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紫天の主は管理局の少将

作者:メア
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たぬきがやって来た





シュテル



 ヴェロッサさんが訪れてから数日。今もご主人様は仕事をしています。それもそのはずで、ご主人様のお仕事は多岐にわたりますから。口は悪いですが、仕事は正確です。私達の事も大切にしてくれますので問題は特に有りません。最初は持て余す性衝動で非道いめに合わされましたが、それも消滅しかけだった私達を助けてくれたのですから、身体で払ったと思えば問題有りませんし。何より、私達を砕け得ぬ闇から助けてもらいましたからね。ああ、でも機会が無くてオリジナルと戦えなかったのは残念です。私達はご主人様の関係上、直ぐにミッドチルダへ移されましたし。

「あ~眠い~~」

そう言いながらもしっかりとお仕事をしています。見た目は高い高級な椅子に座る子供ですけど。

「くそ…………イメージフィードバックシステム(Image Feedback System、略してIFS)でも有れば楽なのに…………まてよ…………無ければ作ればいいんだ。どっかにそんな事ができそうな科学者は…………ジェイル・スカリエッティ?」

「次元犯罪者ですね。捕まりますよ」

「…………ちょっと演算してみよう」

そう言って、ご主人様は目を瞑りました。そして、直ぐに

「本局第四技術部主任マリエル・アテンザ。シュテル、彼女に連絡を取って今から書く設計図の物を作ってもらってくれ。お金に糸目はつけない。正式な仕事としても扱うようにしておく」

「分かりました。午後から来客予定が有りますが、お一人で大丈夫ですか?」

「大丈夫だ。今日はもう上がって良いよ」

「分かりました。お食事はどうなさいますか?」

「ん~~取りあえず、栄養カプセル?」

「駄目です」

「ちっ。じゃあ、後でお弁当にでもして持ってきて」

「分かりました。お風呂も用意しておきますね」

「頼む。はい、設計図。飛行許可はとってある」

「確かに受け取りました。では、これから行ってきます」

「気を付けてな」

「はい」

私は設計図を受け取って、本局第四技術部へと向かい設計図を渡した。






 シュテルが出て行ってから、しばらく仕事を続けていると執務室の扉が叩かれた。

「誰だ」

『僕だよ、僕』

「僕僕詐欺は結構だ。帰れ」

緑の髪の毛をした男と茶色い髪の毛をした女性。

『ちょっ、待ってっ!!』

取りあえず、鍵は開けてやる。

『あっ、空いてるみたいやで?』

『ホントだ。それじゃあ、僕は仕事が有るからこれで。こっちがお土産ね』

『ありがとうや。それじゃ、またね』

それから少しして、扉が開いた。

「若っ!!」

「何の用だ? こっちは忙しいんだが…………」

「あっ、うちは八神はやてって言います。この度は機動六課土は設立書類をお持ちしました」

「ああ、言ってた奴か。書類は?」

「こちらです」

渡された書類に不備は無い。総部隊長、及びロングアーチの指揮官が八神はやて。スターズ分隊隊長高町なのは。スターズ分隊副隊長ヴィータ。ライトニング分隊隊長フェイト・T・ハラオウン。ライトニング分隊副隊長シグナム。ランクは全員オーバーSか。

「これだけの人員を使うなら能力限定のリミッターがいるが、良いのか?」

「それでお願いします」

「たっく、面倒ばかりふやしやがって…………」

「すいません。でも、必要な事なんです」

「こっちから言える事は一つだ。俺の仕事を増やす…………無理だな。よし、やっぱり却下だ」

「ちょっ、待ってくださいっ!! 後見人にリンディ・ハラオウン、クロノ・ハラオウン、カリム・グラシアだっているでしょ!!」

「知らん。どれだけの量の仕事が増えると思ってんだ…………しかも、エース・オブ・エースまで投入するんだぞ。代わりの戦技教導菅の手配もしなきゃならんし…………」

手を動かしながら次々とデータを処理して、各部へと送信する。

「しかし!! 後手後手に回って被害が増えてるんやでっ!!!!」

「あの火災か…………あれはレリックが関わってるな。首謀者は次元犯罪者のジェイル・スカリエッティだな」

「なんで知っとんねんっ!!」

「それは解析したからな。俺の仕事でも有るからな。まだどこにもデータを流していないが」

「それなら、ジェイル・スカリエッティの調査及び逮捕をうちが作る機動六課でさせてくださいっ!!」

「出来るのか?」

「やって見せます!!」

「俺の貴重な時間を潰す対価は?」

「そやな…………賄賂は無理やから…………」

しかし、見たことがある顔だ。ああっ、ディアーチェのオリジナルか。待てよ、シュテルもレヴィも戦いたいとか言ってたな。アイツ等はランク持ってないし…………問題無いか。

「うっ、うちの身体で…………」

「それでいいや。身体で払え」

「え? 冗談やったんやけど…………」

「お前だけじゃない。フェイト・T・ハラオウン、高町なのはも一緒だ」

「それは絶対にお断りします!!」

「何を想像してるかわかるが、俺の条件は俺が用意する者とお前達の全力の戦闘だ」

ニヤニヤしながら、はやてを見る。

「わざとかっ!! 絶対わざとやろっ!!」

「ああ、わざとだ」

「くっ…………まあ、その条件やったらええ」

「まだあるぞ。一つ目は機動六課の監視としてこちらから監視員を送る。これは保有出来る魔導師ランクの総計規模から除外しておく。後は、俺の仕事を手伝え」

「いや、前のは問題無いんですが…………最後のはちょっと遠慮したいんですが…………」

「ヴェロッサには言っておいたぞ。俺の仕事を手伝わせると」

「なっ!? それでかっ!! 三日ほど空けとけと言われたんわっ!!」

「そういう事だ。どうする? 聖騎士様のプロフェーティン・シュリフテンによる詩文の解析結果が全て『いずれ起こりうるであろう陸士部隊の全滅と管理局システムの崩壊』と出てるんだろ? 俺はどっちでも構わないぞ。いっそ潰れてくれた方が俺は自由になれるからな」

「どこまで知ってんねん…………わかった。やったるわっ!!」

「よぉ~し、言ったな。何、安心しろ。お前が担当するのはたったの9900テラバイトの書類だ」

「ちょっ!? シャレになってへんで…………」

「あっ、一応休暇扱いになるからな。金はでん」

「鬼や…………悪魔や…………」

「ほら、さっさと仕事しろ」

「くっ、これも機動六課の…………夢の為や…………やったるで私っ!!」

さて、少しは楽になったがまだまだやる事は有る。愛しい妻たちの為にも頑張って海水浴の時間を作らんとな。






 
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