IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
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第二巻
【第五十一話】
前書き
原作ではシャルルがラファール・リヴァイヴの説明をしている所ですが――著者としてはそれは面白くない&長すぎなのでバトル方面で書いてみました
――バトル書く方が長くなるんですが、どちらかと言えばこっちを書く方が好きなので
――下手くそな戦闘シーンですが、良ければ読んでくださいませ
――第二グラウンド――
ふと気づくと、俺はグラウンドに立っていた。
その前の記憶が全くないのは何故だろう?
そして、何故かたんこぶが頭に出来ているのも何故だろう?
「さて小娘ども、ヒルトもいつまで惚けている。さっさと始めるぞ」
「え?あの、三対一で……?」
「いや、流石にそれは……」
「――てか、俺さっきまでの記憶が全く無いんだが…」
「安心しろ。今のお前たちならすぐ負ける」
――スルーされてしまった。
負ける、と言われたのが気に触った二人は、その瞳に闘志をたぎらせた。
一方の俺は何がなんだかわからないまま、疾風を展開した。
「では、はじめ!」
号令と同時に飛翔したセシリアと鈴音。
それを目で確認してから山田先生も空中へと躍り出た。
一方の俺は、空が飛べないので飛翔した三人を眺めつつ、大気やら風速のデータを表示した。
「手加減はしませんわ!」
「さっきのは本気じゃなかったしね!」
「何とか頑張るさ、これがな」
「い、行きます!」
言葉こそいつもの山田先生だが。
その目は鋭く冷静なものへと変わっていた。
「先に先制を取りますわ!」
「指示しないでよっ!でも、先制攻撃には賛成よっ!!」
セシリアはブルー・ティアーズを展開、鈴音は早速衝撃砲を撃つと、その砲弾は簡単に回避された。
「行って!ブルー・ティアーズ!!」
命令を送ると、山田先生の周囲を囲んで射撃するが、左手に構えた盾を上手く使い、ブルー・ティアーズによる十字砲火を最小限のダメージで抑えた。
そして直ぐ様アサルトライフルによる牽制射撃でセシリアを抑え、一方の鈴音に対してはもう一丁展開したライフルの刻み撃ちで確実にダメージを与えていく。
「セシリア!鈴音!離脱しろっ!!」
「わ、わかりましたわ!」
「了解っ!」
両刃青竜刀を回転させ、銃弾をガードしつつ離脱し、セシリアは狙撃銃で牽制しながら離れていく。
「山田先生、当てさせていただくっ!!」
構えた三本の矢を、同時に放つ――それに反応した山田先生はライフル二丁でガードするが、全てを防ぐことは出来ずにダメージを受けた。
それを見た二人は――。
「やるじゃないヒルト!」
「鈴さん、スタンドプレーは――」
構えた青竜刀を振り下ろす鈴音。
それをスウェーして避けるや、二丁ライフルによる一斉掃射の直撃を受け――。
「あぐ…っ…!」
「くっ…ブルー・ティアーズ!」
そんな鈴の援護をするように、ブルー・ティアーズを山田先生の周りに配置し、射撃で牽制し――。
鈴音はそのまま離脱、また衝撃砲の連射を始める。
回避し続ける山田は、ライフルでセシリアを撃ち続け――。
「そんな攻撃、当たりません――」
「ば、バカ!こっち来たら――」
鈴音の声は届かず、セシリアは鈴音とぶつかった。
その隙を逃さず、山田先生は手榴弾を投擲、ジャストタイミングで爆発した。
「セシリア!鈴音っ!!」
もくもくと煙が上がるなか、セシリアと鈴音は地面に落下した。
様子を見ると、若干言い争いはしているものの、怪我とかはなさそうだ――これも絶対防御のお陰なのだろう。
――もし、その防御機能がなかったら……何て事を考えると怖く感じるが。
「後は有坂君だけですね」
「……まさにピンチってやつだな…」
そう呟くや、直ぐ様アサルトライフルを撃つ山田先生。
そのまま棒立ちするわけにもいかないので、グラウンドを走り、速度に強弱つけてタイミングをずらす。
「……っ!」
勢いそのまま、跳躍して空へと跳び、更に新たに矢を三本展開し直すと――。
「そこだっ!!」
ヒュヒュヒュンッ――空気を切り裂き、矢は真っ直ぐ山田先生に迫る。
だが、今度はガードせずに受けつつ、勢い殺さず格闘戦が出来る間合いまで接近されてしまう。
「もらいましたよっ!」
「なっ……!?」
俺が天狼を展開する前に、先に近接ブレードを展開して、此方の装甲のない部分に集中的に斬撃を受けた。
「っ…まだだっ!」
「――いえ、有坂君の負けです」
そう言って離脱する山田先生、気づいたら足元にはピンを抜かれた手榴弾が――。
そして、そのまま閃光が走り目映い光が当たりを包むと軽く意識を失った。
「うぅっ。……フラッシュバン…?」
「はい。よく勉強してますね有坂君」
山田先生の声が聞こえ、振り向くと笑顔で応える、だがその手にはブレードを携え、いつでも一撃を加えれるように戦闘態勢に入ったままだった。
「あー、これは流石に負けですね…山田先生、降参です」
俺が降参宣言すると、笑顔のまま頷くが、次の瞬間――思い出したかのように顔を赤くさせていた。
理由はわからないが、もしかしたらさっきの記憶が無いことに関係があるのかもしれない……。
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