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紫天の主は管理局の少将

作者:メア
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海底遺跡





 海底へと自らの周りに結界を張って潜る俺達の前には巨大な古代遺跡が鎮座している。

「どうしますか?」

「ちょっと、待ってろ」

膨大な演算能力を使って構造から術式までを解析して行く。俺は無限書庫の資料のほとんどを暗記しているので問題は無い。

「おやおや…………これは当たりだな」

「? どうしましたか?」

「何でも無い。防衛に使われている魔法の解析を終了した。これより内部に突入する」

「「了解」」

俺は二人の手を掴んで転送魔法を発動し、遺跡の内部へと入り込んだ。


 遺跡の内部は空気が有るので、問題はない。

「かび臭いですね」

「フェイトは古代遺跡に入った事は?」

「古代遺跡を違法研究所に改造した場所ならなんどか有ります…………」

「なら、無理もねえか。今回は俺と少将の言う事を悪いが聞いてくれ。ぶっちゃけ、責任は少将に行くだろうが」

「おい。いや、待て…………責任取って謹慎処分…………合法な休み…………良いな。よし、フェイト。責任は取ってやるから、突き進め!」

「駄目に決まってます!! 絶対に先になんて行きませんから」

くっ、部下に裏切られるとは…………ちっ、真面目に攻略するか。

「いやはや、面白いですね。あっ、少将…………ここはAMFって有ります?」

「バリバリに」

「AMFですか…………私は対策が取れて無いんですよね…………」

フェイトが不安そうに自分のデバイスを見る。

「ティーダ、お前は大丈夫なんだな?」

「俺は弾頭を外郭で覆いますんで、問題有りませんよ」

「AAのスキルだったか。わかった。では、フェイト・T・ハラオウン執務官。武器を一つ貸し与えるが、これは機密事項に抵触する装備…………ロストロギアだ。扱いには注意…………しなくても良いが、必ず返却するように」

「はっ、はい!」

俺は鍵剣を使ってアクセスし、大剣を取り出す。この剣はバルムンク。バルムンクは幅広の刀身を持つ大剣で、黄金の柄には青い宝玉が埋め込まれ、鞘は金色の打紐で巻き上げられている。刀身自体は真っ黒で完全に魔剣だ。

「凄く危険そうなんですが…………」

「安心しろ。乗っ取られたりは…………しない。多分」

「たっ、多分って!? 多分ていったよね!!」

「落ち着け。大丈夫だから。少将におちょくられてるだけだって」

ティーダがフェイトの肩を掴んで説得している。俺はその横でフェイトからバルディッシュを奪い取って、青い宝玉にバルディッシュを叩き込んで最適化させる。

「ほっ、本当ですか…………?」

「あっ、ああ」

涙目のフェイトは結構可愛いよな。

「はい、調整終了。ほら」

「バルディッシュ…………大丈夫?」

『イエッサー。ノープロブレム』

「うん…………」

フェイトはバルムンクを三四回振って、感触を確かめた。

「どうだ?」

「やっぱり、ちょっと重いですが、魔法で身体能力を強化してますので大丈夫そうです」

フェイトは身体を帯電させながら、現状を報告して来る。電気信号を早めたりしてるのかな?
いや、おそらく魔法だろう。理論なんてしらん。ほぼ、オリジナルが多いしな。

「あっ、カードリッジシステムって使え…………るみたいだね」

バルムンクも宝玉の所にカードリッジができていた。

「さて、進むぞ」

「はい」

「じゃあ、罠と策定をお願いします」

こうして、俺達は海底遺跡の探索に乗り出した。





 探索は非常に順調だ。ダンジョンアタックだろうが、なんだろうが、大量のサーチャーと未来を予測できる程の膨大な演算能力をフルに使えば罠の位置も仕掛けも余裕でわかる。

「フェイト、あそこの石像にかけてある飾りを取ってくれれ」

「あの十字架ですか?」

「ああ」

「わかりました」

大聖堂のような場所で女神の首にかかっているロザリオを取って来て貰う。ついでに動き出した仕掛け…………ゴーレムを切断してもらうが、宝具使ってるだけあって、余裕でバターみたいに切断して行くフェイト。

「よっと」

フェイトが切断した物をティーダが狙撃して的確に核を破壊する。基本、こんなパターンと敵が大量に来た時のパターンで大丈夫だ。ちなみに、敵が大量の時はティーダの仕事だ。

「あはははははは」

ティーダはアヴェンジャーというガトリングガンを取り出して魔法弾を連射しやがるのだ。それで一掃するのでフェイトは俺の護衛だ。

「少将、魔力がやばいです」

「ほら、飲め」

俺は杯からひと匙だけスプーンで液体を取って、ティーダに飲ませる。

「フェイトも大丈夫か?」

「はい。私はさっきもらいましたので」

「ならよし」

俺が飲ましてるのは聖杯だ。つまり、高純度の魔力回復液。あいにく俺の魔力はDランク。魔力貯蔵にも限界が有るので聖杯なんて意味が無い。飲んだら魔力暴発を起こして死にかねない。利用方法は考えているが、現状ではどうしようもない。結局、俺は他人に頼るしか無い存在だ。だからこそ、サポーターとして徹するんだがな。

