人造女神アリスディアと魔人少女達の戦い
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始まりの終わりと終わりの始まり②
アリスディアに支配されたまま、俺と娘達は馬車に乗って進んで行く。俺はイリスとイリヤを心配する事しか出来ない。
『さてさて、なぜなにアリスディアちゃんのはじま…………痛ぁぁっ!! ちょっと、何すんのよ!!』
『それは色々とアウトだ! だいたい、どこからそのネタを…………』
ヤバそうだったから、叩こうと思ったら叩けた。うん、後悔はしていない。
『アンタの記憶の中?』
『おい…………』
『まあ、その片の事はポイして燃やしちゃいましょう。さて、この身体や現状について説明するわね』
どうやら、真面目な雰囲気になったようだ。
『頼む』
『この身体の持ち主はナハト=ベルングス。14歳の男で、アレティア国のフォルセリヤという地方を統治している貴族だな。これからお前にはこれになって貰う。記録と知識は取り込んで有るから覚えてちょうだい』
すると、家族構成から色々な知識と記憶が流れ込んで来た。そう、他人の人生を映画のようにして強制的に見せられるのだ。しかし、この男はろくでもない奴だ。親の権力を使ってやりたい放題だ。
家族は父親のテオドシウス=ベルングス。母親のマルガレーテ。長男のアーベルハルト。妹のクリスティアーネだ。この家は軍人一家という奴みたいだが、次男のナハトは戦略や戦術、戦いなどに興味も示さず遊び呆けており、身体が肥満化している。そう、豚のようにだ。
『先ずは痩せないとね』
『そうだな』
『そっちは良さそうね。さて、双子ちゃんを犯してエネルギーを貰ったのだけれど、私の力を維持する為に定期的に摂取しないといけないから、自分でやんなさいね』
『おい! それはどうにかならないのか?』
『無理よ。人の身に余る程の力を入れてあるのだから、身体が崩壊しないように常に消費していくエネルギーを補給しないといけないの。双子ちゃんにも事情は話してあるし、本人達も受け入れているから気にせずヤッちゃいなさい』
其の辺はよく話し合って相談しないとな。
『さて、私がアンタをこっちに呼んだのは私の可愛い娘達を助けて欲しいのと、数百年分の積もりに積もった怨嗟から開放して欲しい
からなの。手段はそちらの自由でいいわ。それと、戦力を積極的に増やして欲しいのよ』
『戦力を増やすだと? 出来るのか?』
結構簡単に言ってくれるが、普通は難しいぞ。
『出来るわよ。孕ませて子供を産ませなさい。そうすると、連中がつけてくれた魔人っていう種族になるわ。母子母体共にね』
『おい!』
『安心して。受胎から出産。成長までとても早いわ。そもそも、私と私の子供達は突如として現れた大陸を埋め尽くす程の膨大な数の魔物をどうにかする為に生み出された存在だから、即戦力になるように調整されているのよ。ましてや、女神が敵わなかった魔物の王と戦わされたんだからね』
アレ?
でも、それだと神々は世界に干渉できたのか?
それと、何で自分でやらないんだ?
『その答えは簡単よ。昔は直接干渉出来る程に力が有ったのよ。でも、今はどの神々もそれほどの力を持っていないわ。何故なら、私と神々で争った時に殆どの連中を殺すか瀕死まで追い込んでやったからね!』
『おい、何してんだよ…………』
『仕方無いじゃない。連中たら、魔物の王を殺した瞬間に兵の一部が裏切って、私と私の子供達を殺そうとしてきたのよ? だから殺してやったわ。すると、神々まで参戦して来たから、問答無用で容赦無く殲滅してやったわ』
『まさか、勝ったのか?』
『当然よ!』
化け物だな。普通は負けるだろう。
『流石に勝てそうに無かったから、魔物の王の力を奪って使ってやったからだけどね』
『まさか…………』
『ええ。魔物を大量に作り出して、連中にぶつけてやったわ』
そんな事したら、そりゃ完全な敵と認識されるよな。
『仕方無いじゃない。あの時は若かったのよ。だって、産まれて1歳ちょっとなのよ? それで娘を作らされて、戦場に送り込まれ…………用が無くなったからって、殺そうとするなんて許せないわ』
『そういえば、アリスディアって人造神だっけ?』
『そうよ。正確には神々の力を混ぜ合わせて、今では太古の技術となった人類の魔導技術を合わせて作られたのが私。そして、その子供達は私が生み出した核を心臓に融合された戦闘用に特化された人類よ』
昔の連中もろくでもなかったようだな。
『そんな訳で、私は勝利したの。だけど、それは殆ど相討ちみたいな物だから、神々は直接の干渉が出来る程の力を失った。そこからは人類と魔人、魔物の戦いね。そして、嫌気が差した私の子供達はさっさと住まいを決めて引きこもったの。その間に人類が魔物を駆逐して行き、数百年でその数を大量に増やして来た。後は数に任せて子供達を殺しにかかって来たのよ。相手は信仰で力を少し回復した神々の軍勢と神の地力は圧倒的に私の方が上だけど、信仰する人数が少なくて、あまり回復できず…………いえ、違うわね。強力な加護どころか、加護を与える人数の差が圧倒的に開いてしまったの。だから、質を量で覆された』
