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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

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【第267話】

――第三アリーナ中央――


 昼間に着ていたISスーツとは別のスーツを着用し、現在アリーナ中央に俺はいた。

 違うと言っても、同デザインなだけで、カラーが違うだけなのだが。

 流石に昼間の懲罰で汗をかきすぎたため、帰ったら速攻で洗濯しなければいけない。

 因みに、いつも使用してるISスーツのカラーは黒を基調とし、所々に赤のラインが入った仕様で、美冬も同デザイン。

 F.L.A.G.カスタムモデルというらしいが――何でも、財団が保有してる車のカラーが黒と赤らしく、それでこのカラーがメインに。

 好きな色だから良いんだが――と、今の色は正反対の真っ白なISスーツだ。

 何気に此方は、未来と同じスーツカラーで、着るとペアみたいになってしまう。

 ――と、そんな考えをしてる俺の所に、準備を終えた四人がやって来た。


「わ、わりぃヒルト。 待たせちまったな」


 開口一番、待たせた事に対して謝る理央。

 ラファール・リヴァイヴを纏っていて、既に模擬戦準備が万端に思えた。

 そして――理央の後ろからひょこっと顔を出したのは宇崎だった。


「おー。 有坂ならそんな小さな事は気にしない~」


 間延びし、ふわふわとした声がアリーナに響き渡る。

 何だかんだでニコニコ笑顔で言う宇崎に、何故か癒し効果があるように思えた。


「ご、ごめんね有坂くん。 思った以上に書く書類が多くて……」


 頭を下げて謝る鷹月さんは、その身に打鉄を纏っていた。

 ……何気にやっぱり可愛いよな、鷹月さん。

 そんな事を考えてるとは思わず、鷹月さんは頭に疑問符を浮かべて顔を傾げていた。


「やっほ~。 ひーくん、待たせてごめんねぇ~」


 三人から遅れつつ、遅い速度でやって来たのは一組マスコットキャラとの噂される布仏本音ことのほほんさん。

 相変わらずの巨乳っぷりに、流石に目が移りそうになるもののそこは我慢して軽く咳払いをするだけにとどめた。


「こほん。 ……いやいや、別に待ってないから大丈夫だぜ? ……機体は二機だけか?」


 宇崎とのほほんさんは、ISスーツを身に纏っていただけで理央はラファール・リヴァイヴを、鷹月さんは打鉄を纏っている。


「んと、グループで機体を借りたから……それを四人で乗り回して訓練するって事になったの。 学園のIS所有数って少ないでしょ?」


 そう鷹月さんが説明する辺り、流石はクラスのしっかり者といった印象を受けた。


「……やっぱり絶対数が少ないよな、IS。 せめてコアを媒体にしたシュミレートマシンがあれば良いんだが……」


 無いものを言っても仕方がないものの、現状の格差は広がるばかり。

 これだと専用機持ちの代表候補生だけが有利な状態だろう。

 ……学園側で何か手を打たないのだろうか?

 難しい表情をしていたらしく、宇崎が――。


「うー。 有坂ー、難しい顔するなーっ」


 そう言って俺の両頬を思いっきり引っ張る宇崎。


「ふぁっ!? な、何だよ突然!!」

「難しい顔してたからだー。 とりあえずオムライス食べなー」


 オムライス等この場に無いのに、何故か食べろと薦められ、思わず微笑を溢す。


「……ははっ、何だよそれ? ……まあ難しい顔してても仕方ないもんな」


 そう言ってニッと笑顔で皆に応えると俺は――。


「んじゃ、まずは誰から模擬戦やる?」

「あ、まずは私からで。 有坂くん、お手合わせお願いします」


 先に手を上げたのは何と鷹月さんだった。

 性格からすると、最後かと思ったが――。


「んじゃ、鷹月さんからね。 試合時間は最大三十分で」

「えぇ。 じゃあ、よろしくお願いします」


 折り目正しく、ぺこりと頭を下げる鷹月さんに倣って俺も同様に頭を下げる。

 その間に理央、宇崎、のほほんさんとアリーナ観客席に移動して周りには見学の子がちらほらと客席に見えるだけだった。

 そういえば――何気に専用機持たない子とやるのって大会以来だな。

 ……だからといって、油断や慢心すればやられる。

 何故ならここに居るのは一万倍の倍率から勝ち残った強者なのだから……。 
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