっ!! 白の女神の名の元に、不浄なる存在を排除しろ!!」

「奴らに聖術は効かぬ! 剣や槍などの物理攻撃で排除しろ!!」

「必ず多数で当たれ!」

 白き鎧を身に纏った憎き者達は多数で一人を囲んで殺して行く。我が与えた子らは、我が加護によって魔術や聖術といった物が一切効かず、身体能力も高い。さらに、一人一つの特殊な力も与えてある。

「くそっ、良くも…………死ね!!」

 我が愛しい子は炎の球を手から無数に放つ。それを鎧達は聖術で強化した盾で防ぐ。
 我が子らは我の強力な加護により、10人や30人などなら1人で殺す事が出来る。しかし、我が少数に対して強い加護を与えたが、他の神達は多数の数が多い者達に加護を与えて物量作戦に出てきている。
 我の加護は強力であるが、多人数には与えられない。それは我が人に作られた禁忌の女神故に我が加護を望む者は我と同じ、禁忌によって生み出された愛しき子らしかいないからだ。

 そして、我を崇める愛しき子らの村がまた一つ滅びた。その憎しみと怒りを一心に受ける我もまた、狂いだして行く。

『あぁ…………誰か。我を受け入れよ。されば、我が力の全てをくれてやろうぞ。だから、我らを産みだした憎くき女神と人々とより、我が愛しき子らを守ってくれ…………』





100年後




 俺は西暦2015年の日本よりトリップして、気づいたらこの異世界に来ていた。そんな右も左も分からない俺をこの村の人達は受け入れてくれた。まあ、儀式の事故みたいで、儀式を取り仕切っていた村長さんが俺を受け入れてくれた事も理由である。
 そして、この村は隠れ里のようで、俺をこの村から出す事は出来ないらしい。はじめは凄く嫌だったが、村長さんが結婚していない娘と結婚してこの村の人間になるか、死んでもらうしかないと言われれば、エロい俺の答えは決まっている。ましてや、見た目20代前半の美女である村長さんが土下座しながらそう言って来たのだから、仕方無いだろう。そして、村長さんは出来れば自分かその娘を選んで欲しいと言って来た。どうやら、村長さんは責任を感じているようだ。
 その後も色々聞くと、この村に男性はほとんどいない…………いや、まったくいないらしい。子供を産むのにも、特殊な儀式を行って、別の娘の遺伝子を掛け合わせて作るらしい。出生率もかなり低いみたいだ。そして、この一族の子らは外見年齢が12~20歳で死ぬまで固定されるらしい。

「娘は双子でまだ2歳なのだ」

それはどうしようもないな。ロリコンでも有る俺でも、5歳児になんか手が出せないぜ。せめて12歳以上だろう。それなら、グラマスな村長さんの方が良いな。

「ああ、良かった。12歳になったら娘も好きにしてもらって良い。それぐらい、私達がしてしまった事は重い」

「そうか、食べていいんだ…………って、なんで心の声が聞こえるんだっ!!」

「我が一族には強力な加護により特殊な力が身に宿っている」

「特殊な力?」

「千差万別だが、我が一族には親の力が1個から2個と個人の特殊な力が宿る場合もある。私の家系はさとりという力だ」

「まさか…………心を読む?」

「そうだ」

心の中が読まれるって事か…………危険すぐね?

「危険すぎる。それほどまでに強力な力を我が一族は持っている。故に、我らを滅ぼそうと躍起になっている者達が多数いるのだ。だから、お前をここから出す事も返す事も出来ない。本来、あの儀式は子を成す儀式なのだからな」

「なるほど…………心の中を読まれたから、信じられたという事か」

「ああ。信じたくは無いし、人間的にはどうかと思う所も有るが、我らは理不尽にさらされた時の事を良く理解している。だから、せめてここで幸せに暮らして欲しい」

「わかった。じゃあ、村長さんと結婚しようかな」

「ありがとう」

こうして、俺は村長さんと結婚して、幸せに過ごす事が出来た。それも、日本じゃ有り得ないような超絶と言って良い美人な嫁イーナと可愛いらしい双子の娘イリヤとイリスもと一緒にだ。
 そして、ここに転移して来て13年め…………俺とイーナの間に新しい命が産まれたというのに、忌まわしき事件が起こった。





 それは突如として結界を破壊してやって来た。黒い鎧を着たらしき存在や、竜人、獣人などが馬鹿みたいな数で村へと迫って来る。

「逃げろっ!! 防衛隊は殿だ!」

村長として指示を出し、防衛に

「イーナっ!」

「お前は戦え無いだろう。良いか、この子達を連れて逃げてくれ。これを持っていけ」

そして、俺が渡されたのは一冊の本だった。

「「お母様、私達も戦います」」

「ならん。逃げろ。こいつ等を守ってやってくれ。これは村長として…………いや、族長としての命令だ」

「…………はい…………」

「ご無事で…………行きましょう、お父様」

「ああ。イーナ、必ず生きて会おう」

「ああ」

俺達は緊急用の脱出経路を使って、森へと入り、逃走していこうとする。しかし、それすらも許されないようだ。逃走経路から逆に敵兵が入り込んで来ていた。そして、始まる戦いは地獄のような光景だった。こちらが37人に対して、相手は1000人を超えていた。いくらこちらが単体で強かろうと、相手の数が多く、次々に滅ぼされて、捕らえられて行く。