「さて、ここが最後の部屋だ」

「隠し部屋の隠し部屋って…………厳重すぎるでしょ…………」

「しかも、墓地とは…………」

「そりゃ、眠ってるのは冥府の炎王だぞ」

「「え?」」

「古代ベルカの王の一人。生体戦略級虐殺兵器“冥府の炎王”イクスヴェリア。それがこの遺跡に眠っている存在だ」

「少将…………マジですか?」

「えっと…………」

「大マジだ」

俺はさっさと扉を正規の手順で開けて行く。もちろん、扉は魔法でロックされているが、こちとらベルカの正式後継者でも有るんだ。楽勝!
ヒントは遺跡にいっぱいあったしな。

「ちょっ、待ってください!!」

「報告しなきゃ…………」

「報告は禁止だ」

「え?」

「先ずはこれを見ろ」

その部屋はまさに研究所。生体ポットには小さな女の子が入っている。機器を見てみるが古代ベルカ語で全て問題無しと書かれている。

「さて、お前らに言う事が有る。俺はこの子を目覚めさせて手に入れる。これは本来なら管理局法に抵触する。しかし、このまま報告すればどうなるかわかるよな?」

「完全に消滅させるか、実験サンプルとして確保され、研究されるでしょうね」

「うん。そうじゃなくても封印…………いえ、本当に冥府の炎王なら宇宙空間に出した後、アルカンシェルで消滅させるのが上の決定になりそうかな?」

「正解だ。普通の道具なら封印で構わない。だが、それが意思を持つなら話しは別だ。いつ封印を自力で解除して起きるかも知れない危険物を放置など出来ないだろう」

「でも…………殺すのなんて可哀想だよ…………」

フェイトが思いつめた表情でうなだれる。確か、彼女はプロジェクトF.A.T.Eで生まれたんだったな。

「フェイト、大丈夫だ。少将は起こすっていったんだ。つまり、コントロールする方法があるんですよね?」

「ほんとう…………ですか?」

「ああ。正規の手段で起こして、俺自身を操主…………マスターとして登録する。これで俺の命令を聞く事になる。だから、物扱いして俺が持ってても問題無くせる。後はうちにいるのと一緒で、常識を教えた後は俺の個人戦力とすればいい。戸籍などはのちのちの調整次第だが…………まあ、なんとかしよう。もう、四人養ってるんだ。今更一人増えても構わん」

「分かりました…………それじゃあ、お願いします。私は何も見ていません」

「同じく我々は何も見ていません。よって二人で外におり、警備しております」

「うむ。それで頼む」

「「はっ!」」

敬礼する二人を見送って、ロザリオにここの入口に隠されていた宝玉を十字の真ん中に設置して完成させる。そして、指を噛んで血を出す。その血を宝玉にとロザリオをに付けて、生体ポットに繋がっている機械にを起動して、投入口に入れる。

「身体能力は低いな…………本人に戦闘能力は無しか…………」

機械を操作して、イクスヴェリアのデータを読んでいく。

「全然駄目だな。何個か宝具を叩き込むか…………冥府の炎王ってぐらいだから火の宝具が良いか」

俺が選んだのはどれも危険な宝具。獄炎秘めし災厄の矢(アグネア)、天より下されし判決の炎(ソドム・ゴモラ) 、燦然たる陽光(ガラティン)だ。これぐらい強化すれば問題無いだろう。後はコアとかだが…………戦闘機人を作ったら怒られるんだよな…………まてよ、人形ならいいんだよな。

「じゃあ、コレだ」

本人と寸分違わぬ人形を作り出す宝具。蒼の人形。これを取り込ませてマリアージュを生成できるようにしよう。よし、完成。宝具の改造も問題無いし、マスター登録も終わった。なので、生体ポットから出して宝具を叩き込んで融合させる。

「起きろ、イクスヴェリア」

「ん…………ここは…………」

「遺跡だ」

「貴方が新しい操主様ですか?」

「そうだ。身体に異常は無いか?」

「有りません。前より格段に力が増えています…………」

うついむいて返事をするイクスヴェリア。

「なら、これを着ておけ」

宝具である法衣を着せてやる。裸だったからな。さて、ついでに機材を貰って行こう。というわけで、王の財宝に全部仕舞った。

「さて、付いてこい」

「はい…………」

外に出ると二人が待っていた。

「これより脱出するが、この部屋を破壊しろ」

「了解」

「はい」

二人に危険そうな場所を破壊してもらって、俺達は外へと出た。その後、色々と面倒な事をさっさと終わらせて、二人に金を渡した後、イクスヴェリアを連れて帰宅した。連絡したらキャロは眠ってしまったので既に送り届けたそうだ。

「さて、新しい子だ。この子はイクスヴェリア、仲良くしろよ」

「は~い。ボクはレヴィって言うんだ、よろしくね」

「はい」

「我はディアーチェだ。こっちがユーリで、こっちがシュテル」

「よろしくお願いします」

「よろしくお願いしますね」

全員、自己紹介を終えたら、ご飯を食べて遊びだした。終始、イクスヴェリアは混乱していたが、大丈夫だろう。






 
 

 
後書き
みんなでかんがえるサーヴァント @ ウィキ - 宝具ステータス一覧より、一部いただきました。感謝です。
それと問題児たちが異世界から来るそうですよ?
の二次創作。異世界から戦女神の神殺しがやって来たようですよ?もお願いします。無限の赤龍帝も 
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