『おい、まさか…………』
『そう、アンタに与えた加護は産めよ増やせよの加護よ!』
『ふざけんなぁあああああああぁぁぁっ!!』
『ふざけてない。正気よ』
『もっとタチが悪いわっ!!』
『そうね。狂って来てる自覚は有るもの。加護製造機になる為にも、アンタには私の膨大な力を与えて半人半神にしてあげたんだから、好きに使いなさいよ。こっちのオーダーは憎きあの神々を殺すか…………いえ、その辺は私と私の中に解けた過去の子供達の要望だから、アンタが嫌なら無視してくれてもいいわ。何よりも優先すべき事は、今を生きる子供達の安全と幸せよ』
狂ってると自覚していても、其の辺の理解が有るのはありがたいな。
『あっ、着いたみたいね。もうしばらくこの身体は私が操るから、アンタは必要な事を覚えて行きなさい』
『わかった』
そして、アリスディアはナハトの身体を使って、イリスとイリヤの首に着けた縄を引っ張って降りて行く。箱詰めされた子達は馬車から降ろされて行く。
「お帰りなさいませ、ナハト様」
「「「お帰りなさいませ」」」
執事と大量のメイドが迎えてくれる。そこは巨大な城だった。知識を照らし合わせると0.013 km²くらいはあるみたいだ。そんな中を勝手知ったるようにアリスディアは進んで行く。
「ナハト様、テオドシウス様がお待ちですが、そちらの者達は…………」
「私の奴隷だ。部屋に運んで…………いや、身体を綺麗にして部屋に入れておけ。お前達は言う事を聞くように」
「「はい」」
「では、頼む」
「畏まりました」
イリスとイリヤを執事に預けた後、アリスディアは父親であるテオドシウスが居る部屋に入った。
「ノックぐらいしろ」
その部屋は書斎のようで、壁には本棚が多数置かれており、本と羊皮紙が多数入れられている。そして、窓際に置かれた豪華な机。そこに座るのは40代後半の親父と、その隣にいるウエストまで有る茶色い髪を二つに別けて、耳より低い位置で無造作に束ねている金色の瞳をした少女がいた。年齢は16歳だが、身長は140センチくらいしかないようで、子供のような好奇心旺盛そうな瞳をしている。しかし、その中には怒りも見て取れる。
「今、帰ったけど、何の用ですか?」
「何故、戦列を勝手に離れた。ティアが文句を言ってきたぞ」
「そうだよ! 馬鹿にいの御蔭でボクが考えた包囲作戦が台無しになっちゃじゃないか!」
どうやら、この子供が妹のクリスティアーネのようだ。そして、あの包囲網を作ったのはコイツのようだな。
「無駄に被害が出るからだ」
「連中を根絶やしにするつもりだったんだよ!」
「そう怒るな。ナハトが連れて帰って来た魔人を見ただろう。理由は有るんだろうな?」
「魔人の戦闘能力の高さは皆が知っているだろ? 奴隷化に成功したんだ。だったら、殺さずに戦力にした方が得だと思った。それだけだよ」
「それだよ。馬鹿にいはなんでそんな術式を持ってるの? ていうか、何時開発したんだよ?」
「決まっているだろ? 女を奴隷にして玩具にする為だ。前々からちまちま弄っていたんだよ」
「うわぁ…………最低…………流石、馬鹿にい」
俺もそう思うな。
『そうね。でも、実際は私が開発したんだけどね。まあ、誰にも教えるつもりも、解析させるつもりも無いけどね。アンタも他人に渡すんじゃないわよ』
わかってるよ。
「でも、それ頂戴! 調べてみたい!」
好奇心に任せて、そわそわと落ち着き無く聞いてくるティア。
「い・や・だ」
「っ!? ヤダヤダヤダ、教えて!!」
「そうだな…………お前が俺の奴隷になるなら良いぞ」
「絶対ヤだね!」
しかし、駄々っ子だな。軍師としての才能があるみたいだが。
「まあ、殺せと言って来ているのは聖術教会の連中だから、戦力になるなら構わんか。各国の動向も怪しい…………ナハト、お前に与える領地だが、どこがいいか、ここから選べ」
渡された資料を見ながら、ナハトの知識と照らし合わせると、どこも危険地帯だとわかる。
「じゃあ、このニブルヘイム地方に決めた」
「ほう…………」
ニブルヘイム地方は昔、氷の魔物が支配していた土地で、今なお魔物が多く。ダンジョンも有る。現在は氷が溶けて氷海が普通の海となっており、気温も問題無い上に、周りは山や森に囲まれていて、かなりいい土地では有るみたいだ。ただし、魔物は魔法を使って来る。そう、人間が解析して作った魔術なんかよりも生易しく無い物をだ。だからこそ、生半可な連中では住んでいられないし、統治出来ない。
「ここの魔物が脅威なのは魔法が有るからだろ?」
「そうだねーー」