 そんな中、俺達やひと握りの人達は何とか包囲を突破して、森の中へと入った。

「いっ、嫌っ!?」

「姉さまを離せっ!!」

「くそっ! 娘を離せっ!!」

だが、俺達も例外は無く、村から何とか逃げ出したというのに、捕らえられて地面に押し倒された。

「人間が何でこんな魔人共の所にいるが知らねえが、構うことはねえか」

「隊長、この赤ん坊はどうしやす?」

狼の頭をした男が、豪華な鎧を着た15歳くらいの少年に俺の娘を持って聞いた。

「殺せ。食っても良いぞ」

「それじゃ、遠慮無く」

「止めろっ!!」
「「止めてくださいっ!!」」

俺とイリス、イリヤの声が声を上げるが、聞いて貰えずに大きく口を開けた狼男の口内へと赤ちゃんが入れられて、その鋭い牙で噛み砕かれた。俺は悔しさと憎しみのあまり、暴れるが押さえつけれれていて、動く事すらできなかった。

「くそっ、殺してやるっ!! 離せっ!!」

「五月蝿いな。手足を斬り落として、猿轡でもしておけ。ああ、傷口は焼いておけ」

「殺さなくいので?」

「ああ。どうせなら、娘が犯される場面をしっかりと人類の裏切り者には見て貰おうじゃないか」

「そりゃいいですねっ! ほら、先ずは手足だ」

「がぁっ!? ぎぃいいいいいいいいいいいいいぃぃぃぃっ!!」

俺は手足を斬り落とされ、傷口を焼かれていく。

「「お父様っ!!」」

激痛の中、気絶する事も許されず、愛しい娘達の服が破かれ、男達にサンドバッグにされていく。

「坊ちゃん、大分大人しくなりましたし、もう良いんじゃないですか?」

「そうだな。丁度戻って来たみたいだ。遅かったじゃないか」

「一匹に手こずった」

俺の近くに何かが投げ捨てられた。それは今朝見た愛しい妻の死んだ後も辱めを受けた無残な姿だった。

「んぐぅぅぅぅぅぅっ!!」

俺は怒りと憎しみで壊れていく。しかも、踏みつけられて杯がやられたようだ。

「なんだ、知り合いだったか?」

「おっ、お母様…………」

「母親か。それは良かったな。お前達も母親と同じようにしてやるから安心しろっ!!」

「ひっ、酷過ぎます…………」

「下衆め…………はっ、離せっ!!」

娘達は持ち上げられて、今、まさに犯されてようとしている。だというのに、俺は何も出来ない。妻を辱められて殺され、産まれたばかりの子供まで殺される。そして、今は血が繋がっていないとはいえ、自分の愛しい娘達が拷問されて犯されようとしているというのだ。だから、こいつ等に…………俺の全てを奪った奴らに復讐したい。その為なら世界すら滅ぼしても良い。だから、誰か…………力をくれっ!!
だが、何も起きない。いや、声が聞こえた。

『遅いのよ、この馬鹿っ!! ちゃんと名前を言って祈って! 加護をあげられ無いじゃない!! 何のために拉致って来たと思ってんのよっ!!』

何だか、無茶苦茶怒られているぞ…………というか、かなりとんでも無い事を…………いや、今はそれどころじゃない。あの儀式は女神に祈って子を成すと言っていた。

『ほら、早くしないと死んじゃうわ!! 私から名前を教えられ無いのよ!!』

確か…………女神アリスディア?

『そう、それよ!! よし、全部の力を上げる。でも、どんな事になっても良い? 覚悟を可及的速やかに決めてね! クーリングオフとか無いから、全部の力を上げるから私は何も出来ないからね!!』

問題無い。ヤレ!!

『言ったわね!! 契約完了!! 恨みも何もかも持ってけぇぇええええぇぇっ!!』

その瞬間。俺は身体から弾かれた。そして、目の前にゴスロリの格好をした10代前半の黒い髪の毛をした少女が俺に抱き着いてキスして来た。驚く事も出来ずにいると、口の中から俺の体内へと彼女が吸い込まれるように入って行く。それと同時に俺の意識は彼女の意識と混ざり合って行く。そして、数百年における恨みや怒り、絶望などが俺を侵食して来る。

『最初はサービスよっ!! えっと、あの身体はもう駄目だから、あれも駄目ね』

おい、早くしろ!!
イリスとイリヤが犯されるっ!!