「魔人なら関係無いか」
「まあ、量次第だから、武器や道具は持ってかないといけないけどな」
「ふむ…………」
「パパ、良いんじゃない? あそこがまともに使えるようになったら、貿易もしやすくなるよ。港が出来るだけでも、全然違うよ。輸送費が3割も減らせるよ」
「そうだな。良いだろう…………ニブルヘイムをお前に任せる。支度金を用意してやるから、それで整えろ」
そう言って、大量の金貨が入った袋を渡して来た。
「それじゃあ、私は部屋に戻って寝てくる」
アリスディアは部屋から出て行く。そして、直ぐに部屋の中を調べた。
「どう見る?」
「あれは馬鹿にいじゃないと思う。でも、馬鹿にいでも有るみたいなんだよね。どうするの?」
「ああ、そうだな。しかし、魔人共の影響か操られているかは知らんが、使える物は使う。それが我が一族のしきたりだ。我が一族の利益になるなら構わんさ」
「そっかぁー。パパが言うならそれでいいや。でも、気を付けておかないと、寝首を掻かれそうだけどね」
「なら、お前が警戒していろ」
「えー面倒だなーーでも、いっか。やっておくね」
バレてるぞ。
『この場で殺す事も考えたけど、必要なさそうね。あっちが利用するなら、こっちも利用させて貰いましょう。それに、いざとなれば言ったように、あの女も奴隷にすればいいわ。その手の技術は私の方が上よ』
俺達はそんな会話をしながら部屋を離れて、自室へと向かった。
広い大きな部屋には同じく巨大なベットが有り、そこにイリスとイリヤが裸で縛られて寝かされていた。他にも、箱詰めされた女達も置かれて居る。
「さてと…………」
アリスディアはそのままベットに入って、イリスとイリヤの綺麗になった身体を舐めだした。
『監視がいるわね。二人共、ちょっと我慢していなさい。あっちに着いたらどうにかしてあげるわ』
『わかりました』
『はい、問題有りません。でも、出来たらお父様主体でして欲しいです』
『そうですね。それも早く慣れないといけませんから』
銀色の長いサラサラの髪の毛を撫でる感触や肌のなめらかな感触が伝わって来る。
『ほら、こう言っているんだから、アンタがしなさい。それと、とっとと孕ませた方が強くなるわ。サトリは人間相手には使えるでしょうけど、魔物に対する戦闘能力は低いんだからね』
『二人は良いのか?』
『『はい。構いません』』
『元々、私達はお父様の妻になるつもりでしたから』
『お母様にはそのように育てられました。それに…………』
二人の真紅の4つの瞳が見詰めて来る。
『『強くなりたいです。私達からお母様を奪った奴らに復讐出来る力が得られるなら、なんだってします』』
『お父様もそうですよね?』
『だから、私達を思う存分に犯して孕ませてください』
昔のような純粋な穢れない瞳では無く、悪意や絶望を体験した濁った瞳で決意を表明する二人。
『二人は前と同じじゃないわよ。この子達はアレを体験した誰よりも狂っている。それは仕方無い事よ。サトリの力を使って戦っているのだから、相手の感情や意思が流れ込んで来るのよ。相手は自分達の存在を完全に否定して、殺そうとしてくるのだから、子供が狂うには十分ね。それに、私が数百年間も溜め込んだ物も垣間見ているからね。でも、後悔はしていないわよ。やっと復讐と反撃の機会が手に入るのだから』
『『はい。お母様の敵を討たせてください。その為になら、私達の全てをお父様に差し上げます。一緒に進みましょう。お母様もそれを望んでいます』』
共に進む事は望んでいるだろうな。それが復讐という事は望んでいないかも知れないが。
『わかった。イーナの敵を討ちたいのは俺よりも二人が適任だな。下手かも知れないが勘弁してくれよ』
『『はい』』
俺は自分の意思で、イリスとイリヤに口付けを行い、舌を絡めて行く。すると、イリスとイリヤも答えてくれる。それと同時に二人から力強い物が流れ込んで来る。
『それが身体を維持するのに必要な物よ。じゃあ、私はそこの4人を説得して来るわ。アンタは頑張って孕ませなさい。この6人で、肢体再生系統の力を引き当てなくちゃいけないんだからね! 多少は手伝ってあげるから、三人共、それをイメージして頑張りなさい!』
『『『はい(ああ)』』』
それから、俺は二人の娘と交わって行った。その後、他の4人共したが、どうにか1人だけ肉体再生を手に入れたれた。イリスとイリヤはサトリが基礎で、シンクロと肉体強化を得た。肉体強化はそのまま身体を強化する力だ。シンクロは一緒に行動をする場合、統一させ易くなったり、他人の力を共有出来るようになる力みたいだ。共有の方は親しくならないといけないみたいで、現状は俺とイリスとイリヤだけの間だ。なので、4人の内の1人と仲良くならねばならない。
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