「いっ、嫌っ、入れないで…………」

『そうね。アイツ、偉そうだったし、若いから丁度いいわ。アレに決めた』

そう言った瞬間、俺とアリスディアの意識はイリスとイリヤを犯そうとしている男の身体へと入って行く。

『何だ、これは…………』

目の前にあの男が現れる。

『アンタ、邪魔だから死になさい。安心して、この身体はアンタ達が魔人って呼んでる私の愛しい子らの為に使ってあげるから』

『ふざけ…………』

『だから、邪魔って言ってんのよ! 知識と記憶も置いて消えなさい!』

アリスディアが軽く手を振っただけで、そいつは消滅させられた。

『支配権ゲット!! 感覚の接続を開始…………内部改変も同時開始…………予想通りエネルギー不足ね。そこの私の娘二人!』

『『っ!?』』

行き成り、イリスとイリヤが現れる。

『お父様っ!! ご無事ですかっ!!』

なんとか無事と、伝えたいが伝えられない。

『この人は?』

『私はアンタ達が崇めている女神アリスディアよ。加護も全部、何もかもこの男にあげるから、アンタ達は強力しなさい。アンタ達も復讐したいでしょ?』

『『はい!』』

力強く頷く二人。

『なら、何でもするわね?』

『『もちろんです』』

『なら、大人しくこの身体に犯されなさい! 父親だろうが、血が繋がって無いし、身体も違うし問題無し!』

『『えっ!?』』

こいつ、何言ってやがるっ!!

『邪魔な持ち主は消したから、アンタ達の父親だけよ。よって、拒否は認めない!』

「あがっ!?」

『イリスっ!!』

『さぁ、たっぷりとエネルギーを貰うわよ!!』

そして、俺は娘を自ら犯す感触を味あわされた。どんなに抵抗しようが、この女神アリスディアには叶わなかった。






アウグスト




 俺達は現在、魔人共の村を見つけて襲撃をかけた。
 魔人は禁忌の女神が作り上げた種族で、魔物と合成した存在と言われていたり、魔物を操る上位種などと言われて居る。聖術教会も魔術連盟もこの魔人を殲滅対象に指定している。この世界に魔物が現れたのも禁忌の女神とその尖兵である魔人のせいだと言われている。

「ちっ、暇だな」

「そう言うなよ。俺達も後で楽しませて貰うんだからよ」

「そうだな」

俺達の目の前では、良く似た乳臭い双子の娘を貴族の坊ちゃんが犯している。今回の依頼はこの坊ちゃんの護衛と手助けだ。そう、俺達は依頼で来ている。

「坊ちゃん、俺達も参加していいですかい?」

いつもならそろそろ使い終わった女を俺達に回してくれるのだが、今回はそれが無く、じれた部下が参加したいと坊ちゃんに申し出てた。

「駄目だ」

だが、それを坊ちゃんが却下した。

「何故です?」

「こいつ等を気に入った。連れて帰って俺の奴隷にする」

「「「ちょっ!?」」」

坊ちゃんの言葉は俺達からしたら有り得ない事だった。何故なら、魔人を支配下に置くなど、よほどの事がない限り不可能だからだ。

「無茶ですって!!」

「反抗されたらどうするんですかっ!!」

「大丈夫だ。ほら、よく見ろ」

そう、双子に言いながら、坊ちゃんは二人を父親と言っていた男の身体と母親の死体へと近づける。そして、そいつらから装備を奪った後、その死体を目の前で焼きだした。

「「いやぁああぁあああああああああぁぁぁぁっ!!! ぁっ、ぁぁ…………」」

双子は叫び声を上げた後、身体から力を失わせ、虚ろな瞳へとなった。

「こいつらはこれで心が壊れた。後は隷属の呪いをかければいいさ。成功するなら良し。失敗するなら何時も通りに殺せばいい」

そう言いながら、実際に隷属の呪いをかけて坊ちゃんは契約してしまった。双子の首には奴隷紋が刻まれた結晶が生成された。

「これでコイツらは私の物だ」

「坊ちゃん、しかしなんでいきなり?」

「来週には俺も家元を離れて、領地を貰うからな。戦力が欲しいんだ」

「そうですか…………」

「さて、ようは済んだ。帰るぞ」

「作戦はまだ終わって無いが…………良いのか?」

ここの担当は俺達だ。その場所を離れるとなると、後で文句を言われるだろう。

「構わん。これから、来る奴らは生き残る為に本気で殺しに来るぞ。そんな連中に殺されたいのか?」

「それは…………隊長、どうしますか?」

「構わん。依頼主はあくまでも坊ちゃんだ。その坊ちゃんが良いと言っているんだから構わんさ。全員に伝えろ。退却するぞ」

「捕まえた奴らはどうしますか?」

「何人だ?」

坊ちゃんが聞いて来たので、促す。

「4人でさ」

「なら、そいつらも持って帰るから、連れて来い」

「そっちは危ないですぜ?」

「なら、手足を斬り落としておけ。こいつ等が入れば問題無い」

そう言うと、双子に命令して立ち上がらせる。

「了解しやした」

それから、魔人の女共を箱詰めして場所に積み込んだ。奴隷になった双子も虚ろな瞳で大人しくしているし、箱詰めした連中も異様に大人しい。だが、何かがおかしい。まあ、この仕事が終われば、この坊ちゃんの家の領地から離れるんだ。構わないだろう。










 
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